松本清張のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
有栖川有栖読んでいて推理ものが読みたくなって手にとってみた清張。
上下巻なのでボリュームたっぷり。
撲殺された銀行員の妻の弟で若手画家の山辺修二が
兄の死の理由の真実を究明しようと奔走し、
地方銀行や宗教団体などのスキャンダルに迫っていくというもの。
きちんと取材と資料勉強して丁寧に作られているので、
まるで実際に起こっている事件のように現実に迫ってきて面白いし、
最後の着地もしっかりしつつ意外性もばっちりあってさすがの一言。
あとはタイトルセンス。
ずっとタイトルとの関係をいまいち測りかねていたのですが解説を読んで納得。
内容に直接関係ないので抜粋しちゃいますね。
『清張作品においては、組 -
Posted by ブクログ
芥川賞を受賞した表題作と他5篇を集めた短編集。
後の清張のような推理小説的な展開はほとんど見られない。
まず表題作だが、小児麻痺のようなものを患った男が、九州にいた頃の森鴎外を研究していくという話。
全体にも通ずることだが、人物の心情などをほとんど地の文で書かない簡潔な文体が読んでいて潔い。
内容はまずまずといったところ。
他の4篇に関しては、全体的なテーマとして、登場人物(主に主人公)が、一つのことに集中していて他のことには目もくれないような一途さを持っており、
そのせいで他者の反感を買ってしまうという、熱心さに基づく哀れさが展開されている。
途中では、その人物に反感を持ってしまうが、話が終 -
Posted by ブクログ
最近テレビドラマ化される事が多い、松本清張先生。
「砂の器」、「黒革の手帖」、「けものみち」いずれも高視聴率のようだけど、どれも見ていない。ましてや、小説自体も読んでいないというチョット乗り遅れ気味な感じもするけど、この「Dの複合」が火スペや土曜ドラマ劇場なんかで2時間ドラマ化されたら、是非見てみたい。(もう、やってたりして・・・)
売れない作家が、小出版社の月刊誌に旅の紀行文「僻地に伝説をさぐる旅」の連載依頼を受けたところから、物語がスタートする。
旅先で白骨死体遺棄事件が起こり、当初は単なる偶然と思っていた事件が、曰くありげな人物が登場し、さらに謎めいた35、135という数字が指し示すもの