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Posted by ブクログ
京極夏彦の和風ミステリー『鉄鼠の檻』、分冊文庫版の4巻(最終巻)。
明慧寺でまた一人仏僧が殺害される。ますます緊迫する箱根の山奥の寺で、唐突に始まる法会(亡くなった僧たちの葬儀)。そこへ踏み込むは、黒装束で身を固めた京極堂。事件の真相、"憑物"が今明らかになる―――。
前作を上回る、難解な真相。難解といっても、事件の大筋を理解すること自体は難しくなく、事件の真相にある禅宗の教義や歴史も非常に詳しく説明されるので、「読んでも意味が分からなかった」とはならず、なんというか自分が賢くなった気持ちになれる!(自分が本当に理解しているとは到底思えないのだが・・・。)一般人にはほぼ馴染みのない禅宗の専門的な話を題材としているのに、ここまで分かり易くも面白いエンタテインメントに仕上げられるのは、間違いなく著者の膨大な知識と類稀なる筆致によるもの。
今作もまた傑作・・・というか、京極堂シリーズで傑作以外があるのだろうかと、少々恐れ慄いている私。
Posted by ブクログ
■内容(「BOOK」データベースより)
「ああ云う場所はもう―これから先はなくなってしまうのだろうな」。京極堂は最後に独り言ちた。多くの仏弟子を次々に魔境へと拉し去った妄念の寺が紅蓮の炎に包まれたとき、燃え落ちていく憑物の意外な正体が明らかになる。世界ミステリ史上もっとも驚くべき動機と犯人像を呈示した傑作、ここに完結。
■感想
ここにある京極夏彦の禅の知識は、宗教の専門家にもお墨付きを与えられているほど(文庫本あとがき)。
そういえば私が京極の本が好きなのは百科事典的な何かがあるからなのかも。
私は百科事典は調べものをする本というよりは、おもちゃ箱なイメージがあります。
ふたを開けて目的のものを探す(何かを調べようとする)→途中で別のものに目移り(途中で面白そうな項目を見つける)→違うもので遊んでいる(そこからさらに横道にそれていく)
こんな感じ(もちろん本気で調べているときはこうもいかないんですが)。
京極の本を読むぞ!→あれ…なんか禅について語ってる…? 事件は?→事件そっちのけで禅について感心。
薀蓄読んでる間に、事件が起こってる。フッシギー。そしてこの薀蓄が事件にとって必要不可欠なとこがすばらしい。そして何気に読み飛ばしても大丈夫なとこも、悪くないとこだと思う(主に再読の場合)。
科学では解明できない現象を、その時代や場所の文化に沿って(これを民俗学的というのかな?)解釈する。
ちょっと飛躍しすぎかもしれないけど、宮崎駿に通じるものがあるなぁ。
ただし宮崎駿は伝承(古くからのお約束にのっとって物語を作る)、京極夏彦は解説(古くからのお約束を現代語訳にする)という役割?の差はある。気がする。ような。かんじが。
これを読んで京都や奈良に行きたくなった私は、完璧な俗人。
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