京極夏彦のレビュー一覧

  • 死ねばいいのに

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    殺された女性について、教えてほしい
    そう関係者の元へ尋ねる無礼な男

    礼儀や言葉遣いを知らないその男との会話が進むにつれ、女性との関係や自身の姿があらわになっていく。

    そして、タイトルの言葉が、、、

    この本の怖いところは
    「死ねばいいのに」がもつ本当の意味

    読み手自身にも向けられていること。
    読み終えた時、この作品は凄いと感じた。

    不幸なことがあると人生はマイナスか?
    それすら改めさせられる何度も心に刻みたい一冊。

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    2025年09月06日
  • 姑獲鳥の夏(2)【電子百鬼夜行】

    購入済み

    斬新極まりないミステリ

    下巻は概ね謎解きだ。謎は精緻玄妙に解きほぐされていき、大いに興をそそられ、早く全容を掴みたくなって、時を忘れ食い入るように読み進める。👻さて、ミステリの仕掛けの核心部分だが、これにはやや肩透かしを喰らった気分になり、乾いた笑いがこぼれてしまう。とはいえ、事件の全容を詳らかにする怒涛のロジカル尽くしに、アタマがクラクラするほど圧倒された。まるで眩暈坂を歩いているときのように。👻デビュー作らしく、斬新極まりないミステリであった。👻

    #ダーク

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    2025年09月03日
  • 文庫版 鵼の碑

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    本の暑さが凄い解説も入れて、1286ページ!違う作家さんのレンガ本見た事が有りましたが、初めて読んで文字が綺麗で読み終えるとなんか、良い感じになりました。

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    2025年09月02日
  • 姑獲鳥の夏(1)【電子百鬼夜行】

    購入済み

    女子高生に大人気だった本

    30年程前、近隣の某高校女生徒の間で京極堂シリーズが人気を博していた。そんな話を聞き、本書を手に取ってはみたものの、推理小説なのに、事実関係を充分に把握しきれないまま、上下巻を読了。そう言えば、某高校は偏差値高めだった。カピバラKSってアタマワルイである。👻とはいえ、本書はただの犯人探しの推理小説ではない。上巻は、登場人物達のキャラの濃さで笑いが止まらないし、該博な知識と高い見識に満ちた主人公の宗教妖怪等談義には知的興奮を抑えられない。著者京極夏彦の筆力に圧倒された。👻

    #深い

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    2025年08月27日
  • 続巷説百物語

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    シリーズもの。この前の巷説百物語はイマイチでしたが、この続から登場人物の個性がより濃く描かれ始め、加速度的に面白くなります。

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    2025年08月22日
  • 書楼弔堂 霜夜 探書廿 複製

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    ネタバレ

    書楼弔堂シリーズ最終巻。相変わらず京極御大は面白いなー。

    主人公が「印刷造本改良会」の一員であり、本という文化の近代化(大衆化)に一躍買った存在という部分は特に気をつけて読みたい。
    本が大衆化される以上、生産のためにある種の均一化が必要になる。まぁ主人公が悩んでいたフォントがその1つなんだけど、その均一化と浮世絵がキーになっているのが構成として美しいね。

    本も浮世絵も、別にアナタのために生まれたワケではない。
    それらの存在から作者が本当に意図したことを完全に受け取ることは不可能だし、その必要もない。本も浮世絵も変わらずそこに在り続けるし、アナタがそこから何かを受け取ることこそが大事なのだな。

    そういった人の思いを見出そうとし、自分の人生に奥行きを出すことをこそ、読書の本懐と京極御大は語りたかったと僕は受け取ったかな。
    真実はわからないけれど、それもまた本の中に記されている…かもしれない。

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    2025年08月17日
  • 書楼弔堂 霜夜 探書廿弐 永世

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    ネタバレ

    書楼弔堂シリーズ最終巻。相変わらず京極御大は面白いなー。

    主人公が「印刷造本改良会」の一員であり、本という文化の近代化(大衆化)に一躍買った存在という部分は特に気をつけて読みたい。
    本が大衆化される以上、生産のためにある種の均一化が必要になる。まぁ主人公が悩んでいたフォントがその1つなんだけど、その均一化と浮世絵がキーになっているのが構成として美しいね。

    本も浮世絵も、別にアナタのために生まれたワケではない。
    それらの存在から作者が本当に意図したことを完全に受け取ることは不可能だし、その必要もない。本も浮世絵も変わらずそこに在り続けるし、アナタがそこから何かを受け取ることこそが大事なのだな。

    そういった人の思いを見出そうとし、自分の人生に奥行きを出すことをこそ、読書の本懐と京極御大は語りたかったと僕は受け取ったかな。
    真実はわからないけれど、それもまた本の中に記されている…かもしれない。

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    2025年08月17日
  • 書楼弔堂 霜夜

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    ネタバレ

    書楼弔堂シリーズ最終巻。相変わらず京極御大は面白いなー。

    主人公が「印刷造本改良会」の一員であり、本という文化の近代化(大衆化)に一躍買った存在という部分は特に気をつけて読みたい。
    本が大衆化される以上、生産のためにある種の均一化が必要になる。まぁ主人公が悩んでいたフォントがその1つなんだけど、その均一化と浮世絵がキーになっているのが構成として美しいね。

    本も浮世絵も、別にアナタのために生まれたワケではない。
    それらの存在から作者が本当に意図したことを完全に受け取ることは不可能だし、その必要もない。本も浮世絵も変わらずそこに在り続けるし、アナタがそこから何かを受け取ることこそが大事なのだな。

    そういった人の思いを見出そうとし、自分の人生に奥行きを出すことをこそ、読書の本懐と京極御大は語りたかったと僕は受け取ったかな。
    真実はわからないけれど、それもまた本の中に記されている…かもしれない。

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    2025年08月17日
  • 書楼弔堂 霜夜 探書拾玖 活字

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    ネタバレ

    書楼弔堂シリーズ最終巻。相変わらず京極御大は面白いなー。

    主人公が「印刷造本改良会」の一員であり、本という文化の近代化(大衆化)に一躍買った存在という部分は特に気をつけて読みたい。
    本が大衆化される以上、生産のためにある種の均一化が必要になる。まぁ主人公が悩んでいたフォントがその1つなんだけど、その均一化と浮世絵がキーになっているのが構成として美しいね。

    本も浮世絵も、別にアナタのために生まれたワケではない。
    それらの存在から作者が本当に意図したことを完全に受け取ることは不可能だし、その必要もない。本も浮世絵も変わらずそこに在り続けるし、アナタがそこから何かを受け取ることこそが大事なのだな。

    そういった人の思いを見出そうとし、自分の人生に奥行きを出すことをこそ、読書の本懐と京極御大は語りたかったと僕は受け取ったかな。
    真実はわからないけれど、それもまた本の中に記されている…かもしれない。

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    2025年08月17日
  • 書楼弔堂 霜夜 探書廿参 黎明

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    ネタバレ

    書楼弔堂シリーズ最終巻。相変わらず京極御大は面白いなー。

    主人公が「印刷造本改良会」の一員であり、本という文化の近代化(大衆化)に一躍買った存在という部分は特に気をつけて読みたい。
    本が大衆化される以上、生産のためにある種の均一化が必要になる。まぁ主人公が悩んでいたフォントがその1つなんだけど、その均一化と浮世絵がキーになっているのが構成として美しいね。

    本も浮世絵も、別にアナタのために生まれたワケではない。
    それらの存在から作者が本当に意図したことを完全に受け取ることは不可能だし、その必要もない。本も浮世絵も変わらずそこに在り続けるし、アナタがそこから何かを受け取ることこそが大事なのだな。

    そういった人の思いを見出そうとし、自分の人生に奥行きを出すことをこそ、読書の本懐と京極御大は語りたかったと僕は受け取ったかな。
    真実はわからないけれど、それもまた本の中に記されている…かもしれない。

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    2025年08月17日
  • 書楼弔堂 霜夜 探書廿肆 誕生

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    ネタバレ

    書楼弔堂シリーズ最終巻。相変わらず京極御大は面白いなー。

    主人公が「印刷造本改良会」の一員であり、本という文化の近代化(大衆化)に一躍買った存在という部分は特に気をつけて読みたい。
    本が大衆化される以上、生産のためにある種の均一化が必要になる。まぁ主人公が悩んでいたフォントがその1つなんだけど、その均一化と浮世絵がキーになっているのが構成として美しいね。

    本も浮世絵も、別にアナタのために生まれたワケではない。
    それらの存在から作者が本当に意図したことを完全に受け取ることは不可能だし、その必要もない。本も浮世絵も変わらずそこに在り続けるし、アナタがそこから何かを受け取ることこそが大事なのだな。

    そういった人の思いを見出そうとし、自分の人生に奥行きを出すことをこそ、読書の本懐と京極御大は語りたかったと僕は受け取ったかな。
    真実はわからないけれど、それもまた本の中に記されている…かもしれない。

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    2025年08月17日
  • 書楼弔堂 霜夜 探書廿壱 蒐集

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    ネタバレ

    書楼弔堂シリーズ最終巻。相変わらず京極御大は面白いなー。

    主人公が「印刷造本改良会」の一員であり、本という文化の近代化(大衆化)に一躍買った存在という部分は特に気をつけて読みたい。
    本が大衆化される以上、生産のためにある種の均一化が必要になる。まぁ主人公が悩んでいたフォントがその1つなんだけど、その均一化と浮世絵がキーになっているのが構成として美しいね。

    本も浮世絵も、別にアナタのために生まれたワケではない。
    それらの存在から作者が本当に意図したことを完全に受け取ることは不可能だし、その必要もない。本も浮世絵も変わらずそこに在り続けるし、アナタがそこから何かを受け取ることこそが大事なのだな。

    そういった人の思いを見出そうとし、自分の人生に奥行きを出すことをこそ、読書の本懐と京極御大は語りたかったと僕は受け取ったかな。
    真実はわからないけれど、それもまた本の中に記されている…かもしれない。

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    2025年08月17日
  • 文庫版 地獄の楽しみ方

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    言葉を信じすぎない。言葉は限定するもの、足りないもの。言葉で世界を変えることはできない。

    されども、言葉は人を変えることはできる。

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    2025年08月12日
  • 狐花 葉不見冥府路行

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    文句なく五つ星。
    京極先生で、薄い本・・・。って思ったけど読み応え十分。
    本編に触れるとネタバレになるのであまり触れないが、結構びっくりな展開。後半からスピード感もアップ。また、印象的に登場する華、曼珠沙華。改めて、美しく哀しい華だなと感じました。
    それから初版の限定の装丁だったのか、ものすごく素敵な装丁です。蔵書にします。

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    2025年08月11日
  • 書楼弔堂 待宵

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    ネタバレ

    目次
    ・史乗(徳富蘇峰)
    ・統御(岡本綺堂)
    ・滑稽(宮武外骨)
    ・幽冥(竹久夢二)
    ・予兆(寺田寅彦)
    ・改良(斎藤一)

    目次の後の括弧書きは、弔堂が本を売った相手。
    ただし、寺田寅彦が弔堂に依頼したのは斎藤一が探していた本であり、最終話では斎藤一本人が弔堂に来るが、話の主人公としては斎藤ではなくこの本の語り手であった弥蔵こと堀田十郎である。
    後々の自分のために記しておく。

    明治三十五年となり江戸は遠くなってしまったが、今回の語り手は甘酒屋の弥蔵。
    幕末に人を殺すことを生業としていたようであり、積極的に死を望んでいるわけではないが、生きることに禁欲的な生活をしている。

    狂言回しは近所の酒屋の次男坊で、高等遊民(絶賛就活中)の利吉。
    利吉は操觚者(そうこしゃ・新聞や雑誌の記者や編集者)になりたいと思っていくつか会社を受けてみたり、いろんな仕事を試してみるのだが、どれも長続きしないのだ。
    しかし、物おじせず、チャンスをつかんで成功したいと思っているので、思わぬ有名人が利吉との絡みでお間酒屋にやってきては、弥蔵に書楼弔堂へ連れて行ってもらうことになる。

    私は弥蔵の正体は新撰組の誰かなのではないかと思いながら読んでいた。
    特に、そのストイックな生活ぶりから斎藤一?とも思ったのだけど、彼が甘酒屋だったことはないと思い、誰かなーとずっと思っていたのだが。

    作中では日露戦争を控え、世の中は浮足立っているようでもある。
    弥蔵は、どんな大義名分があろうと、殺しはいけないと心の中で常に思っている。
    幕末からこっち、自分の心と折り合いがつけられていないのである。
    人を殺してきた自分を、恨みがあるわけでもない相手を殺した自分を、許すことができないのだ。

    ”勝つためにゃ殺さなくちゃいけねぇ。負けたなら、死ぬんだぜ。いいや負けたら国を取られるんじゃねえか。(中略)戦争ってな、平民の命とこの国の地べたをカタにした、博打みてぇなものじゃないのかい”

    自分の国のことはもちろん大切だ。
    しかし、愛国とは何だ。
    異国を敵視することが愛国なのか。
    なら、自分は愛国者ではない。

    家族を捨て、思い出を捨て、過去に蓋をしながら過去に囚われ続ける弥蔵。
    新撰組隊士として、苛烈な戦いを続けた斎藤一が、戦後一市民として生きてきたようには生きられなかった弥蔵。
    彼が抱え続けた闇は、最後にその姿を現すのだが、ちょっとびっくりでしたわ。
    あと、永倉新八の話が出てくるのは、作者が小樽出身ということでサービス出演だったのでしょうか。

    前巻の最後に亡くなったことが明らかにされた勝先生が、相変わらず人々の口にのぼるのが嬉しい。

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    2025年07月24日
  • 病葉草紙

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    面白かった!本から知識を得る人と、知識はないが世の中や人をよく知る人。この2人が合わさるとこうまでプラスに作用するのか。
    京極夏彦さんは百鬼夜行シリーズしか読んだことがなかったが、こんなにライトですいすい読める本もあるのかと感動(百鬼夜行は読み応えがあってそれはそれでいい)。また本編の前巷説百物語も読んでみようかな。

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    2025年07月24日
  • 文庫版 書楼弔堂 炎昼

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    ネタバレ

    目次
    ・事件(田山花袋)
    ・普遍(添田啞蝉坊)
    ・隠秘(福來友吉)
    ・変節(平塚らいてう)
    ・無常(乃木希典)
    ・常世(柳田國男)

    目次の後の括弧書きは、弔堂が本を売った相手。
    ただし、柳田國男は全ての作品で本を購入しているが、彼のための一冊とは自分自身で後に著す物のことだろうとの店主の言葉。
    この本の語り手である天馬塔子も何冊か本を買っているが、彼女はフィクションの人物と思われる。
    後々の自分のために記しておく。

    多分作者が描きたかったのは、柳田國男が民俗学の入り口に立つまでの、煩悶する姿だったのではないかと思う。
    一冊を通して、抒情派詩人として人気を博しておきながら詩と決別し、中央官吏を目指しながら、共通語では語ることのできぬ地方の人々の暮らしと文化に思いをはせる生真面目な学生としての柳田國男の姿が語られる。

    が、白眉は乃木希典を描いた『無常』だろう。
    ここでは、客である乃木希典は多くを語らず、店主の方が強く厳しく客を諫める。
    戦争は国益のためにするもので、徳のない蛮行、そこに義などないと断ずる。
    侵略であれ国防であれ、殺し合うなら同じこと。
    陛下のために死ね、義を通すために死ねと謂われて、兵隊が皆死んでしまったとして、それで敵国が降伏したとしても、それは勝ちなのですかと畳みかける。
    何よりも賢く勝とうとするならば、戦をしないことですよ。戦わずして勝たぬ限り、真の勝ちはない。

    これほど強く、店主が客にものを言ったことがあっただろうか。
    旧知の仲とはいえ、あまりにも厳しい物言いに、読んでいるこちらの方が怯みそうになるが、この店主の言に対して乃木希典が行ったことは歴史の知る通り。

    女学生の平塚らいてうが出てくる『変節』もまた、面白かった。
    男尊女卑、家長制度は、日本古来の伝統であり文化であるというのは間違いで、これは単なる武家の伝統である、と。
    「女は家を守らなければならない」のは、男は外で戦う(死ぬかもしれない)から。
    そして同じ頃、商家には商家の、農村には農村の伝統があり文化があった。
    特に農家では女性は重要な働き手なので、年配の女性を刀自(戸主の意)と呼んで敬っていたところもある。
    家長を拡大していくと、国にとっての家長である天皇崇拝に繋がり、天皇家のもとをただすと天照大神(太陽の女神)に繋がっていく。

    よく考えると明治維新というのは武士だけが起こしたクーデターなんだよね。
    だからいろんなことがひっくり返ったのに、武家の伝統だけが残された。
    武士が起こしたクーデターということは軍事クーデターであり、だから明治政府は素早く陸海軍と警察を薩長で固めたんだな、とか、いろいろ思うところあり。

    いつもより体温高めの京極夏彦でした。

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    2025年07月08日
  • 文庫版 地獄の楽しみ方

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    「語彙の数だけ世界が増える」
    マイナスに捉えていたことも、それをプラスに捉える言葉を知っていれば、落ち込まずに済む。言葉は記号に過ぎないけれど、選ぶ言葉次第で見える世界を変えられる。うつ病を経験してから、よりそう思うようになった考えでもある。このことは常に意識していたいな。

    「本の数だけ人生がある」
    この思想は、私が本を好きな理由そのもの。本を通していろんな人生を体験して、現実逃避したり、自分の行動のヒントにしたり。

    「『面白がらせてくれる』と思っちゃダメですね。読書は受動じゃなく、能動です。『面白がってやる』が正しいでしょう。」
    自分が全く持ち合わせていなかった考え方だった。読書を例に出しているけど、これは全てに言えること。この考えに出会えたことがこの本を読む価値だと思った。

    これは、「言葉」を切り口に、いかにこの世を楽しむか、という人生指南の本だと思う。もっと早くに出会いたかったと思いつつ、今がこの本を読むタイミングだったのかなと思った。

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    2025年07月04日
  • 文庫版 書楼弔堂 炎昼

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    P44 
    貴君の視点で見た事実は貴君にとっての事実でしかなく、普遍の事実ではないということです。ならそれは幻想と同義ではないのか。個人にとっての事実というのは世間にとっては幻と同じなんですよ。

    前作に引き続き、実在の人物が弔堂を訪れ、一冊の本と巡り会う話。
    本当に弔堂というものはあったのではないかと思わされる描写。登場人物をもっと知っていたらもっと違う楽しみ方が出来るのではないかなと。

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    2025年06月30日
  • 後巷説百物語

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    読む順番を間違えて「参」を先に手にとってしまいました・・・。「弐」までは一度読んでいるのでこちらは初見。「壱」の体裁でものがたりは進んでいるのかと思いきや参では物語の有り様が変わっており、百介を中心に話がすすむ。
    ところどころ百介の気持ちが語られるが壱で受けた百介の印象とは大きく異なり、葛藤が垣間見られる。最終話は不器用ながらも又市を模し自身を囮に一幕打ち予想外、想像以上の成果を挙げる。
    最後の1ページで百介の素の気持ちが知れたようで切ないような温かいような不思議な気持ちになる。

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    2025年06月28日