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神奈川県の相模湖畔で交通関係の業界紙の社長が殺された。関係者の一人だが容疑者としては一番無色なタクシー会社の専務は、殺害の数時間後、遠く九州の和布刈(めかり)神社で行われた新年の神事を見物し、カメラに収めていたという完璧すぎるアリバイに不審を持たれる――『点と線』の名コンビ三原警部補と鳥飼老刑事が試行錯誤を繰返しながら巧妙なトリックを解明してゆく本格推理長編。
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Posted by ブクログ
松本清張の代表作のひとつともいうべき一冊。九州は関門海峡の文字突端に位置する和布刈神社にて、旧正月に行われる神事、これが重要なアリバイとなる。事件解決に奔走するのは、『点と線』での警視庁と福岡署の刑事。昭和37年当時の飛行機搭乗の妙、鉄道定期券が身分証明として使われていたといった当時の時代背景も、現...続きを読む代では興味深い。
「松本清張」の長篇ミステリー作品『時間の習俗』を読みました。 『宮部みゆき責任編集 松本清張傑作短篇コレクション〈上〉』、『宮部みゆき責任編集 松本清張傑作短篇コレクション〈中〉』、『宮部みゆき責任編集 松本清張傑作短篇コレクション〈下〉』、『眼の壁』に続き「松本清張」作品です。 -----st...続きを読むory------------- 『点と線』の二人が難事件に挑む!! 神奈川県の相模湖畔で交通関係の業界紙の社長が殺された。 関係者の一人だが容疑者としては一番無色なタクシー会社の専務は、殺害の数時間後、遠く九州の和布刈(めかり)神社で行われた新年の神事を見物し、カメラに収めていたという完璧すぎるアリバイに不審を持たれる―― 『点と線』の名コンビ「三原警部補」と「鳥飼老刑事」が試行錯誤を繰返しながら巧妙なトリックを解明してゆく本格推理長編。 ----------------------- 雑誌『旅』の昭和36年5月号から翌年11月号に連載された作品、、、 傑作『点と線』と同じ雑誌に連載されたこともあり、『点と線』で活躍した「三原警部補」と「鳥飼刑事」が再び探偵役となり、犯人が仕組んだアリバイに挑戦する物語です。 関門海峡に面した門司市の古社・和布刈神社で、旧暦元旦の未明に行われる神事に写真撮影が殺到… その前日の深夜23時頃、神奈川県の相模湖近くの弁天島で、交通関係業界紙の編集人「土肥武夫」の死体が発見される、、、 「土肥」の投宿していた宿の女中は、女性が同行していたことを証言するが、その女性は行方不明になっていた… 有力な容疑者も挙がらず手がかりが掴めない中、「三原警部補」は「土肥」の交際人物のリストから、タクシー会社の専務「峰岡周一」に着目するが、「峰岡」は和布刈神社の神事を見物し、その模様をカメラに収めていたという、あまりにも完全なアリバイがあった。 「三原警部補」は、和布刈神社を所管する福岡県警の「鳥飼刑事」と連携してアリバイ崩しを試みます、、、 そんな中、福岡の水城で若い男性の絞殺死体が発見される… 「峰岡」が訪れていた福岡での事件であることや、犯行手口が相模湖の事件と類似していたことから、二人は2つの殺人事件は関連性があると推理して、捜査を進めます。 2つの事件に共通して存在している、ひとりの女性… これがミスリードさせられる展開でしたね、、、 アリバイは、東京~福岡間の飛行機が大阪経由だったことや、写真が他人の撮った写真を撮影していたこと等から徐々に崩れ、そして、ゲイボーイの存在が発覚して、一気に解決に向かいます。 アリバイ崩しの醍醐味が味わえる作品… 「三原警部補」に感情移入して、一緒にアリバイ崩しを推理する気分に浸れました。 飛行機は座席が決まっていなかったことや、カラーフィルムはフィルムメーカーにネガを送って現像する、定期券を身分証明に使う… 等、現代とは条件が大きく異なったり、違和感のある場面もあり、時代の変化を感じられました、、、 これらは現代では使えないトリックですけどねぇ… 当時では斬新なトリックだったんでしょうね。 以下、主な登場人物です。 「三原紀一」 警視庁捜査一課の警部補。 『点と線』の事件以来、鳥飼刑事と親しい間柄となっている。 「鳥飼重太郎」 福岡署の古参刑事。 峰岡のアリバイに関する回答を契機に、事件調査に協力する。 「峰岡周一」 大手タクシー会社「極光交通」の専務。 「土肥武夫」 「交通文化情報」発行人及編集人。 「江藤白葉」 俳句誌「荒海」の主宰者。 「須貝新太郎」 名古屋のバー「蝶々」勤務の男。 「梶原武雄」 「上ノ橋福岡食品工業」の工員。
久しぶりに松本清張の作品を読んだ。文体は簡潔で最初に和布刈神事が出てきたのには、さすが小倉で生活している人だなと思った。 地名も馴染みの場所が多くて、思い出しながら読んだ。殺人のトリックを見破る刑事の思考と、ベテラン刑事の粘り強さに、昭和を感じる。47年の作品だものね。それにしてもこの時代にゲイバー...続きを読むが出てくるとは。
松本清張「点と線」で一緒に事件を解決した、九州の老刑事と警視庁の若い警部補が再度顔を合わせ事件を解決に導く。2人が励まし鼓舞し合い犯人を追い詰めていく姿がページをめくる指を進ませる作品。
『点と線』で活躍した刑事が再登場。謎の解き明かしにむけて一気に読める。ノスタルジーも味わえるエンターテイメント作品。
『点と線』の名コンビ三原警部補と鳥飼老刑事が試行錯誤を繰返しながら巧妙なトリックを解明してゆく本格推理長編。
完璧なアリバイが徐々に崩れていく過程が純粋に面白い。特にはっきりとした動機もない容疑者を、そこまで執拗に追いつめるものかという疑問がなきにしもあらずだったのだが、最後容疑者が犯人と確定した時には拍手をしたい気分になった。やはり正当派ミステリーというのは読んでいて気持ちがいい!
これぞ松本清張の推理小説といった内容だった。 まるでサスペンス劇場の台本でも読んでいるかのような細かいセリフ、主人公の思考回路。 サスペンス劇場と違うのは、サスペンス劇場では主人公が考えたことや言ったことはみな意味があって正解の方向にいっている、もしくは後からヒントになる。それに対してこの小説は、正...続きを読む解に結び付く、付かないにかかわらず、主人公の思考回路を忠実に描写しており、考えたことや言ったことが、解答へ結びつかなかったりあまり意味がなかったりすることも多々あるという点。これにより、まるで自分が主人公になったかのような錯覚に陥り一緒に考える。犯人はどうやってこのアリバイを作ったのか。やっぱり松本清張はすごい。
点と線の続編(メインの刑事が同じ)でアリバイ崩し。あんまり完璧過ぎるアリバイも疑われる好例。 老刑事との交流が続いているのにホッコリする。
アリバイ崩しがメインなので仕方ないとはいえ最初から峰岡犯人ありきで話が進んでるのが残念なところ。動機も弱いといえば弱いかなあ。 北九州民としては点と線と同じくお馴染みの場所が舞台になっててそこは楽しめました。
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時間の習俗
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松本清張
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