京極夏彦のレビュー一覧
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京極夏彦さんの百鬼夜行シリーズの公式シェアードワールド。
京極堂、榎さん、関口くんの出会いと最初の事件の物語です。
百鬼夜行シリーズに比べ非常に読みやすい文体で書かれているので、百鬼夜行シリーズは敷居が高いと思っている方にはおすすめ。キャラクターの魅力は百鬼夜行シリーズと変わりません。
ところどころでやっぱりこの3人も若者だったのね、という気持ちになります。中禅寺が老成しきっていない感じとか、感情の出し方も若者という感じがして普段百鬼夜行シリーズを読んでいる人間からすると微笑ましいと思ってしまいました。そこの所が上手いなあとも感じました。キャラクターがしっかり出来上がっている3人をきちんと若返 -
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京極夏彦公式スピンオフシリーズである薔薇十字叢書の一冊。内容は、二次創作だと思えば耐えられる……かも。
京極堂は妖怪蘊蓄を語らないし、語ったとしてもほんのちょっとで口のはさみ方がわざとらしい。関口くんはうじうじしていてしっかりしろと言いたくなるし、榎さんは傍若無人ぶりがから回っている。登場人物たる彼らを筆者は統制できていない。読んでいる最中、「京極堂はこんなんじゃない」「榎さんはこうじゃない」が何度か頭をよぎった。
構成と京極道の立ち回りは本家に倣おうとしているが、力量不足。圧倒的に闇が足りない。
京極堂シリーズが好きで、新刊が出ないことが耐えられなくて、雰囲気の欠片だけでも味わいたいなら -
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薔薇十字叢書というのは京極夏彦公認の「百鬼夜行」公式シェアワールド、ということなのですね。本人が長く書かないために現れた世界、ということでしょうか。
主要な登場人物は、かなりよく捉えられていたと思います。話全体の展開は50ページほど読んだところで、思った通りに進んでいくのですが、よく勉強して書かれているので、その部分を楽しむ形になりました。
本当によく原典を読み込んで書かれているな、と思いました。
あの方の訃報のあとに読みましたので、なんだか、しんみりしました。「妖怪大戦争」をまた見たくなりました。
ホームズ物にも良作のパスティーシュが多々あるし、そうなっていくのかなあ。
そういえば、御手洗潔 -
Posted by ブクログ
薔薇十字叢書は、京極堂内聞、天邪鬼の輩と今回のこれの合計三冊を今のところ読みましたが、これが群を抜いて原作に近かったと思います。
若干の違和感はないことはないですが、すごく気になってしょうがない!ってほどの箇所は特になかったように思います。
全体的に仄暗い空気感だったり、関口くんの鬱々とした感じだったり、榎さんの傍若無人さだったりがいい感じに似てたと思います。
視点がいろんな人に切り替わったり、内面を独白するような箇所もあったりして良かったです。
あとは個人的にはあとがきで作者の方に好感が持てました。
久保と関口くんの書いた小説、私も読みたいとずぅぅっと思ってます。