松本清張のレビュー一覧
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ネタバレ初めて読んだ松本清張の本。或る「小倉日記」伝が目的だったが、最近読んでいる、ある意味読みやすい日本語とはまた違った、重みのある文章の良さにドキドキしながら読みました。どの物語も嫉妬。読んでいて苦しくなるような文章であったけど、これが人間らしい。人は喜びに対して貪欲だし、その代償なのか、人は自分で自分の身を滅ぼしていく。これは誰のせいでもないのだなぁと思う。それを受け止めながら、正直に生きていく、まともに。自分に正直だからこそ自分勝手な人たちについて行く相方もまた強さを持っている。私なら逃げてしまうと思うけれど、辛抱強く人を支えるのもかっこいい生き方な気がした。
或る「小倉日記」伝、私は耕作は幸 -
Posted by ブクログ
終わり近くになって結末が見えてくるのですが
文章が淡々としており
話の進みもなんとなく予想できるのですが
内容が異常、登場人物の言動が異常なため
簡潔な文章が面白さを余計に引き立てていると感じました。
下巻の登場人物で怪しいのが
主人公とその友人の弁護士。
主人公を取り巻く女たちも怪しいのですが…
特に死んだはずの女が生きているという部分は。
やはり主人公と弁護士、この二人の行動が下巻の見どころかと思います。
しかし、だれが本当に悪い奴かは
本を閉じるまで誰もわかりません。
読めば読むほど面白さを増す松本清張の作品です。
最後のどんでん返しのような結末は
やはり読んでみなければわからな -
Posted by ブクログ
今は亡き松本清張の推理短編集。
長編作品は『砂の器』や『点と線』『ゼロの焦点』など、
読み応えのある推理小説が数多くありますが、
ファンとして忘れてならないのはこの短編集だと思います。
淡い恋心を踏みにじられ衝動的に起こした殺人『天城越え』や、
綿密な計画をたて相手にストレスと疲れを与え、
山での遭難にみせかけた殺人事件『遭難』をはじめ、
『証言』 『坂道の家』『紐』 『寒流』 『凶器』 etc。
今読み返してみても、どれもこれも
人間というものの弱い心理が浮き彫りにされた小説ばかりです。
しかも事件の発端から、
登場人物の心の動きが手に取るように描かれていました。
派手なアクションや武