松本清張のレビュー一覧

  • 小説日本芸譚

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    「抽象には何かがあるかも知れないが、それを感じ取るまでには時間と忍耐を要する。写実は瞬時の躊躇なく直截に訴える。それが見事な出来であればあるほど、素朴な感嘆を与える。作家の精神が、民衆の距離のない感動に融け合うのだ。もともと信仰の本質は感動ではないか。」(『運慶』より)

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    2023年03月02日
  • 隠花平原(下)

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    義兄殺人事件を追う画家の話の後編。ネタバレになるので詳しくは書かないが死人が増加していく為けっこう盛り上がる。画家が凄いのは上巻でも書いたが吉田記者の調査力も侮り難い。
    真犯人が唐突かつ意外すぎて初めは理解に苦しんだがミステリーとしては面白い。
    注目したいのは終盤のある一節で主人公の何気ない行動が実は殺意を防止していたという告白のくだりで、かなりゾッとした。未読だけど少し読んだ『カラマーゾフの兄弟』のゾジマ長老だかの告白に通じるものを感じた。

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    2023年02月15日
  • 駅路

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    親近者が行方不明になった時に、人はどのような行動を起こすのか。幾重にも物語が派生する松本清張の企みは愛憎を潜ませる。この素朴な激情が人の業として様々な事象に連鎖して、転落する様がドラマとして魅せられる。いいよね清張。

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    2023年01月20日
  • 蒼い描点

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    「松本清張」の長篇ミステリ作品『蒼い描点』を読みました。

    「有吉佐和子」の『悪女について』を読んで、昭和の雰囲気の作品を読みたくなったんですよね、、、

    「松本清張」作品は、今年5月に読んだ『松本清張傑作選 黒い手帖からのサイン―佐藤優オリジナルセレクション』以来ですね。

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    女流作家「阿沙子」の秘密を握るフリーライターの変死――事件の真相はどこにあるのか? 
    代作の謎をひめて、事件は意外な方向へ……。
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    1958年(昭和33年)7月から1959年(昭和34年)8月に『週刊明星』に連載された長篇ミス

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    2022年11月19日
  • 影の地帯

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    ネタバレ

    長野を舞台に鉄路を行き来、先日巡った土地も多く実感を持って読み進めることができた。土地も東京から行きやすいが人口の少ない山中の湖という実用に基づいた選び方であり、大変しっくりくる。変に伝説や言い伝えを重視することなく、無理ない設定であり、内田康夫よりも好きなところ。さらに田舎の地形や人々、街並みなどの描写が丁寧、松本清張、全部読みたい

    一介のカメラマンが巻き込まれる事件としては規模が大きすぎるという点で異例なのかな、刑事が主人公ではないだけに意外というところ

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    2022年11月11日
  • 黒革の手帖(上)

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    ドラマを先に見ているのですんなりと頭に入ってきました。
    ドラマとは時代設定が違うから細かい部分は違うけれど。

    女の強さ、したたかさ、怖さがしっとりと書かれた作品。
    屈辱や孤独を味わった女性がいかに強いかということをしみじみと感じます。

    主人公・元子が“女”という性を使わずにのし上がっていくのは同じ女性としてかっこいいとさえ感じます。

    上巻では、上昇気流に乗っている元子。
    下巻でどう転落していくのかどう機転を利かせるのか、楽しみです。

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    2022年11月06日
  • 黒革の手帖(下)

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    結末に向かって吸い込まれるように読んでしまいました。

    ドラマより断然面白かったです。
    女が1人で悪事に手を染め、生き抜いていくことは
    今も昔も非常に難しいことですね。

    最後の最後、元子があそこに行くことになるのも偶然?誰かの指図?
    いずれにしても、どこも混んでいる中あそこが空いているのは、元子のせいってことかな。

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    2022年11月06日
  • 神と野獣の日

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    昭和38年に週刊誌に連載された松本清張には珍しいSF作品。とある同盟国から誤って核を搭載したミサイルが何発か日本に向かって発射された。迎撃でないミサイル2発は、東京都心を直撃するという。この知らせが国民に周知されたのは、ミサイル到達予想時刻の1時間足らず前。首相はじめ主要な政府要人は、すでに飛行機で大阪に飛び立ち、大阪から各部署、国民に指令する。東京都内に残された人びとは、どのような行動を起こすか?
    昭和38年に架空のSF小説として連載が始まるも、果たして、現在も仮想現実のことと言えるのかどうか?

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    2022年11月05日
  • 水の肌

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    古い作品ですが、違和感なく読むことができました。
    短編集でありながら人間の深層心理をついているというか、考えさせられるものがあります。

    けれど、人を殺めるほどの感情って本人にとっては重大なことでも傍からみたら本当に自分勝手。
    そんな行為に走ってしまった登場人物には憤りよりも哀れみの気持ちを持ちます。

    3億円事件について興味深い仮説(推理)を立てていた点も引き込まれました。

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    2022年11月04日
  • 梅雨と西洋風呂~松本清張プレミアム・ミステリー~

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    「松本清張」の本格推理長篇『梅雨(ばいう)と西洋風呂』を読みました。

    『西郷札 傑作短編集〔三〕』、『私説・日本合戦譚』に続き「松本清張」作品です。

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    水尾市の市会議員である「鐘崎義介」は酒造会社と市政に批判的な新聞社を経営するやり手。
    だが、温泉で出会った女「カツ子」が自室の西洋風呂で見せる、若く奔放な姿態に溺れる。
    地方の名士である男は、都会的なものの虚飾に魅せられて破滅の道をたどり、やがて殺人を招き寄せていく! 
    地方政界に渦巻く欲望と利権を描くとともに、“アリバイ崩し”にも挑んだ本格推理長編。
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    2022年10月28日
  • 西郷札―傑作短編集(三)―

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    「松本清張」の歴史小説12作品を収録した『西郷札 傑作短編集〔三〕』を読みました。

    ここのところ「半藤一利」作品を読んでいたので、歴史に関する本が読みたかったんですよね… 「松本清張」作品は、一昨年の12月に読んだ『黒の様式』以来です。

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    時代小説の第1集。
    西南戦争の際に薩軍が発行した軍票をもとに一攫千金を夢見た男とその破滅を描く『西郷札』。
    江藤新平の末路を実録的に描いて、同じ権力機構内にいるものの軋轢、対照的な勝敗を浮びあがらせた『梟示抄』。
    幕末に、大名、家老、軽輩の子として同じ日に生れた三人の子供が動乱の時代に如何なる運命を辿ったかを

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    2022年10月27日
  • なぜ「星図」が開いていたか―初期ミステリ傑作集―(新潮文庫)

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    松本清張没後30年。清張ミステリはここから始まった。表題の「なぜ星図がひらいていたか」をはじめ、「顔」、「殺意」、「反射」、「市長死す」、「張込み」、「声」、「共犯者」の8編、巨匠・清張初期の傑作短編集。

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    2022年10月20日
  • 黒革の手帖(上)

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    武井咲主演のドラマが良すぎて。でも、令和に合うようにされてたから、原作はどうなのかなと思って読み始めた。元子は悪女って言われるけど、周りのオッサンも似たり寄ったりでしかも気持ち悪いので、個人的には元子を応援してしまいたくなる…笑。ていうか架空預金ってそんな作れるもんなんだ?

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    2022年10月11日
  • 眼の気流

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    眼の気流:運転手の場合、刑事の場合と2編より構成されている結末はイマイチ分かりずらい。結局、殺したのは運転手なのか?それとも小川圭造と二人で?
    暗線:結局、よく分からずじまい。父系の指とストーリーが似ているか?
    結婚式:結婚式披露宴の間の回想。中年男のどうしょうもない嫉妬が不幸を招いた。残念。
    たずたずし:中央線富士見駅。結局、良子は記憶喪失のままだったのか。結末は曖昧だ。
    影:冒頭に出てくるM温泉とは中国勝山からバスに乗った真賀温泉か?代筆をしている間に自分の個性、才能が奪われるとは残念だ。

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    2022年10月16日
  • 眼の壁

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    巧妙な手形詐欺で3000万を騙し取られ責任を取り自殺した会計課長の部下の萩崎竜雄は、義憤に駆られ真相究明に動き出す。友人の田村と共に探っていくが、組織によって第二第三の事件が起きる。長編小説だが、会社員の主人公が命の危機に直面しながらも上司が死んで真犯人がのうのうと生きているのが許せないという気持ちで踏ん張るのが共感する。

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    2022年10月02日
  • 砂の器(上)

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    国電の蒲田操車場で男の撲殺死体が見つかった。
    付近での聞き込みから、被害者の東北弁と、被害者と容疑者が話していた『カメダ』という言葉を手がかりに、捜査を行うが…

    容疑者に関する有力な情報はつかめないまま、捜査本部は解散となる。

    警視庁捜査一課・今西は、捜査を継続。

    今西のひらめきから、新たな事実が…

    方言、地名、電車からの紙吹雪…

    事件にかかわっているかと思われる人物が、自殺、不審死…

    今西のこの殺人事件への執念がすごい。

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    2022年10月02日
  • 犯罪の回送

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    松本清張さんの最後の作品らしいです。

    北海道と東京をめぐるミステリーです。今まで読んだ作品の中では少し面白みにかける気がしました。犯人や結末が意外すぎて驚きました。やはり何かこの作品は他の作品と違う気がしました。

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    2022年09月17日
  • なぜ「星図」が開いていたか―初期ミステリ傑作集―(新潮文庫)

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    松本清張の初期の推理短篇集。動機やアリバイなどを重視して地道な捜査活動で犯人に辿り着く手法は探偵小説と違い、意外なところから明らかになって終わりがスッキリする。どれも面白いが、特に「顔」「殺意」「声」が良かった。短篇で読みやすいので初めての人におすすめです。

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    2022年09月17日
  • 黒の様式

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    「松本清張」の中篇3作品を収録した『黒の様式』を読みました。

    『宮部みゆき責任編集 松本清張傑作短篇コレクション〈上〉』、『宮部みゆき責任編集 松本清張傑作短篇コレクション〈中〉』、『宮部みゆき責任編集 松本清張傑作短篇コレクション〈下〉』、『眼の壁』、『時間の習俗』、『霧の旗』、『強き蟻』、『高台の家』に続き「松本清張」作品です。

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    「松本清張」 生誕100年記念復刊第一弾。
    毒が手繰り寄せた忌まわしい過去。
    姉の自殺の驚くべき真相とは――。

    結婚して二年たらずで自殺した美しい姉。
    歳月がながれ高校生の母親となった妹が、思春期の息子の手に負

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    2022年09月09日
  • 時間の習俗

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    「松本清張」の長篇ミステリー作品『時間の習俗』を読みました。

    『宮部みゆき責任編集 松本清張傑作短篇コレクション〈上〉』、『宮部みゆき責任編集 松本清張傑作短篇コレクション〈中〉』、『宮部みゆき責任編集 松本清張傑作短篇コレクション〈下〉』、『眼の壁』に続き「松本清張」作品です。

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    『点と線』の二人が難事件に挑む!!

    神奈川県の相模湖畔で交通関係の業界紙の社長が殺された。
    関係者の一人だが容疑者としては一番無色なタクシー会社の専務は、殺害の数時間後、遠く九州の和布刈(めかり)神社で行われた新年の神事を見物し、カメラに収めていたという完璧すぎる

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    2022年09月05日