あらすじ
厭なのに、ページを捲らずにはいられない――
「厭で厭で厭で堪らなくって、それでみんな逃げ出したんだ。会社から、人生から、日常から、人間から――」
職場と家庭の人間関係に苦悩する私の家に現れた、巨大な顔に山羊のような瞳を持つ子供らしきもの。
永遠の幸福をくれるというホテルで、安全な殺人を行うこととなったホームレスの男。
何故か僕が厭だと思うことだけを繰り返す、異常な彼女――。
あなたに擦り寄る戦慄と驚愕。世にも奇怪な、7つの物語。
解説・平山夢明 「京極夏彦が都会と現代を部品にして組み立てた妖怪譚なのではないか」
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
日常に変化を与えてくれる 変化のない日常を楽しめない人にオススメしたい。ものすごく嫌な気分になる本!読み終えると、ただ息して生きてるだけが有難く感じられるぐらい、嫌な気分になる!
Posted by ブクログ
【2022年57冊目】
救いようがない厭さで溢れた小説である。
初っ端の「厭な子供」からして大層不快な気持ちになり、その気持ちから逃れようとページを進めてみても、どんどんと厭な短編が押し寄せてくる。その内に深谷なるキャラクターがどの話にも出てくることに気づき、「ははーん、こいつが何かしらの根源なのだな」と思うに至る。
のに、深谷、何にも悪くないのである。
深谷どころか、登場人物全員何をしたんだよと言いたくなるような目に遭う。直接的な被害を受けないのは厭な上司亀井くらいだ。
そのことさえも何とも厭なストーリーである。
解説では古今東西の厭な小説がひたすら紹介されている。解説というか、終始本の紹介に徹していて、なんとも解説の仕立てまでもが厭なものとなっている。なんで不快な思いをした後に、更なる厭な小説を紹介されなくてはならないのか。
と思いながらも、きっと気になって手をつけてしまうのだと思う。
厭だ。
初読:2012年11月1日以前
Posted by ブクログ
再読。厭なことが詰まった短編集。再読と言っても覚えていたのは後半の方だけだったので、前半の部分はわりと新鮮な厭さが味わえた。理不尽でありながらも一部では整合性のある厭さに包まれた話たちだが、その厭さがクセになる。厭だけど面白い、面白いけど厭だ。また厭な気持ちを味わいたくなったら読みたいと思う。
Posted by ブクログ
短編形式で書かれていたので、サクサク読めました。
サクサク読めるのですが、内容がまさしく厭が押し寄せてきてうぅ~と苦しみながらも、読む手が止まらない感じでした。一話目から順々に謎が残されてくので、気になって早く読み進めていかないと!と名前いう使命感に。読む時に登場人物の名前を忘れないで下さいね。