松本清張のレビュー一覧

  • 小説帝銀事件 新装版

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    ネタバレ

    事件を客観的にグイグイと。
    果たして真犯人は?証拠なく検察側の都合の良いように積み上げられた事象で犯人とされた平沢。戦後の法改正寸前の混乱期の様がうかがえる。

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    2025年04月19日
  • わるいやつら(下)

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    ネタバレ

    出だしは男が女を誑かし翻弄する話かな、と思ってなんとなく『黒革の手帖』の対になるような作品と思っていたら、進むにつれて主人公の方が翻弄されてなんとか切り抜けていこうとするもので、また違った面白さがあった。
    仕事には一切の興味を示さず、己の欲望のままに過ごす姿は突き抜けていて一周回って清々しくも感じた。彼と関係を持っていた女性達の目線での描写はなく、あくまで主人公の推測の元で心理描写がされていたが、微妙に噛み合わずもっと昏くドロドロとした思惑が絡み合っていてさすがの描き方だと思った。
    途中杜撰に見える主人公の行動も、それが元で全てが狂っていったり、序盤でのシーンが終盤で重要な意味を持っていたりと、全てが計算され尽くされていて素晴らしい。上下巻とも分厚く長い小説だけれど、巧妙に作り上げられていて最後まで目が離せなかった。

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    2025年04月14日
  • 黒革の手帖(上)

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    ドラマ版「黒革の手帳」で、米倉涼子がベッドの上にビールをこぼしてシーツを乱し、「これで今夜、何もなかったとは誰も信じませんよね?」という趣旨のことを言っていたシーンを子供の頃に見たのをうっすら覚えている。そのシーンが出てきて少し感動した。親がドラマ版「黒革の手帳」が好きだったので毎週なんとなくテレビで流れていたが、子供だったので私は特に見ていなかったのでオチは知らない。後編が楽しみ。

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    2025年04月12日
  • 水の肌

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    二桁年振りの松本清張、再読。。書き込み見ると清張ファンの皆さん、短編はあまり読んでない方が多いようですね。私もそのひとり。・・・新鮮でした。

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    2025年07月07日
  • 黒革の手帖(下)

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    最初は、そんな上手い事行くわけ無いやんって思ってたけど、最後の怒涛の伏線回収っていうかまとめというか、うーん、とりあえず最高!

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    2025年03月31日
  • ゼロの焦点

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    二桁年振りの松本清張、再読3冊目。
    羽咋や和倉温泉が懐かしかった。相変わらずストーリーはほぼ忘れているので、とても新鮮でした。
    ・・・そうですね、みなさん仰るように個人情報ダダ漏れですな。

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    2025年07月07日
  • 草の陰刻 新装版(上)

    購入済み

    久々の清朝

    清朝の作品何年ぶり?
    こんなに惹きつけられる作家、いない。
    まさにこの型でしか書けない作品です。必読の価値ありです

    #ドロドロ

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    2025年03月12日
  • 砂の器(下)

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    ネタバレ

    とても面白かった。はじめ上下巻合わせての分厚さに読み終えれるか不安になったけれど、いざ読み始めると読みやすくあっという間だった。
    はじめは繋がりの見えない点と点が後半に向かうにつれて徐々に繋がっていく様があまりに鮮やかで呑み込まれた。
    途中何度も真実かと思えば異なる、の繰り返しで一見無駄足にみえる所も全て繋がっていくのが衝撃だった。
    また途中の登場人物の何気ない行動が、そのキャラクターの人間性をありありと浮かび上がらせてくる。描き方の巧さに圧倒された。そこが冗長に感じて苦手な人もいるかもしれないけれど、私はとても好きだった。
    犯人の動機、そしてトリックは今の作家さんでは書くことが出来ないだろう、当時だからこそ活かせる方法だったのが本当に衝撃でした。松本清張さんをよく現代作家だと言われても違和感のない読み易さ、と表現されているのを聞くけれど、現代作家では思いつかないだろう、あの当時に生きた人だからこその表現だなと強く感じる作品だった。

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    2025年03月10日
  • 松本清張ジャンル別作品集 : 6 社会派ミステリ

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    1950年後半の社会派ミステリ、7編の短編集。
    年代が古く当時の日本の風景が垣間見える作品集ですが現代でも充分通じる内容だと思う。
    非常におもしろいです。特に「投影」は真相に迫って行く過程が仲々迫力があり一気読み必須!
    「拐帯行」「喪失」「失敗」も当時の時代を感じる素晴らしい作品だと思います。
    松本清張さんの長編は素晴らしいが、短編も捨てがたいですね。

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    2025年03月03日
  • ガラスの城 新装版

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    慰安旅行中に失踪、死亡が確認された課長の死因をOLが追うサスペンス。松本清張にしては珍しく手記形式でさほど社会派という訳でもない。トリックについては目の肥えた読者諸兄なら分かりそうだが本作の魅力はそこではないと思う。手記の行間から滲み出る女性の人間性(悪い意味で)が表現されているのが素晴らしい。類似トリックはもちろん先行作品としてあるだろうがコチラを先に読んだらやはり驚いただろう。
    真相についてや登場人物達の人間性について語りたい事が多いがネタバレなして読んで頂きたい。

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    2025年02月24日
  • 松本清張ジャンル別作品集 : 5 犯罪小説

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    犯罪者目線で描かれている6編の短編集。
    邪魔になったから殺す、用意周到に自分の存在を消す、犯罪が露呈しても自分とは関係ない様に巧妙に画策するがやっぱり悪いことは出来ないね。
    1960年前後の作品ですが、どれも古さを感じさせない内容で今読んでも充分楽しめます。

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    2025年02月21日
  • 隠花の飾り

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    11作品の短編集で、主人公はすべて女性です。いずれも愛と憎しみに拘るがゆえのドラマ、揺れ動き深みにはまっていく人間のこころが冷静な筆致で描かれています。

    この本を買ったのは『再春』を読みたかったから。これはかなり昔に檀ふみさん主演でドラマ化された記憶があり、すごく印象的だったので小説を読んでみたくなったからです。
    『百円硬貨』もドラマで見たような気が…松本清張作品は映像化された作品が多いですね。

    今回この一冊を読んでみて感じたことは「よくこれを小説にしたなぁ」と思う作品がいくつかあったこと。
    外国人カップルのアバンチュールを題材にした『北の火箭』、夫亡きあと懸命に子育てをしながら姑に使え、ついには爽快に三行半を突きつける『見送って』、すぐれた言語学者である女性がなぜ誤訳をしてしまったのか、その真相に迫る『誤訳』、物語の内容がこれほどタイトルに直結しないのも珍しい『箱根初詣で』

    いずれも清張さんが見聞きして、わずかに心に残ったことを力ずくで小説に仕立て上げたというような「さすがだなぁ」と感服せざるを得ない、実力がないと著せない作品群だと思います。

    これらは昭和53年から54年にかけて『小説新潮』に連載されたということで、その頃の雰囲気というか、昭和の生活文化を味わいながら読むのも楽しいです。
    「携帯電話があったらすぐ連絡がつくのに!」とか「今はこんな犯罪のやり方ぜったいできないよねぇ」とか…
    そう考えると、令和のこの時代にもし清張さんが生きていらしたら、いったいどんな小説を書いてくれただろう…と、なんとなく寂しい気持ちになってしまうのでした。

    清張さんの短編、他にも読んでみたいです。

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    2025年02月17日
  • わるいやつら(下)

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    ネタバレ

    面白かった。戸谷の貪欲が自滅に向かう。たびたび、昭和の電話が出てくるが、そういえば混線ってあったなぁ。

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    2025年02月04日
  • 黒い樹海 新装版

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     R新聞社に勤め、文化部の記者をしていた姉の信子が死んだ。静岡県の浜松市近くで起こったバスの衝突事故で。休暇を使って伯父の住んでいた仙台に向かっていたはずの姉が何故――? 死んだ姉のハンドバッグからは定期入れが抜き取られていた。誰かが姉と一緒に行動して、死んだ姉を見捨てて逃げたのだろうか。文化部長の口利きで姉の後を継ぐように、R新聞社に入社することになった妹の祥子は、記者として働く中で、姉の同行者をひそかに探しはじめる――。

     というのが本作の導入。600ページ近くのそれなりの長さを持った作品ですが、松本清張の淀みのない(そして古びにくい)文章の読み心地の良さもあり、そんな長さを感じない作品になっています。うさん臭さのある犯人候補、連鎖するように起こる事件、孤独な闘いの中で現れる協力者……そして謎を追っていくうちに浮き彫りになっていく真相の〈醜さ〉や〈愚かしさ〉、〈どうにもならなさ〉に、とても魅力を感じてしまいます。

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    2025年01月26日
  • 十万分の一の偶然

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    高速道路での玉突き事故を偶然撮影した写真が脚光を浴びるも被害者(死んでいる)の婚約者が不審に思い執念の調査を繰り広げるサスペンス。報道写真であるが2025年の今ならYouTubeやTikTok辺りの動画配信者に同じ思いを見るのではなかろうか。大衆の求めるモノと承認欲求が普遍的である事を示した先鋭的作品と考える。
    個人的にはその辺の先見性だけで無く、問題の報道写真を撮影したキャメラマンと婚約者の息詰まる対決という図式が非常に面白かった。狙われる側も用心深さと狡猾さが尋常では無く結果がどうなるか気になったのでサスペンスとして秀逸と思われる。
    大麻編がちと蛇足の感があるがそれでも内容として駄目という訳でもない。

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    2025年01月09日
  • 張込み―傑作短編集(五)―

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    有名な「張込み」はもちろん「顔」と「声」の短編もさすがの秀逸!犯人の追い詰められる心臓の鼓動さえ聴こえてきそうな臨場感とその場に居合わせているかのような場面描写が引き込まれた

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    2025年01月06日
  • 砂の器(上)

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    誰しも忘れたい過去があるはずだ

    しかし
    振り返って手を伸ばしてみても
    掴んで修理することはできないし
    スマホのデータのように
    きれいさっぱり消去することもできない

    「俺から逃げることはできねぇぜ」

    忘れたい過去はそんな風にくっきりと
    あるいはもやのようにぼんやりと
    僕たちにいつまでもまとわりついてくる

    この小説の主人公である和賀も
    そんな過去に苦しめられる一人だ

    天才音楽家として名声を手にし
    彼の目の前には前途有望な将来しかない
    だが過去は彼を逃がさない
    どこまでいっても
    どんな解釈を試みようとも
    和賀の過去は和賀を追いつめていく

    しかし過去と対峙しその過去を糧にして
    力強く前向きに生きることができる
    人間などいるのだろうか
    僕たちは
    和賀の犯した罪を責めることができるのか?

    この小説のラスト一行は、美しい
    和賀が奏でる音楽のように
    どこまでも優しく暖かい。

    何度も映像化された名作中の名作。
    時代背景の古さなどお構いなしに
    これからも読者の心を打ち抜いていくだろう

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    2024年11月19日
  • 眼の壁

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    面白い作品だったので、一気に読みきってしまいました。

    白昼の中、手形詐欺にあうところから話が始まる。主人公の上司の無念をはらすため、主人公の友人の新聞記者とともに詐欺の主犯格を探す。今では考えられないような社会の常識も、当時は当たり前の部分もあり、突っ込みどころ満載だが、作品としては次のページが気になるほどの面白さでした。

    ただ、どうしても気になるのが、黒幕がわかったところ。特に、犯人があっけに取られるほどの劇的な終わりをむかえるところです。初めて読むスピードが落ち、その部分を二度読んでしまいました。

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    2024年10月12日
  • 砂の器(上)

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    上下巻の感想です。
    ミステリーの名作でググるとでてくる作品の一つ。
    約60年前のものなので読めるか心配だったけど時代のギャップも楽しめて面白い。
    例えば大阪への移動が夜行だったり、男女の上下関係、個人情報がダダ漏れ、2人で飲んで750円などなど、それに人々の付き合いも密だったんですなと。
    内容も前半は刑事と関係者が近所だったり、ちょっと強引だなと思ったりしたけど、これも時代背景かなと。
    所々、他の本(当作品より後のもの)を連想させるものがあり、色々な作家に影響を与えてるのかなと思いました。

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    2024年09月30日
  • 黒の様式

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    ネタバレ

    三作ともおもしろかった。
    松本清張は本当に何を読んでもおもしろい。

    一作目の『歯止め』はなんとも言えないというか、まぁ気持ち悪い。
    この作品では養母と息子だけど、血の繋がった母子でもなくはないんだろうなと思ってしまう。
    ごくごく普通の人って感じている人でも、息子に関しては「…え!?」とドン引いてしまうような考え方の人いるもんね。
    傍から見てると、愛というより暴走だよね。

    三作目の『微笑の儀式』は「仏像かぁ…」と読み始めたけど、いつの間に夢中になって読んでいた。
    ちょっと気になったんだけど、石膏でデスマスクをとって解剖の時に気付かれたりしないものなの?
    いくら丁寧に拭き取ってもバレそうな気がするけどな。

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    2024年09月29日