あらすじ
銀行を襲い、仲間と山わけにした金で商売をはじめた内堀彦介は、事業に成功した今、真相露顕の恐怖から5年前に別れた共犯者の監視を開始するが……。疑心暗鬼から自滅していく男を描く「共犯者」。妻の病気、借金、愛人とのもめごと、仕事の失敗――たび重なる欲求不満と緊張の連続が生み出す衝動的な殺意を捉えた「発作」。ほかに、「恐喝者」「愛と空白の共謀」など全10編を収める。
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Posted by ブクログ
かなり昔に読んだ、再読です。内容を忘れていたので新たな気持ちで読めました。
10編の短編集です。
表題作の「共犯者」が一番面白かった。
人間の心理をついた内容で共犯者の事を気にしなければ何も起こらなかったのでは?と思うのだが…。
どれも松本清張らしい内容と言えばそれまでだが、大変楽しく読める短編集です。
読みやすい
スラスラと読み進められました。
読んでいるうちにゾッと怖くなるような感じもあって、小説なのにすごいなーと思いました。
敗戦後の昭和の時代を懐かしむこともできる短編集でした。
Posted by ブクログ
表題作の「共犯者」のほか、「恐喝者」「愛と空白の共謀」「発作」「青春の彷徨」「点」「潜在光景」「剥製」「典雅な姉弟」「距離の女囚」を収録する短編集。
Posted by ブクログ
時代背景がよくわかる描写で面白い。松本清張の作品は場面が浮かび上がってくる印象。
「共犯者」「恐喝者」「潜在光景」「典雅な姉弟」・・・・
「潜在光景」はドラマ化されたことがあった。
Posted by ブクログ
あいつを消さねば――。
完全犯罪をもくろんだ男のつまずきとは。スリリングな短篇10篇。
銀行を襲い、仲間と山わけにした金で商売をはじめた内堀彦介は、
事業に成功した今、真相露顕の恐怖から5年前に別れた共犯者の監視を開始するが……。
疑心暗鬼から自滅していく男を描く「共犯者」。
妻の病気、借金、愛人とのもめごと、仕事の失敗――
たび重なる欲求不満と緊張の連続が生み出す衝動的な殺意を捉えた「発作」。
ほかに、「恐喝者」「愛と空白の共謀」など全10編を収める。
Posted by ブクログ
社会派推理小説家巨匠による短編集。
市井に住む輩の犯罪の発端、発覚、破滅を描くパターンが多いようにも思うが『剥製』のように犯罪とは無縁の人間の虚飾をテーマにしたようなモノも混じっている。
『発作』の主人公は妻に送金しなければならぬ身でありながら愛人を抱えその金策のため金の前借りを続けてしかも愛人との破綻を覗かせるという自業自得なストレスが高じるという話で人間の屑部分について普遍性のある作品である。
Posted by ブクログ
短編となるとどうしても内容が薄く、登場人物に共感出来にくいが、本作はとても凝ったシュチュエーションと、結末がとても気になるストーリー展開でどの作品も楽しめる。
作者は犯罪サスペンスの大家であり、初っ端の「共犯者」でやはりと思いつつ以後の作品を読むとそうでない作品もあり、そういった意味でも新鮮に読むことができた。
「剥製」や「点」の様な奇妙な人物が出てくる話も楽しいが、「潜在光景」のような驚愕のラストが待ち受ける展開もいいですね。
他の作品も読んでみたくなりました。
Posted by ブクログ
表題作含む10編収録の短編集。人の心理状態や深層心理に視点を向けた作品が多いように感じる。
著者は、本格社会派推理小説の印象が強いが、短編ではこうした心理をつくものが目立つ。時代考証は古いが、読みやすいし読んでいて面白いと感じる作品が多い。
Posted by ブクログ
初清張作品。
序盤は非常にどんどんと読み進んだが、途中で読む体力が持たず、ペースダウン。
あまり推理物を読んでこなかったため、全部読むには体力がいる。
内容としては、他にはない切り口で興味深い物であった。ただ、短編ではなく、長編を読みたいと思った。
Posted by ブクログ
松本清張の短編小説集。
今回はあまり良くないと思われるものもあったが、とにかく読ませる力量は凄い。
集中、「潜在光景」「距離の女囚」あたりが特に印象的だった。
この「文豪」と呼べるほどの膨大な作品を世に出した作者、人間たちの「出来事」を様々なシーンから切り取ってくるアイディアの無尽蔵さには舌を巻く。