【感想・ネタバレ】陰摩羅鬼の瑕(3)【電子百鬼夜行】のレビュー

あらすじ

「薫子さんは――。必ず僕が生かして戻します」。またしても惨劇は繰り返されたが、「鳥の城」に辿り着いた京極堂は伯爵にこう断言した。驚嘆する周囲をよそに、語り出した京極堂。少しずつ明るみになる犯人像。「それでも人は自分の真相を知りたがる。だから僕は来たのです」。京極文学の新境地、ここに完結。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

文句なしの満点。
この作品も再読だったがあまり記憶になく、改めて楽しめた。
今までは、この百鬼夜行シリーズの中では鉄鼠の檻が一番好きだったが大人になり改めて理解した今、この陰摩羅鬼の瑕がとても心をつかむ作品だということに気付かされる。

社会性を身につけることは、社会で生きていれば当たり前で京極堂の言うとおりに意識することなど皆無だが、閉ざされた世界で生きる人にとっては当たり前ではないことに周りも気がつけない。これが今回の最もな悲劇となるわけだが最後の、京極堂の憑き物落としのなかで発せられた「間違っているのではなく、違っているのです」
この言葉がとても優しく、更に真実を的確に伝える言葉で涙が止まらなかった。

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2022年06月25日

Posted by ブクログ

下巻。

なんとなくあの人が犯人なんだろうなぁ…と思ったけれども、それでも思いっきりイレギュラーなところから突っ込まれてびっくりするとともに、「厭な小説」を読んだ時と同じような気味の悪さも感じた。良くあの理論でこの小説をまとめたなぁ…と思うと、読後感はあんまり良くないものの、印象深く面白い小説だったなぁと思えた。

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2012年12月30日

Posted by ブクログ

久々にすっきりハマった結末。

オオカミに育てられた赤ん坊が人間らしくなれないのと同じように、こんな育てられ方をしたら、こんな事件が起きるのも不思議ではないと思う。

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2012年01月04日

Posted by ブクログ

一番哀しい事件だった。
姑獲鳥の時も哀しい事件だと思ったけど、それ以上かもしれない。
薫子さんが好ましいキャラクターだったから余計にそう思えてしまう。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

前のシリーズよりもすっきりしてて(重複してて何処かで繋がってるとこが少ない)読みやすかったです。
京極さんの文と構成は相変わらず綺麗だなあ…。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

がーっと読んじゃった。
もう、ただただ哀しい。なんでこんなに哀しいんだ!
そこここに色濃くうぶめとの重なり合いが見えるし、そしてやっぱり関口(つまり彼を通した読者も含む)は突き放されはじめている。

ああああ…だからこそ哀しいなあ。

それにしても関口の巫女体質ったら。

ハイデガーに揺さぶられた私なんですが、存在と時間に閃いた衝撃が、あちらこちらにばらまかれているから、とても染み込みやすい。

読めば読むほど物哀しさは増すし、好きにもなってゆきます。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

☆4…4.5…かな?

なんか哀しいし切ない。゚(゚´ω`゚)゚。
毎回真相はやりきれなくなるんだけど…
今までの作品とは違う印象でした。

中禅寺、榎木津、関口のみというチーム京極堂の少なさ?一つの館という狭い世界での事件だから?
犯人分かりやすかったから?

しかしだからこその良さもある。
横溝正史が出てくるという事で、密室による殺人のトリックと23年前から続く連続殺人と探偵。
まさに横溝的な設定にしたのかな…なんて考えてしまう。
そして結末も哀しい…
一番哀しかったかも。゚(゚´ω`゚)゚。

幼子に話すような中禅寺の憑物落としのセリフの数々が、より一層他のシリーズ作品と違う印象を持たせたのかもしれないな。

子曰く、人の己を知らざるを患えず…
めちゃくちゃ気になってラストの論語調べました笑

あ〜なんか今作好きかも…
って毎作言ってる気がする笑



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2023年12月01日

Posted by ブクログ

再読。そのため事件の犯人やそれに付随する諸々は覚えていたので、途中途中の伏線というか引っ掛かりを意識しながら読むことができた。そうやって考えながら読むと、伯爵の言葉は何というのか妙に滑稽的でもあり物悲しくもあり…。伯爵が其方側を選んでいれば安寧だけは得られたのだろうが、伯爵ほど聡明で高潔な方はやはり此方側を選ばなければいけなかったのだろう。そう思うとやはり遣り切れない。

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2021年07月30日

Posted by ブクログ

真相が早い段階でわかるので憑き物落としの衒学詰め込みはもどかしいものがある
妖怪小説としては良い出来だと思う

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2013年07月15日

Posted by ブクログ

京極夏彦作品を久しぶりに読んだ。
けっこう序盤から、こういうことじゃないかな、と思いながら読んでいたのが的中してしまったが、ことの真相よりも、それに付随する解釈とか、中禅寺の論理が力強く圧倒される。
あの、鈍器にしか見えない分厚い文庫版のほうが、「読んでる」感が出るし、京極夏彦然としている(?)から好きだが、現実問題、通勤の電車内で読むのにはこっち(分冊文庫版)の方が向いている。

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2013年03月06日

Posted by ブクログ

やっぱりこのシリーズはなんとも哀しい終わり方だ・・・後味があまりよろしくない。
でも読んでしまう不思議。引き込まれるんだよなぁ。

そういえばなんかこれは今までのと少し違う印象を受けました。
どこがどうとは言えないのですけど。
なんだろう・・・ノベルスじゃないからか? 文庫にするに当たってかなり手を入れてあるらしいですし。
もしくは前作を読んでから時間が経ってるからかな。高校生の時分とは考え方が変わっているのかもしれません。
それか本当に書き方というか構成が変わっているのか。

どうでしょう。とりあえず既刊を最後まで読んだらまた1から読み直してみたいと思います。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

■内容(「BOOK」データベースより)
「薫子さんは―。必ず僕が生かして戻します」。またしても惨劇は繰り返されたが、「鳥の城」に辿り着いた京極堂は伯爵にこう断言した。驚嘆する周囲をよそに、語り出した京極堂。少しずつ明るみになる犯人像。「それでも人は自分の真相を知りたがる。だから僕は来たのです」。京極文学の新境地、ここに完結。

■感想
前作で京極シリーズからは離れたつもりだったけど、オンモラキ(※俺屍/赤羽根天神参照)ときいては黙っていられぬ!と思って読みました。

白昼夢のような前作と比べて、多少昔の雰囲気に戻ってきたかなという印象。
だんだんとエノさんが躁病ぽくなっているのは、関口がだんだんと鬱病をひどくさせているからか。

「犯罪という自覚がない場合、罪の意識は芽生えない」
これはとても深い命題に思います。
ここ最近…というより、だいぶ前から万引きが流行していますが、特に学生の若い人には犯罪という意識が欠如している様子。つかまっても謝ればいい、または親がきて親がお店にキレる…正直、意味がわかりません。

由良昂允は良識のある人だから、これが殺人であることを、犯罪であることを理解したけれど、彼らは良識のかけらもない。むしろ「普通」に育っているはずなのに、これはあまりにもひどすぎる。
教育って重要で、大変だなあと思わせる一冊です。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

花嫁はまたしても死んだ。
そして、京極堂の憑物落しによって犯人が判明した。
常識とはその文化によって異なるものであり、真理ではない。

特異的な環境で育った犯人は、私達が何となく定義している「死」とは、異なった「死」を定義していた。その為、彼は20年間に渡り花嫁たちを殺した(=家族になる)。

外部からの侵入も無く、一生限られた特異的環境で生きていけたならば誰も悲しまず、事件にさえならなかったのだろうか。しかし、死体は剥製と違って腐るからすぐ異変に気付くか。殺意無き殺人事件だった。

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2014年01月18日

Posted by ブクログ

そして下巻も読破。
普段ミステリを読んでも途中で犯人に気付くことなどないのですが、この作品は「まさか・・・」の後「やっぱり・・・」となりました。
まぁ作家さんが本人ミステリだと思って書いてないとのことなので、そんなことでガッカリしたりはしません。
が、シリーズ初期の「どんでん返し!」感が薄れてきた気もしなくはない。読者が慣れてしまったのかな。
とか何とか言いつつ、面食いな私は榎木津さんが好きなのでなかなか楽しめました。

邪魅の雫、分冊版はまだ出ないなぁ。早く読みたいんですけど!!

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2009年10月04日

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