京極夏彦のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
九篇の鬼気迫る物語を収めた、京極小説の神髄!
日本には昔から「鬼」にまつわるお話が沢山ある。
子どもの頃に読んだ童話にだっていろんな「鬼」が登場してくるし、地方のお祭りなどにも「鬼」の存在は色濃く残っている。それに「鬼」がつく言葉も沢山ある。
ではいったい「鬼」とは何なのだろうか?
赤色や青色の肌をしている?
角が生えていて牙が映えていて、棍棒を持っている?
それとも太鼓を持っている?
鬼は人を襲うの?
どれが本当でどれが作り物なのか。それともすべて作り物なのか。または本当なのか?
暴れ回る京極夏彦氏目線の「鬼」たち。
人の心に巣喰う「鬼」たちを見せつけられて、己の心を見つめなおす良い機会かもしれない。 -
購入済み
読むのがむずい&分厚い
昔、友人が読んでいたので、内容と本の分厚さが気なり購入。(のちに、この本を読んでいた友人を尊敬した。)
当時、買って後悔・・・。内容むずい。(使われている言葉が普通辞書でも、なかなか出てこない、ネットで調べてもなかなか出ない。絶対漢字検定1級クラスの文章だ!)これを書いた人、嫌がらせで書いたと当時思った。読めないので数年放置。
その後、映画になっているというので、そちらを見てから、再読。
再読して感動!!文字の凝りもすごいが、内容の凝りもすごい。
文字が読めるようになると、こんなすごいものが読めるようになることを教えられた作品。
-
Posted by ブクログ
百物語シリーズのある意味一番最初を描いた作品。
又市さんが江戸に来て、どのような経緯で「御行奉為-」ようになったかを描いた作品でした。
京極さんのお話は他のシリーズも含めて順序立てて読んでいかないとわからないものが多いです。
この本も順番通り読まないと、最後に起こる紛争とか、よくわからないかもしれません。
いずれにしても世の中の損を引き受けるというのは、身だけではなく心もすり減らすことなんだなぁ…と思いました。
本音と建て前ってバランスが難しいし、自分のなかで自分の外面と本当の自分と自分が思い込んでいるものを調和させるのも難しい。
楽に楽しく生きていきたいけれど、ときには苦しんででも自分を自分が好きでいられるような生き方をしなくてはいけないねぇ…。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ小股潜(くぐ)りの又市さんらと別れてからずっと後。
徳川幕府が倒れ、明治になってから、薬研堀に引っ越した百介さんが、若いお兄ちゃんたちに昔話をするという設定でいくつかの物語が語られていました。
どれも妖怪譚って感じではあるけれど、実際は人が起こしたやり切れない事件や出来事を「妖怪のしわざ」ってことで落としどころを得るようなお話。
結局、人の哀しみや苦しみを全部人のせいだと暴いてしまうと、心の癒しが全くできなくなることがあるんだろうね。
今の日本だって、犯人が逮捕されても被害者やその家族は、そいつを殴ることも切り刻むことも自由に罵ることも同じような目に遭わせることもできないじゃん。
人ではない理屈や正論から離れたこの世の論理が通じない「あやかし」にやられたってことにすれば、なんとなくまだマシに思えることってあるんだろうな。
最後は文章としては出版しなかった百物語を蝋燭を吹き消す実践で行って、おぎんさんの娘さんをなぶり殺した悪者を焙りだすことで、長く一緒に暮らしてきた娘さん(おぎんさんのお孫さん)の無念を晴らしてから百介さんは静かに亡くなりました。
-御行奉為。 -
Posted by ブクログ
土佐あたりで聞く「七人みさき」の話から平家の落人伝説なども絡めて舞台は四国から北陸まで及び、大きな悪を絶つまでのお話でした。
各章に色々な妖怪のタイトルがついているんだけど、それらはすべて連続しているお話でした。
京極さんのお話は、シリーズで読んでいかないとわからないものが多いね。
幕府にいた大きな黒幕退治についてはサラっと済まされていて、いろんな人間関係が絡んだ「人間の悪」について描かれていました。
でも、スッキリするお話じゃなかったなぁ…。
そりゃ、悪い人間でもそれなりの生い立ちだとか悪になってしまうかわいそうな部分とかがあるんだろうけれど、何の罪もないのにそういった悪いヤツに凌辱されて殺されていくたくさんの真面目な被害者さんたちが不憫でした。
そういうのも含めて「妖怪」なのかもしれないけれど…。
現実の社会でも悪人がそれほど懲らしめられずに、彼らが犯した罪よりも優しい刑に服して生きていくことに矛盾を感じるのに…。
小説のなかではスッキリした世界を見たいかな。
そういうタイプには向かないお話かも。 -
Posted by ブクログ
千葉の片田舎にある呪われた女ばかりの織作家の物語完結編。
やはり「蜘蛛」はこの人だった…って感じだけど、なんだかピンと来なかったです。
蜘蛛の巣のように3Dの構図でいろいろな事件が繰り広げられていくんだけれど、古い女系家族の思想的構図が明治以降の一夫一婦制&女性は一人の男性に操を誓うものと考える西洋思想を当然のように思っている男性によって狂わされていくことによっての悲劇。
……のようだけど、まぁ家族という組織優先で個人の意思を全く無視した冷たい家族ってのはどうもねぇ。
貴族制度が崩壊した戦後にこんな生活していてもつまんないって!
どうもピンと来なかったのが、どこかで読んだような内容ばかりだったのと、長い物語の割には蜘蛛の巣のように芯のない隙間だらけの芯をとらえられないお話だったこと。
地方のド田舎で良家の子女たちが売春をしていたというけれど、その場合、彼女たちを買った男性たちが全く見えないのが不思議だったこと、それなら地域社会にもっと何かしらのさざ波が立っていなくてはおかしいのではないか、よって、本当に少女買春があったのか…。
物語に熱が感じられなかったのが、イマイチでした。 -
Posted by ブクログ
京極堂さんが出てきて、それぞれの蜘蛛の糸がそれなりに形をなしてきた感じ。
しかし、今回はちょっとどこかで読んだり見たりした既視感のあるお話だなぁ…。
閉鎖的な良家の子女を集めた寄宿舎を備えた女学校とか、黒魔術とか、ダメ男教師とか、良家の四人姉妹とか…。
まぁ、そういったものを京極堂シリーズでどう描くかを楽しむシリーズなのかもだけど…。
蜘蛛の巣のように3Dでいろんな事件が起こり、それらが繋がっていくわけだけれど、まぁ最後は老女さんがキーポイントになるんだろうねぇ…。
女系家族の物語ってのは、最後に一番の老女さんが出てきて、ラスボスに一番大人しい女性が出てくるものなんだが…。 -
Posted by ブクログ
韓国とか、ヨーロッパあたりの植民地政策から逃れるために日本に併合されてた(してもらってた)頃の慰安婦問題で大騒ぎしているけれど、日本だって貧しさから自分の意思ではなく家族に売られて慰安婦とか女郎さんになった女性がたくさんいたわけで…。
戦後だって、進駐軍に対してそういった「仕事」をしなくてはならない女性たちがいたわけで…。
それどころか、暴力的にお金ももらわずにヒドイめにあった声を出さない日本人女性たちがたくさんいたわけで…。
その後、韓国として独立したからって、そっちだけ謝罪してもらうとかお金をもらうとかっておかしいと思う。
……本編にちょろっと戦後の進駐軍の慰安婦となった女性の実情みたいなものがあったから、ちょっと思いました。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ兵役を拒否して逃亡&殺された元夫のリアル訪問におびえる朱美さんは、今の事実上の旦那さんである文学界の重鎮である宇多川さん殺害容疑で逮捕されちゃった。
なんで~?ってことで、いつものメンバー+新登場の濃い
~面々が大忙し。
金色髑髏事件と逗子湾生首事件と二子山集団自殺事件と朱美さんの元夫である兵役忌避者猟奇殺人事件の登場人物が共通してるってことがわかって、いよいよ神奈川の警察屋さんも合同捜査本部を作って本気を出したっぽい。
この巻は物語を解決するネタがいろいろ出てくる巻でした。
そういった意味ではわくわく感はそれほどなく、淡々と読み進めた感じ。
最終巻に期待しよう♪ -
Posted by ブクログ
ネタバレ京極堂シリーズの第3弾。
兵役拒否をして女房とは違う(しかも奥さんの元同僚!)と逃げたおじさんが首なし死体になった事件からのち、村八分にされたり憲兵にさんざんヒドイめにあわされた元奥さんが人を殺して首を斬る悪夢に襲われ続けていて…。
仏教もダメ、神道もダメ、なんとなくキリスト教はイヤじゃない…なんて、変な精神状態の彼女の前に死んだはずの夫が現れて、彼女は夢うつつのなかで暴力的な元夫を殺し(死んでるはずなんだが…)首を斬り…ってのを「何度も」繰り返すのね。
同じ頃、逗子の海では、金色の髑髏が浮いていた、白骨の髑髏が浮いていた、少し毛が生えている髑髏が浮いていた、生首が浮いていたと、どんどんフレッシュになっていく髑髏ぷかぷか事件があって、警察屋さんが動き始めていました。
さてさて。
今回はどんなお話かな?♪
でもさ。
なんとなく、らじは思った。
この精神状態が不安定な奥さん、実は彼女が自分であると思っている「今の自分」と「実際の自分」は違うんじゃないかな?
彼女は恋敵(?)だった元同僚女性が夫と逐電した後に彼を殺したのを知っていて、その後に偶然出会った元同僚女性(元夫の生首をずっと持ち歩いていたらしい。)を利根川べりだかで殺しているらしいのね。
で、そのときに元同僚女性と一緒に川に流されて記憶を失っていた彼女を今の旦那さんが見つけて介抱してくれて、彼女の過去を調べたうえで「彼女の」過去を後付けで教えてあげたらしいんだよ。
つまり、今の彼女の記憶は「後付け」なわけ。
だから、たまに彼女が夢で見る「自分とは違う女性の記憶」が本当の自分の記憶で、今の自分が旦那から教えられた過去は別人の過去で、それを自分のものと考えているからおかしくなるんじゃないかなぁ?
ようは、今の奥さんは、兵役逃れをした男性の奥さんじゃなくて、実は愛人さんのほうだったんじゃないの?
……まぁ、とりあえず先を読み進めます。 -
Posted by ブクログ
ネタバレラストの憑き物落としのあたりは面白かったですが、そこに至るまで時代がぽんぽんいろんなとこに飛んでそれの繰り返しなので少し私には辛く感じました。
私がSF苦手ってのも大きかったかもしれませんが(この作品はちょっとSF風味なので)。
戦後から現代までの都内の建造物の歴史などには少し詳しくなれるかもしれない。
それとキャラの性格や話し方などに違和感が所々ありました。
そのキャラはそのキャラのことそんな風に呼ばないよなぁとかそんな話し方かなぁとか。
叢書の中では正統派じゃない部類に入ると思うので好みが激しく分かれそうですが、関口くんの出番が凄く多いので細かいことは置いといて関口くんの活躍?がみたい方にはいいかもしれません。 -
購入済み
三巻までは良かった。
発売前から四巻で終わり。と知って心配してた通り、ものすごい急ぎ足で話が進む。今までの作品や三巻までが良かっただけに残念。
原作は読んでいたので話は理解できたが、読んでないと分かりにくいだろうな…と思う。
ウブメのあの方も出て来ないし…。
最後の台詞は原作を読んでないと、終わり???ってなるはず。
絵は相変わらず綺麗。志水アキさんの京極堂が一番好き。
もう一巻出してゆっくり話を進めてほしかった…。