京極夏彦のレビュー一覧
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なんだ?コレ。
久しぶりに京極夏彦さんを読みました。
以前にも『魍魎の匣』、読んだはずですが、すっかり忘れていました。
何度か京極さんの作品を読んでいるうちに、何故こうもわかりづらいのか、わかってきたような気がします。
なにより、人物が多いのです。
関口、榎木津、鳥口、木場、そして京極堂。
コレらの人物が、それぞれ事件に関わりながら、探偵というか事件の解決を目指していくわけです。
ただ、解決を目指すというか、巻き込まれてしまったので、足掻く。
それぞれが、迷路のような出来事の中をあっちへこっちへ引きずられたり、行き止まって立ち往生する。
最後に、京極堂が、快刀乱麻に事件を断つというの -
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最初は1149頁というボリュームの本の分厚さに圧倒され、寝転がって読むこともできずに正面に抱えて読み進めた。
章立てになっているとおりのまさに長編かつ、これまでの巷説百物語や数えずの井戸などの 登場人物とストーリーを踏まえながら、虚実を見抜く洞観屋藤兵衛と憑き物落としの拝み屋 中禪寺洲齋を交えることで百物語の宴に了を着けるスペクタクルを楽しんだ。又市の暗躍ぶりが気にかかる。
とはいえ、これまでのお話が自分の中で既にぼんやりとしているのが残念なところ。
最終章の「空亡」が十干と十二支を組み合わせたときに出来る余りの二支のことと知り、戌亥・申酉・午未・辰巳・寅卯・子丑という それまでの各章の名前と -
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ネタバレ終わってしまった。
藤兵衛、お玉、源次というNewキャラ目線ではじまり、治平、お龍、柳次、玉泉坊、林蔵、文作、徳次郎、おぎん、縫らとつながっていく。京極堂(あの京極堂の先祖らしい)も登場。又市は最後の最後で姿を見せるがそれまでは存在感のみ。山岡百介は直接話に絡まないが彼の動きがきっかけになって思わぬ方向にいってしまう。仁蔵までが死んでしまうとは。富久の野望は阻止されたけど、百姓の方が何倍も多いのに侍を倒さないのはおかしいという考えには賛同する。京極堂が説くこの世に不要な人は存在しない、弱い者も生きていける世の中を目指すべきだという考えは、京極さんの今の世に対する考えなんだろうな。
右近って他に -
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「姑獲鳥の夏」から「塗仏の宴 宴の始末」までの物語のサイドストーリー。それぞれの事件の加害者や被害者、それぞれの心にある闇を描く十の短編集。
主要キャラたちは出てこないので読めるかな?と思っていたけど、しっかり面白かった。→
誰だっけな?と言うキャラはネット検索したりして読んだけど(とりあえず姑獲鳥の夏は再読案件)
姑獲鳥の夏の裏側である「文車妖妃」と絡新婦の理の裏側「倩兮女」が好き。木下刑事の話「毛倡妓」もゾクリとする話で好み。
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京極堂が出てこないので、それぞれが憑き物を落とされないまま終わる。
その辺りの不安な感じがまた良い……。 -
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巷説百物語のシリーズもついに完結ですか。さみしいですね。まあ「続」から「後」でお話としてはきれいに完結していたのでその後はどうしても前日譚だったりスピンオフ的なものだったりと、面白いには面白いんですがいまいちお話に緊迫感がなかったので今回も心配ではありました。
いやでも面白かったです。たしかに「続」で語られた千代田の城のネズミの話がやっぱり来たわけですが、これまでのシリーズの話の裏側だったり登場人物が総動員されて最終作にふさわしいスケールの大きなものになっていました。稲荷藤兵衛も今回で終わりにはもったいないような魅力的なキャラクターでしたし。
でもこれまでのどうしようもない袋小路な出来事を「化 -
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ネタバレ日本に妖怪が発生してから、世の中が妖怪やホラーの排斥活動を始め、妖怪専門の自衛隊(YAT)なるものまで結成され、妖怪関係者やホラー作家、怪談作家、ホラー映画関係者や俳優、声優、漫画家までもが富士山麓へ避難生活を余儀なくされていた。
そこで繰り広げられる文字通りの「妖怪大戦争」
令和の大戦争には百鬼夜行に描かれた妖怪だけではなく、鬼太郎や貞子3Dやガメラ、犬夜叉にとら(うしおととら)、漫画や特撮からもふんだんに怪物が登場する。
京極さんのオタクパワーがまたもや爆発している。最高ですか!?
版権のこと考えると映像化は不可能。だけど…だけど、こんなの見たいにきまってるじゃないか!
1980年代 -
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ネタバレ以前、巷説百物語自体は読んだことがあったが、内容をあまり覚えていなかったこともあって単に妖怪をテーマにした短編だと思っていた。
が、京極夏彦がそんな単純なものを出すわけがないよなぁ〜!
舞台はなんと遠野。遠野物語と関連が!?と一瞬思ったけど、時代が違いすぎたわ。でも山人とか出てきてニヤニヤできる。
読み始めるとまずは東北弁っぽい語りで妖怪譚が語られる「譚」、これはとても短い。
次にメインストーリーとして主人公が出てきて、街を騒がせる事件や異変が語られ、妖怪の仕業だという説明がされる「咄」。
その事件を解決するために必要なキーマンが、大体の場合困惑してたりため息を付いていたりして始まり、解決の -
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日光を舞台にした百鬼夜行シリーズ
邪魅の雫から17年ぶりの新作
シリーズは一度読んで、もう一回読み返したけど、前のストーリーも細部までは覚えてない
でも、登場人物達が、これまで何を見て何をしてきたか、何をできなかったかなど踏まえた物語になっているので、やはり古参のファンとしてはぐっと来るものがある
特に、関口、木場あたりはこれまでの自分の行動が事件にどう影響を与えたのかを意識している
榎木津はまぁ、いつもの榎木津だ
旧日本軍の遺産を取り扱っている点で、塗仏の宴や邪魅の雫に通じる物がある
あと、魍魎の匣もそうか
巷説百物語シリーズとの交錯
そんなわけで書楼弔堂も関係してくる
両方のシリ