【感想・ネタバレ】松本清張ジャンル別作品集 : 3 美術ミステリのレビュー

あらすじ

著者が著した膨大な数の短編を、ジャンル別に集めた文庫オリジナル作品集第3弾は、画壇の権威に挑戦するため贋作を仕掛ける傑作「真贋の森」などを収録した「美術ミステリ」! 清張は、黒い仕掛けもおもしろい!

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Posted by ブクログ

「真贋の森」「青のある断層」「美の虚像」「与えられた生」の4つの短編が収録。芸術、ことに美術と権威と人間欲と・・・。

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2023年04月25日

Posted by ブクログ

松本清張ジャンル別作品集「美術ミステリ」。積読本解消。

巻末に発表年を書いてなかったので、wikiで調べてみた。
真贋の森 1958
青のある断層 1955
美の虚像 1982新潮文庫
与えられた生 1970単行本
後者2つは文庫と単行本の発行年しかわからなかったので、おそらく「美の虚像」の方も1970年ぐらいの発表だと思う。前者2つは戦後10、13年後の発表。東日本大震災が15年前だから、当時の人たちにとっても戦後の混乱は、ほんのつい最近の感覚だったろう。
現代では通用しないやり方や、
現代でも変わらない気持ちが、
見えてきて大変面白く読んだ。

「真贋のー」「美のー」は、贋作を巡るお話である。

松本清張は「日本美術史の盲点」を突いて小説に仕上げた。「西洋美術史の材料は殆ど開放されて出尽している(略)だが、日本ではそうはいかないのだ。所蔵家は奥深く置し込んで、他見を宥すことに極めて吝嗇であるから、何が何処にあるのか判然としない。それに、美術品が投機の対象になっているので、戦後の変動期に旧貴族や旧財閥から流れた物でも、新興財閥の間を常に泳いでいるから、たとえ文部省あたりが古美術品の目録を作成しようと企てても困難であろう。その上、誰も知らない処に、誰も知らない品が、現存の三分の二くらいは死蔵されて眠っていると推定できる」
‥‥現在はそれほどではないのかもしれない。当時の美術史家の権威を騙せば大量に贋作が捌ける。戦後間もなくだから多分出来たのだろう、とってもリアルな贋作つくりだった。「真贋」は岡山県笠岡市に記念館のある浦上玉堂の贋作についての話なので尚更だった。

「美のー」は、「権威」そのものを反転させた話だった。

「青のある断層」は、短いながらも好きな作品である。まるで技術がない貧乏画家の絵を有名な画商が何故か買ってしまう。そしてスランプに陥っている新進画家に見せるのだ。画商は貧乏画家が技術を学び始めると簡単に捨てる。絵も総て燃やした。新進画家はスランプを抜ける。貧乏画家が持っていたのは、誰にも説明できないエスプリだった。絵だけに限らない「創作の世界」には、そういうモノが確かにあると、私は思う。

「美術ミステリ」とあるけど、4作品とも、ミステリ色は少ない。社会派でも無い。社会の一断面を描いているけど、ドロドロとした情念はない。淡々とした筆致が今読むととても新鮮だ。

「与えられた生」も、「創作する者」の陥る闇を描いて、特に私にはリアルだった。新進画家が、胃癌にかかる。冷静に受け止めたように見えて、手術が終わる迄死を覚悟するのは、当時の癌患者全員の気持ちだったろう。医者から「もう大丈夫」と断言されて、主人公は新たな絵の着想が幾つも生まれる。その半年後に再発。医者を代えて全摘手術。それを支えてくれた雑誌編集者と、主人公は今度は不倫に陥る。という話である。男も不倫相手も妻も、今から観るといろいろアウトな場面があるのだけど、1番は男がアウトだけど、とっても淡々と描かれていた。ラスト1行が突発。かつ納得出来た。

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2026年05月27日

Posted by ブクログ

真贋の森は、アカデミアの世界の闇を覗いたようでやりきれなさが募る作品。それまで丁寧な描写で綴られてきたところからバタバタっと終わってしまったのでもっとしっかり読みたかった。
美の虚像が一番馴染みやすい作品だと感じた。謎が解き明かされる爽快感がある。

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2022年02月07日

Posted by ブクログ

絵画の世界も詳しくはないが、それでも雰囲気は伝わってくる。与えられた生がとくに面白かった。妻と愛人の狭間で揺れる男の性悲し。

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2024年04月08日

Posted by ブクログ

清張ジャンル別作品集第3巻。「美術ミステリ」。清張氏はもっとも多くの美術ミステリを書いた作家であると同時に大成者でもある。

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2016年10月25日

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