松本清張のレビュー一覧

  • 黒革の手帖(上)

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    ネタバレ

    凄くいい!
    著者は、数字に強いのが窺えます。
    どうしようもなく救い難い男共を翻弄し、更なる高みへ目指す悪い女、元子。
    なんだかスカッとします。
    同時に女性は読んだほうが得な内容になっています。
    しなやかさ、駆け引きの巧みさ、美しい日本語…お手本になると思います。
    裏切らない内容。
    面白く下巻を読みます。

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    2018年12月16日
  • 黒い画集

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    短編七編のうち四編までが、男と女の愛憎を描いている。
    一般論として、女の嫉妬は時として激しいが、男の嫉妬は醜悪に見える。
    と、つくづく思わされたのが「坂道の家」である。
    全体的には、男には男の立場の秘密、女にも同様に持ち合わせているのです。
    自らの安全と出世を願う人たちは、誰しもが持っている不透明な部分を、見せかけのアピールで透明性を保つことで、組織の中で安心感を与え出世コースを辿るのであろうが、少しでも不透明な部分を見せてしまうと排除されてしまう。

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    2018年11月26日
  • 或る「小倉日記」伝―傑作短編集(一)―

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    小倉の松本清張記念館に2回も行ったけど、点と線しか読んだことがなかった。これは濃ゆい。短編集なのになかなか読み進めなかった。
    人間の生き様の描かれ方が文字通り「濃密」なんじゃないかと思う。
    実在の人物をモデルにした作品は特にすごい。

    あまりにも不器用というかそんなんじゃ生きづらいだろうなぁでもそうしか生きられないんだろうなぁと思うようなところが何よりその人の魅力であるというあたりがすごい。

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    2018年10月27日
  • 紅い白描

    購入済み

    赤い白描

    一気に読みました。最後に思いがけない展開になり本当に面白かったです。松本清張の本は若い頃から読んでます。

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    2018年05月23日
  • 雑草群落(上)~松本清張プレミアム・ミステリー~

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    岩波書店は2018年1月12日に10年ぶりの改訂となる「広辞苑」の7版を発売する。
    時代とともに意味が広がっているとして、「やばい」が追加されるということで、大分ニュースにもなっていた。
    意味は「のめり込みそうである」

    上巻を読み終わった。この作品“やばい”!

    0
    2017年11月28日
  • 砂の審廷 ――小説東京裁判

    購入済み

    NHKの東京裁判とは全く違う本

    過日NHKが受信料を無駄遣いし、カナダ。オランダと合作で東京裁判なるテレビドラマを作成し史実に基づいたような印象操作を行っていたが、しょせんあのテレビ局は自虐洗脳をいまだにおこなっている。

    それに引き換え松本清張のそれは史料に基づき実に正鵠を射た展開となっている。
    主役は大川周明のようだが彼を基軸にこの裁判の偽善性と理不尽と不真実さなどよくわかるだろう。

    0
    2017年07月16日
  • 熱い絹(上)

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    タイのシルク王という実在した人が行方不明になった事件をインスパイアして書かれた作品です。この事件は未解決であり、真実は闇の中です。
    そして、上巻しか読んでいない私にはこの物語も未解決で、真実は闇の中です。
    似たような状況の事件が置き、それらの関係性が徐々に明らかになっていきます。物語に吸い込まれていきます。早く下巻買わないと!

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    2017年06月06日
  • 張込み―傑作短編集(五)―

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    松本清張『張込み 傑作短編集(五)』新潮文庫。

    松本清張の初期作品8編を収録した短編集。いずれの短編も、ミステリーというよりも普通の人間が内に秘めている業を炙り出しているかのようだ。既読作が多いが、さすがに30年ほど前に読んだ作品なので、細部については忘れている。

    『張込み』。強盗殺人犯の石井久一が訪ねたのは今は普通の主婦で、かつて恋仲にあった女だった。石井を逮捕するために張込む刑事の柚木は主婦の暮らしを壊さないことを願うが…ヒリヒリするような緊張感が文章から伝わる。

    『顔』。劇団員の井野良吉に銀幕デビューの幸運が舞い込む。しかし、井野には知られてはいけない過去があった…井野良吉と石岡貞三郎の心理描写の対比が面白い。

    『声』。前半は結末が解るような単純なミステリーだと思っていたが、見事な仕掛けと捻りに見事に騙された。

    『地方紙を買う女』。地方紙に掲載される新聞小説を読みたいという理由で地方紙を取り寄せた東京の女、塩田芳子。ところが、新聞に男女の情死事件が掲載されたのを契機に新聞小説が面白くないという理由で購読を止める。それをいぶかしんだ新聞小説の作者、杉本隆治はその女に興味を持つが…一つの綻びが…

    『鬼畜』。映画やドラマにもなった傑作。妻のお梅と共に印刷所を営む竹中宗吉は料理屋のお春と男女の関係になり、3人の子供をもうけるが…終盤にミステリーらしい描写もあるが、基本的には人間の業を描いた作品であろう。

    『一年半待て』。現在は良く耳にするDVを下地に、女性の強かさを描いた作品。29歳の須村さと子が夫殺しで被告となったところから物語は始まる。ラストでタイトルの『一年半待て』の意味を知る時…

    『投影』。東京の新聞社を辞めて地方紙の記者となった太一が市政に蔓延る悪を暴く。

    『カルネアデスの舟板』。この短編もまた鬼気迫る人間の業を描いており、秀逸。

    0
    2017年05月09日
  • 聞かなかった場所

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    読んだ後の、動悸の激しさがすごい。2-3時間は眠れなかった。心理描写がとても上手。最後50Pは、自分が犯人にでもなったような感覚にさせてくれる。
    松本清張さすが!!

    1
    2017年03月01日
  • 殺人行おくのほそ道(下)

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    ネタバレ

    読み終わって「あー」としか
    言いようの無かった作品です。
    とてつもない良作です、ええ。
    ただし胸糞は強烈に悪い作品です。

    もしも「ある忌まわしき出来事」がなければ
    決してこの事件も起きませんでした。
    ところが、それを悪用した愚か者のせいで
    全てがあっという間に狂ってしまったのです。

    その真相を目にしなければならなかった
    麻佐子はさぞかし心がぼっきりと
    いってしまったことでしょう。

    救えない作品です。
    本当どこまでも、救えない…

    0
    2016年08月09日
  • 或る「小倉日記」伝―傑作短編集(一)―

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    久しぶりに読んだ。『ある「小倉日記」伝』は覚えていたが、他の作品は忘れているのも多かった。ていうか、若い頃にに読んだ時はなんとも思わなかった作品が今読むとほんまにズッシリとくることに存外ドキドキした。短編だが、1つ1つがヘビー級なので満足感大、というよりもコレより長くなると辛すぎる、、というテーマばっかり。各作品に漂う作者自身のマイナーコンプレックスの噴出らしきキャラクターや苦悩が伺える。
    或「小倉日記」伝、菊枕、火の記憶、断碑、笛壷、赤いくじ、父系の指、石の骨、青のある断層、喪失、弱虫、箱根心中。

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    2016年05月12日
  • 黒の回廊

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    また清張の文章力に脱帽

    前半、なかなか事件が起きない。駄作かと思いきや中盤を越えると、がぜん清張の文章力が冴えてくる。さては一番怪しく無い者が犯人か?と、読者の期待通りのストーリー展開になってきた。ところが最後は想像だにしない結末が!!
    恐るべき清張の文章力です。

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    2016年03月26日
  • わるいやつら(下)

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    2015.12.2
    途中から面白くなり一気に読んだ。戸谷の傍若無人っぷり、傲慢さ、人をばかにしまくってるところが痛快。そして、勧善懲悪で、最後には罰をくらうのも痛快。
    最後の寺島トヨの復活には、ちと無理があるかな。
    簡潔な文章で面白かったです。

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    2015年12月02日
  • 状況曲線(下)

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    上巻で起こった二つの殺人の嫌疑が自分にかかることを恐れ、ノイローゼ気味だった味岡の死体がダムで発見され、慶次が操作を始めていくところから始まる。自殺だと考えられていたが、不審を抱いた刑事の矢田部が味岡の周囲から操作を粘り強く続けていく。
    矢田部の捜査を黒幕達が先回りするかのように難を逃れていく部分がたまらなく面白い。しかしながら、刑事のプライドと経験から黒幕の裏の裏をかいて矢田部たちが追い回していく。
    今でもニュースになる談合事件。作品は古いが内容は古さを感じさせない。刑事と黒幕の緻密な計算による殺人事件は松本清張ならではの面白さだと思う。

    今日の味方は明日の敵。建設業界と政界の闇を見れて面白かった。

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    2015年10月31日
  • 黒い福音

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    実際にあった未解決事件を元に書かれた小説。綿密な取材を元にストーリーは展開されていく。著者は死体のあった現場等にも足を運んだそうだ。事件は俗に言うスチュワーデス殺人事件。容疑者には教会の神父があがったが、裏に潜む闇の人物、教会とのつながり、どれも確信に近いものだったのに当時の時代背景によって、国際問題に発展する可能性を秘めたこの事件は慎重に扱わざるを得なかった。モタモタしているうちに容疑者は国外へ。事件は闇の中へ葬りさられてしまった。この小説が事実に近いものならば…殺された被害者は一体どういう気持ちの中、死んでいったのだろうか。死に顔は穏やかで笑みを浮かべているようだった。とあるが最後まで愛を信じたのだろうか。

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    2015年05月18日
  • 象徴の設計 新装版

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    [忠の一字あるのみ]創設間もない軍隊の内部統制に周到なまでの気を配り、自由民権運動に対して極度の警戒を解かなかった山県有朋。彼の携わった『軍人勅諭』などをつぶさに眺めながら、秩序を重んじた山県の後年の歩みを追った作品です。著者は、ミステリーの印象が強いように思われますが、日本史に関する作品も多く手がけている松本清張。


    今の時代に日本近代史を勉強すると、「なんでこんなに自由をガチガチに縛る必要があったんだろう...」と感じることもあるかと思うのですが、自由民権運動や農民一揆などを政府側の山県から眺めることで、抜き差しならない切羽詰まった感覚を追体験できるかと思います。秩序の創設がどのように行われるか、または行われたかを考える上で有益な一冊です。


    山県の手がけた政策のみならず、山県の人柄にも筆が向けられているのですが、徹底的な几帳面さと質素さを兼ね合わせていたということから、山県の性格そのものが「徹底的」とも言える秩序維持や反体制派の除去に拍車をかけていたのかもしれません。以下の山県が意図した神格化の装いなど、まさに山県だからこそ当時思いつくことができたのかも。

    〜一切の過程を抜き去って結論だけで命令することが、より絶対的となり、より神格化される。理由を述べることは、そこに批判の余地を残す。それでは神聖とはいえない。神聖とは、あらゆる批判観念を抹殺し、峻拒することである。〜

    一次資料も多用されており充実の作品☆5つ

    0
    2015年01月30日
  • 黒い福音

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    ネタバレ

    実際の事件を基にした作品。
    いつの時代にも本来行く場所に行くものを
    くすねる愚か者は存在します。
    こともあろうか、それが「聖職者」だったのです。

    しかも聖職者どもは
    平然と禁忌を破り、快楽にふけっていたわけで。
    もう神って何?となってしまいますね。

    結局のところ女におぼれた男は
    その女を悪事に加担させることに失敗し
    抹消するという悲しい事態へと落ちます。
    ただし、その男か?というと疑問で。

    日本が敗戦国だったことで起きた
    痛ましい事件です。
    でも、こんなことがあっても
    人は弱くて、過ちを繰り返すんですよね。

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    2015年01月14日
  • 遠い接近

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    かなり詳細に兵営での生活と徴兵の諸々に関する描写があるので資料として買ったけれど、普段こういったジャンルの小説はほとんど読まないにも関わらず一気に読んでしまうくらいおもしろかった。やっぱり売れてるひとにはそれなりの理由がちゃんとあるのだということを再認識。

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    2014年10月25日
  • 或る「小倉日記」伝―傑作短編集(一)―

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    ほとんど本を読み直すことはしない。
    ふとしたきっかけでふたたび小倉日記伝を読んだ。
    人生の不遇さと耕作のひたむきさになみだががこぼれた。
    以前に読んだ時はなにもかんじなかった。
    本はとても面白い、自分の人生も作品に投影されるようだ。

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    2014年10月19日
  • 熱い絹(上)

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    ネタバレ

    長いけどジムトンプソン知ってたら読む価値あり(⌒▽⌒)タイシルクってザラザラしてるなーと思っていたら織り方が違うんですね!民芸品らしさを残しているといえば良いものに思えてきた!柄はオシャレですしね!

    南十字星荘を見かけるくだりは長谷部さん二度びっくりしてて少しアホの子のようですが、そういう冗長さをさしおいても、現地のこまかな描写はさすがと唸るしかないです。
    あの一大事件を、しかもこの時代に、これだけ真面目に取り組み、そしてそれをエンタテインメントに昇華する松本清張は、本人が何と言っても稀代の鬼才です。

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    2014年10月15日