松本清張のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
松本清張最後の長篇小説。クライマックスがもうすぐ、というところで「未完」となったことが惜しまれる。
初出が『週刊文春』連載であるため、時折「おさらい」めいた記述が挿入されるのがややまだるいし、探偵役を担う二人(埼玉県の特高係長と貧乏家族の次男坊)とをなかなか接続しない展開は引き伸ばしとも受け取れる。しかし、大本教の流れを汲む神道系の新興宗教と満洲における阿片流通、軍部と皇族関係者(とくに貞明皇后と香淳皇后の対立)の暗躍を盛り込んでいくいあたりはさすがの構想力と唸らされる。1930年代の軍部と「神がかり」とのかかわり/つながりは、のちに奥泉光が『グランド・ミステリー』や『雪の階』で描いた -
Posted by ブクログ
2026/08
やっぱり松本清張はいい。ということを再確認。
詐欺により自殺した同僚のため、独自に詐欺グループを突き止めようとする男性とその友人の記者。
今とは全く違う時代背景が本当に魅力的。
令和は便利だし、豊かで、物も人もたくさん溢れかえっていて活気はあるけれど
この時代みたいに、ものすごく長い時間をかけて電車に乗って地方へ行ったり、スマホに触れる代わりにぼーっとしてたら俳句を思いついたりしてみたい。
プライバシーもないので情報筒抜けで、他人と知り合いの境界線が曖昧なのも面白いなと思う。
泥臭く誰かのために真相を追求する主人公と記者の姿に痺れた。途中で重要な女性が気になるものの二 -
購入済み
いずれの短編もよく知られた武将
が登場。知っていたエピソードも多いが、作者の研ぎ澄まされた文章は読みやすく、より深く考えさせられる機会にもなった。一番印象深く考えさせられたのは「腹中の敵」。この短編の主人公、丹羽長秀という武将を私はどう捉えてよいのかずっとピントが定まっていなかった。作者は長秀の人生に一つの解釈を明確に語っている。