松本清張のレビュー一覧
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たまにはこういう古い社会派小説が読みたくなる。殺人の冤罪で死刑となった兄を救うべく、高名な弁護士に依頼するが、費用が払えないことと、この弁護士が浮気相手の密会に急ぐために断られる。その後、この兄は獄中死し、妹は弁護士に復讐を誓う。この弁護士は、依頼を断った罪悪感から、裁判記録を取り寄せ独自の調査を行おい、この兄が無実であることを確信する。一方、弁護士の愛人が思わぬ事件に巻き込まれ、殺人者の容疑をかけられる。彼女の無実を証明する鍵を持っているのは、この妹。真犯人の存在を知りつつ、復讐を優先し、愛人と弁護士を破滅に追い込む。結局、真犯人は明るみに出ず、無実の人間が二人死刑となり、一人は社会的地位を失う。元々の殺人事件も社会の不条理からのものであり、なんとも言えない複雑な読後感。令和の今でも、こういうことはあるんだろうか。
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Posted by ブクログ
「火と汐」
曽根晋吉(劇作家)
芝村美弥子(曽根と不倫中に失踪)
芝村
上田俉郎(芝村のヨット仲間。レース中に死亡)
神代刑事
東刑事
「証言の森」
青座村次(会社員。当事件の容疑者)
青座和枝(村次の妻、自宅にて殺害される)
山村政雄(荒井酒店の雇人。事件当日青座家に味噌を届けていた)
秋野三郎(新聞配達員。事件当日も青座家に新聞を届けていた)
沢橋豊三(所轄署の刑事。証拠品を青座家で発見したと主張)
池上源蔵(元刑事。詐欺罪などで青座と同じ留置所にいた)
「種族同盟」
私(国選弁護士)
岡橋由基子(事務所の助手。又不倫相手。)
太田君(事務員)
阿仁連平(婦女暴行致死罪の容疑者)
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松本清張『内海の輪 新装版』角川文庫。
50年前の1973年に刊行された作品。表題作の『内海の輪』と『死んだ馬』の2編を収録。2編とも、男女の爛れた不倫関係が凶悪犯罪を生み出し、完全犯罪が僅かな綻びから破綻していくプロセスが描かれる。
『内海の輪』。
さすがに時代を感じる描写が多い。スマホも無いこの時代、秘密裏に不倫関係を続けるというのは相当の苦労があったことだろう。しかし、50年前も今も男女の不倫が生み出す凶悪犯罪という構図は変わらない。
読み所は、犯人の江村宗三の完全犯罪が破綻する最終盤のプロセスである。まさか、そんなことからということが現実でも起こり得るのだろう。
14年前。当時、大学院生だった江村宗三の兄の寿夫は美奈子という女性と結婚するが、兄はキャバレーで働く女性との関係が止められず、実家を出て、その女性と新潟に暮らす。
宗三は両親から頼まれ、美奈子と兄の元に女性と別れるように説得に行くが、説得には応じず、美奈子と離婚することになる。その帰途、宗三は美奈子と同じ宿に泊まり、求められるままに美奈子と肉体関係を結ぶ。
その後、美奈子は実家に戻り、その後、20歳上の松山の老舗商店の主人と再婚し、商店を切り盛りしていた。
14年後、考古学の助教授である宗三は銀座で、偶然、美奈子と再会し、再び肉体関係を結び、ただならぬ関係になり、度々の逢瀬を重ねる。
しかし、2人で計画した瀬戸内旅行の最中、宗三は美奈子から妊娠したことを告げられる。このことが大学で発覚したら教授への道が絶たれると危惧した宗三は美奈子を蓬来峡に連れ出して殺害し、その死体を山中に遺棄する。
2年後、何時、警察が尋ねて来るかと怯えながらも教授に昇格した宗三だったが……
★★★★
『死んだ馬』。
『内海の輪』と同様に男女の不倫関係が凶悪犯罪を生み出し、僅かな綻びを切っ掛けに完全犯罪が破綻していくプロセスが描かれる。
和風建築の第一人者、63歳の池野典也は、30歳下のバーのマダムの石上三沙子と再婚する。2年後、池野の衰えは明らかになり、三沙子は池野の建築会社を我が物にしようと従業員で最もセンスのある秋岡辰夫を誘惑する。三沙子は逢瀬を重ねる中で、秋岡に池野の殺害を仄めかしたのだ。
そんな時、池野の自宅に強盗が入り、三沙子は無事だったが、池野は強盗に殺害される。警察は捜査本部を立ち上げ、大がかりな捜査をするが、犯人の手掛かりが無く、事件は迷宮入りする。
しかし……
★★★★
本体価格720円
★★★★