松本清張のレビュー一覧

  • 張込み―傑作短編集(五)―

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    今更ながら、初松本清張で、当たり前のように面白かった。声を記憶するのに長けた電話交換士の「声」。殺人を犯したにも関わらず俳優として映画出演する「顔」。そして、自分の犯した罪を確認するために、地方新聞を買う「地方紙を買う女」。さすがに隔世の感のある設定のものもあるがそれを差し引いても設定、展開の面白さに圧倒されます。単なる推理もの(「投影」のようなトリックものもあるけれど)ではなく「張込み」「鬼畜」など人間関係について考えさせられるもの、「カルネアデスの舟板」のような刑法(緊急避難の法則)をベースにしたものなど、広くて深い。少しづつ、松本清張の世界に浸りたいと思いました。

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    2023年10月23日
  • 小説帝銀事件 新装版

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    占領下の日本、青酸カリを飲ませ行員十数名を殺害し現金が奪われる。画家の平沢貞通が逮捕されるが…。最後の「しかし、とに角、個人的なおれの力ではどうにもならない」に「小説」とせざるを得なかった作者の無念がにじむ。

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    2023年08月16日
  • 黒い画集

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    ようやく読み終わった!
    というのも、分厚くてボリュームまんてん、そして物理的に重い!!

    松本清張の本を読んだのは初めてだったのですが、スラスラ読めてしまう面白さでした。
    短編7作という贅沢な内容!

    手に取ったきっかけは、60年から61年にかけて公開された映画「黒い画集」シリーズ三作を観たことでした。
    「遭難」を原作とした「ある遭難」の脚本で、好きな映画監督の1人である石井輝男が参加していたことを知り鑑賞。
    (「あるサラリーマンの証言」は橋本忍が脚本!)

    松本清張は有名だし、たくさん映像化もされているけど、やはり昔の作品な上分厚いので読み切れるかなと少し不安がありましたが、読み始めると夢中

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    2023年08月11日
  • 半生の記

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    松本清張、唯一の私小説
     結婚の馴初めなどは一切書いてゐないが、立派におもしろかった。清張は私小説が苦手で、これも気に入らなかったとしてゐるが、私には十分な私小説に思はれる。小卒の人間の苦心惨憺たる半生が、「或る「小倉日記」伝」同様に、端正でくどくどしない文章で瑞々しく語られてゐる。
     苦労人で、後半で七人家族を養ふことの懊悩がさらりと俯瞰で示されてゐる。達者だと思ふ。至言と感じた文も多かった。たとへば、兵器廠の片手の管理人のくだりの「世間の人は組織の大きさだけを見る」で、かういふ達観したやうな文が好きだった。

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    2023年08月06日
  • けものみち(下)

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    一気に読み終わった。ジェットコースターに乗っていたかのように。悪い人たちの物語。こう云ふお話は本当にありそうな気がします。

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    2023年04月26日
  • 神々の乱心 上

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    昭和8年、東京近郊・梅広町の「月辰会研究所」から出てきたところを尋問された若い女官が自殺した。月辰会研究会をマークする特高課第一係長・吉屋謙介が事件を追う。

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    2023年04月20日
  • 遠い接近

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    「松本清張」の長篇ミステリ小説『新装版 遠い接近』を読みました。
    『表象詩人』、『溺れ谷』に続き、「松本清張」作品です。

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    過去の徴兵検査で第二乙種不合格、そして三十二歳となった今、兵隊にとられることはないと確信していた「山尾」に、召集令状が届く。
    この一枚の紙が、「山尾」のみならず家族の運命までも大きく狂わすことに。
    古兵の制裁にも耐え復員したが、すべてを失った「山尾」は、召集令状を作成した区役所兵事係への復讐を誓う。
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    「朝日新聞社」発行の週刊誌『週刊朝日』に『黒の図説』として発表されたシリーズ

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    2023年04月08日
  • 松本清張ジャンル別作品集 : 3 美術ミステリ

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    「真贋の森」「青のある断層」「美の虚像」「与えられた生」の4つの短編が収録。芸術、ことに美術と権威と人間欲と・・・。

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    2023年04月25日
  • 危険な斜面

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    『二階」

    当作者の作品の大半は読んでいるが、長編、短編ともに高い完成度を持ったものが多い。中でも本編の「二階」は圧巻である。
    登場人物を極めて少なく限り、舞台設定も、主人公の夫が伏せている病間のある二階である。主人公である印刷業を細々と経営している妻が夫の家政婦の登場で心理的に追い詰められていくサスペンスの盛り上がり方は読者を最後まで一気に引き込んで離さない。二階がこれほどまでに遠く、恐怖に満ちものになるとはだれが想像しえたであろうか。意のままになるはずの一介の家政婦の存在は夫婦の大きな亀裂を作り悲劇へと導く。短編ならではの筆致と構成に作者の技量を感じた。

    #切ない #ドキドキハラハラ

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    2023年03月30日
  • 任務 松本清張未刊行短篇集

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    多作だった松本清張。偶然に単行本の掲載から漏れていた10の掌編。

    特にテーマなく集められた分、清張の広い分野に渡る筆力が満載の一冊。

    何より「半生の記」の続編ともいえる「雑草の実」が秀逸。

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    2023年02月02日
  • 小説帝銀事件 新装版

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    真犯人はおそらく旧軍部の人間。731部隊関係者であり、毒物は青酸ニトリール。
    私がこの事件で一番印象に残ったのは「第二薬(セコンド液)」の使用である。これは常人には決して思いつかない。これはただの水であった。しかし、一分後にそれを飲むように指示したことは、この一分間が非常に重要であったことを示唆する。極めて知能的な、そして無慈悲な犯罪であり、旧特務班関係者の犯罪であることを匂わせる。
    日本が抱える深い闇の一つである。

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    2023年01月28日
  • 疑惑

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    原作が知りたかった

    何度か映像化されている表題だが、それぞれ結末が違うらしいのでオリジナルを読みたかった。終末「嫌な予感がする」と感じてはいたが、「ここで終わるのか!」と感嘆した。もう一作は時代考証を理解できる方におすすめだ。

    #ダーク #深い

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    2023年01月27日
  • なぜ「星図」が開いていたか―初期ミステリ傑作集―(新潮文庫)

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    清張は初めから清張だった

    松本清張の初期の短編集だが、作風はやはり清張だった。作品を重ねて出来上がったものではなく、彼は初めから清張だった、と感じる。短編ゆえの展開もおもしろい。

    #深い

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    2023年01月27日
  • 鬼火の町 新装版

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    藤兵衛と釜木が上からの強大な圧力に負けずに岡っ引きのプライドで事件を解決していたのでさすがだなとおもった。
    最後まで何が真実なのかわからなかったので面白かった

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    2023年01月09日
  • なぜ「星図」が開いていたか―初期ミステリ傑作集―(新潮文庫)

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    「顔」「殺意」「なぜ『星図』が開いていたか」「反射」「市長死す」「張込み」「声」「共犯者」の8つ短編が収録。いずれも昭和30年代が時代背景の清張初期の作品集。

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    2022年12月26日
  • 神々の乱心 下

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    松本清張の遺作。未完の作品だけれど、物語がほぼ完結に至っているのが読者としては救い。
    上巻で月辰会や関係者が概ね登場して、下巻では関係者が次々と結ばれていく。時代は満州事変前夜で張作霖爆殺事件も絡んできて読者の関心を引き寄せるのも忘れていない。
    宗教物でよくある神々しく美しい女性と神つきと性みたいなモチーフから逃れられてはいないけれど、その薄っぺらさ=フェイクさも同時に語られていて、フェイクであるが故の説得力も語られている。
    巻末の編集部註でその後の展開はおおよそ予想はつくけれど、唯一皇居のレシピの話はよくわからないまま。誰か解説してくれているのだろうか。原武史さんの解説本があるようなので、そ

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    2022年12月25日
  • 天才画の女

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    画商の世界を自然に知れた。駆け引きが面白くて一気に読んでしまった。
    絵画は芸術とは言え、画商からしたら商売道具なのだと感じた。メインターゲットであるお金持ちが好むような色彩とか絵のタッチを研究し、再現したら売れるのだろうか。また、芸術にこのような共通項は見出せるのだろうか。

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    2022年12月20日
  • 徳川家康 新装版

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    松本清張さんの作品なんですが、小学生でも簡単に読めました!
    徳川家康のことは学校で習っていたのである程度はわかるんですけど、その裏に隠された意外な真実を思い知らされました!歴史番組を見ていてもああこのことかぁ〜と分かるようになってきて、面白いです!徳川家康が子供の頃、竹千代だった頃はこの歳でこんなに苦労した人はいないと思いました!
    歴史が苦手な人や、松本清張さんの作品が読んでみたいと思っている人にオススメです!

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    2022年11月18日
  • 徳川家康 新装版

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    松本清張の本だが、内容は平易でわかりやすい。中学生向けに書かれた本なのかな?
    家康の生涯を文庫本240ページでまとめているので、余分な部分がなく読みやすい。
    書かれている内容が1964年当時の研究内容に依拠しているため、最新の研究との認識の差異は、解説で小和田哲男先生がまとめられている。
    2023年の大河が徳川家康らしく、関連本が続々出ているが、はじめの一冊としてオススメの本。

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    2022年11月03日
  • 黒革の手帖(下)

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    どいつもこいつも似たり寄ったりの悪党がお互いを騙し騙されグルグル廻ってくの面白すぎ。文句つけようない転落っぷり。元子を欺いた側の誰かも、いつか同じように破滅させられるんだろうなって思った。初めて読んだ松本清張、大満足でした✌️

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    2022年10月15日