京極夏彦のレビュー一覧
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相変わらず、志水アキさんのイラストが美しい、百鬼夜行シリーズのコミック化。
今回は1巻の中に小説家・関口と京極堂は出てこないが、わき役としていい味を出す町田の釣り堀屋「いさま屋」こと伊佐間一成がメインの語り手として登場。
冬の逗子で謎の女、朱美との出会いを通して髑髏の絡む妙な事件に巻き込まれる。
また、今回、メインキャラクターともかかわりを持つ降旗という男が初登場するが、彼の陰鬱さはすごくリアルに描かれているし、彼の回想に登場するある夢のグロテスクなエロスはなかなか。
そして、彼の子供時代には、あるキャラクターたちもひょっこり登場するのだが、その姿は必見。 -
Posted by ブクログ
文庫本かで再読。久しぶりに読んだが、相変わらず面白い。いつもは人間側から妖怪を講釈する京極本が、妖怪側を主体として、自らの定義と限界を滑稽達磨を狂言回しとして語る。人が語る主観よりも、妖怪側の主観の方が何故か説得力があり、京極堂の説明よりも、非常に分かりやすい。なぜなら、不思議なことなど何もないのがという観点から説くのが京極堂で、不思議なものがあるのはあるとして、どうしてあるのかという観点から説くのが滑稽達磨だからだ。人が観察しない限り消えてしまう妖怪は、ある意味、量子力学的な最新物理学的な解釈となっている。では人間に認知されなくても存する豆腐小僧とは何か。最後まで、この解答は説明されない。久
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Posted by ブクログ
幻想水滸伝Ⅲの漫画化でその高い『翻訳』能力を見せた志水アキ先生が京極堂シリーズを漫画化……でも明らかに映像にするには向かない台詞量だしなあと敬遠してたんですが、愚かでした。素晴らしかった。4,5巻以降の真相開示ではさすがに台詞過多だったけど、3巻までは素晴らしく適切に取捨選択して映像化されてました。漫画化とはこうあるべきという理想像です。
京極堂シリーズはちょっとしたキャラも後々の作品で再登場することがあるので人物像を思い浮かべるのに苦労してたんですが、これで主役陣のビジュアルは万全です。みんなイメージ通りで素敵。
特に千鶴子さんが文章だと行動を書くだけで終わるところを漫画だと絵になって