名称未設定さんのレビュー一覧
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現在のギンコとなる切欠のお話
「残り紅」や「風巻立つ」・「壷天の星」など心に残るお話ばかりなのですが(「風巻立つ」でのギンコと化野のやり取りが面白いw)やはり一番は『草の茵』です。
このお話では『ギンコが“現在のギンコ”の考え方になるまで』の切っ掛けを描いた物語です。
これは最終話『鈴の雫』にも関連してくるエピソードなので、この頃のギンコが自分をどう思っていたか、お話の中で出会ったある蟲師からの言葉や『理』とのやり取り、全てが最終話の“ギンコの言葉”に繋がっていくので見逃せません!
10巻最終話と見比べてギンコの心の内などを色々と考察するのに夢中にさせてくれる一篇です。 -
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『魅せ』られる!
生と死の間に在る奇妙で奇怪な存在であるモノ───『蟲』。
このお話はその“者”とも“物”ともつかぬ曖昧なモノたちが引き起こす不思議な現象を解明し、対処法を究明してきた『蟲師』を生業とする主人公・ギンコが旅路の最中で出会うその土地に住む蟲と人々との群像劇です。
『蟲』が原因とされる怪奇現象としては昔の日本の所謂『俗信』に似ている所があり、そういうものらをこのお話ではうまく『蟲が引き起こす現象』として結び付け、主人公たち『蟲師』が「人智を超えた特殊な能力」で解決していくのではなくもっと現実的で具体的な対処法を講じていく様がとてもよく設定が練られている事が窺えそこがこの作品の大きな魅力の一つ...続きを読む -
面白い!
京極堂が古本屋店主になる前、教師をしていた頃のお話と訊いて正直「原作者がどのくらいお話に関わっているのか」「さほど関わっていないなら読まなくてもいいかも…」とその事が気になって読むかどうか迷っていたのですが、志水先生のキャラデザは気に入っていたので読んでみたら予想以上に面白い!
基本的に中禅寺の教え子の女生徒の身の回りで起きる不可思議な現象などを中禅寺先生に相談するという構図で、原作小説本編のように重く陰鬱なストーリーではなく全体的にもっと軽いノリで読めるので一気に3巻まで読んでしまいました。
本来ならここでは1巻の感想を書くべきなのでしょうが敢えて本編内容には触れず、『百鬼夜行シ...続きを読む