京極夏彦のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
【短評】
多分10年振り位に着手する「巷説百物語シリーズ」の最新刊である。
どうにもならぬ人の世のしがらみを妖怪怪異に仮託することで解消する本シリーズ。
正直、事前知識はさっぱり抜け落ちていたが、思いの外すんなりと世界観に浸ることが出来た。そうそう、こんな感じだった的な安心感。
全6話が収録されているが、基本的には同じ構造。起承転結よろしく「譚」「咄」「噺」「話」という4つの「はなし」で構成される本作の「型」をシリーズの様式美と捉えるか、紋切り型と捉えるかで評価は分かれるかもしれない。私は前者である。ただ、やや胡乱な表現になるが、このシリーズ、もう一歩グッと来る物語集だった記憶が強烈に残ってい -
Posted by ブクログ
巷に伝わる伝承をアレンジした時代小説。(と、思います)市井の悪党を妖怪の仕業と見せかけて、恨みを晴らしてくれる、又市一行必殺仕事人グループ。そこに、不可思議なお話を蒐集したい百介が絡む。
読み始めは、話の流れを掴めなくて、というか流れが見事で、夢か現か幻か?悪党さん達と一緒に騙されて、すっかり妖怪のお話だと思ってしまった。
それにしても、京極さんの知識がすごい。作中に出てくる古書の類は全部読破されているんでしょう。
しかも、妖怪大好きなのに、妖怪の仕業にはしない。
古今東西、世の中の解決できない納得できない事象を上手く妖怪の物語に仕立ててきたんでしょうね。 -
Posted by ブクログ
近未来の情報統治された世界で起こるSFアクションミステリ第2弾。
14歳の少女達が悩んだり戸惑ったりしながら(しない奴も数名あり)、ダメな大人達のすごく嫌な計画と戦って打ち破り、夢や現実に突き進む。
コミュニケーションって?生きるって?死ぬって?夢って?という現代人もつまずきがちな問題が、発展・進歩した世界では、余計に難しいらしい。動物を殺さずに食糧問題を解決し、武器も争いも(表向きは)なくなり、医療等も飛躍的に高度化してるのに、みんな「楽しく生きている」ようには全然見えない。多分それは、今の人間である私の主観でしかないですが。
こう書くと変な話に思われるかもしれませんが、京極夏彦は絶対裏切ら