松本清張のレビュー一覧

  • 張込み―傑作短編集(五)―

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    先日逝去された渡部昇一先生はかつて『書痴の楽園』のテレビ番組の中で、松本清張作品は短編小説が面白いと語っておられました。
    丁度、松本清張の『鬼畜』を読んでいた。
    物語が進行するうち、かつてテレビドラマで視聴したことがあると感じながらネットで調べてみると、確かにあった。
    主演はビートたけし・妻役は黒木瞳がヒットしたが、それ以前に映画化されていたようである。それは主演が緒方拳・妻役は岩下志麻が最初らしい。
    何とも悲しくて辛い物語であろうか、犠牲者は妾に産ませた子供3人である。大人のエゴのため、子供たちは順番に処分されていくのです。
    決して子供たちは親を恨んでいない、子供たちは親に処分されるのを知っ

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    2017年04月26日
  • 聞かなかった場所

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    読んだ後の、動悸の激しさがすごい。2-3時間は眠れなかった。心理描写がとても上手。最後50Pは、自分が犯人にでもなったような感覚にさせてくれる。
    松本清張さすが!!

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    2017年03月01日
  • 殺人行おくのほそ道(下)

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    ネタバレ

    読み終わって「あー」としか
    言いようの無かった作品です。
    とてつもない良作です、ええ。
    ただし胸糞は強烈に悪い作品です。

    もしも「ある忌まわしき出来事」がなければ
    決してこの事件も起きませんでした。
    ところが、それを悪用した愚か者のせいで
    全てがあっという間に狂ってしまったのです。

    その真相を目にしなければならなかった
    麻佐子はさぞかし心がぼっきりと
    いってしまったことでしょう。

    救えない作品です。
    本当どこまでも、救えない…

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    2016年08月09日
  • 或る「小倉日記」伝―傑作短編集(一)―

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    久しぶりに読んだ。『ある「小倉日記」伝』は覚えていたが、他の作品は忘れているのも多かった。ていうか、若い頃にに読んだ時はなんとも思わなかった作品が今読むとほんまにズッシリとくることに存外ドキドキした。短編だが、1つ1つがヘビー級なので満足感大、というよりもコレより長くなると辛すぎる、、というテーマばっかり。各作品に漂う作者自身のマイナーコンプレックスの噴出らしきキャラクターや苦悩が伺える。
    或「小倉日記」伝、菊枕、火の記憶、断碑、笛壷、赤いくじ、父系の指、石の骨、青のある断層、喪失、弱虫、箱根心中。

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    2016年05月12日
  • 黒の回廊

    購入済み

    また清張の文章力に脱帽

    前半、なかなか事件が起きない。駄作かと思いきや中盤を越えると、がぜん清張の文章力が冴えてくる。さては一番怪しく無い者が犯人か?と、読者の期待通りのストーリー展開になってきた。ところが最後は想像だにしない結末が!!
    恐るべき清張の文章力です。

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    2016年03月26日
  • わるいやつら(下)

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    2015.12.2
    途中から面白くなり一気に読んだ。戸谷の傍若無人っぷり、傲慢さ、人をばかにしまくってるところが痛快。そして、勧善懲悪で、最後には罰をくらうのも痛快。
    最後の寺島トヨの復活には、ちと無理があるかな。
    簡潔な文章で面白かったです。

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    2015年12月02日
  • 状況曲線(下)

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    上巻で起こった二つの殺人の嫌疑が自分にかかることを恐れ、ノイローゼ気味だった味岡の死体がダムで発見され、慶次が操作を始めていくところから始まる。自殺だと考えられていたが、不審を抱いた刑事の矢田部が味岡の周囲から操作を粘り強く続けていく。
    矢田部の捜査を黒幕達が先回りするかのように難を逃れていく部分がたまらなく面白い。しかしながら、刑事のプライドと経験から黒幕の裏の裏をかいて矢田部たちが追い回していく。
    今でもニュースになる談合事件。作品は古いが内容は古さを感じさせない。刑事と黒幕の緻密な計算による殺人事件は松本清張ならではの面白さだと思う。

    今日の味方は明日の敵。建設業界と政界の闇を見れて面

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    2015年10月31日
  • 黒い福音

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    実際にあった未解決事件を元に書かれた小説。綿密な取材を元にストーリーは展開されていく。著者は死体のあった現場等にも足を運んだそうだ。事件は俗に言うスチュワーデス殺人事件。容疑者には教会の神父があがったが、裏に潜む闇の人物、教会とのつながり、どれも確信に近いものだったのに当時の時代背景によって、国際問題に発展する可能性を秘めたこの事件は慎重に扱わざるを得なかった。モタモタしているうちに容疑者は国外へ。事件は闇の中へ葬りさられてしまった。この小説が事実に近いものならば…殺された被害者は一体どういう気持ちの中、死んでいったのだろうか。死に顔は穏やかで笑みを浮かべているようだった。とあるが最後まで愛を

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    2015年05月18日
  • 象徴の設計 新装版

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    [忠の一字あるのみ]創設間もない軍隊の内部統制に周到なまでの気を配り、自由民権運動に対して極度の警戒を解かなかった山県有朋。彼の携わった『軍人勅諭』などをつぶさに眺めながら、秩序を重んじた山県の後年の歩みを追った作品です。著者は、ミステリーの印象が強いように思われますが、日本史に関する作品も多く手がけている松本清張。


    今の時代に日本近代史を勉強すると、「なんでこんなに自由をガチガチに縛る必要があったんだろう...」と感じることもあるかと思うのですが、自由民権運動や農民一揆などを政府側の山県から眺めることで、抜き差しならない切羽詰まった感覚を追体験できるかと思います。秩序の創設がどのように行

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    2015年01月30日
  • 黒い福音

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    ネタバレ

    実際の事件を基にした作品。
    いつの時代にも本来行く場所に行くものを
    くすねる愚か者は存在します。
    こともあろうか、それが「聖職者」だったのです。

    しかも聖職者どもは
    平然と禁忌を破り、快楽にふけっていたわけで。
    もう神って何?となってしまいますね。

    結局のところ女におぼれた男は
    その女を悪事に加担させることに失敗し
    抹消するという悲しい事態へと落ちます。
    ただし、その男か?というと疑問で。

    日本が敗戦国だったことで起きた
    痛ましい事件です。
    でも、こんなことがあっても
    人は弱くて、過ちを繰り返すんですよね。

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    2015年01月14日
  • 遠い接近

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    かなり詳細に兵営での生活と徴兵の諸々に関する描写があるので資料として買ったけれど、普段こういったジャンルの小説はほとんど読まないにも関わらず一気に読んでしまうくらいおもしろかった。やっぱり売れてるひとにはそれなりの理由がちゃんとあるのだということを再認識。

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    2014年10月25日
  • 或る「小倉日記」伝―傑作短編集(一)―

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    ほとんど本を読み直すことはしない。
    ふとしたきっかけでふたたび小倉日記伝を読んだ。
    人生の不遇さと耕作のひたむきさになみだががこぼれた。
    以前に読んだ時はなにもかんじなかった。
    本はとても面白い、自分の人生も作品に投影されるようだ。

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    2014年10月19日
  • 熱い絹(上)

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    ネタバレ

    長いけどジムトンプソン知ってたら読む価値あり(⌒▽⌒)タイシルクってザラザラしてるなーと思っていたら織り方が違うんですね!民芸品らしさを残しているといえば良いものに思えてきた!柄はオシャレですしね!

    南十字星荘を見かけるくだりは長谷部さん二度びっくりしてて少しアホの子のようですが、そういう冗長さをさしおいても、現地のこまかな描写はさすがと唸るしかないです。
    あの一大事件を、しかもこの時代に、これだけ真面目に取り組み、そしてそれをエンタテインメントに昇華する松本清張は、本人が何と言っても稀代の鬼才です。

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    2014年10月15日
  • 武士くずれ 松本清張歴史短篇選

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    歴史短編集で4作品。
    家康を中心とした話が多いが、相変わらず重みがすごい。「武士くずれ」は山本周五郎の雰囲気に少し似ている気がする。
    全体を通して権力と武士の苦悩について考えさせられる。

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    2014年08月12日
  • Dの複合

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    東経135度
    北緯35度
    この地点を取材旅行で赴く作家・伊瀬と編集者の浜中。
    そこで見つかった白骨死体。次々と起こる殺人事件。
    この経度・緯度には恐るべき秘密が隠されていた。
    スリリングで面白い、昭和の雰囲気を感じられるミステリーだった。

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    2014年08月08日
  • 張込み―傑作短編集(五)―

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    松本清張にどっぷり。体調不良で重苦しい気分がさらに重苦しくなる。それでもやめられない。麻薬のようなものか。
    松本清張の短篇には余計な贅肉のかけらもない。社会派ミステリの真髄。欲望やらなんやらを顕にする人間の所業が実に気持ち悪い。でも、だからこそ止まらない。

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    2014年08月04日
  • 小説日本芸譚

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    短編小説集。
    松本清張作品の中で、私のイチオシ!

    この短さでよくここまで深い話をまとめたな、と感銘を受けた。引き込まれる。
    一つ一つとても読み応えがある。

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    2014年07月12日
  • けものみち(上)

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    鬼頭洪太の存在は、政治的な黒っぽい雰囲気の中に影絵のように泛んでいる
    /この一文だけでも、松本清張節が感じられる。

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    2014年04月15日
  • わるいやつら(下)

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    下巻はぐいぐい読めたなあ。
    絶対これ、あとで何か一波乱あるだろ、っていう所を主人公が見逃していてもどかしい。
    主人公も十分悪いやつなのだが、ついつい肩入れしてしまう。
    シンプルな文章が余計に面白くしていると思う。

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    2014年03月15日
  • 球形の荒野 新装版(下)

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    外務省一等書記官の工作。自分を捨て大義をとる。この硬質なストーリーに女性と自然を掛け合わせ完成させた。清張凄い!14.3.12

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    2014年03月12日