松本清張のレビュー一覧
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アーティスト快慶を嫉妬するプロデューサー運慶、足利義嗣が自刃したのちに足利義持に放逐された世阿弥、下品な秀吉を軽蔑していた千利休、絵は下手だったが中国で構図の妙を手に入れた雪舟、商人の茶道を否定し武家の茶道をつくりあげた古田織部、師匠らしい師匠につかなかったため画流ルーツが漠としている岩佐又兵衛、茶碗の目利きしか家康に能を見出してもらえず武士としての手柄も稼がせてもらえなかった小堀遠州、俵屋宗達をうまく操作し商売人としての技量のほうこそ注目される本阿弥光悦、個性の強すぎる画のため売れずに屈折した東洲斎写楽、テーマが古すぎて上手にまとめることができなかった止利仏師のこと、松本清張の博学がふんだん
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ネタバレ松本清張てこんなに面白いのか(゚д゚)!と覚醒させられた。
悪女元子がしたたかに金銭を奪う犯罪を達成し、その過程で多くの人の恨みを買い、最後には欲と怨念におぼれて大逆襲を喰らってしまう。銀座を舞台にしてるところも、中洲に出入りするオトナになって読むと少しはピンとくる。取材や描写が実に丁寧で、展開も息つかせぬスリリング。
架空名義預金・医学部への裏口入学・隠蔽第1の銀行だったり、個人情報管理がずさんだったりそもそも携帯電話が全く登場しなかったり、古い時代に書かれてはいるものの、何度も時代背景を修正してドラマ化されるのは、悪女の行動が言葉は悪いがまことに魅力的に描かれた傑作だからにほかならない -
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NHKの東京裁判とは全く違う本
過日NHKが受信料を無駄遣いし、カナダ。オランダと合作で東京裁判なるテレビドラマを作成し史実に基づいたような印象操作を行っていたが、しょせんあのテレビ局は自虐洗脳をいまだにおこなっている。
それに引き換え松本清張のそれは史料に基づき実に正鵠を射た展開となっている。
主役は大川周明のようだが彼を基軸にこの裁判の偽善性と理不尽と不真実さなどよくわかるだろう。 -
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松本清張『張込み 傑作短編集(五)』新潮文庫。
松本清張の初期作品8編を収録した短編集。いずれの短編も、ミステリーというよりも普通の人間が内に秘めている業を炙り出しているかのようだ。既読作が多いが、さすがに30年ほど前に読んだ作品なので、細部については忘れている。
『張込み』。強盗殺人犯の石井久一が訪ねたのは今は普通の主婦で、かつて恋仲にあった女だった。石井を逮捕するために張込む刑事の柚木は主婦の暮らしを壊さないことを願うが…ヒリヒリするような緊張感が文章から伝わる。
『顔』。劇団員の井野良吉に銀幕デビューの幸運が舞い込む。しかし、井野には知られてはいけない過去があった…井野良吉と石岡貞 -
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先日逝去された渡部昇一先生はかつて『書痴の楽園』のテレビ番組の中で、松本清張作品は短編小説が面白いと語っておられました。
丁度、松本清張の『鬼畜』を読んでいた。
物語が進行するうち、かつてテレビドラマで視聴したことがあると感じながらネットで調べてみると、確かにあった。
主演はビートたけし・妻役は黒木瞳がヒットしたが、それ以前に映画化されていたようである。それは主演が緒方拳・妻役は岩下志麻が最初らしい。
何とも悲しくて辛い物語であろうか、犠牲者は妾に産ませた子供3人である。大人のエゴのため、子供たちは順番に処分されていくのです。
決して子供たちは親を恨んでいない、子供たちは親に処分されるのを知っ -
購入済み
また清張の文章力に脱帽
前半、なかなか事件が起きない。駄作かと思いきや中盤を越えると、がぜん清張の文章力が冴えてくる。さては一番怪しく無い者が犯人か?と、読者の期待通りのストーリー展開になってきた。ところが最後は想像だにしない結末が!!
恐るべき清張の文章力です。 -
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上巻で起こった二つの殺人の嫌疑が自分にかかることを恐れ、ノイローゼ気味だった味岡の死体がダムで発見され、慶次が操作を始めていくところから始まる。自殺だと考えられていたが、不審を抱いた刑事の矢田部が味岡の周囲から操作を粘り強く続けていく。
矢田部の捜査を黒幕達が先回りするかのように難を逃れていく部分がたまらなく面白い。しかしながら、刑事のプライドと経験から黒幕の裏の裏をかいて矢田部たちが追い回していく。
今でもニュースになる談合事件。作品は古いが内容は古さを感じさせない。刑事と黒幕の緻密な計算による殺人事件は松本清張ならではの面白さだと思う。
今日の味方は明日の敵。建設業界と政界の闇を見れて面