あらすじ
「あなたの夢こそ鍵になるでしょうね」。京極堂は刑事・木場とともに店の敷居を跨いだ降旗にそう言った。逗子湾に浮かぶ金色の髑髏、葉山の山中で起きた男女集団自決に絡まり縺れるようにして殺された老作家・宇多川。やはり犯人は朱美なのか? 目撃された「復員服の男」とは何者なのか? 謎は謎を呼ぶ百鬼夜行シリーズ第3作。
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狂骨の考察が半端無い。
上下する妖怪、井中の怨む妖怪、、骸骨の妖怪。
それぞれの要因を含む狂骨の解釈が奥深い。
番町皿屋敷も、お菊さんの幽霊話を否定、更屋敷の洒落からくる妖怪という話も面白い。
個人と社会の関わり方も面白い考えだった。
ひとりひとりは善人であっても、組織化すれば別の主張ができあがり、そうしてできた全体の意思は個人の意志とかけ離れてしまうことが多いという話を海に例えているシーンが実にすんなり入ってくる表現だ。
「世の中にはね、不思議なことなど何ひとつないのだよ。」
ついに下巻に突入だ。
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「−−後の話はそれからです。それが叶ったらすぐに憑物落としにかかりましょう。
場所は、そうだな、一寸遠くて億劫だが、逗子の聖宝院−−だな」
京極堂は決然とそう云った。
木場は大いに戸惑った。
やる気を殆ど失っている木場修から始まり、渦中の人間が交わって行く。
漸く京極堂が重い腰を上げ、物語は収束へと向かって行く。
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■内容(「BOOK」データベースより)
「あなたの夢こそ鍵になるでしょうね」。京極堂は刑事・木場とともに店の敷居を跨いだ降旗にそう言った。逗子湾に浮かぶ金色の髑髏、葉山の山中で起きた男女集団自決に絡まり縺れるようにして殺された老作家・宇多川。やはり犯人は朱美か?目撃された「復員服の男」とは何者なのか?謎は謎を呼ぶ。
■感想
取り扱っているものがものなだけに、全体的に白昼夢のような雰囲気が漂う。
そういえば姑獲鳥の夏、魍魎の匣と映像化したけれど、狂骨の夢もするんだろうか?
これは映像化できないトリックがあると思うんだけれどなあ。
狂骨の存在をしらなくて、調べてみたんだけれど、これは本当に骨なんだなぁと。
以下wikiより転載。
井戸などに捨てられて白骨化した死体が、その強い怨念により死霊化したもの。その姿は白髪をした骸骨の幽霊そのものである。
幽霊になってまで骨。ううん、深い。
狂骨に限らず、京極の何がよいかというと、薀蓄が無駄じゃないところ。これこれこういう薀蓄が前提としてあって、そしてその後が展開する。それがいいんだな。
京極を発端(じゃないかもだけど)に、薀蓄を垂れ流す本が本当に増えたなあ。ラノベは特に薀蓄は本当に薀蓄だけで、そのあとに続かないので非常に退屈。ただ薀蓄が読みたいだけだったら、小説じゃなくて百科事典かwikiを見るよーと思います(百科事典もwikiも大好き)。
京極はそれをかなえてくれるから非常に嬉しい。
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中巻です。メインの登場人物が出てきて面白さが増しました。事件も発展して緊張して読んでました。やっぱり榎木津さんは楽しい。あの突飛な性格好き(笑)
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京極夏彦の和風ミステリー『狂骨の夢』、分冊文庫版の中巻。
逗子湾に"金色に光る髑髏"が浮かんでいるとの複数の目撃情報が上がる「金色髑髏事件」と、その後、逗子海岸で発見される身元不明の生首。葉山の二子山山中で、集団自殺を果たしたと思われる、純白の死に装束を着た男5人と女5人の遺体が発見される「二子山集団自殺事件」。そして、老小説家・宇田川が殺害され、妻・朱美が容疑者として逮捕される。
「二子山集団自殺事件」で自殺した身元不明者の捜査をする刑事・木場。宇田川が殺害される直前、朱美の先夫殺しの告白と、それが原因と思われる神経症について、彼から相談を受けていた小説家・関口。牧師・白丘から、"髑髏"にまつわる過去の不可思議な体験について聞かされた、己自身も"髑髏"にまつわる夢に悩む元精神神経科医・降旗。再び訪れた逗子で、警察に連行される朱美の姿を目撃する遊民・伊佐間。逗子近辺で発生している奇妙な事件に三者三様、間接的に関わる者達。彼らが集う先は示し合わさずとも同じ、眩暈坂の上にある古本屋―――「京極堂」。
一見して関係性を見出すことが難しい過去・現在の事件。それら全てが連関していると結論付ける京極堂。果たしてその真相とは―――。
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関口の悪い予感はあたり、事件は起きてしまいます。やっと京極堂が登場し、いよいよ事件の解明へと向かうのかしら。あぁ、早く私もスッキリしたい。どんな風にこの不思議な事柄に説明をつけるのかなぁ。
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体調不良のボンヤリした頭で読み進めてしまったため、
きっと感想もパッとしないはず。
元精神科医の降旗のウジウジに辟易とする。
関口には可愛さすら覚えているというのに。
この違いは何だ。
終盤にようやく京極堂が登場。
ここから佳境へと入る。下巻へ。
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兵役を拒否して逃亡&殺された元夫のリアル訪問におびえる朱美さんは、今の事実上の旦那さんである文学界の重鎮である宇多川さん殺害容疑で逮捕されちゃった。
なんで~?ってことで、いつものメンバー+新登場の濃い
~面々が大忙し。
金色髑髏事件と逗子湾生首事件と二子山集団自殺事件と朱美さんの元夫である兵役忌避者猟奇殺人事件の登場人物が共通してるってことがわかって、いよいよ神奈川の警察屋さんも合同捜査本部を作って本気を出したっぽい。
この巻は物語を解決するネタがいろいろ出てくる巻でした。
そういった意味ではわくわく感はそれほどなく、淡々と読み進めた感じ。
最終巻に期待しよう♪
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感想は下巻にまとめて。
中巻の後半でやーっと中禅寺さん登場。
物語の締めに入ります。
色々な状況がひしめきあってるのが、
どう締まっていくのか、楽しみであり気にもなります。
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続いて中巻読破です。哲学や心理学は好きな分野(というか専攻)なので興味深く読めますが、宗教絡みの話には大分苦戦を強いられています; エノさんが出てくると癒されるようになっている自分に気付きました(笑) 全体感想は下巻読破後に。
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ここのところ短編小説やエッセイばかり読んでいたので、何かじっくり読める長めの小説が読みたいなぁと思って、京極夏彦。
夢と現実、伝説と史実が交錯する怪事件を、今回はわりと控え目な榎木津といつも通り説明口調がウザい京極堂がバサリと切り落とす。まぁエンターテイメントとしてはそれなりに楽しめる一冊。