【感想・ネタバレ】わるいやつら(下)のレビュー

あらすじ

米倉涼子主演のドラマ原作。病院長・戸谷は、自分の欲望を満たすため、病院という名の密室で完全犯罪を繰り返し、さらに次の犯行をも決意する。社会的地位をもちながら、その裏で、次々に女をだまし、関係しては金を取りあげ、殺していく戸谷。やがて、彼に訪れる意外な結末は……。悪と悪の対決。極悪人は誰か? 冷酷非情な現代人の欲望を描く推理長編。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

二桁年振りの松本清張、再読。
前半はなんとも単調な展開で、後半一気に終盤へ。
解説に文部省推薦の良書ではない、とあったが確かに悪書でした。笑

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2025年06月23日

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ネタバレ

出だしは男が女を誑かし翻弄する話かな、と思ってなんとなく『黒革の手帖』の対になるような作品と思っていたら、進むにつれて主人公の方が翻弄されてなんとか切り抜けていこうとするもので、また違った面白さがあった。
仕事には一切の興味を示さず、己の欲望のままに過ごす姿は突き抜けていて一周回って清々しくも感じた。彼と関係を持っていた女性達の目線での描写はなく、あくまで主人公の推測の元で心理描写がされていたが、微妙に噛み合わずもっと昏くドロドロとした思惑が絡み合っていてさすがの描き方だと思った。
途中杜撰に見える主人公の行動も、それが元で全てが狂っていったり、序盤でのシーンが終盤で重要な意味を持っていたりと、全てが計算され尽くされていて素晴らしい。上下巻とも分厚く長い小説だけれど、巧妙に作り上げられていて最後まで目が離せなかった。

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2025年04月14日

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ネタバレ

面白かった。戸谷の貪欲が自滅に向かう。たびたび、昭和の電話が出てくるが、そういえば混線ってあったなぁ。

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2025年02月04日

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ネタバレ

上巻に続いて、約15年振りの再読。

もう最高の転落劇。
スカッとしたというか、笑ってしまうというか。
同じ敵ができたときの、女の団結力はすごいからね。チセとトヨが組んだのは納得。

そして結局、下見沢みたいな一見冴えない男が高嶺の花をうまいこと手に入れるものよね。
戸谷の横武たつ子なら絶対自分の味方だったと思える根拠のない自信が拍手したいくらい素晴らしい(笑)

案外、網走でも自己肯定感高く生き延びていきそう。

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2024年09月03日

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2015.12.2
途中から面白くなり一気に読んだ。戸谷の傍若無人っぷり、傲慢さ、人をばかにしまくってるところが痛快。そして、勧善懲悪で、最後には罰をくらうのも痛快。
最後の寺島トヨの復活には、ちと無理があるかな。
簡潔な文章で面白かったです。

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2015年12月02日

Posted by ブクログ

下巻はぐいぐい読めたなあ。
絶対これ、あとで何か一波乱あるだろ、っていう所を主人公が見逃していてもどかしい。
主人公も十分悪いやつなのだが、ついつい肩入れしてしまう。
シンプルな文章が余計に面白くしていると思う。

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2014年03月15日

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ある意味、予想通りの展開ですが、最終行まで楽しめます。
医者による完全犯罪への視点が斬新!!
いちばん「わるいやつ」は誰かな?

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2012年11月25日

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終わり近くになって結末が見えてくるのですが
文章が淡々としており
話の進みもなんとなく予想できるのですが
内容が異常、登場人物の言動が異常なため
簡潔な文章が面白さを余計に引き立てていると感じました。

下巻の登場人物で怪しいのが
主人公とその友人の弁護士。
主人公を取り巻く女たちも怪しいのですが
特に死んだはずの女が生きているという部分は。
やはり主人公と弁護士、この二人の行動が下巻の見どころかと思います。

しかし、だれが本当に悪い奴かは
本を閉じるまで誰もわかりません。
読めば読むほど面白さを増す松本清張の作品です。
最後のどんでん返しのような結末は
やはり読んでみなければわからない面白さです。

松本清張と聞くだけで少々とっつきにくいイメージを持つかもしれませんが
思いきって読んでみてください。
ハマります!

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2012年10月21日

Posted by ブクログ

自分が小説を書こうとしてることに、
おこがましさを覚えるほど圧倒的に面白い作品でした。
松本清張氏の本は全部読もうと決めました。
今やボクの中では神様です。

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2012年08月17日

Posted by ブクログ

上にもまして下はもっと面白い。
こんな展開になるの?なんて読みながらびっくり。
ちょっと想像できない展開。
悪い主人公なんだけど、頑張れなんて応援したくなる場面もあり
最後の刑事の種明かしは寝るのも惜しいくらい
一気に読みました。
米倉涼子さんのDVD見たくなりました。

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2010年02月14日

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最後の一行まで、ぐいぐい引き込まれてしまった。

トリックや仕掛けは分かりやすいのだけれども、この本の真価はそういうところではなくて、
人間の持っている個人的理由による悪を、読んだ人がどう捉えるかだと思う。
ボクは不覚にも、戸谷に感情移入してしまった。

「わるいやつ」を気取りながら、結局は
“ふつうの人間のふりをしたほんとうの「わるいやつら」”にはめられていく様、そして
地位やプライド、つかみかけたものすべてが滑り落ちていく様は、
読んでいて、かなりドキドキものでした。

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2009年10月04日

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ネタバレ

背筋が凍るような感覚がありつつも下巻は一気に読んでしまいました。
戸谷の焦りや恐怖が自分のことかのように感じられ、終盤は気が気ではなかったです。
最後まで自省がなく他責思考なのは反社会性パーソナリティなのかな、なんて思いました。救いようがない愚かな人間をここまで描写できるのは流石としか言いようがありません。

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2024年07月15日

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昭和35年から週刊新潮にて約1年間、連載された小説らしい。考えてみれば、半世紀以上も前に書かれた作品。当時の医師や弁護士となると、現在よりさらに社会的な地位や信頼も高かったと推察されるが、こうした職業人をストーリーの中心に据えるのあたりは、松本清張ならであるように思われる。また、骨董の世界の裏と面も、重要なポイントになっている。本作品の特徴は、登場人物がすべて悪人であること。まさに、タイトル通り「わるいやつら」である。弁護士の下見沢、そして槙村隆子のその後の人生が気になる。

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2020年03月25日

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下巻。
期待通りに戸谷が追い詰められていく様が愉快だった。
他人を弄んで手玉に取ってたつもりが、逆に手のひらで踊らされていたっていう、なんて哀れで滑稽なんだろうか。
読み終わって改めて「わるいやつら」というのは面白いタイトルだなと思った。
本当のわるいやつらは誰か…?あの二人か?いや、やっぱり一番悪い奴は戸谷だと思う。身から出た錆、自業自得、因果応報。
上下巻一気に読んでしまった。松本清張は読みやすくて面白い。
「黒革の手帳」「砂の器」「わるいやつら」と読んだから次は何を読もうかな。

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2019年09月29日

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主役の戸谷は、正直にいって「馬鹿」だと思う。
犯罪行為に手を染めているにも関わらず、計画は杜撰でその場限り、楽観的すぎ(というか嫌なことからは目をそらす性格)、人を見る目がない。
犯罪を行うのならば冷徹さがひつようなのに、そういった覚悟もなく、ただただ楽観的な自分の予測に従って破滅している。
まさしく「士道不覚悟」
弁護士の下見沢からするとこのような下らない男は軽蔑に値すると思うし、だから罠をかけたのだと思う。
下見沢が最初から戸谷を罠にかけようと思っていたかは作中からはわかないが、このような男はいずれか誰かに破滅させられただろう。
途中でトヨがいう「あなたは私がついていないと破滅しますよ」は現実となったのである。

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2019年08月23日

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ネタバレ

途中から人間模様が変化してゆき、主人公の思惑、それぞれの登場人物の思惑が渦巻いて、とても面白かった。
医者による完全犯罪、一つの綻びから全てが根回しされて、最終的に全てを失うと言う話。
ただ、一番悪いのは幼馴染の弁護士でないだろうか。

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2019年06月23日

Posted by ブクログ

わるいやつらが本当に悪くて、憤りながら読み進める。
次から次へと悪行が生まれて、読み手を休ませない。

ただ、「点と線」でも感じたと同様に、詰めが甘い。結局軽率な行動により足が付くって終わり方は、ちょっと残念。ここまで引っ張ってきたんだから、憎たらしい位にわるいやつを続けて欲しかったな〜…


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2018年08月01日

Posted by ブクログ

戸谷の視点で上下巻ずっと書かれていたから、最後の警察に問い詰められるシーンは、読んでるこっちまでハラハラ。

このハラハラは初めてかも。

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2017年05月12日

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4月4日 後書にあった通り、社会悪などが松本清張さんの得意技だと思われるが、この本で書かれているのは、徹底した 私利私欲から生じる悪。
戸谷信一が捕まったあとも、反省の色なく、ただただ自分の不運を嘆いているあたりも、読んでいてゾッとした。しかし、最後の1ページで大どんでん返し。本当の悪人は???女性の怖さ、読後感の悪さ。この本では、もちろん殺人が描かれているが推理小説ではないと思う。

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2014年04月07日

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上巻はやや退屈で星3つなのだけど、下巻でぐっと面白くなった。
「わるいやつら」とはよくつけたもので、主人公戸谷のことをひたすら
「悪いやっちゃな〜」と思いつつ読んでいたが、後半徐々に彼が破局に向かっていく時にはなぜか彼が可哀想になってしまった…笑。あまり男女の愛憎が絡んだ話は好きではないが、さすが松本清張、とても楽しめた。

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2013年08月19日

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大切な書類を盲信的に人に預ける愚や警察が容疑者を追い込んでいく手法などが面白いです。タイトルどおり善人など一人もいません。

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2013年01月28日

Posted by ブクログ

中盤に差し掛かるあたりで、どんでん返しを見切った。
…つもりでいたのだが、そこに追い討ちがかかるとは思わなかった。見事。

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2012年03月16日

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ダメ男のダメ人生。
女とお金にしか興味がなく、結局は自分が一番可愛い主人公。

人生はそんな風に思い通りになる訳ではなくて・・・。
破滅していくまでの、彼の心情がもの凄く上手く描かれている。

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2011年01月19日

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松本清張の本。1966年。この作品で、医者の死亡診断書という存在を知った。確かに完全犯罪になるのだろう。医者の道徳心に期待する。

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2009年10月07日

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愛人関係にある横武たつ子の病夫を殺したあげく、邪魔になった彼女をも殺害し、その上、共犯者の婦長寺島トヨを手に掛けた戸谷信一は、さらに、自分の欲望を満たすため、次の犯行を決意する。社会的地位をもちながら、その裏で、次々に女をだまし、関係しては金を取りあげ、殺していく戸谷。やがて、彼に訪れる意外な破局は……。冷酷非情な現代人の欲望を描く推理長編。

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2019年06月26日

Posted by ブクログ

上巻までは優男とダメ女達の情念物語、って感じだったが
まさかの裏切り者・藤島チセを追っての東北旅行あたりから先を読むのがもどかしくなった。

徐々に戸谷が追い込まれて行くスピード感が楽しめる。

多摩の死体の確認の大雑把さや、交換手を介しての電話で互いに居場所が分かってしまうところなんかに時代を感じるけれど、人間の内面に潜む悪の姿が現代においてもまるで色あせないところがさすがの松本清張。

最後の最後、一番のわるいやつらが判明したところではやられたー!って感じ。
この二人は一体どのあたりからグルになって手を組み始めたのだろう。

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2014年09月25日

Posted by ブクログ

恋愛の心理描写が多く、時代の割に妙にリアルで、今日でも十分に通用するのではないかと感じた。但し、プロットは今ひとつではないかと思う。かなりひねりを効かせることを意識しているように思うが、余り意外性はなく、面白みに欠けるのではないかと思う、

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2012年12月16日

Posted by ブクログ

ほんと面白かった。色と欲の為、犯罪者となった戸谷。追い詰められ破滅していく。他のわるいやつらによって。もちろん自業自得でもあるのだが。

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2011年01月19日

Posted by ブクログ

やっぱり本当に悪い奴は主人公の他にいました。
悪い奴が主人公というのは犯罪者の心理を好きなだけ描くことができるので、いいと思います。

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2009年10月07日

Posted by ブクログ

上・下巻まとめて。
女の価値を、お金でしか計れない、色と欲に翻弄される、哀れな男が主人公である。
何とも自分勝手で、周りが見えなくなっていて、最後には、痛いしっぺ返しが待っている。
周りをうまく騙して回しているつもりが、結局、誰からも、愛されず、悲しい結末となる。
自業自得とはいえ、可哀想な男である

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2009年10月07日

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