京極夏彦のレビュー一覧

  • 絡新婦の理(1)

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     志水アキさんによる、京極夏彦さんの『百鬼夜行シリーズ』のコミカライズ・第五弾。
     とは言え、わたしは原作未読なもので、じょろうぐもって女郎蜘蛛のもじり?とか、はてなを飛ばしながら読み進めました。
     狭い鳥籠に捕らえられたがごとく、陰鬱とした空気がたまにひっそりと流れる。
     とりあえず呪いっておそろしいもんですね。コエェ。

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    2019年07月25日
  • 遠野物語remix

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    民俗学に造詣の深いミステリ作家の京極夏彦が、柳田國男の『遠野物語』を再構成した作品です。

    現代の文章で書きなおされた本書を通して原作の魅力に触れることができるという意味では、評価されてよいのではないかと思います。

    解説を担当しているのは民俗学者の赤坂憲雄で、民俗学と文学の境界を侵犯する『遠野物語』のテクストに秘められた現代的な可能性が本書によって解放されることになったと述べられています。もちろん民俗学的な想像力をミステリに引き入れるという仕事は、著者や三津田信三、佐藤友哉らによっておこなわれており、さらに山岸凉子の少女マンガなども同様の試みとみなすこともできると思いますが、そうした方向から

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    2019年06月27日
  • 薔薇十字叢書 蜃の楼

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    ネタバレ

    薔薇十字叢書の一冊。関口くんを中心にパラレルな世界を彷徨うような話というか…。最終的にはある程度説明つくはつくのですが、私的には色々納得いかなかったかな。登場人物も全員性格が微妙に私のイメージと違っててアレ?って感じでした。

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    2019年06月23日
  • 虚実妖怪百物語 序/破/急

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    合本版を購入。長すぎて、読み終えた時には何とも言えない達成感。内容を一言でいうなら、カオスです。水木しげる、荒俣宏はじめ、登場人物はことごとく実在の方たち。さらに古今のあらゆるサブカルが総動員され、現実世界に侵食してくる感じ。内輪話のオンパレード。
    装丁は京極さんのこだわりが炸裂し、文章がページをまたがない等の法則は健在。1052ページに1052年の話題が入っていることに気がついたときには仰け反りました。しかし、京極さんじゃなければ、分量は半分以下に収まるんじゃなかろうか…。

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    2019年05月19日
  • 虚実妖怪百物語 序

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    実在の人物を登場させている、という意味では「京極版・ウロボロスの偽書」という感じでしょうか。
    ただ、キャラクターがぶっ飛びすぎていて、会話のやり取りにちょっと付いていけない部分もありました。
    中盤くらいまでは話がなかなか進まず、この小説はどこに向かって行くのかな、とも感じましたが、終盤になって徐々に盛り上がりを見せて来ました。
    つまらなくは無かったですが、破、急、と読み進められるかな・・・。

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    2019年05月12日
  • 眩談

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    ネタバレ

    怖いのかと思ったら、ただただ変なはなし。
「杜鵑乃湯」昔よく見た夢を思い出した。すごく広い家のなかをさまよっていて、どうしても外に出られない夢。
「けしに坂」忘れてたこと思い出してうわーってなるパターン好きだけど、これは忘れすぎ。
    「むかし塚」埋めてお話にしたい思い出。
お話は、消えない。思い出は薄れていくけれど、物語は永遠だ。
    辛いし苦しいけど、忘れられないし忘れたくない思い出。
大切に永遠に持っていたい思い出。
お話にするには時間がかかるけれど。

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    2019年04月12日
  • 虚実妖怪百物語 序/破/急

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    ただ勤めてるだけで疲弊する慢性エネルギー不足の私に余裕なんてものはない。社会構造根本的に変わらないかなぁとか思いつつその日を凌ぐだけである。余裕を持てと言われてもどうにもならない。作品の馬鹿騒ぎが楽しい分揺り戻しも大きい。あぁ、しんど。

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    2019年03月12日
  • 遠野物語remix 付・遠野物語

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    京極夏彦が遠野物語を現代語訳(と言うと少し大げさな気もするが)するだけでなく、序も含めて順番を大幅に入れ替えてまさにRemixしている。もとの遠野物語も佐々木鏡石の語りを柳田が語り直しているようなものなので二重の語り直しであると。

    原典に沿って淡々と訳している箇所もあれば、怪異譚の性格が強いような章は、原典にはない心理描写を思い切って盛り込んで小説風になっている。京極の他の作品は読んだことないのだが、なるほどと思わせる独特の文体。

    風邪で熱に軽くうなされつつ読むのにちょうど好適であったか。柳田はまさに同時代のことだと強調しているが、いくら田舎でも明治も終わりの時代にどこまでこれらの話が真剣

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    2018年11月05日
  • 眩談

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    今回は判りにくいお話ばかり。

    「もくちゃん」というお話は
    なるほど京極さん良いこと言うなと感心させられた。
    昔はどこの町にも少々困った人というのが1人くらいは居たものだなと。

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    2018年09月06日
  • 鬼談

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    談シリーズの三作目

    いままでより更に怪談要素が強い
    しかも人の怖さではなく、目には見えない何かよくわからないものの怖さ
    過去二作には不思議な話、またはありえなくはない話で終わるものもあったけど、今回は全て終わりのところで恐怖を感じるような作りになっている
    将に現代の怪談

    でもまぁ、今どきこの手のジャンルは流行らないんじゃないかなぁ・・・

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    2018年08月21日
  • 旧談

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    耳嚢のエピソードを怪談風にアレンジしたもの
    「談」がついているけど、他の「談」シリーズとは内容が違う
    まぁ、その元にはなってるかもしれないけど

    ちなみに、「このエピソード知ってる!」とか「他の作品に出てきたっけ?」とか思いながら読んでて気づいたけど、「旧い怪談」の文庫化したのが「旧談」なのね
    すでに読んでたわ(笑)

    原文の耳嚢では淡々と事実(?)が書かれてあるだけだけど、ただ単に不思議な話ではなく怖さを感じられるようにリメイクされているのは京極夏彦の力といったところ

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    2018年08月18日
  • 遠野物語remix

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    三度目の正直で読み終わることができた。
    単に怖いだけの話ではない。日本においての怖いとは、同時に切ないというものが付いてくるのかもしれない。そう思った。
    遠野に行きたい。

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    2018年07月08日
  • 薔薇十字叢書 桟敷童の誕

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    映画館に座らされる桟敷童は、座敷童の店版。

    弟子に! とやってくるのは迷惑ですが
    そんな理由からやってこられるのも迷惑。
    しかもうっかり、某探偵に桟敷童に興味をもたれるとか
    何してても怪しいのに、よくもまぁ…。
    しかもここから~の事件。

    掃除少年たる、自分を馬鹿だという少年。
    こういう性格かと思ったら…でした。
    探偵、関係ない気がします。
    とはいえ、話としては面白かったです。
    なぜ映画館に若者が増えたのか、とか。
    いやでもその趣味はどうかと…しかも掃除少年まで。
    一番の謎は、弟子に、とやってきていた彼。
    え、そういう落ちはありですか?! でした。
    幼少の頃のにらまれ、損としか…。
    でもそれ

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    2018年06月03日
  • 覘き小平次

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    嗤う伊右衛門から続くこのシリーズ。
    最初と最後で何が変わったと言えば、何も変わっていない。
    心持が少しほど変わったくらいか。それでも小平次たちにとって、大きな一歩なのだろう。
    治平の「嘘も触れ回れば霊験を顕すものよ」から「楽に生きるばかりが能じゃねえだろうよ」の下りには、辛酸舐めてきた者の言葉の重さがあった。

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    2018年06月02日
  • 豆腐小僧その他

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    『豆腐小僧双六道中ふりだし』を読んでいれば、こちらは読まなくて良いかも・・・
    時代背景は違うが、筋は同じだった。

    むしろ、落語「死神」がおもしろい。
    AKBなどの単語が出てくるので、落語を身近に感じた。解体して再構築する京極氏の技術が光る。

    これを機に、落語を聞いてみようかしら・・・

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    2018年05月29日
  • 鬼談

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    九篇の鬼気迫る物語を収めた、京極小説の神髄!

    日本には昔から「鬼」にまつわるお話が沢山ある。
    子どもの頃に読んだ童話にだっていろんな「鬼」が登場してくるし、地方のお祭りなどにも「鬼」の存在は色濃く残っている。それに「鬼」がつく言葉も沢山ある。

    ではいったい「鬼」とは何なのだろうか?
    赤色や青色の肌をしている?
    角が生えていて牙が映えていて、棍棒を持っている?
    それとも太鼓を持っている?
    鬼は人を襲うの?

    どれが本当でどれが作り物なのか。それともすべて作り物なのか。または本当なのか?

    暴れ回る京極夏彦氏目線の「鬼」たち。
    人の心に巣喰う「鬼」たちを見せつけられて、己の心を見つめなおす良い

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    2018年04月30日
  • 姑獲鳥の夏(1)【電子百鬼夜行】

    購入済み

    読むのがむずい&分厚い

    昔、友人が読んでいたので、内容と本の分厚さが気なり購入。(のちに、この本を読んでいた友人を尊敬した。)
     当時、買って後悔・・・。内容むずい。(使われている言葉が普通辞書でも、なかなか出てこない、ネットで調べてもなかなか出ない。絶対漢字検定1級クラスの文章だ!)これを書いた人、嫌がらせで書いたと当時思った。読めないので数年放置。 
     その後、映画になっているというので、そちらを見てから、再読。
     再読して感動!!文字の凝りもすごいが、内容の凝りもすごい。
    文字が読めるようになると、こんなすごいものが読めるようになることを教えられた作品。
     

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    2021年02月01日
  • 前巷説百物語

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    百物語シリーズのある意味一番最初を描いた作品。
    又市さんが江戸に来て、どのような経緯で「御行奉為-」ようになったかを描いた作品でした。

    京極さんのお話は他のシリーズも含めて順序立てて読んでいかないとわからないものが多いです。
    この本も順番通り読まないと、最後に起こる紛争とか、よくわからないかもしれません。

    いずれにしても世の中の損を引き受けるというのは、身だけではなく心もすり減らすことなんだなぁ…と思いました。

    本音と建て前ってバランスが難しいし、自分のなかで自分の外面と本当の自分と自分が思い込んでいるものを調和させるのも難しい。

    楽に楽しく生きていきたいけれど、ときには苦しんででも自

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    2018年03月25日
  • 後巷説百物語

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    ネタバレ

    小股潜(くぐ)りの又市さんらと別れてからずっと後。
    徳川幕府が倒れ、明治になってから、薬研堀に引っ越した百介さんが、若いお兄ちゃんたちに昔話をするという設定でいくつかの物語が語られていました。

    どれも妖怪譚って感じではあるけれど、実際は人が起こしたやり切れない事件や出来事を「妖怪のしわざ」ってことで落としどころを得るようなお話。

    結局、人の哀しみや苦しみを全部人のせいだと暴いてしまうと、心の癒しが全くできなくなることがあるんだろうね。

    今の日本だって、犯人が逮捕されても被害者やその家族は、そいつを殴ることも切り刻むことも自由に罵ることも同じような目に遭わせることもできないじゃん。

    人で

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    2018年03月02日
  • 続巷説百物語

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    土佐あたりで聞く「七人みさき」の話から平家の落人伝説なども絡めて舞台は四国から北陸まで及び、大きな悪を絶つまでのお話でした。

    各章に色々な妖怪のタイトルがついているんだけど、それらはすべて連続しているお話でした。
    京極さんのお話は、シリーズで読んでいかないとわからないものが多いね。

    幕府にいた大きな黒幕退治についてはサラっと済まされていて、いろんな人間関係が絡んだ「人間の悪」について描かれていました。

    でも、スッキリするお話じゃなかったなぁ…。
    そりゃ、悪い人間でもそれなりの生い立ちだとか悪になってしまうかわいそうな部分とかがあるんだろうけれど、何の罪もないのにそういった悪いヤツに凌辱さ

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    2018年02月23日