京極夏彦のレビュー一覧
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中巻に入ってようやく探偵登場。
その榎木津礼次郎という人物があまりにも面白くて、それまでのおどろおどろしさもどこへやら、思い切り爆笑してしまったので、つい日記を書いてしまった次第ww
元華族の父親は、幾つもの系列会社の会長や取締役といった名誉職を兼ねる悠悠自適の身分らしいが、財産は自分で稼げ、成人は養わぬと二人の息子を放逐してしまった。榎木津は兄共共関連企業に就職さえさせて貰えない。
榎木津には善く解らないものが見える超能力があるらしい。たまさかその性質は他人の秘密を解明してしまうことが多い。だから、榎木津は探偵なのだ。
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榎木津は厭厭その辺に積んである衣類の山から適当に手 -
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京極夏彦の魍魎の匣を読みました。箱に詰められた美少女がきっかけで、登場人物がつぎつぎに魍魎に魅入られて彼岸の境界を越えて行ってしまいます。禍々しい物語で、京極堂の薀蓄を延々と聞かされる物語でしたが、今回も楽しめました。そして、今回は木場修の物語でした。脇役の役どころと思える木場修の物語が語られていきます。ところで、この物語を読みながら私が連想していたのは...私はテーブルトークRPGを遊んだことがなかったのですが、昨年はじめてクトゥルフに誘ってもらいました。物語は高尾山の奥にある怪しい寺院が舞台で、秘密の儀式が行われている、という設定のシナリオでした。マスター(クトゥルフなのでキーパーですかね
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特集タイトルに惹かれた過去号の怪と幽、勢いで2冊お迎えしたものの、前号の「あやしい家」ほどはまらなかった。。
今号の特集は「呪術入門」だから、うわぁ呪術だね〜(ぼんやりし過ぎた表現しかできない 泣)ていう術とか、呪物とか、不穏な感じの内容ばかりかと想像してたんだけど、節目に玄関先に飾るやつ(お節分の柊とイワシの頭とか。うちにはそういう習慣はないから飾ったことはないけど)とか、ちょっとしたおまじない的な内容も紹介されていて、それが興味深かったです。あの飾りたちも呪物と呼ばれていることに驚いたのと、どれも初めて見るお品ばかりで、日本って狭いようで広いな〜って改めて感じました(私の実家の玄関先に掛け -
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京極氏の京極堂ではない短編8篇。
タイトルに堂々と幽談とされれば、そんな言葉があったかと思ってしまう。
解説では、“幽けき”(かそけき)記憶に棲むモノとされています。
怖さ的には、 怪談 〉 奇談 〉 幽談
こんな感じでしょうか
「手首を拾う 」
手首に拾われる感じ、幽けき存在感
「ともだち 」
幽けき友達
「下の人 」
家の中で下の方に潜む存在
「成人 」
実話風で奇妙。奇談寄り。
「逃げよう 」
怖さが直接的。怪談寄り。
「十万年 」
幻覚・幽玄の境界。幽談の極致。
「知らないこと 」
知らないことはない我が家
「こわいもの 」
京極さんには、結局怖いものがなのでは?
京極的幽けき短編 -
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見定めるには識らねばなりませぬ故(p.174)
〔内容〕彼岸花、名前の数だけ、業があり報いがある。復讐するは亡霊か、恐怖を流し、応報それとも偶然か、いくつもの死がもたらされる。狐面が白く浮かび、解きほぐすのは一人の宮守。
〔感想〕もともと歌舞伎にするために書いたものだそうです。これをどう舞台に移すのか、観てみたいものです。
■狐花についての簡単な単語集
【近江屋源兵衛】江戸一番の材木問屋。
【儀助】辰巳屋の番頭。
【上月監物/こうづきけんもつ】作事奉行。
【竹/たけ】辰巳屋の女中。
【辰巳屋棠蔵/たつみやとうぞう】口入屋。
【中禅寺洲齋/ちゅうぜんじじゅうさい】囲町(かこいまち)武蔵晴明神