あらすじ
「妖怪」はいずこより来るのか……。人の心は闇にあらねども、揺るぎないはずの世界が乱れたとき、その裂け目から怪しきものが湧き出し、取り憑く。他人の視線を極端に畏れる者、煙に常軌を逸した執着をもつ火消し、「海」を忌む小説家……。日常に潜む恐怖を描いた十作品を収録。
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Posted by ブクログ
京極夏彦は「京極堂」シリーズ一本、という方は
それなりにいらっしゃるのでは、と思います。
私も割と最近までそうだったのですが。
これ、「京極堂」シリーズのスピンオフみたいな位置づけでかつ、一応シリーズもののようです。短編集です。「百器徒然袋−雨」「今昔続百鬼−雲」「百器徒然袋−風」と続くようです。
この文体が落ち着くし、榎さんは好き勝手にやりたい放題だしで楽し〜い〜 ^^/
最後の一遍が関口モノだったので、関口ファンとしては、ラッキー。「姑獲鳥の夏」前夜って感じの時制で、ちょっと懐かしかった。
Posted by ブクログ
百鬼夜行、各事件のサイドストーリー。黒衣の憑物落としは出てこない。だからだろうか、身に迫る怪異は解決されず、妖怪は妖怪のまま、じわりと昏い気持ちのまま小話が着地する。京極堂が出てこないだけで、こんなにも世界の見え方が変わるのか。
ラストの川赤子は姑獲鳥の夏の前日譚に当たる、関口くんの話。彼の物語だけは、眩暈坂の手前で少し光がさす。この一冊のラストにようやく京極堂の存在が仄めかされるの、すごい憎い演出だなあ。
Posted by ブクログ
【2023年103冊目】
姑獲鳥の夏から塗仏の宴に出てくるキャラクターたちのサイドストーリー集10編。
以下は登場キャラのメモ書き(登場順)
・杉浦 隆夫
・久遠寺 涼子
・平野 祐吉
・鈴木 敬太郎
・棚橋 祐介
・山本 純子
・岩川 真司
・円 覚丹
・木下 圀治
・関口 巽
真っ当に全員どこか狂ってて、京極ワールドの中で燦然と輝く猟奇性をたたみかけられる感じの一冊でした。煙の話が一番好きだったかも。大変わかりやすくいかれてて。
最後の話が我らが関先生を主題にしてるんですけども、結構すぐに「あっ、これ語り手が関先生だな」ってわかるような感じでちょっとニヤリとしてしまいました。しかも姑獲鳥の夏に繋がる前日譚という。
各話ともに、登場人物が出てくるメインストーリーの方を読んだ直後に読むとより一層楽しめそうだなと思いました。
初読:2012年11月1日以前