松本清張のレビュー一覧

  • 絢爛たる流離

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    人を不幸にするどころか殺人者にしてしまうダイアモンドの話なのだけど、ダイアが人を狂わせるといったような記述は一切なくて、ただの小道具に過ぎないのが良いです。行方知れずや埋められそうになってもまた誰かの手に渡るのも不思議な魔力があるからか。最終話のオチは秀逸でした。

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    2023年05月14日
  • 美しき闘争 下 新装版

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    登場する男たちはクソ野郎ばかり。ついでに登場する女流作家や週刊誌出版社に勤める女性社員も、これまたゲス野郎ばかり。健気で紳士っぽい男性登場人物も単なる小心者。そんな男性社会をなんとか潜り抜けようとするも、最終的な結末は、今の時代から考えると納得できない終わり方。しかし、これがまさに作品が新聞連載された時代、1960年代初頭の昭和時代の実態だったともいえよう。

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    2023年05月11日
  • 美しき闘争 上 新装版

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    1962年に新聞連載された作品。姑と同居のマザコン夫と離婚したヒロインが勤め始めたのは、昔の縁故を頼っての弱小週刊誌の零細出版社。その先も、あっという間に買収され、買収先はさらに強欲な出版社。今の時代から考えられないように、セクハラに遭遇しながらも懸命に生きるヒロイン。

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    2023年05月11日
  • 砂の器(上)

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    東京蒲田駅で死体が見つかった。カメダを手がかりに今西刑事が東北や出雲の方へ出向くがこの1冊では犯人は見つからず続編へ続く。出雲の奥の方言もズーズーべんだとは知らなかった。方言も知れて良いことを知った。

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    2023年05月04日
  • 蒼い描点

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    まだまだあった、読み残しの清張作品。
    『美しき闘争』(角川文庫)と『蒼い描線』(新潮文庫)

    昭和時代を感じるのはおもしろいし、しかも古びていないところがすごい。
    両書とも熱海や箱根が舞台、そしてストーリー展開によって、日本全国縦横に旅する、その土地土地が目に浮かぶ。

    『美しき闘争』(角川文庫)1962年雑誌に連載、1984年カドカワノベルズ刊行
    『蒼い描線』(新潮文庫)昭和33年7月から週刊誌に連載、昭和34年(1959年)に光文社から刊行

    巻末解説とあるけれど、ほんとうにほんとうに清張さんの作品は多いのだ。

    清張さんはわたしが児産みが一段落して(笑)子育て真っ最中の1972年ごろから

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    2023年04月24日
  • 小説帝銀事件 新装版

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    ネタバレ

    帝銀事件が起きた昭和23年の日本は、連合国の占領下にあった。当時の日本人はもちろん、日本の様々な組織(検察・警察含む)にとってアメリカを中心とする占領軍は途方もなく巨大で、時には「壁」になったのだろう。
    事件の犯人を旧日本軍関係者と睨んでいた警察捜査の主流は、「壁」にぶち当たってしまった。「壁」が旧日本軍のある一部に利用価値を見出し保護したからである。行き場をなくした主流が傍流の平沢貞通犯人説に殺到し、あれよあれよという間に平沢の死刑判決に至ってしまった。平沢自身、あまり素行がよくなかったことや脳の病気による虚言症などを抱えていたことがあり、自白重点主義の当時、心証の面で不利に働いただろう。

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    2023年04月18日
  • 松本清張ジャンル別作品集 : 6 社会派ミステリ

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    「拐帯行」「紙の牙」「鴉」「喪失」「繁昌するメス」「失敗」「投影」の7つの短編が収録。このシリーズの選定作品は、どれも暗い・・・。

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    2023年04月25日
  • 松本清張ジャンル別作品集 : 4 法廷ミステリ

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    「証言の森」「脊梁」「一年半待て」「晩景」「奇妙な被告」の5つの短編が所収。
    とにかく、暗い………。

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    2023年04月25日
  • 鬼火の町 新装版

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    「松本清張」の時代小説『新装版 鬼火の町』を読みました。

    『表象詩人』、『溺れ谷』、『新装版 遠い接近』、『半生の記』、『軍師の境遇 新装版』に続き、「松本清張」作品です。

    -----story-------------
    朝霧の大川に浮かぶ無人の釣舟。
    漂着した二人の男の水死体。
    川底の女物煙管は謎を解く鍵か。
    反骨の岡っ引「藤兵衛」、颯爽の旗本、悪同心、大奥の女たちを配して描く時代推理。
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    天保の江戸を舞台にした時代推理… 時代小説というよりは、ミステリ小説として愉しめましたね。

     ■幽霊船
     ■煙管の追及
     ■厚い壁
     ■煙管の持ち主

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    2023年04月09日
  • 半生の記

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    「松本清張」が作家デビュー前までを回顧した自叙伝『半生の記』を読みました。

    『表象詩人』、『溺れ谷』、『新装版 遠い接近』に続き、「松本清張」作品です。

    -----story-------------
    著者を育んだ故郷・小倉の記憶、そして父母のこと、兵役や仕事のことなど……。
    いかにして「作家・松本清張」は生れたのか?
    文壇デビュー以前の回顧録。

    日本が破滅に向って急速に傾斜していった時代、金も学問も希望すらもなく、ひたすら貧困とたたかっていた孤独な青年、「松本清張」。
    印刷所の版下工として深夜までインクにまみれ、新聞社に勤めてからも箒の仲買人までしながら一家八人の生活を必死で支えたその

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    2023年04月09日
  • 表象詩人~松本清張プレミアム・ミステリー~

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    「松本清張」の中編2作が収録された作品『表象詩人』を読みました。

    「松本清張」作品を読むのは2年半振りくらいですね… 短篇ミステリ作品集『水の肌』以来です。

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    昭和初期の小倉。
    私鉄職員の“わたし”「三輪」は、陶器会社に勤める仲間、「秋島」、「久間」とともに詩を愛好していた。
    陶器会社の高級職員「深田」の家に集まっては詩論を戦わせるが、三人とも都会的な雰囲気をまとう「深田」の妻「明子」に憧れていた。
    だがある夏祭りの夜、「明子」は死体で発見される。
    事件は迷宮入りとなるが……(表題作)。
    山中で発見された白骨の謎を追う『山の骨』も併載。
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    2023年04月08日
  • 張込み―傑作短編集(五)―

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    松本清張氏の傑作短編集第五作。これと第六作は推理小説集である。8つの短編で443ページ。複雑なトリックは無いが、楽しめます。東京から九州に向かう夜行列車、新幹線でも寝台列車でもない、清張作品だなー。

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    2023年04月02日
  • 小説帝銀事件 新装版

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    帝銀事件についてのお話
    当時の捜査の杜撰さにちょっとあきれた
    軍関係の捜査は大変そう
    内容的に平沢は犯人にしたてあげられた感がある
    犯人としては矛盾するようなところもありながら
    警察が決めつけてしまったような感じ
    事実はいったいどうだったのだろう?

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    2023年03月11日
  • けものみち(上)

    購入済み

    楽しめる作品だった

    ドラマも見ずの初見。「こいつが黒幕か?」など予想しながら楽しめる作品だった。最後に残った者を見て「クックッ」とほくそ笑んだ。

    #ダーク

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    2023年03月10日
  • 砂の器(上)

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    場面描写が細かくて、高度成長前の時代の何とも言えないエネルギーや戦後の混乱の残りみたいなものが味わえる。
    既成の権力や文化にやたらと反抗する若者グループはこの後無事に大人になったんだろうか。

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    2023年03月04日
  • 小説日本芸譚

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    「抽象には何かがあるかも知れないが、それを感じ取るまでには時間と忍耐を要する。写実は瞬時の躊躇なく直截に訴える。それが見事な出来であればあるほど、素朴な感嘆を与える。作家の精神が、民衆の距離のない感動に融け合うのだ。もともと信仰の本質は感動ではないか。」(『運慶』より)

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    2023年03月02日
  • 隠花平原(下)

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    義兄殺人事件を追う画家の話の後編。ネタバレになるので詳しくは書かないが死人が増加していく為けっこう盛り上がる。画家が凄いのは上巻でも書いたが吉田記者の調査力も侮り難い。
    真犯人が唐突かつ意外すぎて初めは理解に苦しんだがミステリーとしては面白い。
    注目したいのは終盤のある一節で主人公の何気ない行動が実は殺意を防止していたという告白のくだりで、かなりゾッとした。未読だけど少し読んだ『カラマーゾフの兄弟』のゾジマ長老だかの告白に通じるものを感じた。

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    2023年02月15日
  • 駅路

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    親近者が行方不明になった時に、人はどのような行動を起こすのか。幾重にも物語が派生する松本清張の企みは愛憎を潜ませる。この素朴な激情が人の業として様々な事象に連鎖して、転落する様がドラマとして魅せられる。いいよね清張。

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    2023年01月20日
  • 蒼い描点

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    「松本清張」の長篇ミステリ作品『蒼い描点』を読みました。

    「有吉佐和子」の『悪女について』を読んで、昭和の雰囲気の作品を読みたくなったんですよね、、、

    「松本清張」作品は、今年5月に読んだ『松本清張傑作選 黒い手帖からのサイン―佐藤優オリジナルセレクション』以来ですね。

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    女流作家「阿沙子」の秘密を握るフリーライターの変死――事件の真相はどこにあるのか? 
    代作の謎をひめて、事件は意外な方向へ……。
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    1958年(昭和33年)7月から1959年(昭和34年)8月に『週刊明星』に連載された長篇ミス

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    2022年11月19日
  • 影の地帯

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    ネタバレ

    長野を舞台に鉄路を行き来、先日巡った土地も多く実感を持って読み進めることができた。土地も東京から行きやすいが人口の少ない山中の湖という実用に基づいた選び方であり、大変しっくりくる。変に伝説や言い伝えを重視することなく、無理ない設定であり、内田康夫よりも好きなところ。さらに田舎の地形や人々、街並みなどの描写が丁寧、松本清張、全部読みたい

    一介のカメラマンが巻き込まれる事件としては規模が大きすぎるという点で異例なのかな、刑事が主人公ではないだけに意外というところ

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    2022年11月11日