松本清張のレビュー一覧

  • 高校殺人事件

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     高等学校は城山にあった。

     この小説はこのように始まるが、この一文を見たのは小学校3年生のときである。公園で拾ったのがこの本だった。漢字はほとんどわからないのでストーリーもまったく理解できていなかったのだが、武蔵野の自然と、山にある防空壕あとの洞穴の描写に強烈な印象を受けた。
     後にNHK少年ドラマで『赤い月』(小説の原題でもあるが)を見たとき、この小説のことを思い出した。

     夏の昼間、ぜひ読んでみてください。高校時代を思い出しながら。途中で冷たいシャワーでも浴びて(そんな気分になる箇所があるのです)。

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    2011年08月28日
  • 夜光の階段(上)

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    名探偵がトリックを暴く「推理小説」ではない。誰が犯人なのかはあらかじめ分かっており、犯罪者•被害者•関係者などの心の動きを描く。
    松本清張が描く、男女関係の描写にも注目。
    男の視点、女の視点、犯罪者の視点、被害者の視点、それぞれが主語となり、心の動きを描いているという、自分の中では斬新な手法。

    こういうふうにも書いていたんだというのが新鮮な驚きだった。
    社会に出ると、実力で評価されるのではなく、うまい立ち回りや運に評価が影響されると言う点、心に残った

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    2011年08月27日
  • 半生の記

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    「砂を噛むような」孤独で呪縛された半生を淡々と書いてます。終戦後の経済状況とかは今からだとなかなか想像しづらいですが、その孤独については現代のひとたちにも訴えるものが大いにあるんじゃないでしょうか。私も清張先生の孤独が手に取るようにわかる気がしました。

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    2011年08月16日
  • 或る「小倉日記」伝―傑作短編集(一)―

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    松本清張デビュー作にして芥川賞受賞作だそうです。作者は若い頃から転職を繰り返し、新聞記者から作家に転身。その文章技術と経験から多彩な世界を描けるのだと思いますが、アンダーグラウンドな舞台の多さから作者自身の生きてきた本当の世界が私は気になります。

    本作のラストにはびっくりしました。

    追記) 看護、介護問わず福祉に関わろうとする者なら一読の価値はあろうと思います。

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    2013年02月10日
  • 或る「小倉日記」伝―傑作短編集(一)―

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    「昭和十五年の秋のある日、詩人K・Mは未知の男から一通の封書をうけとった。差出人は、小倉市博労町二八田上耕作とあった。」
    とは、
    なんとまあ、愛想のない書き出しだろう。
    カッコよさ・オシャレ感ゼロ、難しさもあざとさもゼロ。

    しかし。
    しかしである。
    ええ?!なに?なに?それで一体なにがあったの?!ここからなにが起こるの?と、ものすごく気になるではないか。

    「或る『小倉日記』伝」とは、大体、タイトルからして、まったく愛想がない。
    でも、つかまれてしまう。それで?それで?と、どんどん引き込まれていく。淡々と事柄を重ねていくだけなのに、ぐいぐい引っ張られ、最後まで連れて行かれる。

    そしてこのラ

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    2011年07月02日
  • 砂漠の塩

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    不倫の末、誰にも見つからないところで死のうとエジプトへ向かった男女の行く末を描いた作品。
    淡々とした文章の中に律義さや葛藤が垣間見えたのが印象的。
    愛というものは、わたしたちの身を焦がし、時に凍えさせもするのだろう、まるで砂漠のように。

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    2011年06月22日
  • 黒い福音

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    良人が罪人になっていくありさまを克明に記す。誰しもが罠にはまる可能性があるのだという人間の脆さをうまく描いている。

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    2011年05月08日
  • わるいやつら(下)

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    自分が小説を書こうとしてることに、
    おこがましさを覚えるほど圧倒的に面白い作品でした。
    松本清張氏の本は全部読もうと決めました。
    今やボクの中では神様です。

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    2012年08月17日
  • けものみち(下)

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    私も、けもの道に紛れ込んだんじゃないかって…考えさせられる本です。
    しばらく、呆然としてしまい、余韻が中々消えなかったです。
    こわい、こわい。

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    2011年05月02日
  • けものみち(上)

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    私も、けもの道に紛れ込んだんじゃないかって…考えさせられる本です。
    しばらく、呆然としてしまい、余韻が中々消えなかったです。
    こわい、こわい。

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    2011年05月02日
  • 点と線

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    ページ数は薄めだけど電車時刻表もののトリックが複雑で読むのに時間がかかった。
    最後は淡々と事件解決へと導かれるが、犯行へと向かう心理描写などは読み手に多く任されている部分もあるようで、ずっしりと心に残る。
    映画とかドラマ化とかされてたっけ、、、観てみたい。

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    2011年03月21日
  • 黒い画集

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    人間の業による様々な罪を、どこかあきらめからくるやさしさにも似た客観的な視線でひも解き綴る短編集。素晴らしかった。
    「遭難」「坂道の家」が特に印象的。

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    2011年03月02日
  • 蒼い描点

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    父親に賃りた本。松本清張の女性を主人公にした本は面白い。時代背景は古いけれど、読みやすい。前も書いたけれど、場面場面の情景か頭に浮かびやすい☆

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    2011年03月01日
  • けものみち(下)

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    物語は、静かにたんたんと。
    確実に破滅の道へむかってはいるが。
    残り後数ページまでくるが、特にこれと言った驚きはなく。

    しかし 最後の最後で驚きの結末が待ってました。
    いやぁ やっぱり松本清張は面白い。
    恐れ入りました。

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    2011年01月17日
  • Dの複合

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    私が読んだ清張作品の中でベストワン。難解なタイトル、浦島や天女の伝説、日本地図上での奇妙な偶然。それらがつながった時の興奮をもう一度体感したく、改めて購入した。近々再読する。

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    2011年05月23日
  • 渡された場面

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    すごーく面白かった。
    結果はわかっているんだけど、
    さてどうやって解決にいたるのか、というところで
    意外な展開がいっぱいあった。

    こういっちゃなんだけどさわやかな読後。

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    2010年06月25日
  • 霧の旗

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    おもしろくない松本清張なんてあるのかな

    随分前の作品で映画化、ドラマ化も多くされていますが
    今回、海老蔵様が主演されたということで
    初めて読みました。
    内容は、やはり清張作品と思わせる内容で
    すばらしい、そうだったのかと感嘆符付きです。

    桐子さんは頭がいい子ですね。
    きっと自分ならそこまで頭が回らないと思いました。

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    2010年03月27日
  • けものみち(上)

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    良い人っていうのが見当たらない。そこがいいのかな。面白かった。
    民子さんの旦那さんを殺す気持ちは理解できますね……。

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    2010年03月22日
  • 黒い画集

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    なんだか有名な気がスル「天城越え」はこちらの短編集に収録されてますね
    私のお気に入りは最後の「坂道の家」
    ネチッとしたお話だけれど、松本清張作品の中でも5本の指に入る位に好みのひとつ
    男にとっても、女にとっても、なるべくしてなってしまったような結末を最後の台詞でぐっとしめていて印象深い

    殺人をおかしてしまうまでの過程を特に【男と女】と【特別ではない何気ない生活感たっぷりの日常】にしぼり描き出している、松本清張作品の新骨頂のような短編集

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    2010年03月04日
  • わるいやつら(下)

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    上にもまして下はもっと面白い。
    こんな展開になるの?なんて読みながらびっくり。
    ちょっと想像できない展開。
    悪い主人公なんだけど、頑張れなんて応援したくなる場面もあり
    最後の刑事の種明かしは寝るのも惜しいくらい
    一気に読みました。
    米倉涼子さんのDVD見たくなりました。

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    2010年02月14日