【感想・ネタバレ】蟲師(5)のレビュー

見慣れた動植物とはまるで違う、生命の原生体に近いもの。
「蟲」と呼ばれる異形のものは、形や存在があいまいで、誰にでも見えるものではない。
そして、時に「蟲」は、ヒトと…ヒトの営みに作用する。
これは「蟲」とヒト、そしてその間に立つ者「蟲師」のお話です。

雪夜に耳を病む者が出る村(1巻)、生き神のいる島(3巻)、
天の糸を掴んで姿を消した妻(6巻)、死が伝染する里(8巻)など
数々の奇妙な現象、様々な特質を持った「蟲」と人々の様子が描かれます。
また、作品内の時代設定ははっきりとはしません。
登場人物のほとんどが和装に身を包むものの、主人公である「蟲師」のギンコは洋装です。
産業革命による機械文明とは無縁に、農業や漁業に従事する村里が広がっています。
定かではない時代設定において、摩訶不思議な「蟲」や人々の生き死にを描く『蟲師』という作品は、
どこでもない、あるいは彼岸でもあり此岸でもあるような、あいまいな世界の感覚をもたらします。
それと同時に、作品全体を取り巻く静けさ、妖しさに心惹かれてしまうのです。

幽霊や妖怪といった異形異類の存在を語る怪談や伝承に惹かれる方は、ぜひ読んでみてください。
民俗的で、幻想的な魅力漂う作品です。

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感情タグBEST3

購入済み

深い

匿名 2023年10月13日

現実社会でも観察力が鋭くて、よく気が利く人がいるけど
見抜ける便利さもあれば、その分見えてしまって疲れるのではと思う。
蟲と記憶の話も良かったり、クローンだったり
土地との共生だったり、蟲を通して、現代社会について深く考えさせられる。
作者様凄い。

#切ない #感動する #深い

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購入済み

『蟲ピン』の使用例が観られる!

Na2
2021年07月02日

閉塞的な村(島)社会のその地の独特な風習などを見ると、現代人の価値観からしか物事を見られない自分としては少しゾッとする部分もありますがそこがまたこの作品の“異質”な雰囲気を生み出している要因になり、それがまた“魅力”に繋がっているのでしょう。

一巻で登場した「蟲ピン」ですが、今回実際にギンコが...続きを読む使用している姿が拝めます!格好良いです!!

『あとがき』の化野先生と野萩が可愛いので是非見て頂きたいです!w

#切ない #ドキドキハラハラ #深い

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Posted by ブクログ 2012年04月19日

最後の暁の蛇がすごく好き。
切なくて、でも、なんか綺麗で。
この漫画は読むと不思議な感覚になります。

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Posted by ブクログ 2010年02月13日

映画を観てから初めて手に取りました。
読めば読むほど泣けてきます。
作者の「むし」に対する愛情が深まっていくのを感じます。

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Posted by ブクログ 2009年12月08日

相変わらず自分の好みにどんぴしゃだなあ蟲師は…。読んでて、全てに惚れ惚れしますわホント。こんなにちまちまと、まとめ買いして読まないのは10巻までしかないからなんだなー。ずっと続いて欲しかった。

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

1巻 絵がうーんだったので
飛ばして5巻買いました

アニメで見た話でも蟲師だと普通に面白く感じられるから良い(^o^)
絵も上手くなってたので良かったです

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

沖つ宮(おきつみや)
眼福眼禍(がんぷくがんか)
山抱く衣(やまだくころも)
篝野行(かがりのこう)
暁の蛇(あかつきのへび)

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

日本であるのに場所が何処かわからない、懐かしさと、もの悲しさが作品全体を包んでいます。決してハッピーエンドではないのですが、人々が【蟲】と折り合いをつけ、生きていく姿に胸が熱くなります。不可思議なものを見聞きすることで『生命力・生きる力』を見いだす人間たちの間を、主人公の蟲師ギンコは針と糸のように行...続きを読むき来し、縫い上げていくのです・・・。
 現在、五巻まででていますが、続きものというより一話完結っぽいので、読みやすいです。眠れぬ夜におすすめの本。

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

悩み、苦しみながらも生きる人間達。
決して甘くはない、
それでもこの世に生を受けた事の嬉しさを
教えてくれる気がする。
雰囲気の変わった表紙にも注目の第5巻。

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

ギンコが主役のようでいて脇役なのがいいよね。出番は一番多いけれど、キーポイントではあるけれど、でも一話一話で見てみると視点が彼なだけであってお話を作っているのは他の人々なんだ。うん、なんか変なこと言った(笑)。

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

ギンコという蟲師・古き良き日本のような世界観・蟲達・たまらん世界です♪読みおわった後、あなたはこの世界に行ってみたくなるはず!

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

墓の中まで持って逝きたい一冊。
一つ一つのお話が、忘れてはならないものを、思い出させてくれるようです。

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Posted by ブクログ 2012年02月02日

盲目の女の人の話がよかった。見えすぎることは、見えないことと同じくらいつらい。生み直しの話とか、色々考えさせられる話が多かった。

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Posted by ブクログ 2009年10月07日

盲目から一転、千里眼を持つようになった娘の眼の最後「眼福眼禍」上京(?)した絵師の話「山抱く衣」が好き

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

すごいのは、変な蟲のインフレ状態にならないこと。きちんと人間のドラマと絡めて物語が進むところだとおもう。

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

ハッピーエンドではなく、アンハッピーエンドでもない。ただ、事実を事実として、坦々と日常を過ごす空気が良いです。
でも日常って、蟲のいる日常なんだけどね。

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Posted by ブクログ 2011年01月13日

沖つ宮・・・現代のクローン人間に通じる話。
眼福眼過・・・光の中だけで生きるのも怖い。全て見える(見通せる)のに何もできない動けないより、闇の中で何も見えないけど自由に動ける幸せ みたいなセリフ。確かに人生を隅々まで見通せてしまってどうにも変えることもできなかったら絶望してしまう。

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Posted by ブクログ 2010年07月28日

何年か前、深夜アニメで知りました。好みな所とそうでもない所がある作品で、最終巻までは読んでいません。もう手放したけど、今の心境でもう一度読み返したい気もします…淡い絵が綺麗。

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Posted by ブクログ 2010年04月11日

“『……くそ これは とても 敵わねぇ……
……このまま コイツに喰われれば 俺も 胚にまで 戻してくれるんだろうか
全てが始まる その前まで ……ああ そりゃあ
たいそう悪い 冗談だ』”

「沖つ宮」
この島はもうこのままで、そしてこの二人はこれからこのままで。
それが一番良いのだと思う。
「眼福...続きを読む眼禍」
視えすぎた瞳。
「山抱く衣」
「篝野行」
「暁の蛇」
最後は思わず泣いた。
少し切ない。

“「…… 何故 そんなに 助けたがる ……? その左眼を 失したせいか」
「千里眼なら 視えるだろ」
「あんたのは 子供の頃が 真っ暗で 視えない」
「…… ……俺の 一番 古い記憶は 十の頃 どこだか知らねぇ 真っ暗な所を 一人で歩いてる ってもんだ
何も 視えない 手探りで 歩き続けて いると そのうち 月が出た
真っ白い 偽物じみた その月が 沈んでも また昇って くるのは 月――
そんな所を 長いこと 歩いて ある時 ようやく 陽の昇る 所に出た
その陽の光の ありがたさは 今でも よく 覚えている
あんたは 永久に 光を失うのが 恐ろしくは ないのか」
「…… 恐ろしいよ でも 光しかない 世界も 恐ろしい
何もかも 視えちゃいるのに 何も動かせない 事と 闇の中でも 自由に生きられる 事……
どっちが 恵まれてると 思う……?
私は 闇の中で 光を思い出し ながら 生きていくのも 悪くはないと 思うんだ……」”

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Posted by ブクログ 2009年12月16日

「暁の蛇」
若年性アルツハイマーの原因の蟲に原因を求めた作品。
科学的になると京極夏彦の妖怪論と同じになっちゃうけど漆原氏はもっと心が動くところにフォーカスを当てて書いて、昔ながらの民話を書いてるような感じがするんだと感じます。

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

勿論全巻持ってますが代表してこちら。表紙が美しい。
2巻が発売された頃に、「なんだこのサンジ似の美形は!」と買いました。学友に見せて、ちょっとブームを呼ばせてみたり。
アニメも全部DVD買っちゃったぜ…。

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

見慣れた動植物とは違う「蟲」というものをテーマに描かれている漫画です。次々と新しい「蟲」がでてくるこの作品。第5巻では「山抱く衣」や「暁の蛇」などの5話。未来を見せる「蟲」や記憶を食べる「蟲」がでてきます。蟲とともに生き生活する事は難しいと感じる5巻です。

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

それぞれの蟲の習性が上手いよなあ。その習性が上手い具合に引き出されて物語を織り成しているよなあ。「暁の蛇」はどうしようもなく救われない話なのにうららかな春の陽気とお母さんの性格で相殺されて茫洋とした虚無感だけが残った感じです。

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

これってどんな人が読んでるんだろうっていうくらいジャンルが微妙。
絵も地味だし、派手な立ち回りもないし、一話完結ででっかい盛り上がりもないし。でも出ると勝ってしまいます。ギンコの過去なんてどうでもいいからずっと続いてほしい。(ひど)

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