松本清張のレビュー一覧

  • 隠花の飾り

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    11作品の短編集で、主人公はすべて女性です。いずれも愛と憎しみに拘るがゆえのドラマ、揺れ動き深みにはまっていく人間のこころが冷静な筆致で描かれています。

    この本を買ったのは『再春』を読みたかったから。これはかなり昔に檀ふみさん主演でドラマ化された記憶があり、すごく印象的だったので小説を読んでみたくなったからです。
    『百円硬貨』もドラマで見たような気が…松本清張作品は映像化された作品が多いですね。

    今回この一冊を読んでみて感じたことは「よくこれを小説にしたなぁ」と思う作品がいくつかあったこと。
    外国人カップルのアバンチュールを題材にした『北の火箭』、夫亡きあと懸命に子育てをしながら姑に使え、

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    2025年02月17日
  • わるいやつら(下)

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    ネタバレ

    面白かった。戸谷の貪欲が自滅に向かう。たびたび、昭和の電話が出てくるが、そういえば混線ってあったなぁ。

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    2025年02月04日
  • 黒い樹海 新装版

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     R新聞社に勤め、文化部の記者をしていた姉の信子が死んだ。静岡県の浜松市近くで起こったバスの衝突事故で。休暇を使って伯父の住んでいた仙台に向かっていたはずの姉が何故――? 死んだ姉のハンドバッグからは定期入れが抜き取られていた。誰かが姉と一緒に行動して、死んだ姉を見捨てて逃げたのだろうか。文化部長の口利きで姉の後を継ぐように、R新聞社に入社することになった妹の祥子は、記者として働く中で、姉の同行者をひそかに探しはじめる――。

     というのが本作の導入。600ページ近くのそれなりの長さを持った作品ですが、松本清張の淀みのない(そして古びにくい)文章の読み心地の良さもあり、そんな長さを感じない作品

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    2025年01月26日
  • 十万分の一の偶然

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    高速道路での玉突き事故を偶然撮影した写真が脚光を浴びるも被害者(死んでいる)の婚約者が不審に思い執念の調査を繰り広げるサスペンス。報道写真であるが2025年の今ならYouTubeやTikTok辺りの動画配信者に同じ思いを見るのではなかろうか。大衆の求めるモノと承認欲求が普遍的である事を示した先鋭的作品と考える。
    個人的にはその辺の先見性だけで無く、問題の報道写真を撮影したキャメラマンと婚約者の息詰まる対決という図式が非常に面白かった。狙われる側も用心深さと狡猾さが尋常では無く結果がどうなるか気になったのでサスペンスとして秀逸と思われる。
    大麻編がちと蛇足の感があるがそれでも内容として駄目という

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    2025年01月09日
  • 張込み―傑作短編集(五)―

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    有名な「張込み」はもちろん「顔」と「声」の短編もさすがの秀逸!犯人の追い詰められる心臓の鼓動さえ聴こえてきそうな臨場感とその場に居合わせているかのような場面描写が引き込まれた

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    2025年01月06日
  • 砂の器(上)

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    誰しも忘れたい過去があるはずだ

    しかし
    振り返って手を伸ばしてみても
    掴んで修理することはできないし
    スマホのデータのように
    きれいさっぱり消去することもできない

    「俺から逃げることはできねぇぜ」

    忘れたい過去はそんな風にくっきりと
    あるいはもやのようにぼんやりと
    僕たちにいつまでもまとわりついてくる

    この小説の主人公である和賀も
    そんな過去に苦しめられる一人だ

    天才音楽家として名声を手にし
    彼の目の前には前途有望な将来しかない
    だが過去は彼を逃がさない
    どこまでいっても
    どんな解釈を試みようとも
    和賀の過去は和賀を追いつめていく

    しかし過去と対峙しその過去を糧にして
    力強く前向き

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    2024年11月19日
  • 眼の壁

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    面白い作品だったので、一気に読みきってしまいました。

    白昼の中、手形詐欺にあうところから話が始まる。主人公の上司の無念をはらすため、主人公の友人の新聞記者とともに詐欺の主犯格を探す。今では考えられないような社会の常識も、当時は当たり前の部分もあり、突っ込みどころ満載だが、作品としては次のページが気になるほどの面白さでした。

    ただ、どうしても気になるのが、黒幕がわかったところ。特に、犯人があっけに取られるほどの劇的な終わりをむかえるところです。初めて読むスピードが落ち、その部分を二度読んでしまいました。

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    2024年10月12日
  • 砂の器(上)

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    上下巻の感想です。
    ミステリーの名作でググるとでてくる作品の一つ。
    約60年前のものなので読めるか心配だったけど時代のギャップも楽しめて面白い。
    例えば大阪への移動が夜行だったり、男女の上下関係、個人情報がダダ漏れ、2人で飲んで750円などなど、それに人々の付き合いも密だったんですなと。
    内容も前半は刑事と関係者が近所だったり、ちょっと強引だなと思ったりしたけど、これも時代背景かなと。
    所々、他の本(当作品より後のもの)を連想させるものがあり、色々な作家に影響を与えてるのかなと思いました。

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    2024年09月30日
  • 黒の様式

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    ネタバレ

    三作ともおもしろかった。
    松本清張は本当に何を読んでもおもしろい。

    一作目の『歯止め』はなんとも言えないというか、まぁ気持ち悪い。
    この作品では養母と息子だけど、血の繋がった母子でもなくはないんだろうなと思ってしまう。
    ごくごく普通の人って感じている人でも、息子に関しては「…え!?」とドン引いてしまうような考え方の人いるもんね。
    傍から見てると、愛というより暴走だよね。

    三作目の『微笑の儀式』は「仏像かぁ…」と読み始めたけど、いつの間に夢中になって読んでいた。
    ちょっと気になったんだけど、石膏でデスマスクをとって解剖の時に気付かれたりしないものなの?
    いくら丁寧に拭き取ってもバレそうな気が

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    2024年09月29日
  • 蒼い描点

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    ネタバレ

    箱根を中心に東北や長野などの地名が出てくる旅行物?のミステリー。トリックに箱根の道路事情などを使っているとこが面白かった。
    転々と各地を回って聞き取りしてるシーンなどは、ドラマに向いてそうだと思った。
    犯人自体は、あの話がもとになった上での犯行なのか、と言う感じなのと少しそこまでが長かったように思えた。

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    2024年09月19日
  • 時間の習俗

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    ネタバレ

    なんだか、やたらと夢中になって読んでしまった。
    疑わしい人物を最初から峰岡だけに絞っていたところなんかは気になったりもしたけれど、一つ一つアリバイを崩していく過程は本当におもしろい。

    LGBTが一般的(?)になった現代だから、割と最初から女装した男かなと気付いてしまった点は、驚けなくて残念だったけれど、当時の感覚はこんな感じなのねとある意味新鮮だった。
    他にも写真の現像方法や飛行機の搭乗方法が今と違って、松本清張らしい昭和を感じられるのもいい。

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    2024年09月08日
  • わるいやつら(下)

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    ネタバレ

    上巻に続いて、約15年振りの再読。

    もう最高の転落劇。
    スカッとしたというか、笑ってしまうというか。
    同じ敵ができたときの、女の団結力はすごいからね。チセとトヨが組んだのは納得。

    そして結局、下見沢みたいな一見冴えない男が高嶺の花をうまいこと手に入れるものよね。
    戸谷の横武たつ子なら絶対自分の味方だったと思える根拠のない自信が拍手したいくらい素晴らしい(笑)

    案外、網走でも自己肯定感高く生き延びていきそう。

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    2024年09月03日
  • わるいやつら(上)

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    約15年振り位の再読。(内容ほぼ忘れてた)

    もう戸谷がクズすぎて(笑)
    どう育ってきたら、ここまでのクズが仕上がるのか。
    そして、なぜそんなクズ男がこんなにもモテるのか。

    槙村隆子にはぜひ頑張って、戸谷にひと泡吹かせてほしい。(土地を担保にした見せ金を巻き上げちゃうとか)
    あと藤島チセにも頑張ってほしい。(茶碗の盗難被害とか出せばおもしろいのに)

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    2024年09月01日
  • ガラスの城 新装版

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    松本清張の作品、顔とガラスの城がドラマになっていてちょうどそれをみてガラスの城がとてもよく泣いてしまうほどいい話だったので小説でも読んでみました。
    難しかったもののいい話でした。

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    2024年08月31日
  • 絢爛たる流離

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    ネタバレ

    『清張の迷宮』で有栖川有栖さんが薦めていたので、早速読んでみた。

    これ、今までに読んだ松本清張短編の中で一番おもしろい。
    1つのダイヤの指輪が持ち主を替えて不幸を連鎖させていくんだけど、戦前から高度成長期までを舞台として松本清張の魅力満載。

    一つ解らなかったのが、“第十話 安全率”で君島を殺したのが津神佐保子だったこと。
    てっきり加久が殺すんだと思った。加久がペンで×印を書いておくから、殺したければ殺せばってことだったのかな?
    いまいち納得いかない。

    “第十二話 消滅”は、最後までバレないでほしかったー!
    でもそれがこのダイヤの指輪の恐ろしさな感じもあり、いい終わり方な気もするかな。

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    2024年08月14日
  • 砂の器(上)

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    ネタバレ

    約14~15年振りの再読。だいぶいろいろ忘れていた。
    中居くんのドラマは20年前頃だったろうか?『砂の器』と言えばその時の印象が強い。今回の再読中もあの時の《宿命》が頭の中に流れ続けるくらいに。

    …というわけで、大まかな話の流れは分かっているんだけど、こんなにも今西刑事の勘頼りだったっけ?(笑)
    それに関川氏を犯人と思わせようとするミスリードが多いなという印象。
    下巻では和賀英良に焦点があたって、いよいよ過去に迫るんだよね。楽しみ!

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    2024年07月29日
  • ガラスの城 新装版

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    ネタバレ

    少し無駄に長い、だれる感じが否めないけれど、松本清張好きなら楽しめる。
    まさかのどんでん返し系だったとは!最後の最後まで疑いもしなかった。

    それにしても不倫だ出世だ美人だ醜女だと「しょうもないなー」と感じながらも昭和感満載で、これだから松本清張は止められない。
    《手記》の中に、本音も伏線も含め女心を感じさせる文章を潜ませている辺りがさすがだなと思った。
    私は“わたしはそこで杉岡課長の奥さんをはじめて見た。”の一文で、三上田鶴子は杉岡課長の愛人だと思ったのに、まんまと騙された。

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    2024年07月03日
  • 小説帝銀事件 新装版

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    レビュー
    歴史の教科書などで子どもの頃から知っていた事件ではあったが、都心で起きた事件だったのねという程度の認識だった。3年ほど前NHKスペシャルの未解決事件ファイルを視聴したことにより、興味の扉が開き、底なし沼に落ちていった。
    さらにその頃実家の墓探しをしており、椎名町の寺に墓見学後、後日帝銀事件はその寺のすぐ裏手で起きた事件だったことを知り益々事件が身近なこととして感じられるようになった。
    私にとって松本清張は若い時分にもちろん読んだことはあったが、代表作を数点読むのみで当時はあまりハマらない作家だった。
    帝銀事件は松本清張の作品をまず基礎知識として読まないと始まらないというわけで、この作

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    2024年05月26日
  • 閉じた海 社会派推理レアコレクション

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    松本清張の今迄に単行本として未発表作品?短編集と清張との対談等をまとめたものだった。ああそのあとはどうなるかは読者にお任せ、の余韻を残して終わる。誠に心憎い作品だ。対談なども楽しく読ませて頂いた。

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    2024年05月18日
  • 張込み―傑作短編集(五)―

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    さすが
    時代が変わっても全くそんな感じさせない

    人殺しは絶対にダメなんだけど
    現代のサイコパス的な殺人じゃなくて
    人間味がある

    1話完結のドラマを見ているようにサラサラと読める

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    2024年05月11日