松本清張のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
実存した朝鮮のとある詩人の存在を基に描かれるフィクション。
日本統治から解放された朝鮮半島で、独立を望む朝鮮の人々(その中でもさまざまな立場があり)とアメリカ、ソ連の大国の思惑とが交錯する。
林和という人が本当はどういう人間だったか分からないが、この小説において描かれる彼の想いや翻弄される様はリアルで、この当時こういう人がいたのかもしれないと思える。
やっと占領から解放されて自分たちの国を取り戻せると思ったのに、そこから5年で朝鮮戦争が起こり未だに平和的解決に至っていない。いつだって大国の思惑に翻弄されるのは、立場の弱い国とそこで暮らす人々なのだ。悔しい。