松本清張のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
戦後の混乱や高度成長期の影にある人間の欲や虚栄、矛盾といった“黒さ”を、短編という濃密なフォーマットで鋭く抉り出してくる作品集です。
全9話ですが、どの話も読みやすい長さながら、心理の奥にじわりと刺さりました。
表題作「黒地の絵」では芸術をめぐる狂気がじっとりと迫り、芸術と人間の欲望が交錯する重苦しい空気に圧倒されつつも、読まずにはいられない緊張感がありました。
著者らしい社会へのまなざしと、登場人物たちの執着心が丁寧に描かれていて、読み進めるほどに息苦しさと面白さが増していき、清張作品に通底する「見たくないものを暴き出す力」は健在で、読み終えたあともしばらく胸に残るものがありました。
大人に -
Posted by ブクログ
「実際の事件をモチーフにした小説」というカテゴリで、私が初めて読んだのはこれ。中学生の頃に父の本棚にあったのを読みましたが、何年版かは不明なので、こちらで登録します。
事件の大きさ、陰惨さ、冤罪疑惑と、謎に包まれた不気味な犯人像。締まった文体で、細部まで隙なく書かれているのがめちゃめちゃカッコいい。なのに事件そのものは未解決という手の届かなさ。細部はもう覚えていないけど、とにかく面白かったです。
以降、自分の頭の中の本棚に「実際の事件を扱った本」「殺人事件を扱ったミステリ本」の棚ができてしまいました。実録系はあまり読まなくなりましたが、ミステリは今も好きです。
今知ったのだけど、この本、