松本清張のレビュー一覧

  • 梅雨と西洋風呂~松本清張プレミアム・ミステリー~

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    「松本清張」の本格推理長篇『梅雨(ばいう)と西洋風呂』を読みました。

    『西郷札 傑作短編集〔三〕』、『私説・日本合戦譚』に続き「松本清張」作品です。

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    水尾市の市会議員である「鐘崎義介」は酒造会社と市政に批判的な新聞社を経営するやり手。
    だが、温泉で出会った女「カツ子」が自室の西洋風呂で見せる、若く奔放な姿態に溺れる。
    地方の名士である男は、都会的なものの虚飾に魅せられて破滅の道をたどり、やがて殺人を招き寄せていく! 
    地方政界に渦巻く欲望と利権を描くとともに、“アリバイ崩し”にも挑んだ本格推理長編。
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    2022年10月28日
  • 西郷札―傑作短編集(三)―

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    「松本清張」の歴史小説12作品を収録した『西郷札 傑作短編集〔三〕』を読みました。

    ここのところ「半藤一利」作品を読んでいたので、歴史に関する本が読みたかったんですよね… 「松本清張」作品は、一昨年の12月に読んだ『黒の様式』以来です。

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    時代小説の第1集。
    西南戦争の際に薩軍が発行した軍票をもとに一攫千金を夢見た男とその破滅を描く『西郷札』。
    江藤新平の末路を実録的に描いて、同じ権力機構内にいるものの軋轢、対照的な勝敗を浮びあがらせた『梟示抄』。
    幕末に、大名、家老、軽輩の子として同じ日に生れた三人の子供が動乱の時代に如何なる運命を辿ったかを

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    2022年10月27日
  • なぜ「星図」が開いていたか―初期ミステリ傑作集―(新潮文庫)

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    松本清張没後30年。清張ミステリはここから始まった。表題の「なぜ星図がひらいていたか」をはじめ、「顔」、「殺意」、「反射」、「市長死す」、「張込み」、「声」、「共犯者」の8編、巨匠・清張初期の傑作短編集。

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    2022年10月20日
  • 黒革の手帖(上)

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    武井咲主演のドラマが良すぎて。でも、令和に合うようにされてたから、原作はどうなのかなと思って読み始めた。元子は悪女って言われるけど、周りのオッサンも似たり寄ったりでしかも気持ち悪いので、個人的には元子を応援してしまいたくなる…笑。ていうか架空預金ってそんな作れるもんなんだ?

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    2022年10月11日
  • 眼の気流

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    眼の気流:運転手の場合、刑事の場合と2編より構成されている結末はイマイチ分かりずらい。結局、殺したのは運転手なのか?それとも小川圭造と二人で?
    暗線:結局、よく分からずじまい。父系の指とストーリーが似ているか?
    結婚式:結婚式披露宴の間の回想。中年男のどうしょうもない嫉妬が不幸を招いた。残念。
    たずたずし:中央線富士見駅。結局、良子は記憶喪失のままだったのか。結末は曖昧だ。
    影:冒頭に出てくるM温泉とは中国勝山からバスに乗った真賀温泉か?代筆をしている間に自分の個性、才能が奪われるとは残念だ。

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    2022年10月16日
  • 眼の壁

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    巧妙な手形詐欺で3000万を騙し取られ責任を取り自殺した会計課長の部下の萩崎竜雄は、義憤に駆られ真相究明に動き出す。友人の田村と共に探っていくが、組織によって第二第三の事件が起きる。長編小説だが、会社員の主人公が命の危機に直面しながらも上司が死んで真犯人がのうのうと生きているのが許せないという気持ちで踏ん張るのが共感する。

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    2022年10月02日
  • 砂の器(上)

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    国電の蒲田操車場で男の撲殺死体が見つかった。
    付近での聞き込みから、被害者の東北弁と、被害者と容疑者が話していた『カメダ』という言葉を手がかりに、捜査を行うが…

    容疑者に関する有力な情報はつかめないまま、捜査本部は解散となる。

    警視庁捜査一課・今西は、捜査を継続。

    今西のひらめきから、新たな事実が…

    方言、地名、電車からの紙吹雪…

    事件にかかわっているかと思われる人物が、自殺、不審死…

    今西のこの殺人事件への執念がすごい。

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    2022年10月02日
  • 犯罪の回送

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    松本清張さんの最後の作品らしいです。

    北海道と東京をめぐるミステリーです。今まで読んだ作品の中では少し面白みにかける気がしました。犯人や結末が意外すぎて驚きました。やはり何かこの作品は他の作品と違う気がしました。

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    2022年09月17日
  • なぜ「星図」が開いていたか―初期ミステリ傑作集―(新潮文庫)

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    松本清張の初期の推理短篇集。動機やアリバイなどを重視して地道な捜査活動で犯人に辿り着く手法は探偵小説と違い、意外なところから明らかになって終わりがスッキリする。どれも面白いが、特に「顔」「殺意」「声」が良かった。短篇で読みやすいので初めての人におすすめです。

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    2022年09月17日
  • 黒の様式

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    「松本清張」の中篇3作品を収録した『黒の様式』を読みました。

    『宮部みゆき責任編集 松本清張傑作短篇コレクション〈上〉』、『宮部みゆき責任編集 松本清張傑作短篇コレクション〈中〉』、『宮部みゆき責任編集 松本清張傑作短篇コレクション〈下〉』、『眼の壁』、『時間の習俗』、『霧の旗』、『強き蟻』、『高台の家』に続き「松本清張」作品です。

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    「松本清張」 生誕100年記念復刊第一弾。
    毒が手繰り寄せた忌まわしい過去。
    姉の自殺の驚くべき真相とは――。

    結婚して二年たらずで自殺した美しい姉。
    歳月がながれ高校生の母親となった妹が、思春期の息子の手に負

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    2022年09月09日
  • 時間の習俗

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    「松本清張」の長篇ミステリー作品『時間の習俗』を読みました。

    『宮部みゆき責任編集 松本清張傑作短篇コレクション〈上〉』、『宮部みゆき責任編集 松本清張傑作短篇コレクション〈中〉』、『宮部みゆき責任編集 松本清張傑作短篇コレクション〈下〉』、『眼の壁』に続き「松本清張」作品です。

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    『点と線』の二人が難事件に挑む!!

    神奈川県の相模湖畔で交通関係の業界紙の社長が殺された。
    関係者の一人だが容疑者としては一番無色なタクシー会社の専務は、殺害の数時間後、遠く九州の和布刈(めかり)神社で行われた新年の神事を見物し、カメラに収めていたという完璧すぎる

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    2022年09月05日
  • 眼の壁

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    「松本清張」の長篇ミステリー作品『眼の壁』を読みました。

    『宮部みゆき責任編集 松本清張傑作短篇コレクション〈上〉』、『宮部みゆき責任編集 松本清張傑作短篇コレクション〈中〉』、『宮部みゆき責任編集 松本清張傑作短篇コレクション〈下〉』に続き「松本清張」作品です。

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    手形詐欺の驚くべき手口! 
    上司の汚名を晴らすため、ひとりの男が立ち上がった。
    傑作サスペンス!

    白昼の銀行を舞台に、巧妙に仕組まれた三千万円の手形詐欺。
    責任を一身に負って自殺した会計課長の厚い信任を得ていた「萩崎」は、学生時代の友人である新聞記者の応援を得て必死に手がかりを探

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    2022年09月05日
  • 張込み―傑作短編集(五)―

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    張込み:山口県、九州に向かう列車はどの列車なのか特定出来なかった。当時の暮らしぶりが何となく分かる。バスも登場し、昭和全盛の頃を思い起こさせる。
    顔:山陰線周布駅から浜田駅までの普通列車、昭和22年の時刻表で確認したが当該の列車は確認出来ず。自らの名声を得ようとするが為に周囲を消してゆく、自己中心的な考え方といってしまえばそれで終わりだが、そこには一般市民としての葛藤も見て取れる。最後のいもぼうの場面はちょっと出来すぎとも思いましたが圧巻でした。いもぼう、京都に長年住んでいますが名前だけ知っていて訪問した事無し。
    声:2部構成になっている。1部と2部は別の話かと思っていたが最後に結びつくあたり

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    2022年09月17日
  • 佐渡流人行―傑作短編集(四)―

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    松本清張の時代小説短編集です。足利義昭や丹羽長秀 毛利元就などが活躍する「腹中の敵」「陰謀将軍」「戦国謀略」。地獄を味わう男たちの「佐渡流人行」は意外な結末に驚いた。ほか「流人騒ぎ」など名も知らぬ男を主人公にした時代小説が面白い。意外にスラスラ読めました。清張は時代物も面白い。

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    2022年08月30日
  • 夜光の階段(下)

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    美容師(この時代にカリスマ美容師に着目している炯眼さ!)として大望を抱く青年と女たちを描いたサスペンスの後編。女性の肉体を冷徹に観察し人間関係を巧みに利用して計画を進めていく友人にしたくないタイプだが妻となる女も酷い。自分の実力を盲信し職場で居丈高で振る舞い失敗ると女王陛下のように寄生してくる特大地雷物件である。しかも調査能力及び推理力が卓越しているだけで無く相手の弱点を絡めていくという主人公以上に悪党感があった。
    検察との死闘を期待していると意外すぎるラスト。

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    2022年08月27日
  • 夜光の階段(上)

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    男性美容師がパトロンの人妻、編集者を利用して成功をおさめるが…というサスペンス。始めは女を利用する冷血漢だと思ったが相手にしている女が虚栄心と嫉妬と肉欲の塊で胃が切り詰めらる様な感覚でスケジュール管理していく姿はビジネスマン的ですらある。

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    2022年08月27日
  • Dの複合

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    古代史、民俗学の諸説をもとに、旅も絡めたミステリー。「点と線」「ゼロの焦点」の雰囲気を思い出す。
    終盤は、えーっ、そうきますか!という驚きに満ちている。

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    2022年08月22日
  • 天才画の女

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    制作過程及び美術履歴不明な新人女性画家の真相を追う話でありがちな殺人事件などは無い。しかし画商たちの腹の読み合いと推理力は紛れもなくミステリー。笑顔の裏に、罠や情報の探り合いがあり魑魅魍魎的な美術界が堪能できる。
    最後のオチが現実的で良かった。

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    2022年08月22日
  • 眼の壁

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    白昼の銀行で巧妙に仕組まれた手形詐欺が起こる。
    責任を負った会計課長は自ら命を絶った。

    会計課長の部下・萩原は、友人の新聞記者・田村とともに真相を追う。

    真相を追ううちに、背後に巨大な右翼団体が見えてくる…
    そして、殺人事件、誘拐事件が起こる…

    昭和30年代前半なのに、古臭さは感じない。

    電報や電話の取り継ぎ、特急『はと』、急行『なにわ』には、昭和レトロを感じる。

    餓死に見せかけて殺す⁇
    もっと楽に殺す方法もあっただろうに…
    なぜ⁇

    もっとも今ならすぐに捕まりそうではあるが…

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    2022年08月12日
  • 眼の壁

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    手形詐欺で自殺に追い込まれた上司の無念を晴らすべく部下と友人の新聞記者が追うサスペンス。黒幕の正体など既視感は有るが寧ろ社会派サスペンスの元祖なのでこちらが元ネタであろう。
    社会派と称しつつもキチンとトリックを取り入れているところは良かった。

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    2022年08月02日