松本清張のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
クローズドサークルや館シリーズなどのミステリが好きで読んでいるので、この短編で刑事が活躍するミステリは久しぶりでした。
顔、声では、インフルエンザだとかコロナのときとかに寝汗でビショリとして重くなったパジャマが体に粘着したかのように張り付く不快感を思い起こさせました。犯人の感じた不安や神経質ながらも欲にしたがった行動が過去に自分が犯した後ろ暗さに重なりました。
ページを翻す行為が犯人を捕まえること、自分が捕まることと思うと、冷たい脇汗が体の側面を伝っていきました。
投影の作品の雰囲気や登場人物、正義が好きでした。胸が熱くなりました。終わり方も好きです。
不安を誤魔化しそれに嘘をつき生きていくた -
Posted by ブクログ
派手ではないが、確かに推理小説の画期の一つとなったことを納得させるだけの格式の高さがある。
特に印象に残るのは作中人物による習作の「数字のある風景」という随筆。
"私がこうして床の上に自分の細い指を見ている一瞬の間に、全国のさまざまな土地で、汽車がいっせいに停っている。そこにはたいそうな人が、それぞれの人生を追って降りたり乗ったりしている。私は目を閉じて、その情景を想像する。(略)汽車の交差は時間的に必然だが、乗っている人びとの空間の行動の交差は偶然である。私は、今の瞬間に、展がっているさまざまな土地の、行きずりの人生をはてしなく空想することができる。"
時刻表を