【感想・ネタバレ】蟲師(9)のレビュー

見慣れた動植物とはまるで違う、生命の原生体に近いもの。
「蟲」と呼ばれる異形のものは、形や存在があいまいで、誰にでも見えるものではない。
そして、時に「蟲」は、ヒトと…ヒトの営みに作用する。
これは「蟲」とヒト、そしてその間に立つ者「蟲師」のお話です。

雪夜に耳を病む者が出る村(1巻)、生き神のいる島(3巻)、
天の糸を掴んで姿を消した妻(6巻)、死が伝染する里(8巻)など
数々の奇妙な現象、様々な特質を持った「蟲」と人々の様子が描かれます。
また、作品内の時代設定ははっきりとはしません。
登場人物のほとんどが和装に身を包むものの、主人公である「蟲師」のギンコは洋装です。
産業革命による機械文明とは無縁に、農業や漁業に従事する村里が広がっています。
定かではない時代設定において、摩訶不思議な「蟲」や人々の生き死にを描く『蟲師』という作品は、
どこでもない、あるいは彼岸でもあり此岸でもあるような、あいまいな世界の感覚をもたらします。
それと同時に、作品全体を取り巻く静けさ、妖しさに心惹かれてしまうのです。

幽霊や妖怪といった異形異類の存在を語る怪談や伝承に惹かれる方は、ぜひ読んでみてください。
民俗的で、幻想的な魅力漂う作品です。

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購入済み

現在のギンコとなる切欠のお話

Na2
2021年07月03日

「残り紅」や「風巻立つ」・「壷天の星」など心に残るお話ばかりなのですが(「風巻立つ」でのギンコと化野のやり取りが面白いw)やはり一番は『草の茵』です。

このお話では『ギンコが“現在のギンコ”の考え方になるまで』の切っ掛けを描いた物語です。
これは最終話『鈴の雫』にも関連してくるエピソードなの...続きを読むで、この頃のギンコが自分をどう思っていたか、お話の中で出会ったある蟲師からの言葉や『理』とのやり取り、全てが最終話の“ギンコの言葉”に繋がっていくので見逃せません!

10巻最終話と見比べてギンコの心の内などを色々と考察するのに夢中にさせてくれる一篇です。

#泣ける #切ない #深い

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Posted by ブクログ 2016年10月18日

親子の話が多かった。子どもとはぐれてしまうって、今となってはこの上ない恐怖だなあ。最後、ギンコの過去の話は重かった。過ちを犯して、許されて、生かされていくんだなあ。

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購入済み

水碧む

air
2015年07月08日

あまり派手な作品ではないけど後々まで心に残ります。切ない終わり方だけど身近な人を亡くしてしまったときには痛みに寄り添うような作品です。

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

ヒトも主に選ばれるのか、そしてその悲しき宿命。ギンコと同じく、主がヒトであることは嬉しい・・・ですよね。だって自然の理の中にあるということだから。

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

10巻で降幕。最後のエピソードが自然と蟲と人間とのツナガリ(共生)を感じさせてくれる。ちょっとモヤモヤが残るけど、これくらい疑問と余韻が残るくらいがいいのかも。

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

蟲師シリーズ全般大好きです。
和の雰囲気を纏う作品の中で、一番受け入れやすい部類。
おどろおどろしくもなく、軽くもなく、空気のようで心地よいです。
蟲が化け物としてではなく、人間と同等に「生き物」として扱われている
ところが、この作品の大きな魅力になっていると思います。

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

なんともいえない世界観。
時代や場所は曖昧なのに、妙にノスタルジックで・・・。
アニメがまたびっくりするほど原作に忠実ですごいんですよ。

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

ギンコが好きすぎて仕方ない。表紙が和紙使用で色が綺麗。1巻と新刊では絵が違うのですが今のほうが素敵です。

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

ついに蟲師も9巻ですねぇー。
ギンコの少年時代が描かれていたのはちょっと意外でした。
好きなのは「水碧む」でギンコが「おじさん」って呼ばれたときの表情とかですかね><
アニメ見てから、本を読んでてもあの声が蘇ってきてウハウハです♪

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Posted by ブクログ 2009年10月10日

蟲師・ギンコが出会う村の人々は、
いつもどこかせつなげで胸がきゅっとする。
そんなはかなくも美しい人と蟲たちの物語。
全10巻で絶賛発売中。

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

この方の色遣いにはしばし息を止めて見入ってしまいます。確かにこんな世界があるんだって思いながら読み入りました。

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Posted by ブクログ 2014年02月23日

ずっと買うのサボってたけど古本で見つけたので購入。
蟲師はどの話も読んでるとじんとくるものがあって落ち着く

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Posted by ブクログ 2009年10月20日

ファンでありながら、出ていたことを知らなかった・・・。やっと、購入。
やっぱり、どっぷりはまってしまう。

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Posted by ブクログ 2011年09月12日

ずーっと気になりつつも、読んでなかったのだけど、CREAの読書特集で、宮部みゆきさんが、「短編小説のようだ」とお勧めしてたのを見て、大人買い。懐かしくて、きれいで怖くて悲しい物語たち。おすすめです。地味だけど。あと、虫なんかが苦手な人は気持ち悪いのかもしれないなあ。これを読んだ後で夕暮れ時歩いてたら...続きを読む、蟲がその辺を飛んでるのが見えそうな気がした。怖いな・・・

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

この世界感が好きですね。
淡幽の足の蟲は、いつ封印されるのか・・。

てか蟲復活しそうだし。

ギンコと探幽が個人的には好きです。

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Posted by ブクログ 2009年10月07日

08/03現在最新刊。相変わらず満足の1冊。怖いのが苦手なので、一時のホラーっぽさが少しだけなくなってほっとしています。最初の頃のふんわり幸せというテイストでもないけど。

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Posted by ブクログ 2011年09月07日

 かつての日本のような光景に、蟲が引き起こす怪奇幻想譚がとてもよく似合う。一作品読み終える度に、作品の幻想的な美しさと泣きたくなるようなやるせなさ物悲しさとに胸が締め付けられるかのように痛んだ。蟲を介してギンコが、人々の胸の奥にこっそり秘めた思いを浮き彫りにするからだろうか。 収録された5編のうち印...続きを読む象に残ったのは人も蟲も自然の一部なのだと痛感させられる「水碧む」、闇に浮かぶはかない光の美しさが心に沁みる「壷天の星」、そして「たそがれ時」に捕らわれた者と残された者と。それぞれの思いに心打たれる「残り紅」など。

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Posted by ブクログ 2010年04月11日

“「――どうやら ヒトの子では あるようだな 緑の目玉に 白い髪
お前の噂は 聞いてるぞ “蟲を寄せる 体質を持ち 歩く地に 災いをもたらす 異形の子”
何度か蟲師に 拾われたと 聞くが また 厄介払いでも されたか
――何故 蟲を 寄せるままに しておく ひとつ所に 留まらなければ 災いは防げる ...続きを読むだろうに」
「……食ってく ためだ 俺が蟲を寄せて 蟲師が治す
……それが時々 手に負えねぇ 事になる」
「…… お前を拾ったのは そういう輩ばかり ……ってわけか」”

「残り紅」
珍しく老人のお話。切ない。
「風巻立つ」
「壷天の星」
帰ってこれて良かった。
「水碧む」
これも、切ない。
「草の茵」
ギンコの昔の話。
ちょっと泣ける。

“「……だが… 忘れるな
この世に 居てはならない 場所など 誰にも無い
お前もだ 理に 戻る事を 許されたんだ
この世のすべてが お前の居るべき 場所なんだ」”

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

独特の世界観が大好きです。
アニメもみましたが、クオリティの高さに感動しました。美しい〜♪
映像化された作品は沢山ありますが、いままで見てきた中で一番素晴らしかったです。

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

微生物・菌を媒介して妖怪がついている。つまり人の心の闇。
「みどりもの」とも呼ばれ、この世のあらゆる生命よりも命の源流に近いもの。「生」と「死」の間、「者」と「物」の間にいるもの。陰より生まれ、陽と陰の境をたむろするモノ共の事など

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