松本清張のレビュー一覧

  • 鬼火の町 新装版

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    時代推理小説。ストーリーの中に程よく入り込めて心地よい。次々と起こる難題に立ち向かうテンポも良い。最後の最後で怒涛の答え合わせをする感じはやはりこの作者独特の感じがする。

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    2022年06月02日
  • 或る「小倉日記」伝―傑作短編集(一)―

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    巨匠の傑作短編集。
    推理小説ではなく現代小説に属す。馴染みのない文化人達を材に取り著者自身を投影しているように見えるし『火の記憶』は自伝的にも見える。どの作品も余韻を残すのが多い。
    『箱根心中』の勇気の喪失が意志を奪うという辺りが教訓になる。

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    2022年05月29日
  • 虚線の下絵

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    「松本清張」の短篇小説集『虚線の下絵』を読みました。

    「松本清張」作品からちょっと離れていましたが、再び「松本清張」作品を読みたくなったんですよね。

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    日常に潜む破綻の芽を描いた傑作短篇集。
    画家として名声を得た親友への複雑な思いを抱きながら、しがない肖像画家として生計を立てる男。
    夫のため、会社の重役を相手に注文取りに奔走する妻は、次第に妖しい色気を増していく。
    疑心暗鬼にかられた男が陥った罠とは――。
    男女の業(ごう)を炙(あぶ)り出した『虚線の下絵』のほか、『与えられた生』、『通過する客』、『首相官邸』の全四篇を収めた短篇集。
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    2022年05月28日
  • 証明

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    「松本清張」の推理小説集『証明』を読みました。

    『神と野獣の日』、『疑惑』、『火と汐』に続き「松本清張」作品です。

    -----story-------------
    小説が認められず苛立つ夫に、毎日の行動を執拗に追及される雑誌記者の妻。
    怯えからつい口にした嘘が、惨劇をひき起こす。
    『証明』、『新開地の事件』、『密宗律仙教』、『留守宅の事件』推理四篇収録。
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    「松本清張」作品って、次々と読みたくなる魅力を備えていますよね。

    本書には以下の四篇が収録されています。

     ■証明
     ■新開地の事件
     ■密宗律仙教
     ■留守宅の事件


    『証明』は、

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    2022年05月27日
  • 神と野獣の日

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    「松本清張」のSF的小説『神と野獣の日』を読みました。

    「清水義範」のSF連作集『博士の異常な発明』を読んで、SF作品を読みたくなったんですよね。
    「松本清張」作品は、『ゼロの焦点』以来なので約半年振りです。

    -----story-------------
    「重大事態発生です」―ある早春の午後、官邸の総理大臣にかかってきた、防衛省統幕議長からの緊急電話が伝えた。
    Z国から東京に向かって誤射された、5メガトンの核弾頭ミサイル5基。
    1発で、東京から半径12キロ以内が全滅するという。
    空中爆破も迎撃も不可能。
    ミサイルの到着は、あと…43分。
    ラジオ・テレビの臨時ニュースによって、真相が全日本

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    2022年05月27日
  • 張込み―傑作短編集(五)―

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    ミステリー・サスペンス作家だと思っていたが、文学者だった。構成はミステリー仕立てであり、謎が気になり最後まで読み進めてしまう。一方でただの謎解き小説にとどまらず、犯人の心情を感じさせる。生きてるって大変だよなあ、などと考えてしまう。
    表題作の「張込み」は読み終わった後に数日考えてしまった。

    ●張込み
    逃亡犯の昔の恋人を張り込む刑事。その女は子持ちの男と結婚し、平凡な主婦となっていた。やがて犯人から連絡があり、女は出かけていくのだが…。

    ●顔
    殺人事件の前に顔を見られた男が俳優として映画に出演することになる。未来のために目撃者を消したいと考えた男がとった行動は…。まさに藪蛇。

    ●声
    犯行現

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    2022年05月24日
  • 眼の壁

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    6月のWOWOWドラマ前なのでネタバレなしで。
    初めて松本清張作品を拝読した。
    前半のねっとりゆっくり丁寧な描写で物語の世界に惹き込まれた。
    要素が集まり物語が展開し始めると非常にスピーディーで夢中になり一気に読めた。

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    2022年04月22日
  • 熱い絹(上)

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    後半にかけて、色々点と点がつながり、マレーシアのキャメロンハイランドを舞台に壮大なスケールで話が進む。ベトナム戦争当時の設定だが、今でも十分理解できる。当地に訪れた人はより入り込める。面白い。

    また、マレーシア社会の複雑な民族構成=マレー系、チャイニーズ系、インド系、原住民のオランアスリ等との関係も考慮して背景説明されており、その点も勉強になる。下巻が楽しみ。

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    2022年04月03日
  • 聞かなかった場所

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    ネタバレ

    <蟷螂の斧 自制心と暗い衝動>

     しがない公務員、浅井に嫁いだ身の丈に合わない美麗な妻、英子。そんな妻がある日、持病の悪化により急逝してしまう。その妻が亡くなった場所は、浅井には思い当たる節の無い、縁もゆかりも無い場所だった。

     そこに絡むタイトル。。

     真実を知る為に、そして自分の仮説を否定する為に、推察と調査を重ねるほどに、信じたくない真実が近づいてくる。
     丁度、境内にある小池で、水面に向かってゆらりと浮かび上がってくる鯉を見つけた時みたいな。
     もう、鯉であることは間違いない。でも、鯉が口を水面から突き出す瞬間まで見つめてしまう、みたいな。
     どう転んだって、鯉である。そんな確実

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    2022年03月25日
  • 黒革の手帖(上)

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    女子行員が横領した金で銀座の高級クラブを経営、更なる金を引き出す為権謀を巡らすサスペンス。
    タイトルの手帖に恐喝のネタが載っている訳だが、恐喝にならぬ様な情報収集、証人の確保、場面設定などは犯罪者でなくとも勉強になる事がある。

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    2022年03月22日
  • 駅路

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    白い闇:北海道に仕事に行ったきり帰ってこない。東北本線を利用。TVでは新幹線利用。
    捜査圏外の条件:会社の同僚が?
    ある小官僚の抹殺:砂糖に関する癒着、急行なにわ
    巻頭句の女:俳人の女性の死亡にまつわる保険金殺人
    駅路:定年退職の男が80万円持参で蒸発。広島可部線
    誤差:東海道線から私鉄で2時間の温泉宿。大井川鐡道?
    万葉翡翠(ひすい):最初の部分はイマイチ理解出来ず。後半は面白い。準急アルプスの全盛時代。大糸線が開通して間が無い頃かも。しかし細い点と線をうまく結びつけるものだ。
    薄化粧の男:テレビで見た事があった。50歳になると美男ほど見にくくなるものか。
    偶数:映画の大映しのように出てきた

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    2023年05月07日
  • 黒革の手帖(上)

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    1人の銀行員が危険な賭けの末華やかな銀座の夜に打って出る。そこから物語が始まる。表の華やかさ、裏の魑魅魍魎、因果応報、社会の闇。上下巻で見事に表されている。

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    2022年02月16日
  • 松本清張ジャンル別作品集 : 3 美術ミステリ

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    真贋の森は、アカデミアの世界の闇を覗いたようでやりきれなさが募る作品。それまで丁寧な描写で綴られてきたところからバタバタっと終わってしまったのでもっとしっかり読みたかった。
    美の虚像が一番馴染みやすい作品だと感じた。謎が解き明かされる爽快感がある。

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    2022年02月07日
  • 時間の習俗

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    久しぶりに松本清張の作品を読んだ。文体は簡潔で最初に和布刈神事が出てきたのには、さすが小倉で生活している人だなと思った。
    地名も馴染みの場所が多くて、思い出しながら読んだ。殺人のトリックを見破る刑事の思考と、ベテラン刑事の粘り強さに、昭和を感じる。47年の作品だものね。それにしてもこの時代にゲイバーが出てくるとは。

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    2022年02月03日
  • 張込み―傑作短編集(五)―

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    清張初期の短篇集。社会派推理小説の影はなく、いわゆる中間小説だが、思いの外面白い。
    白眉は丹羽長秀の心中を描いた「腹中の敵」。凡人と才人という対比において、凡人の立場から見る視点は面白い。また、秀吉という人たらしにも興味を覚えてきた。
    人物伝風の「菊枕」、「断碑」、「石の骨」、私小説の「父系の指」、社会派推理小説の嚆矢「張り込み」、歴史小説(腹中の敵以外の2作はあまりに通俗すぎ、かつ不用意なオチで失敗だと思う)など幅広い作品を収めているが、やはり彼の主題は「人」であったといえる。
    スーパースターや天才鬼才ではなく、日常の生活人たるわれわれが対象だ。それをもっとも如実に表現できるのが、彼にとって

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    2022年01月30日
  • 時間の習俗

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    松本清張「点と線」で一緒に事件を解決した、九州の老刑事と警視庁の若い警部補が再度顔を合わせ事件を解決に導く。2人が励まし鼓舞し合い犯人を追い詰めていく姿がページをめくる指を進ませる作品。

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    2022年01月25日
  • 網

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    解説より松本氏の戦争経験が本作に盛り込まれていることを知った。主人公が作家であり、戦中朝鮮に徴兵されていることなど、松本氏の史実が投影された作品。

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    2022年01月07日
  • Dの複合

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    <君は今どこにいる?>

     売れない小説家に舞い込んだ一件の依頼。浜中にリードを引かれるが如く、伊瀬は連れ回される。
     緻密すぎるストーリー。色鮮やな織物も、一つ一つの糸になるまで解いていくとそれがなんだったのかよく分からんのです。

     偶然。思いもかけない出来事に遭遇することを言う。偶然、映画館で恋人とデート中の先生を目撃したりとか、偶然、無くなっていた片方のピアスを見つけたりとか、偶然、目の前で交通事故が起きたりする。どうして起きたのか、原因なんて見当たらないように見える。またえてして、そうゆうことは重なる。たまたま誤送信してしまったメールに限って、他人に知られては困るような内容だったりす

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    2021年12月15日
  • Dの複合

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    伝承を追う紀行文から始まる殺人事件。北緯35°東経135°……35という数字に気がついた者、謎の男と女、ミステリーの要素に浦島伝説、羽衣伝説と民族伝承が絡まった読み応えのある作品。

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    2021年11月26日
  • 梅雨と西洋風呂~松本清張プレミアム・ミステリー~

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    酒造メーカーと新聞社も兼業している地方小都市の市議会議員が主人公。しかし、新聞社の実態は市政を中心とした自身の選挙運動と脅しとゆすりにより集金組織。県内他市にて県政のボスから情報入手の目的が、温泉宿に泊まり娼婦に溺れたことから転落を始める。その仕掛けを図っていたのは、身近な存在。

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    2021年11月13日