京極夏彦のレビュー一覧

  • 遠巷説百物語

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    【短評】
    多分10年振り位に着手する「巷説百物語シリーズ」の最新刊である。
    どうにもならぬ人の世のしがらみを妖怪怪異に仮託することで解消する本シリーズ。
    正直、事前知識はさっぱり抜け落ちていたが、思いの外すんなりと世界観に浸ることが出来た。そうそう、こんな感じだった的な安心感。
    全6話が収録されているが、基本的には同じ構造。起承転結よろしく「譚」「咄」「噺」「話」という4つの「はなし」で構成される本作の「型」をシリーズの様式美と捉えるか、紋切り型と捉えるかで評価は分かれるかもしれない。私は前者である。ただ、やや胡乱な表現になるが、このシリーズ、もう一歩グッと来る物語集だった記憶が強烈に残ってい

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    2023年03月06日
  • 虚談

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    嘘を見破るとかそういった気持ちで最初進んでいたら、いきなり真っ暗になって不安に駆られる。そんな作品でした。個人的に「キイロ」という作品が印象的でした。

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    2023年03月03日
  • 文庫版 書楼弔堂 破曉

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    カウンセリング小説とでもいうのか、あらゆる本が揃う、異形の書店の店主が、客との対話、本の売り買いを通して、客が陥っている迷妄を祓うと言うような展開の連作集。客たちの多くは後の有名人で、彼らのちょっとしたトリビアが落ちに使われていたりするのも楽しい。

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    2023年02月28日
  • 死ねばいいのに

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    ネタバレ

    自宅マンションで殺害された女性。
    その知り合いに生前の彼女のことを聞き回る若い男。
    彼の目線から物語が描かれている。
    6部構成になっており1部を読んだ時にかなり引き込まれて
    続きが読みたくなった。
    面白かったです。

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    2023年01月20日
  • 巷説百物語

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    巷に伝わる伝承をアレンジした時代小説。(と、思います)市井の悪党を妖怪の仕業と見せかけて、恨みを晴らしてくれる、又市一行必殺仕事人グループ。そこに、不可思議なお話を蒐集したい百介が絡む。
    読み始めは、話の流れを掴めなくて、というか流れが見事で、夢か現か幻か?悪党さん達と一緒に騙されて、すっかり妖怪のお話だと思ってしまった。
    それにしても、京極さんの知識がすごい。作中に出てくる古書の類は全部読破されているんでしょう。
    しかも、妖怪大好きなのに、妖怪の仕業にはしない。
    古今東西、世の中の解決できない納得できない事象を上手く妖怪の物語に仕立ててきたんでしょうね。

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    2022年12月20日
  • 文庫版 オジいサン

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    ネタバレ

    のんびり穏やかにくらす、益子さんの日常。
    目玉焼きとソーセージについて考えている様子がとても可愛いなとほっこりしました。
    驚くような大事件はありませんが、とにかく益子さんの脳内でひとりボケツッコミが繰り返されていて、思わずくすっと笑ってしまいます。
    最後に田中電気さんからのお願いが、これからの益子さんにとってプラスになって、さらに楽しく生きていくんだろうなぁと期待が持てました。

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    2022年11月28日
  • 百鬼夜行 陰(全)【電子百鬼夜行】

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    「百鬼夜行シリーズ」のサイドストーリーズ。「絡新婦の理」の登場人物が多めだが、中にはまったく見当の付かないキャラもいる。調べてみると「ルー=ガルー」の登場人物も含まれているとのこと。そりゃわからんわな。基本的に本編のあのキャラにはこんなバックグラウンドがあったのか的に愉しむもので、これだけ読まされて面白いかと言われたら、少々心許ない。本編とは無関係にホラー短編として完結している作も含まれてはいるのだけれど、あくまでもシリーズの細かいエピソードまで頭に入っているような、熱心なファン向けだと思いますね。

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    2022年10月21日
  • 文庫版 ルー=ガルー2 インクブス×スクブス 相容れぬ夢魔

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    近未来の情報統治された世界で起こるSFアクションミステリ第2弾。
    14歳の少女達が悩んだり戸惑ったりしながら(しない奴も数名あり)、ダメな大人達のすごく嫌な計画と戦って打ち破り、夢や現実に突き進む。
    コミュニケーションって?生きるって?死ぬって?夢って?という現代人もつまずきがちな問題が、発展・進歩した世界では、余計に難しいらしい。動物を殺さずに食糧問題を解決し、武器も争いも(表向きは)なくなり、医療等も飛躍的に高度化してるのに、みんな「楽しく生きている」ようには全然見えない。多分それは、今の人間である私の主観でしかないですが。
    こう書くと変な話に思われるかもしれませんが、京極夏彦は絶対裏切ら

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    2022年09月08日
  • 文庫版 地獄の楽しみ方

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    いわゆる「地獄」の楽しみ方は学べなかったけど、SNSはなぜ炎上するのか?本はどう楽しむのか、言葉の使い方とは。別の人生を生きる、ではないけど、やっぱりこういう本があると思うと読書は有意義。だけど、それを活かせるか、なんだよなぁ。

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    2022年09月06日
  • 今昔百鬼拾遺 鬼 【電子百鬼夜行】

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    京極氏にしては、かなり短い長編。なのだけれど、コアになってるアイデアは正直短編クラスのもの。とはいえ、それでこういう話が書けちゃうんだもんな。文句はございませんわ。もっとも、大方の読者がかなり早い段階で真相を見抜いたのではないかとは思う。美由紀嬢の出番が少なく、クライマックスでの啖呵でしか見せ場がないのが、少し残念。

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    2022年08月30日
  • 絡新婦の理(1)【電子百鬼夜行】

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    10年振りくらいに再読。
    文庫は余りにも煉瓦すぎるので分冊で。

    要所部分は覚えているものの
    細かい部分はスッポリ抜けている。
    シリーズの中ではこの話が1番好きだと思っていたのに
    かなり忘れている。
    なんと信用ならない脳みそなのか!

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    2022年07月31日
  • 今昔百鬼拾遺 河童

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    ★3.5
    刺激の強いミステリーを続けて読んでいる時、箸休めとしてちょうど良い作品だった。できれば元のシリーズものを読んでから読み始めたかったけれど。

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    2022年07月25日
  • 絡新婦の理(3)【電子百鬼夜行】

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    ようやく物語が進み始めたと感じた。

    まだ少ししか読んでいない京極夏彦だが、当時の時代の状況、妖怪などの説明が非常に細やかで読んでいて分かりやすい。時代背景、妖怪の説明があると物語の内容に置いていかれることがなく読み進めることができる。

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    2022年06月13日
  • 今昔百鬼拾遺 鬼 【電子百鬼夜行】

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    分厚すぎて読めない本の人。2〜3人目あたりから話が始まって、推理してる端から斬られるくらいにハラハラしてくれてもよかったかなぁ。さて、『絡新婦の理』を読むか、最初からか、『河童』に行くか。

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    2022年06月11日
  • 巷説百物語

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    よく言われるように仕置き人を思わせる連作のシリーズ。けれど、又一らの一味が目指すのは、謂わば問題の解決であって、殺せば終わりの仕置き人とは根本のところで違う。迂生は仕置き人の原作小説にはあまり詳しくないのだが、初期のテレビシリーズには、彼らが仕置きを果たしたせいで、却って状況が悪化する「非情な」結末もままあった。そういう意味では表層とは異なり、アンチ仕置き人小説なのかも知れない。
    個人的には、「嗤う伊右衛門」の方を先に読んでしまったので、「帷子辻」での又一の独白には胸をつかれた。

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    2022年05月10日
  • 絡新婦の理(2)【電子百鬼夜行】

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    物語が動きだした感じかした。一での内容で基盤となるストーリーがそれぞれ展開され、それぞれが動き出していた。正直キリストや妖怪は専門外なので理解はできなかったが、面白く読むことができた。

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    2022年05月07日
  • 絡新婦の理(1)【電子百鬼夜行】

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    日本の妖怪と海外の信仰の話のミックスで読んでいてとても興味深かった。日本は島国ということもあり割と独特な信仰を持っていると思う。その文化を海外の文化と混ぜ合わせた?形で物語が進んでいくのが面白かった。しかし同時に頭がごちゃごちゃになっていくようにも感じた。続きが気になる。

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    2022年05月04日
  • 文庫版 地獄の楽しみ方

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    まるで京極堂から説教されているような感覚。

    言葉は効くんですよ
    心には
    効くんです

    言葉はきちんと使わないといけないと思い知らされました。

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    2022年04月25日
  • 今昔百鬼拾遺 鬼 【電子百鬼夜行】

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    やっと読めた。やっぱりミステリーがメインというか、時代や文化、歴史について書かれている所が多く個人的には好きだった。

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    2022年04月15日
  • 冥談

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    あやふやな記憶についての物語が多く、ほとんどの話で、語り手のアイデンティティーに鬆が入っている。普通、この手の話はニューロティック・ホラーとか呼ばれる物語になるのだけれど、語り口やお話の構造はあくまでも怪談。そのギャップが面白いというか、読んでいてどこか宙吊りにされてしまうような感覚がある。「予感」あたりが恐かった。

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    2022年04月11日