あらすじ
「妖怪」はいずこより来るのか……。人の心は闇にあらねども、揺るぎないはずの世界が乱れたとき、その裂け目から怪しきものが湧き出し、取り憑く。他人の視線を極端に畏れる者、煙に常軌を逸した執着をもつ火消し、「海」を忌む小説家……。日常に潜む恐怖を描いた十作品を収録。
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「姑獲鳥の夏」から「塗仏の宴 宴の始末」までの物語のサイドストーリー。それぞれの事件の加害者や被害者、それぞれの心にある闇を描く十の短編集。
主要キャラたちは出てこないので読めるかな?と思っていたけど、しっかり面白かった。→
誰だっけな?と言うキャラはネット検索したりして読んだけど(とりあえず姑獲鳥の夏は再読案件)
姑獲鳥の夏の裏側である「文車妖妃」と絡新婦の理の裏側「倩兮女」が好き。木下刑事の話「毛倡妓」もゾクリとする話で好み。
→
京極堂が出てこないので、それぞれが憑き物を落とされないまま終わる。
その辺りの不安な感じがまた良い……。
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百鬼夜行シリーズの補完となる作品。百鬼夜行シリーズに登場するキャラ達の掘り下げや、事件に至るまでの話し等を集めています。短編集ですが、一つ一つのお話が面白く、書き方もそれぞれに変化をつけており飽きがきません。本編には本当にちょい役程度しか出てない人物にも焦点が当てられていて面白い。京極堂レスを感じることはありましたが、善き作品でした。
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やっぱり面白いなぁと思いました。
気温差のせいか風邪をひいてしまったので、土日はずっと眠っていよう、ベットでおとなしく小説読もうと思ってまた手に取った本でした。
百鬼夜行シリーズを順番に再読していたので、状況がよくわかりました。百鬼夜行シリーズで関わった人物(主に犯人)から見た目線、想いが描かれています。明るい話ではないですが、世界観がやっぱりとても好きです。
逆にこのシリーズを読んだことがない人がこの本を読んだときどんな感想を持つのかなと気になりました。
早く陽を読みたいですが、雨→陰摩羅鬼→風→邪魅まで読み返してから読むぞ!
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京極夏彦は「京極堂」シリーズ一本、という方は
それなりにいらっしゃるのでは、と思います。
私も割と最近までそうだったのですが。
これ、「京極堂」シリーズのスピンオフみたいな位置づけでかつ、一応シリーズもののようです。短編集です。「百器徒然袋−雨」「今昔続百鬼−雲」「百器徒然袋−風」と続くようです。
この文体が落ち着くし、榎さんは好き勝手にやりたい放題だしで楽し〜い〜 ^^/
最後の一遍が関口モノだったので、関口ファンとしては、ラッキー。「姑獲鳥の夏」前夜って感じの時制で、ちょっと懐かしかった。
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いわゆるサイドストーリーですが、
人物の前知識なしでも読むことは可能です。
だけれども読んでいたほうが得ではあります。
どの作品も非常に後味の悪いものばかりです。
特にある「悪魔の物質」のせいで狂ってしまう
男のそれは非常に恐ろしいです。
ちなみにこの症状は現実にあるものです。
それと究極の変態ものは
「煙々羅」です。
まさにその考え方は異常そのものです。
最後の発狂がその変態さをさらに引き立てます。
単体作品としても
十分読めます。
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京極堂シリーズ短編。
ところどころで「あぁー!だからか!!」と、一人納得しておりました(笑)
私は『目目連』が一番好きでした。
1つのお話に織り込まれたたくさんの人たちにも、それぞれのストーリーがあるんですもんね。
これ読んでからもう一回『姑獲鳥の夏』から読みなおしたらさぞ切ないだろうと思う方もおりました。
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百鬼夜行シリーズの登場人物達による語られなかった物語……と言えばいいのでしょうか。
この本で扱われているのは本編には登場しているものの彼ら、彼女ら目線で描かれることがなかった人達の物語。
1人だけ「あれ?この人どこで登場してたっけ?」ってなった人がいたのですが調べてみたら京極堂シリーズ外の作品なんですね、その作品はまだ読んだことがないんだよなぁ、そりゃあ出会えていないわけだ。
いや、実はこの話京極堂シリーズを読み始めてすぐにちらっと読んだことがあったんです。
あったんですけど、その時は登場人物もよく分からないし何が書いてあるんだろう?と思ってすぐに読むのを中断しちゃったんですよね……それは分かるわけないや、本を読む順番って大事。
最初の感想は「ふんふん、何だか世にも奇妙な物語みたいだなぁ」なんて感じだったんですけど……あの、あのね。
この作品の中の「毛倡妓」って話が……これだけが何かちょっと毛色が違うと言うか……怖くて。
夜中の2時に読みながらあのシーン想像しちゃったら怖いって。
あの話だけはちょっと……あぁいうタイプの話の方がゾッとするんだよぉ。
私だけなのかもしれないけど、読む時間は少しお気をつけて。
それにしてもかの有名なホラー映画のキャラクターのプロトタイプみたいな姿があんな時代にもうあったとは驚きです。
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10編から成る百鬼夜行シリーズのサイドストーリーです。
『姑獲鳥の夏』から『塗仏の宴』までに登場した人物のバックグラウンドが描かれているのですが、それぞれの作品ではそれほど詳しく描かれなかった者達の深層までも京極さんの筆致で表現されています。
短編集の類に入る作品ですが、1つひとつの内容が濃く読むには時間がかかります。
読後の疲労感も百鬼夜行シリーズならでは。
背景を知った上で『姑獲鳥の夏』から再読したいのですが、骨の折れる作業になりそうです。笑
また、最低でも『塗仏の宴』までは読破しておくのがおすすめです。
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記録になかったので忘れていたが、読んでみたら内容に覚えが・・・。再読。
やっぱり、いつもの面々が登場する「川赤子」が一番興味深く読み進められる。
いわゆる、病んだような人たちの心の内が描かれているがそれは案外純粋さから生まれるものかもしれないと感じる。純粋な興味からの執着。人間は心の持ちようや話を聞いて理解してくれる人がいるかいないかで行く末は大きく変わってしまうのだろう。
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ホラーかと思ったら、人の心の闇を中心にした、京極堂シリーズのサイドストーリーだった。
京極堂サイドストーリーと紹介されてて、どういうことかよくわからなかったんどけど、あと登場人物の名前の出し方や結びの言葉でが、やたらここで種明かし!感があるなと最初は思ってて、バラバラ殺人のところで、あ、これ魍魎の匣の…!ってつながり、やっとサイドストーリーとはそういうことか!と思った。
他のサイトで憑き物落としをされなかった話と書かれていて、さらになるほど!
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京極堂シリーズの脇役たちが決定的瞬間に至るまでのサイドストーリーズ10編。
脇役と言いながら、いずれも魅力的というか濃厚な人生。焦点が絞られている短編の一貫性と、大長編メインストーリーとの絡みの両方を楽しめる。
お気に入りは『煙々羅』『毛倡妓』
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「何か」に触れて呆気なく壊れてしまう人達の物語。
関口くんの壊れっぷりは悦に入っているなあ。
でも、雪絵さんも京極堂もいるんだもんなあ。
羨ましい。
京極堂シリーズを読むと、戦争の影響力の強さがわかる。
経済やら体制やらの変化ではなく、戦争によって生まれる些細な綻びが、人や物事を歪めてしまう。
だから戦争はない方が良いのだ、というお門違いの感想。
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姑獲鳥の夏から塗仏の宴までのサイドストーリー十篇。
1番好きなのは煙に取り憑かれた男を描く『煙々羅』。男の壊れっぷりがたまらない不気味な怪作。『小袖の手』では、柚木加菜子の存在感の強さに改めて魅了される。『鬼一口』はルーガルーにも繋がってるのが嬉しいし、鬼についての薀蓄が面白い、なにより久保竣公のキャラは本当に蠱惑的。
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京極堂シリーズのスピンオフだかサイドストーリーだかで、『邪魅の雫』以外は読破したから読者資格を得ている。シリーズに登場する事件当事者や犯罪者たちの、救われぬ人格的障害を陰惨に描写する。依存性、回避性、強迫性、ストレス性、離人症性といった様々な障害により、思考に極度な異常をきたし、認知がゆがみきって崩れていく彼等が傷ましい。あのおぞましい事件群は、人心を失い鬼と化した者どもの所業なのだ。それにしても関口先生、あなたの自己嫌悪と厭世観ときたら、もはや芸術の域ですよ。凄まじいというより素晴らしい。あなたに添い続ける奥方こそ、ある意味狂人なのかもしれません。
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サイドストーリーと聞いて読み始めたが、思いの外各作品の主役に迫っているのもあり、今まで見られなかった側面を見られて興味深い。各作品を読み返したくなった。
最後の主役が以外だけれどやっぱりというか、とにかく安定。
Posted by ブクログ
積んでしまっていた短編集。
ただ1話目の『小袖の手』で、あぁそうか!と思う。
語り手である杉浦が見る少女、柚木加菜子は、のちに「百鬼夜行シリーズ」の『魍魎の匣』に登場する柚木加菜子なんだね。
本書を「京極堂サイドストーリーズ」と謳っているのは、そういうことなのね。
(『やっぱり好き!京極夏彦サーガ』、読んでおいて良かったー!)
ただ、サイドストーリーだから語り手がそれぞれ違う。
京極堂も主軸で登場しないから、誰も祓ってくれない。
それを分かっていて読み進めるものだから、終始薄気味悪い。
だって理路整然と説明してくれる京極堂が居ないんだもの。
誰かに、それは幻だと、心が囚われているだけだと、理論でバッサリ言い放って欲しい。
でないと、薄気味悪さに取り込まれそうで心細いのだ。
物語は全て「昭和○年○○のことである。」で幕を閉じる。
本編の「百鬼夜行シリーズ」と共に時系列に纏められそうだ。
1話1話は確かに楽しめるし怖いのだけど、細かな繋がりの気付きに至るほど「百鬼夜行シリーズ」のストーリーを覚えていなかったのが非常に残念。
『やっぱり好き!京極夏彦サーガ』は助けになったが、本書と「百鬼夜行シリーズ」を時系列に読めていたら、もっとずっと楽しめただろうな。
自分の記憶力の無さが残念すぎる~。
全体的には、じめっとした陰鬱な雰囲気がただよったままスッキリとしなくて………う~ん、、、京極先生の作品だけれど、あまり好みではないかも???
私が怖がりなだけかもしれないけれど。
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百鬼夜行、各事件のサイドストーリー。黒衣の憑物落としは出てこない。だからだろうか、身に迫る怪異は解決されず、妖怪は妖怪のまま、じわりと昏い気持ちのまま小話が着地する。京極堂が出てこないだけで、こんなにも世界の見え方が変わるのか。
ラストの川赤子は姑獲鳥の夏の前日譚に当たる、関口くんの話。彼の物語だけは、眩暈坂の手前で少し光がさす。この一冊のラストにようやく京極堂の存在が仄めかされるの、すごい憎い演出だなあ。
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【2023年103冊目】
姑獲鳥の夏から塗仏の宴に出てくるキャラクターたちのサイドストーリー集10編。
以下は登場キャラのメモ書き(登場順)
・杉浦 隆夫
・久遠寺 涼子
・平野 祐吉
・鈴木 敬太郎
・棚橋 祐介
・山本 純子
・岩川 真司
・円 覚丹
・木下 圀治
・関口 巽
真っ当に全員どこか狂ってて、京極ワールドの中で燦然と輝く猟奇性をたたみかけられる感じの一冊でした。煙の話が一番好きだったかも。大変わかりやすくいかれてて。
最後の話が我らが関先生を主題にしてるんですけども、結構すぐに「あっ、これ語り手が関先生だな」ってわかるような感じでちょっとニヤリとしてしまいました。しかも姑獲鳥の夏に繋がる前日譚という。
各話ともに、登場人物が出てくるメインストーリーの方を読んだ直後に読むとより一層楽しめそうだなと思いました。
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私の記憶力のなさせいで全編「だれ?」となりました。親切にも解説してくれておるサイトがあったのでそれを見ながら読み進めました。
妻を大切にできない夫か何人も登場します。自分は妻を家族を大切にできているか、考えてしまいますね。
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「百鬼夜行シリーズ」のサイドストーリーズ。「絡新婦の理」の登場人物が多めだが、中にはまったく見当の付かないキャラもいる。調べてみると「ルー=ガルー」の登場人物も含まれているとのこと。そりゃわからんわな。基本的に本編のあのキャラにはこんなバックグラウンドがあったのか的に愉しむもので、これだけ読まされて面白いかと言われたら、少々心許ない。本編とは無関係にホラー短編として完結している作も含まれてはいるのだけれど、あくまでもシリーズの細かいエピソードまで頭に入っているような、熱心なファン向けだと思いますね。
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事件関係者の、事件前後における小話(でも本編に未登場の人も出てくる)。基本は前が多いので、結末はお察し。全体的にじめっとしてるのに加えて、最後のゲストがじめっと代表のあの人…いやそれが悪いわけじゃないんだけど…。ファンとしては余さず手をつけたいけど、必読かと言われたらうーん…
一つだけ良かった(?)のは、これ読んだことで姑獲鳥の夏を再読したくなったことかな。
Posted by ブクログ
まずは妖怪をモチーフとして、または、妖怪のモチーフとなった現象に着想を得て物語を綴るという着眼に感心。
江戸川乱歩、横溝正史からこの手の世界に足を踏み入れた身としては、舞台となる時代設定が古の昭和初期という近代黎明期であることも正統派としての伝統が受け継がれていることが感じられ嬉しい。
小説の時代背景も本作が執筆された時期も今とは異なるのではあるのだが、作中でチクリと針を刺す社会批判が、ごたごたが解決する気配が一向に感じられないまま悪化する一方の現政局とシンクロしてしまうことがかくし味として妙味を付け加え、本作を読んでいる側の現実世界での不安を駆りたてるのは偶然なのか。
意図したものと捉えるのは買い被り過ぎか。
京極堂外伝として、スピンオフの性質を持っていることについては、あとがきを読んで知った。
各話単体でも十分楽しめたのではあるが、京極ワールドへの造詣が深ければ更に味わい深い経験をすることができたことを想うと残念無念。
これからもっと精進しなくては。
Posted by ブクログ
かなり本編を読み込んでいないと、あれ?このひとどれのどこに出てきたんだ?となる…
うちは何度か検索した…笑
でも、これを読んで本編に戻るとより本編が面白くなるだろうなぁ。
Posted by ブクログ
良い意味で「娯楽小説」だった百鬼夜行シリーズから、悪い意味での「娯楽」を抜き去った作品。平たく言うと、著者は路線を変えたいんだろうな~・・・と察せられた作品。
川赤子の主人公関口以外は、さして人気のない登場人物を使い、怪談文学としてうまくリメイクされています。
シリーズを読んでいないと楽しめない内容ではありますが、シリーズを読み通して理屈っぽくなった頭を柔らかくするのにはちょうど良いのではないでしょうか。
Posted by ブクログ
シリーズに登場した人たちのサイドストーリー
短編集とかいいつつ、フツーの作家さんの中編くらいかしら?(笑)
これと言って目新しい伏線の回収もなし
ま、「そーだったのかー」という感想はあるけど、その程度ですな
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京極堂のサイドストーリーとは知らず読み始めたが、途中で気づきちょっと興奮。でも各作品読んだのはだいぶ前で、話の内容うろ覚えで残念。サイドストーリーとはいえ楽しめた。
Posted by ブクログ
姑獲鳥の夏から鉄鼠の檻までの登場人物のサイドストーリーの短篇集で構成されている。
正直本編そのものを読んだのも結構前で記憶が曖昧な中読んだので、そんなことあったなぁー、とかあったっけかなーという中途半端で不完全燃焼な気持ちになってました。
本当にサイドストーリーなので話を深く掘り下げるようなこともありません。