【感想・ネタバレ】絢爛たる流離のレビュー

あらすじ

3カラットのダイヤが引き起こす12の悲劇
戦前から戦後にかけて、豪華な指輪が次々と持ち主を変えながら
数奇な運命をたどる。欲望と愛憎の人間ドラマを描く傑作連作推理小説。
解題・藤井康栄/解説・佐野洋

※この電子書籍は2009年に文春文庫「長篇ミステリー傑作選」の
一冊として刊行されたものの新装版を底本としています。

【目次】
第一話 土俗玩具
第二話 小町皷
第三話 百済の草
第四話 走路
第五話 雨の二階
第六話 夕日の城
第七話 灯
第八話 切符
第九話 代筆
第十話 安全率
第十一話 陰影
第十二話 消滅

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Posted by ブクログ

ネタバレ

『清張の迷宮』で有栖川有栖さんが薦めていたので、早速読んでみた。

これ、今までに読んだ松本清張短編の中で一番おもしろい。
1つのダイヤの指輪が持ち主を替えて不幸を連鎖させていくんだけど、戦前から高度成長期までを舞台として松本清張の魅力満載。

一つ解らなかったのが、“第十話 安全率”で君島を殺したのが津神佐保子だったこと。
てっきり加久が殺すんだと思った。加久がペンで×印を書いておくから、殺したければ殺せばってことだったのかな?
いまいち納得いかない。

“第十二話 消滅”は、最後までバレないでほしかったー!
でもそれがこのダイヤの指輪の恐ろしさな感じもあり、いい終わり方な気もするかな。

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2024年08月14日

Posted by ブクログ

人を不幸にするどころか殺人者にしてしまうダイアモンドの話なのだけど、ダイアが人を狂わせるといったような記述は一切なくて、ただの小道具に過ぎないのが良いです。行方知れずや埋められそうになってもまた誰かの手に渡るのも不思議な魔力があるからか。最終話のオチは秀逸でした。

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2023年05月14日

Posted by ブクログ

3カラットのダイヤの指輪を持った人の
お話ですが、それがいろいろな人にわたっていく
12の連作短編集でそれぞれに事件が起こる
いろんな人たちがいてそれぞれにまたいろいろな
ことが起こっていました
ダイヤの指輪は何を思っただろうか

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2025年04月10日

Posted by ブクログ

連作短編をつなぐダイヤ。たまたまそれが事件の渦中に入っていく。時代を超えていく様は、ある種のビルドゥンクスとも思えるが、ダイヤは語らず。最後まで、あるいは結論をボカシながら、重ねていく手法は、昨今では少ないかも。様々なトリックも駆使しており、安心して読める清張ならでは、かな。

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2023年10月29日

Posted by ブクログ

昭和初期、九州の炭坑主が娘に買い与えた3カラットのダイヤの指輪が、持ち主を変えて それに関わる人の運命を変えていく。12話の連作短編集。昭和初期の戦争による人間の業や欲望で殺しに発展するドロドロの人間関係。愛憎は紙一重というのが生々しいほど表れている。女も男も欲の塊で、清張らしい。

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2022年12月11日

Posted by ブクログ

第二次世界大戦前夜から高度経済成長期までの日本の歩みをこんな風に読ませてくれるなんて、さすが。
それにしても、松本清張はホントにタイトルがかっこいいなあ。

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2022年08月14日

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