【感想・ネタバレ】弱気の蟲~松本清張プレミアム・ミステリー~のレビュー

あらすじ

20年近く地道にある省の役人を勤めてきた川島留吉は、ふとしたきっかけで役人仲間と麻雀を始める。麻雀が弱い川島は負けが込み続けるが、ある日、川島の官庁に出入りの外郭団体の職員から自宅での麻雀に誘われる。そこから川島の地獄の日々が始まった――。(表題作) 俳句仲間と野鳥の声を録音しに行った軽井沢での殺人事件を扱った「二つの声」も収録。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

ネタバレ

「二大長編推理小説」ということで、二つの作品が収録されている。どちらも、思わぬ衝撃的な出来事が起きた。この「プレミアム・ミステリー」はミステリー要素に疑問がある作品もあるが、これはどちらもミステリー要素があった。どちらでも殺人事件が起きる。それも犯人は思わぬ人だった。特に表題の『弱気の蟲』では役人である川島が麻雀に嵌まり、鴨のように扱われて借金を拵える。その時の心情は極めてリアリティであるし、つい同情してしまう描写は清張先生ならではの表現力。そして、もはやお決まりと言って良い男女の絡れ。どちらも面白い。

0
2025年03月24日

Posted by ブクログ

「二つの声」:野鳥観察と、粋な俳句・・集まるおっさん連中の顔が剥がれていく。
清張の俳句の技に意外性。

「弱気の蟲」:キャリアの下で腐って行って腐廃下化の様な小役人。下手なくせに、ちょいと女に色気を感じて、ずるずる。かけマージャンの落ちていく先は女でもわかるだけに、読みつつもう嫌で嫌で、うんざり。
街であったら、つばでも吐きたくなるようナ・・まさに虫3匹・・ごみのような男の顛末記。

0
2024年10月25日

「小説」ランキング