京極夏彦のレビュー一覧
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又市の物語の締めの一冊……かな。
「西の……」は未読だが、どうやらあちらはスピンオフ的な内容らしいので。
出てくる話、出てくる話、皆どこかで聞き覚えのあるような説話……シリーズの小編ひとつひとつに繋がっているのだから、当然か。
一冊目から再読したくなってくる(笑)。
又市の仕掛けを話のメインに据えておきながら、その実、又市は一度も登場しないという作りが、何ともにくいね。
続編は書かれていないとのことなので、既存の御行話は読み尽くしてしまったということ……が、寂しい限り。
★5つ、10ポケット。
2016.03.24.図。
※「五位の光」は……、遥かに時を越えての、『狂骨の夢』の前 -
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ネタバレ「巷説百物語」から時を隔て、そのころ若者であった山岡百介も80歳。遠縁の娘である小夜と静かに一白翁と名のって隠居暮らしをしている。
その一白翁の庵に、彼の持つ巷説の博識を頼りにふしぎ話を読み解くべくやってくる4人がいる。
見習い同心から一等巡査になった剣之進、藩士から貿易会社奉職になった与次郎、剣術の達人だが経営する道場が閑古鳥の惣兵衛、徳川の重鎮を父にもつ洋行帰りにして無職の正馬といった面々。
明治維新後のいづれも新しい人々である。
そのような4人が持ち込むものは世に伝わる怪談の真偽だ。
一白翁が自身の若き頃、諸国を渡り歩いて集めた奇談を開示しながら怪談のもつ意味を諭し、時に巡査剣之進 -
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江戸時代の絵師、鳥山石燕が著した妖怪図典『画図百鬼夜行』シリーズ。全十二作のこのシリーズは、誰もが知っている有名所の妖怪に始まり、だんだんとあまり知られていない妖怪やこの図典にしか紹介されていない妖怪が増えていく。
水木しげるや京極夏彦、そして『妖怪ウオッチ』など、妖怪熱がなかなか覚めない人なら誰でも知ってるこのシリーズ。実は、石燕の遊び心満載の見立絵画集でもあった!
画図百鬼夜行シリーズの中から、京極夏彦氏の妖怪シリーズ内に掲載された妖怪四十二種を徹底解説した、現在も妖怪専門誌にて連載中の妖怪ガイド。
なぜ「狂骨(きょうこつ)」は井戸桶から登場しているように描かれているのか。
「 -
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今更ながら本屋で見つけて驚き即購入。表紙で取ったけどまさか京極堂シリーズの公式二次創作とは…!!
あの世界観を再現できるのか?と疑問だったのですが、あとがきから感じる愛はさすがでした…すみませんでした。本当読んでて楽しい。3人の出会いとか高校生とか…堪らな過ぎる…!!そして京極先生公認…!!是非読んでいただきたい。後悔はないと思う。高校生榎木津が女学生を妊娠させたという噂が、ってあらすじからたまんないですよね…。
他にも着々と薔薇十字叢書シリーズが出ているそうで。しかしなぜ途中からホワイトハート…笑
取り敢えず2冊目購入しましたがまだ手はつけてないです。いや…あまりにも一冊目のイラストの美し -
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ネタバレ京極夏彦による百鬼夜行シリーズ第2弾2冊目。
前の巻で起こったバラバラ殺人、少女の殺害未遂事件と新興宗教、謎の研究施設などが少しずつ関連性を見せ始める。京極堂にそれ以上踏み込むなと注意を受けていても知りたい欲求に突き動かされる関口、憧れの元女優を何としても助けたい木場など京極堂の友人たちに加え、カストリ雑誌の編集者・鳥口が非常にいい働きを見せる。時代設定が戦後しばらくということで、東京通信工業のデンスケなどという知る人ぞ知る的な機械も登場する。
本書の中ほどで京極堂はある結論に到達する。それは解決したとしても不幸になる人はいるが、幸福を手にする人はいないという。そして、バラバラ殺人の次の被害者 -
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ネタバレ京極夏彦による百鬼夜行シリーズ第2弾。
本作は非常に複雑な構造を持っている。バラバラ殺人、新興宗教、少女の殺害未遂と誘拐事件などが複雑に絡み合い、物語が進行する。その合間合間に挟まれる箱の中の少女をめぐる描写がいかにもグロテスクだ。
本作のタイトルにもなっている魍魎が一つのキーワードとなっている。新興宗教にはまってしまった母親は娘に向かって「もうりょう」と口走り、教主は魍魎退散をお題目にする。魍魎とは何か、もう一つのテーマとなる。
本書は3分冊の1巻目だが、冒頭から半分くらいまでは本シリーズの主人公ともいえる京極堂は登場しない。京極堂を中心とする友人たちと本作の主要な役回りを演じる人たちが語ら