京極夏彦のレビュー一覧
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ネタバレ今昔百鬼拾遺シリーズの2作目。「鬼」に続いて「河童」である。タイトル通り「河童」についての談議が冒頭で繰り広げられるが、女子学生が黄色い声で河童談義を長々と続けているのは、いかにもリアリティがない。戦後間もない頃、という時代設定であったにせよ、女子学生がそれぞれ己の出身地に伝わる河童像や逸話を披露しあうとは思えない。この部分がそれほど長くなく、物語への導入として簡潔に語られたのならまだよかったのかもしれないが、いかにも長く続く談義を読まされると違和感を覚えるのみである。
物語は、薔薇十字探偵社の探偵と中善寺敦子が邂逅し、それぞれが追いかけている事件の話をすることで、互いの事件は呼応し、さらに -
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ネタバレ初京極夏彦です。260ページなので確かに読むのは大変でなかったです。ただ、シリーズものらしいので、この本では登場しない、おそらく本編で出ているらしい登場人物の名がよく出て来るので、やっぱり薄いからと言ってシリーズものの前のを読まないで突然読むのは、本来良くないのかも。
あと、これは私が勘違いしていたのが悪かったのですが、タイトルの響きから、ホラーと思い込んでいて、超常現象がある世界、今に鬼やら魔物やらが登場するのだろうと思い込んでしまっていたため、「あれ?」でした。超常現象は無い、恐ろしいのも犯行を実行するのもあくまで人という世界らしいと気がつけば、犯人自体は予想が当たった感じ、納得いく結 -
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シリーズ第二弾。
江戸にもどった百介は、その後も又市、おぎんを中心とする小悪党たちの世直し的な活動に加わることになり、数々の事件を解決していきます。さらに今回は、百介の兄で同心の山岡軍八郎、おなじく同心で変わり者として知られる田所真兵衛、貸本屋を営んでいる平八、浪人で北林藩に士えることを志願している東雲右近といった人物が物語の脇役を固め、より大きな陰謀に巻き込まれていくことになります。
前巻のような凝った語り口は控えられ、百介を中心としたキャラクター小説という印象がより強いものになっています。又市たちのスーパーマンぶりがますます顕著になっていくのに少々ついていけないと感じてしまいましたが、