松本清張のレビュー一覧

  • 天保図録1

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    古本で購入。全5巻。

    天保改革期を舞台にした歴史小説。
    決まった主人公のいない群像劇だけれども、“妖怪”鳥居耀蔵の個性が際立つ。

    とにかく彼の悪党ぶりがすごい。
    僕は耀蔵が主人公のピカレスク小説として読みました。
    耀蔵に感情移入しているもんで、打倒・鳥居を志す人々の動きが小賢しく見えてしまうほど。

    文庫にして5巻の長編ですが、権力や利益を巡り、自己の保身に汲々とする人間たちの欲望渦巻くオモシロ小説です。

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    2013年07月23日
  • 十万分の一の偶然

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    清張作品で一番好きな作品です。次点は『三面記事の女』。浪人当確したときヒマで家にあった清張全集のこの作品を読んで、今まで本なんて、感想文のため以外読んでこなかった人生に、読書の楽しさ、面白さを教えてくれた作品です。

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    2012年12月15日
  • 水の炎

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    松本成長の得意な鬼畜男、が出てくる作品。
    それと対比するように美しい花のごとき
    女性が出てくるのです。
    ちなみにそれが、鬼畜男の妻。

    彼女は有無も言わさず
    鬼畜男の陰謀煮から娶られていきます。
    そしてその中では想っていた人の
    死すらあるのです。
    もし彼女に「決断力」があったら…

    ただし、この鬼畜男に
    最悪の制裁がくるのは
    まさに爽快そのもの。
    諸悪がきられていくそのさまは
    まさに「爽快」

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    2012年08月01日
  • 神と野獣の日

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    東日本大震災を重ねながら読んでしまう。人間って追い詰められたらどうなるのか、こうなるのか。とても短くスピード感もある本だけれど、内容は濃い。

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    2012年03月25日
  • 黒い画集

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    今は亡き松本清張の推理短編集。
    長編作品は『砂の器』や『点と線』『ゼロの焦点』など、
    読み応えのある推理小説が数多くありますが、
    ファンとして忘れてならないのはこの短編集だと思います。

    淡い恋心を踏みにじられ衝動的に起こした殺人『天城越え』や、
    綿密な計画をたて相手にストレスと疲れを与え、
    山での遭難にみせかけた殺人事件『遭難』をはじめ、
    『証言』 『坂道の家』『紐』 『寒流』 『凶器』 etc。

    今読み返してみても、どれもこれも
    人間というものの弱い心理が浮き彫りにされた小説ばかりです。
    しかも事件の発端から、
    登場人物の心の動きが手に取るように描かれていました。

    派手なアクションや武

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    2017年11月09日
  • Dの複合

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    売れない作家の伊瀬忠隆に、雑誌「草枕」の「僻地に伝説をさぐる旅」の連載依頼がくる。編集者・浜中と共に浦島伝説と羽衣伝説が残る伝説の場所をめぐる中、次々と起こる不可解な事件。35という数字にこだわる謎の女の出現に、正体不明の白骨死体。連載のために訪れる先々の共通点は・・・連載企画の裏に潜んだ計画とは・・・。ストーリーの展開もテンポ良く、ぐいぐい引き込まれて、最後にまさかの大逆転。最高に面白いミステリーでした。

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    2012年01月30日
  • 西郷札―傑作短編集(三)―

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    幕末から維新にかけてが6篇、江戸の初期を背景にしたのが6篇計12篇の短編集。才はあっても運のなかった主人公を描いた話が多い。どれも一捻りしたおもしろい作品だがとりわけ「権妻」が良かった。11.10.3

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    2011年10月03日
  • 一九五二年日航機「撃墜」事件

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    ネタバレ

    昭和27年に起こった「もく星号事件」の謎に挑んだ、松本清張最後の長編小説。フィクションではあるが現実感があり、掲載写真が生々しく衝撃的

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    2011年09月14日
  • 高校殺人事件

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     高等学校は城山にあった。

     この小説はこのように始まるが、この一文を見たのは小学校3年生のときである。公園で拾ったのがこの本だった。漢字はほとんどわからないのでストーリーもまったく理解できていなかったのだが、武蔵野の自然と、山にある防空壕あとの洞穴の描写に強烈な印象を受けた。
     後にNHK少年ドラマで『赤い月』(小説の原題でもあるが)を見たとき、この小説のことを思い出した。

     夏の昼間、ぜひ読んでみてください。高校時代を思い出しながら。途中で冷たいシャワーでも浴びて(そんな気分になる箇所があるのです)。

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    2011年08月28日
  • 或る「小倉日記」伝―傑作短編集(一)―

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    松本清張デビュー作にして芥川賞受賞作だそうです。作者は若い頃から転職を繰り返し、新聞記者から作家に転身。その文章技術と経験から多彩な世界を描けるのだと思いますが、アンダーグラウンドな舞台の多さから作者自身の生きてきた本当の世界が私は気になります。

    本作のラストにはびっくりしました。

    追記) 看護、介護問わず福祉に関わろうとする者なら一読の価値はあろうと思います。

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    2013年02月10日
  • 点と線

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    ページ数は薄めだけど電車時刻表もののトリックが複雑で読むのに時間がかかった。
    最後は淡々と事件解決へと導かれるが、犯行へと向かう心理描写などは読み手に多く任されている部分もあるようで、ずっしりと心に残る。
    映画とかドラマ化とかされてたっけ、、、観てみたい。

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    2011年03月21日
  • 黒い画集

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    人間の業による様々な罪を、どこかあきらめからくるやさしさにも似た客観的な視線でひも解き綴る短編集。素晴らしかった。
    「遭難」「坂道の家」が特に印象的。

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    2011年03月02日
  • Dの複合

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    私が読んだ清張作品の中でベストワン。難解なタイトル、浦島や天女の伝説、日本地図上での奇妙な偶然。それらがつながった時の興奮をもう一度体感したく、改めて購入した。近々再読する。

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    2011年05月23日
  • 黒い画集

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    なんだか有名な気がスル「天城越え」はこちらの短編集に収録されてますね
    私のお気に入りは最後の「坂道の家」
    ネチッとしたお話だけれど、松本清張作品の中でも5本の指に入る位に好みのひとつ
    男にとっても、女にとっても、なるべくしてなってしまったような結末を最後の台詞でぐっとしめていて印象深い

    殺人をおかしてしまうまでの過程を特に【男と女】と【特別ではない何気ない生活感たっぷりの日常】にしぼり描き出している、松本清張作品の新骨頂のような短編集

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    2010年03月04日
  • 隠花平原(下)

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    有栖川有栖読んでいて推理ものが読みたくなって手にとってみた清張。
    上下巻なのでボリュームたっぷり。
    撲殺された銀行員の妻の弟で若手画家の山辺修二が
    兄の死の理由の真実を究明しようと奔走し、
    地方銀行や宗教団体などのスキャンダルに迫っていくというもの。
    きちんと取材と資料勉強して丁寧に作られているので、
    まるで実際に起こっている事件のように現実に迫ってきて面白いし、
    最後の着地もしっかりしつつ意外性もばっちりあってさすがの一言。
    あとはタイトルセンス。
    ずっとタイトルとの関係をいまいち測りかねていたのですが解説を読んで納得。
    内容に直接関係ないので抜粋しちゃいますね。

    『清張作品においては、組

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    2009年12月28日
  • 或る「小倉日記」伝

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    ・・・・・書きかけ・・・・・


    松本清張は、101年前の1909年12月21日に今の北九州市小倉に生まれたと確か覚えたはずなのに、最近の研究では、本当は広島市で生誕して小学校低学年は下関市で育ち小倉に住んだのは高学年になってからだといいます。さすがミステリーの巨匠、自らの出自もミステリアスに

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    2011年07月20日
  • 或る「小倉日記」伝

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    ナツ100四冊目。
    「事実は小説より奇なり」というか、
    ミステリー小説ではない(犯人がいない)のに、
    細かい人間描写の中に
    人間の暗闇がどぎつく顔を見せている。
    松本清張さんの文章に圧倒されて
    やみつきになる一冊。

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    2009年12月04日
  • 点と線

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    中学生の時に読んでずっと印象に残っている大好きな作品。
    設定が飛行機も新幹線もない時代なので、移動手段は汽車の乗り継ぎ。時刻表を片手に犯罪の可能性を見いだしていく手間はものすごい緻密なものでした。
    確か犯人はすぐわかったはず。そのあとのアリバイ崩しがストーリーになっています。中学生でも読めたので松本清張の中でも比較的読みやすい本です。

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    2009年10月04日
  • 或る「小倉日記」伝

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    芥川賞を受賞した表題作と他5篇を集めた短編集。
    後の清張のような推理小説的な展開はほとんど見られない。
    まず表題作だが、小児麻痺のようなものを患った男が、九州にいた頃の森鴎外を研究していくという話。
    全体にも通ずることだが、人物の心情などをほとんど地の文で書かない簡潔な文体が読んでいて潔い。
    内容はまずまずといったところ。
    他の4篇に関しては、全体的なテーマとして、登場人物(主に主人公)が、一つのことに集中していて他のことには目もくれないような一途さを持っており、
    そのせいで他者の反感を買ってしまうという、熱心さに基づく哀れさが展開されている。
    途中では、その人物に反感を持ってしまうが、話が終

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    2009年10月07日
  • 球形の荒野 新装版(上)

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    戦時中に死んだと言われていた外交官の父の筆跡を寺院の奉名帳に発見する娘。
    父の影を追い求める彼女に、恋人である新聞記者はもしかしたらという疑問を抱く。

    清張の推理小説としては少し毛色が変わった話かも。かなり叙情的な話だった気が・・・(笑!あんまり覚えてない)
    でも最後に父と対面を果たす場面とか、とにかく感動的で当時は一番好きだと思ってた。

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    2010年12月20日