【感想・ネタバレ】絡新婦の理(4)【電子百鬼夜行】のレビュー

あらすじ

「あなたが――蜘蛛だったのですね」。桜の森の満開の下に響く京極堂の声。いまや恐るべき大計は成就した。だが、何故にかくも累々たる骸が晒されねばならなかったのか。神代の昔から続く理を開顕した陰陽師の発する哀しい問いに「真犯人」の答えは……。古今未曾有、瞠目の構造を織り上げた京極文学の金字塔。

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Posted by ブクログ

再読。だいぶ内容を忘れていたため今作も楽しく読めた。京極堂と榎さんと木場修が活躍するのはいつも通りだけれど今回はそこに伊佐間さんや呉美由紀やその他大勢も加わっての大所帯。しかも事件は二転三転は当たり前で被害者加害者の全体を掴むのも難しい。そんな中で蜘蛛は自らの手は汚すことなくこの事件の幕を閉じたのだから凄まじい。

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2020年09月27日

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ネタバレ

「あなたがーー蜘蛛だったのですね」

この言葉で締め括られる4巻。最後に漸く関口くんが登場。
こうやって京極に寄り添えるのは彼ならではなのかなとぼんやり。
邪険にされ、同行をやんわり断れても聞かず結局は同行。友人ではなく知人だと称しつつも、京極堂にとって関口君の存在の大きさを感じさせるラストでした。

桜の木の下の光景を眺める関口君の独白は物悲しさと、彼の見える世界の美しさを感じさせます。
しかし、次の宴の支度を読んでみると、そんな伏線!と叫びたくなります。

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2012年12月26日

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当然のように冒頭(1巻)に還る。
それがまたくるくると蜘蛛の巣的なことか。
粋だぜこんちきしょう!好きっ。

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2012年10月14日

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「あなたが―蜘蛛だったのですね」。桜の森の満開の下に響く京極堂の声。いまや恐るべき大計は成就した。だが、何故にかくも累々たる骸が晒されねばならなかったのか。神代の昔から続く理を開顕した陰陽師の発する哀しい問いに「真犯人」の答えは…。
古今未曾有、瞠目の構造を織り上げた京極文学の金字塔。

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2013年08月08日

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■内容(「BOOK」データベースより)
「あなたが―蜘蛛だったのですね」。桜の森の満開の下に響く京極堂の声。いまや恐るべき大計は成就した。だが、何故にかくも累々たる骸が晒されねばならなかったのか。神代の昔から続く理を開顕した陰陽師の発する哀しい問いに「真犯人」の答えは…。古今未曾有、瞠目の構造を織り上げた京極文学の金字塔。

■感想
なんとなくイメージとして、水墨画のような印象を受ける。全体的に墨と白、そんな感じで色彩の印象を受けない。モノクロームの世界。

絡新婦の理に、まさしく蜘蛛の糸のように張り巡らされている女性論は面白い…というか心地いい。

私自身、趣味で古典をかじったことがあって、現代の感覚で読むと違和感をどうしてもぬぐえなかった部分が、妻の地位が重要であること、女の家に通うこと(というか婿入り前提)、あとは後宮に入っての後ろ盾が、父より母の身分の方が重要視されていること。
現代の場合はそうでもない。一見「妻の地位が重要」で「婿入り前提」に見えても、それは彼女の父親が偉いからというケースばかり。
古典は「彼女の母親が偉いから」なんだよね…ここがなんとも。ううん。

調べればいいんだろうけど、疑問に思っても、もともと調べたいことは別のことだったのでスルーしてもうた。その謎を京極が見事に解いてくれている。ううむ、すごい。

あとは個人的に最初の頃の織作茜の描写が好き。○○というよりは××、という否定形のとこ。うん、写真では(あるいは黙っていれば)美人だけど、動いちゃうとなぜかそういう印象が砕けるって人いるよなぁ(これは男女関わらず)。

しっかし日本人にとって、キリスト教(というか一神教…てくくると怒られるのかな)て、想像以上にものすごく理解しづらいものなんだなぁとしみじみ思う。
それと同じく、キリスト教(一神教)が当たり前の人って、多神教が理解できないものなのかしら。

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2009年10月04日

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ネタバレ

4/4
冒頭に示された情景が実は……という超絶技巧。
そして素晴らしい舞台。実に好み。
なのはいいが、ちょっと印象に残ったし、おそらく本作の核心にも関連する、ちょっとした記述が、以下。
 (以下引用)
中禅寺は空かさず、
「馬鹿なことを云うな増岡さん。彼女達をそうさせているのは、我我男じゃあないか」
 と云った。増岡は勿怪顔になる。
「君は――女性崇拝者(フェミニスト)なのか?」
「勿論僕は女権拡張論者(フェミニスト)ですよ」
 中禅寺の回答に増岡は、人は見掛けによらぬな、と云って納得したが、二人の会話の間には少なからず齟齬があるように益田には思えた。
 (引用以上)
怪異を愉しむ手つきが決して悪しきビザールではなく、むしろ常識人であることが、京極夏彦の美点だと思った次第。

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2024年06月06日

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すごかったー。
ふとしたことが複雑に絡み合って事件を作り出してて、ほんとスゴイとしか言いようがない。
語彙がないので惜しいな。もっと気の利いた感想を書きたいのですけど。

・・・ただねー。
やっぱりなんとも人死にが多すぎるというか。切ない。
あとやっぱ難しかったな。
宗教的なこととか女権がどうとかさっぱり興味もないので、なんかこう・・・正直、理解は諦めた。
つ、次は頑張る・・・!

個人的に一番テンション上がったのは最後の関君と京極堂のやりとりです。
もう仲良すぎるだろコレ。お前らお互い好きすぎ。
なんやかんやでやっぱり2人は友人なんだな、と思いました。

あとは4巻まで読み終えてから1巻に戻ったときですね。
そういうことか! とぞくぞくしますよ。

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2009年10月04日

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あ、蜘蛛の正体の推測当ってた。

……気付いたら先生(関口)の存在がなかった。最後にだけ出てましたねー。ほぼ総出演だったのに……。

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2009年10月04日

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京極堂シリーズはどれも好きで全部あげたい。これは織作一族がとてもすきだったなー。話自体も女学生とか周りが立ってて好きだった。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

千葉の片田舎にある呪われた女ばかりの織作家の物語完結編。
やはり「蜘蛛」はこの人だった…って感じだけど、なんだかピンと来なかったです。

蜘蛛の巣のように3Dの構図でいろいろな事件が繰り広げられていくんだけれど、古い女系家族の思想的構図が明治以降の一夫一婦制&女性は一人の男性に操を誓うものと考える西洋思想を当然のように思っている男性によって狂わされていくことによっての悲劇。

……のようだけど、まぁ家族という組織優先で個人の意思を全く無視した冷たい家族ってのはどうもねぇ。
貴族制度が崩壊した戦後にこんな生活していてもつまんないって!

どうもピンと来なかったのが、どこかで読んだような内容ばかりだったのと、長い物語の割には蜘蛛の巣のように芯のない隙間だらけの芯をとらえられないお話だったこと。

地方のド田舎で良家の子女たちが売春をしていたというけれど、その場合、彼女たちを買った男性たちが全く見えないのが不思議だったこと、それなら地域社会にもっと何かしらのさざ波が立っていなくてはおかしいのではないか、よって、本当に少女買春があったのか…。

物語に熱が感じられなかったのが、イマイチでした。

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2018年02月22日

Posted by ブクログ

目潰し魔と絞殺魔の二つの連続殺人事件と、フェミニストの亭主失踪と女学園の売春事件とあれやこれやが実は全部かかわっている。
全貌が把握できないままに読み終わってしまった。事件の黒幕・女郎蜘蛛の正体は最後の最後に明かされるが、そのときには戻って読み直す気力はもうない。
神話や妖怪ウンチク、フェミニズム論に興味がある人にはオススメ。

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2009年10月04日

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