松本清張のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「昭和十五年の秋のある日、詩人K・Mは未知の男から一通の封書をうけとった。差出人は、小倉市博労町二八田上耕作とあった。」
とは、
なんとまあ、愛想のない書き出しだろう。
カッコよさ・オシャレ感ゼロ、難しさもあざとさもゼロ。
しかし。
しかしである。
ええ?!なに?なに?それで一体なにがあったの?!ここからなにが起こるの?と、ものすごく気になるではないか。
「或る『小倉日記』伝」とは、大体、タイトルからして、まったく愛想がない。
でも、つかまれてしまう。それで?それで?と、どんどん引き込まれていく。淡々と事柄を重ねていくだけなのに、ぐいぐい引っ張られ、最後まで連れて行かれる。
そしてこのラ