京極夏彦のレビュー一覧
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御行の又市でなく、靄船の林蔵が仕掛ける七つの話からなる、巷説百物語。
今のところシリーズ最後のこの一冊だけは、特に理由もないまま、随分長く手に取りませんでした。
ただ、手にとってみれば、一編一編あっという間に読んでしまうくらい、それぞれのお話とも1行目からすーっと物語の中に引きずり込まれていく。
分厚さも何のそのグイグイと読ませられてしまう京極節、久々に堪能しました。
お馴染みのシリーズかとは思いますが、簡単に紹介しますと、市井の人の届かぬ思い、果たせぬ願い、叶わぬ望みを、様々な「仕掛け」をもって叶えることを生業とする悪党どもの物語です。
京極さんは、ご自身なりの「必殺」シリーズをイメージ -
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巷説シリーズを読み返している流れで覘き小平次を読みました。この作品については、今回が初読みでした。
巷説シリーズの長編2作目、になるのでしょうか。又市は影くらいしか出ませんが、治平さんはがっつり登場しました。
やっぱり治平さんはいい人だなぁと思いました。
本編ですが、登場人物の気持ちがどうしてもわからない、そんな感想でした。小平次とお塚、この2人はどんな関係なのだろう・・・でも依存関係であることは伝わってきました。
<以下引用>
コトは語って初めてモノになる。語らなくちゃ何もねェんだ。嘘でも法螺でも吹きゃ吹いただけモノになるんだ。
この言葉好きだなと思いました。色んなことを思 -
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ネタバレ大坂を舞台に展開する「恨み晴らします」稼業をいとなむ ”一文字屋” の西の一派を描いた作品。
お武家でもなく百姓でもなく、増してや里の者でもないと自らを半端者と呼ぶ者たち。彼・彼女たちの活躍が多少荒っぽい古めかしい大坂弁で語られる。まるで浄瑠璃芝居のように。
今回は靄船の林蔵(もやぶねのりんぞう)が影に日向に活躍する。この林蔵という男、一見して優男。つるりとした顔にきれいな目鼻立ち。しかも言葉が巧みで人を操るのが上手い。
もはや詐欺師と言っても良いくらい。
とうてい鼻持ちならず厭な奴かと思って読んでいると(悪党一味だと思って読んでいると)意外な林蔵の正体が見えてくる。
登場人物全員が悪党 -
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又市の物語の締めの一冊……かな。
「西の……」は未読だが、どうやらあちらはスピンオフ的な内容らしいので。
出てくる話、出てくる話、皆どこかで聞き覚えのあるような説話……シリーズの小編ひとつひとつに繋がっているのだから、当然か。
一冊目から再読したくなってくる(笑)。
又市の仕掛けを話のメインに据えておきながら、その実、又市は一度も登場しないという作りが、何ともにくいね。
続編は書かれていないとのことなので、既存の御行話は読み尽くしてしまったということ……が、寂しい限り。
★5つ、10ポケット。
2016.03.24.図。
※「五位の光」は……、遥かに時を越えての、『狂骨の夢』の前 -
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ネタバレ「巷説百物語」から時を隔て、そのころ若者であった山岡百介も80歳。遠縁の娘である小夜と静かに一白翁と名のって隠居暮らしをしている。
その一白翁の庵に、彼の持つ巷説の博識を頼りにふしぎ話を読み解くべくやってくる4人がいる。
見習い同心から一等巡査になった剣之進、藩士から貿易会社奉職になった与次郎、剣術の達人だが経営する道場が閑古鳥の惣兵衛、徳川の重鎮を父にもつ洋行帰りにして無職の正馬といった面々。
明治維新後のいづれも新しい人々である。
そのような4人が持ち込むものは世に伝わる怪談の真偽だ。
一白翁が自身の若き頃、諸国を渡り歩いて集めた奇談を開示しながら怪談のもつ意味を諭し、時に巡査剣之進