松本清張のレビュー一覧
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上巻で起こった二つの殺人の嫌疑が自分にかかることを恐れ、ノイローゼ気味だった味岡の死体がダムで発見され、慶次が操作を始めていくところから始まる。自殺だと考えられていたが、不審を抱いた刑事の矢田部が味岡の周囲から操作を粘り強く続けていく。
矢田部の捜査を黒幕達が先回りするかのように難を逃れていく部分がたまらなく面白い。しかしながら、刑事のプライドと経験から黒幕の裏の裏をかいて矢田部たちが追い回していく。
今でもニュースになる談合事件。作品は古いが内容は古さを感じさせない。刑事と黒幕の緻密な計算による殺人事件は松本清張ならではの面白さだと思う。
今日の味方は明日の敵。建設業界と政界の闇を見れて面 -
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実際にあった未解決事件を元に書かれた小説。綿密な取材を元にストーリーは展開されていく。著者は死体のあった現場等にも足を運んだそうだ。事件は俗に言うスチュワーデス殺人事件。容疑者には教会の神父があがったが、裏に潜む闇の人物、教会とのつながり、どれも確信に近いものだったのに当時の時代背景によって、国際問題に発展する可能性を秘めたこの事件は慎重に扱わざるを得なかった。モタモタしているうちに容疑者は国外へ。事件は闇の中へ葬りさられてしまった。この小説が事実に近いものならば…殺された被害者は一体どういう気持ちの中、死んでいったのだろうか。死に顔は穏やかで笑みを浮かべているようだった。とあるが最後まで愛を
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[忠の一字あるのみ]創設間もない軍隊の内部統制に周到なまでの気を配り、自由民権運動に対して極度の警戒を解かなかった山県有朋。彼の携わった『軍人勅諭』などをつぶさに眺めながら、秩序を重んじた山県の後年の歩みを追った作品です。著者は、ミステリーの印象が強いように思われますが、日本史に関する作品も多く手がけている松本清張。
今の時代に日本近代史を勉強すると、「なんでこんなに自由をガチガチに縛る必要があったんだろう...」と感じることもあるかと思うのですが、自由民権運動や農民一揆などを政府側の山県から眺めることで、抜き差しならない切羽詰まった感覚を追体験できるかと思います。秩序の創設がどのように行 -
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ネタバレ初めて読んだ松本清張の本。或る「小倉日記」伝が目的だったが、最近読んでいる、ある意味読みやすい日本語とはまた違った、重みのある文章の良さにドキドキしながら読みました。どの物語も嫉妬。読んでいて苦しくなるような文章であったけど、これが人間らしい。人は喜びに対して貪欲だし、その代償なのか、人は自分で自分の身を滅ぼしていく。これは誰のせいでもないのだなぁと思う。それを受け止めながら、正直に生きていく、まともに。自分に正直だからこそ自分勝手な人たちについて行く相方もまた強さを持っている。私なら逃げてしまうと思うけれど、辛抱強く人を支えるのもかっこいい生き方な気がした。
或る「小倉日記」伝、私は耕作は幸