Posted by ブクログ
2011年03月14日
これぞ松本清張の推理小説といった内容だった。
まるでサスペンス劇場の台本でも読んでいるかのような細かいセリフ、主人公の思考回路。
サスペンス劇場と違うのは、サスペンス劇場では主人公が考えたことや言ったことはみな意味があって正解の方向にいっている、もしくは後からヒントになる。それに対してこの小説は、正...続きを読む解に結び付く、付かないにかかわらず、主人公の思考回路を忠実に描写しており、考えたことや言ったことが、解答へ結びつかなかったりあまり意味がなかったりすることも多々あるという点。これにより、まるで自分が主人公になったかのような錯覚に陥り一緒に考える。犯人はどうやってこのアリバイを作ったのか。やっぱり松本清張はすごい。