松本清張のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「疑惑」は人間とは主観で物事を考えてしまう生き物なんだなと思わせられる作品であった。読んでいくうちに読者のわたしたちも鬼塚球磨子に対して憎悪の感情を募らせていくようになっている。読者は球磨子が然るべき罰を受けることを願ってしまうけれど、それと実際に罪を犯したか否かという事実はまったくの別物であって慎重に検討しなければならない。人を裁くことの難しさ、そして「面白さ」もわかるような気がした。松本清張作品で、人を殺してしまうのはいわゆるサイコパスではなく、ごくありふれた人である。その人たちがいかにして人を殺してしまうかを丁寧に描いてくれているので、そこが好きだなと思わせられる。
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Posted by ブクログ
阻害された孤独な人物を主人公として、その深淵を覗いた、深く深刻な問題を含んだ小説
母との別れ、父との別れ、病気による差別、浮浪児としての孤独と恐怖、戦争、そして孤独、主人公の人生がどれだけ辛くて苦しいものだったのか、私の未熟な想像力では計り知れない。
戦後、浮浪児が恥ずべきもの、差別されるものだったと妻にも言えず隠し通していた元浮浪児の方の手記を読んだことがある。
すごい時代、信じられない。秀雄には何重にも苦しいことの連続、自分のせいではない、まさに人生に翻弄される哀れさが、想像しただけで痛々しく刺さる。
秀雄の人生を軽くのぞく程度で、この小説は終わっている。秀雄についての文章はわずか数ペ -
Posted by ブクログ
ネタバレ上手いな〜〜描き方
官能小説じゃねーかと思ってたら怖い話じゃん…書き方が客観視点なのが救いがなくて怖い
これは神を信仰する宗教をディスった話?
ミステリーって著者の考えが出てこないという点で怖い、サイコパスみたい
松本清張って何を書きたい人なの?
やっと捜査始まるんかい!!
ランキャスター氏が世津子を襲うって、普通だったらわざわざ自分の手を汚すようなことしないと思うけど、そういうことが罷り通ってた時代ってことなんだろうな…
実際にあってお蔵入りになったってのがやだなあ
そうゆうものにメスを入れる感じで書いたわけね
"実際犯罪の新解釈"っていうジャンルがあるのか…