京極夏彦のレビュー一覧

  • 冥談

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    「どうだろう。久し振りに来てくれたと云うのにこの有り様でね。屍と二人きりで留守番と云うのは気分の良いものじゃないだろうが、引き受けてくれるだろうか」

    静かに冷や汗をかくような短編集。派手な怖さはないが、不気味なシチュエーションと語り口で凄く不安な感情になる。各章の終わり方のうまさがさすが京極先生の筆致だった。

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    2023年03月20日
  • 遠巷説百物語

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    【短評】
    多分10年振り位に着手する「巷説百物語シリーズ」の最新刊である。
    どうにもならぬ人の世のしがらみを妖怪怪異に仮託することで解消する本シリーズ。
    正直、事前知識はさっぱり抜け落ちていたが、思いの外すんなりと世界観に浸ることが出来た。そうそう、こんな感じだった的な安心感。
    全6話が収録されているが、基本的には同じ構造。起承転結よろしく「譚」「咄」「噺」「話」という4つの「はなし」で構成される本作の「型」をシリーズの様式美と捉えるか、紋切り型と捉えるかで評価は分かれるかもしれない。私は前者である。ただ、やや胡乱な表現になるが、このシリーズ、もう一歩グッと来る物語集だった記憶が強烈に残っている。全体的に落語的な面白さはあったが、涙が滲むような、心が震えるような、そんなお話に出会えなかったのが少々残念ではあった。

    ①歯黒べったり ★★★☆☆
    巷説百物語ってこういう感じだったな、というのを思い出した。久しぶりの再読ということもだったが、期待していたものに出会えた嬉しさよ。「目鼻がなくなる」部分をかなりの力業で解決していてちょっと笑った。

    ②磯撫 ★★★☆☆
    米取引を巡る一連の騒動。黒幕の目的が読めず、なかなかに引き込まれた。成程”完璧”だけが良質な謎ではないと。しかし凄い大仕掛だな。

    ③波山 ★★☆☆☆
    全体的に無理があるような気がした。

    ④鬼熊 ★★★☆☆
    ハリボテの*で医者の目を掻い潜るのは不可能ではないのか、思った。しがらみからの解放という意味では綺麗な展開だったのでちょっと加点。

    ⑤恙虫 ★★★★☆
    個人的には一番面白かった。仕掛けがシンプルであるのが気に入った。鮮やかなのが好み。疫病の蔓延という割と緊迫した展開が、良い感じの変化になっていたと思う。志津さんと大久保氏が己の状況の異常さに思い至る辺りが好み。

    ⑥出世螺 ★★★☆☆
    やっぱりあの人が出ると物語が締まるなぁというのは、この手のシリーズ特有の感想である。良いものは良い。ようやく主役のご登場といった具合。個人的には最終話はもう少し入り組んだ事情(と、そこからの解放)を期待したが、思ったより小粒の話に落ち着いてしまったかな。悪くは無いが、期待が少々高すぎたかしらといった印象。

    次作「了巷説百物語」で完結とのこと。
    今作はやや消化不良だったゆえ、嘗て味わった感動を期待して待つとしよう。

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    2023年03月06日
  • 虚談

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    嘘を見破るとかそういった気持ちで最初進んでいたら、いきなり真っ暗になって不安に駆られる。そんな作品でした。個人的に「キイロ」という作品が印象的でした。

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    2023年03月03日
  • 文庫版 書楼弔堂 破曉

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    カウンセリング小説とでもいうのか、あらゆる本が揃う、異形の書店の店主が、客との対話、本の売り買いを通して、客が陥っている迷妄を祓うと言うような展開の連作集。客たちの多くは後の有名人で、彼らのちょっとしたトリビアが落ちに使われていたりするのも楽しい。

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    2023年02月28日
  • 文庫版 オジいサン

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    ネタバレ

    のんびり穏やかにくらす、益子さんの日常。
    目玉焼きとソーセージについて考えている様子がとても可愛いなとほっこりしました。
    驚くような大事件はありませんが、とにかく益子さんの脳内でひとりボケツッコミが繰り返されていて、思わずくすっと笑ってしまいます。
    最後に田中電気さんからのお願いが、これからの益子さんにとってプラスになって、さらに楽しく生きていくんだろうなぁと期待が持てました。

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    2022年11月28日
  • 文庫版 ルー=ガルー2 インクブス×スクブス 相容れぬ夢魔

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    近未来の情報統治された世界で起こるSFアクションミステリ第2弾。
    14歳の少女達が悩んだり戸惑ったりしながら(しない奴も数名あり)、ダメな大人達のすごく嫌な計画と戦って打ち破り、夢や現実に突き進む。
    コミュニケーションって?生きるって?死ぬって?夢って?という現代人もつまずきがちな問題が、発展・進歩した世界では、余計に難しいらしい。動物を殺さずに食糧問題を解決し、武器も争いも(表向きは)なくなり、医療等も飛躍的に高度化してるのに、みんな「楽しく生きている」ようには全然見えない。多分それは、今の人間である私の主観でしかないですが。
    こう書くと変な話に思われるかもしれませんが、京極夏彦は絶対裏切らない。
    やや前半のテンポが悪いですが、中盤からギアはどんどん上がっていきます。

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    2022年09月08日
  • 文庫版 地獄の楽しみ方

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    いわゆる「地獄」の楽しみ方は学べなかったけど、SNSはなぜ炎上するのか?本はどう楽しむのか、言葉の使い方とは。別の人生を生きる、ではないけど、やっぱりこういう本があると思うと読書は有意義。だけど、それを活かせるか、なんだよなぁ。

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    2022年09月06日
  • 今昔百鬼拾遺 鬼 【電子百鬼夜行】

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    京極氏にしては、かなり短い長編。なのだけれど、コアになってるアイデアは正直短編クラスのもの。とはいえ、それでこういう話が書けちゃうんだもんな。文句はございませんわ。もっとも、大方の読者がかなり早い段階で真相を見抜いたのではないかとは思う。美由紀嬢の出番が少なく、クライマックスでの啖呵でしか見せ場がないのが、少し残念。

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    2022年08月30日
  • 絡新婦の理(1)【電子百鬼夜行】

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    10年振りくらいに再読。
    文庫は余りにも煉瓦すぎるので分冊で。

    要所部分は覚えているものの
    細かい部分はスッポリ抜けている。
    シリーズの中ではこの話が1番好きだと思っていたのに
    かなり忘れている。
    なんと信用ならない脳みそなのか!

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    2022年07月31日
  • 今昔百鬼拾遺 河童

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    ★3.5
    刺激の強いミステリーを続けて読んでいる時、箸休めとしてちょうど良い作品だった。できれば元のシリーズものを読んでから読み始めたかったけれど。

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    2022年07月25日
  • 絡新婦の理(3)【電子百鬼夜行】

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    ようやく物語が進み始めたと感じた。

    まだ少ししか読んでいない京極夏彦だが、当時の時代の状況、妖怪などの説明が非常に細やかで読んでいて分かりやすい。時代背景、妖怪の説明があると物語の内容に置いていかれることがなく読み進めることができる。

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    2022年06月13日
  • 今昔百鬼拾遺 鬼 【電子百鬼夜行】

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    分厚すぎて読めない本の人。2〜3人目あたりから話が始まって、推理してる端から斬られるくらいにハラハラしてくれてもよかったかなぁ。さて、『絡新婦の理』を読むか、最初からか、『河童』に行くか。

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    2022年06月11日
  • 絡新婦の理(2)【電子百鬼夜行】

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    物語が動きだした感じかした。一での内容で基盤となるストーリーがそれぞれ展開され、それぞれが動き出していた。正直キリストや妖怪は専門外なので理解はできなかったが、面白く読むことができた。

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    2022年05月07日
  • 絡新婦の理(1)【電子百鬼夜行】

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    日本の妖怪と海外の信仰の話のミックスで読んでいてとても興味深かった。日本は島国ということもあり割と独特な信仰を持っていると思う。その文化を海外の文化と混ぜ合わせた?形で物語が進んでいくのが面白かった。しかし同時に頭がごちゃごちゃになっていくようにも感じた。続きが気になる。

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    2022年05月04日
  • 文庫版 地獄の楽しみ方

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    まるで京極堂から説教されているような感覚。

    言葉は効くんですよ
    心には
    効くんです

    言葉はきちんと使わないといけないと思い知らされました。

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    2022年04月25日
  • 今昔百鬼拾遺 鬼 【電子百鬼夜行】

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    やっと読めた。やっぱりミステリーがメインというか、時代や文化、歴史について書かれている所が多く個人的には好きだった。

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    2022年04月15日
  • 冥談

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    あやふやな記憶についての物語が多く、ほとんどの話で、語り手のアイデンティティーに鬆が入っている。普通、この手の話はニューロティック・ホラーとか呼ばれる物語になるのだけれど、語り口やお話の構造はあくまでも怪談。そのギャップが面白いというか、読んでいてどこか宙吊りにされてしまうような感覚がある。「予感」あたりが恐かった。

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    2022年04月11日
  • 眩談

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    再読。現代怪談シリーズ短編集。普通の日常とそこにぽっかりと口を開けた非日常が奇妙に混じった話が多い。最初は普通なのに、気付けば異界に足を踏み入れているか浸食されている。その眩暈のような感覚がたまらなく心地良くもあり、心底震えるような恐怖感もある。特に気に入った話は「歪み観音」「けしに坂」かな。

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    2022年04月10日
  • 続巷説百物語

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    知識量に圧倒される
    百介の心の動きにぎゅっとなった
    世の中のどうしようもないことをこういう書き方でおさめようとした発想がすごい
    百介の口調が少しばかり現代チックなところもギャップだと思うけど面白いというか逆にリアルっぽいと思う
    最後切なかったな

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    2022年04月04日
  • 今昔百鬼拾遺 鬼 【電子百鬼夜行】

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    ネタバレ

    2022/4/2
    そういや最近京極堂ご無沙汰やなと思って読んでみた。
    古本屋も探偵も小説家も出てこなかったわ。
    ご無沙汰過ぎて彼らの近況に触れられてもそれがどんな事件だったかもわからない。
    ご無沙汰しすぎやな。
    姑獲鳥からまた読みたくなってくる。
    この本は敦子が活躍するけど敦子はそうでもなく、子供刑事と依頼者の女子高生がいい味。
    女子高生の最後の啖呵は特によかった。
    しかし私は探偵に会いたかったんだよ。
    探偵出てる新刊はどれだろ?

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    2022年04月03日