京極夏彦のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
・京極夏彦「妖怪の宴 妖怪の匣」(角 川文庫)を読んだ。「例によって驚くような結論はありません。本書は、『考える』試みというだけなのであり、論文や評論ではないからです。あまつさえエンターテインメントでもミステリでもないので、胸のすく解決も、どんでん返しもありません。」 (360頁)何があるのかといへば、「本書でふれている事柄をひとつも知らなくても」(同前)何も困らない。「この本は『無駄』なの です。時間の無駄、紙の無駄、労力の無駄ーーあらゆる無駄の集積です。」(同前)大体、妖怪自体が「どこをとっても無駄ーーあらゆる 無駄の集積なの」(361頁)だといふ。しかし、である。「無駄のない人生ほど、つ
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Posted by ブクログ
これだけ本を読んでいますが京極夏彦さんの作品は読んだことありませんでした。何しろ分厚いしなんだかめんどくさい感じがするというのが理由です。
本書はほんわかな感じなのできっとめんどうではないだろうと踏んで読み始めましたが、ひたすら主人公徳一(72)の独白が続くのでこれはこれでめんどくさい・・・。
独り者で結婚もしていない彼なので、一人でひたすら地味な日常を送っています。心の中に時折嵐はあれど、基本的には何も事件が起きない本です。
実際に目の前に居たら理屈っぽいおじいさんで、話すのもおっくうに感じそうですが、人に寄り掛からず一人で平和に生きている所は、自分が独居老人なら理想とする所かもしれません。 -
Posted by ブクログ
次々とお尻を人為的に丸出しにされた水死体が発見されていく。
そして、河童の伝承と共に膨らんでいく謎。立ち向かうのは女学生の美由紀と貴社の敦子コンビ。ミステリーなんだけど、妖怪の伝承と絡め、神秘的な印象なのがこのシリーズの魅力だ。
河童と天狗を同時に借りたのだが順番を完全に間違えてしまった。
昨年出版されたもので、京極先生の代表作として知られる百鬼夜行シリーズの一部。
物語の節目で敦子の口から出てくる、「兄」なる人物が初期の主人公で、この作品にも度々登場する妖怪研究家の多々良先生なども初期からのメインキャラクターの1人らしい。(Wikipedia調べ)
京極先