松本清張のレビュー一覧

  • 火と汐

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    「火と汐」
    曽根晋吉(劇作家)
    芝村美弥子(曽根と不倫中に失踪)
    芝村
    上田俉郎(芝村のヨット仲間。レース中に死亡)

    神代刑事 
    東刑事

    「証言の森」
    青座村次(会社員。当事件の容疑者)
    青座和枝(村次の妻、自宅にて殺害される)
    山村政雄(荒井酒店の雇人。事件当日青座家に味噌を届けていた)
    秋野三郎(新聞配達員。事件当日も青座家に新聞を届けていた)

    沢橋豊三(所轄署の刑事。証拠品を青座家で発見したと主張)
    池上源蔵(元刑事。詐欺罪などで青座と同じ留置所にいた)

    「種族同盟」
    私(国選弁護士)
    岡橋由基子(事務所の助手。又不倫相手。)
    太田君(事務員)

    阿仁連平(婦女暴行致死罪の容疑者

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    2023年10月01日
  • 葦の浮船 新装版

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    不倫を背景とした学閥の闇に言及した作品。
    呆れるほど善い性格の小関には読んでるこちらがもどかしくなる。
    折戸には天罰を食らわせてほしかったな。

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    2023年09月27日
  • 砂の器(上)

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    初めての松本清張。

    時代が時代だけに、今の若者の感覚では理解し難い部分もあるだろうな。昭和世代後期に分類させる自分には、まだ理解できるし、何せ面白い。

    色々な話しがそれぞれに進行して、何処に落ち着くのか。

    まだ誰が怪しいかもわからないまま上巻が終わってしまい、下巻への期待が堪らない。

    ヌーボ・グループとかいうやつらのいけすかない感じが凄く良い。

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    2023年09月23日
  • 黒い画集

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    『証言』より
    「この世がことごとく不合理な虚線の交錯に思われた。私生活が偶然にその網の目の中にはいり、個人の生涯を意地悪く破綻させるように思われる。」
    『遭難』より
    可能性の犯罪を追求した大傑作、最後の最後まで分からずそこが魅力です。

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    2025年05月26日
  • 或る「小倉日記」伝―傑作短編集(一)―

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    芥川賞受賞作。障がいを持つ田上耕作が森鴎外の小倉日記を探求する短編。笛壺は大学教職の現生を捨てて生きていく姿を描く。健常人と障がい者の対比や俗世に流される生き方の是非を考えさせられた。情景の浮かぶ筆力はさすが松本清張、ドロドロした推理小説とは違ってこれも良い、

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    2023年09月12日
  • 遠い接近

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    ネタバレ

    松本清張作品一作目です、
    戦争モノが読みたくて読みました、でもそれだけにとどまらない壮大さ、よかったです。
    赤紙について、どこまで本当なのかなとも思いつつ、似たようなことはあったのかな?
    戦争が終わって、復讐劇が始まる。完全犯罪?で終わったら、物足りない。そこで終わらせないのが良い。でも、なぜバレた?その部分がうまい。伏線ぽいのがあるため、読者にはこっちかな?と想像させるのだが、しっかりとその裏をかいてくる。
    戦時中に得た知識がまさか仇になるとは。そして、遺書の偽装、これもそうだったのかと。

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    2023年09月02日
  • 小説帝銀事件 新装版

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    ネタバレ

     松本清張が描く、帝銀事件。

     平沢は果たして真犯人だったのか。犯行の様子、平沢の暮らしぶりから事件が書き起こされる。そのあとの捜査では、生存者の記憶をもとに作られた似顔絵と本人の自供をもとに平沢犯行説が組み立てられた。

     確かに怪しいところはあり、平沢が捜査線上に浮かぶのは無理はないが、犯行当日のアリバイや犯行に用いられた青酸化合物の入手経路が不明確。

     また時代背景としてGHQの影響力がなかったとは思えない。戦後史の闇。

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    2023年08月27日
  • 小説帝銀事件 新装版

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    ★4.8
    日本の警察捜査史上初という、モンタージュ写真が作成され、実際の捜査にも活用された。そして、横溝正史の悪魔が来たりて笛を吹くのモデルとしても知られている。
    帝銀事件の予備知識はこんなところだった。絵空事ばかりに関心がいって、実際の事件を恥ずかしながら、調べたことはなかった。昭和史に関心を持つようになり、色々漁り始めて、冤罪の可能性が極めて高いことを知った。この作品を読み、それはほぼ、確信に近いと思えた。

    「しかし、とに角、個人的なおれの力ではどうにもならない」

    この、最後の一行は、松本清張自身の嘆息に思えて仕方がない。

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    2023年08月27日
  • 失踪の果て

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    奇怪な事件も真相が明るみになると人の業という至極単純な動機に振り回されたことに気付く。女性・金銭・怨恨、いずれかの障壁が人生を狂わせてしまう。なんて愚かなんだ、それがなんて人間臭いんだ。煩う過程が生活に宿る。だから松本清張の作品は面白い。

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    2023年07月25日
  • 夜の足音 短篇時代小説選

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    昭和30年代に書かれた短編時代小説「夜の足音」「噂始末」「三人の留守居役」「破談変異」「廃物」「背伸び」の6短編が収録。

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    2023年06月21日
  • 蔵の中 短篇時代小説選

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    「蔵の中」「酒井の刃傷」「西蓮寺の参詣人」「七草粥」「大黒屋」の4編が収録。
    なお、「七草粥」と「大黒屋」は、『松本清張ジャンル別作品集(2) 捕物帖 』(双葉文庫)にも収録されている。

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    2023年06月14日
  • 共犯者

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    あいつを消さねば――。
    完全犯罪をもくろんだ男のつまずきとは。スリリングな短篇10篇。

    銀行を襲い、仲間と山わけにした金で商売をはじめた内堀彦介は、
    事業に成功した今、真相露顕の恐怖から5年前に別れた共犯者の監視を開始するが……。
    疑心暗鬼から自滅していく男を描く「共犯者」。
    妻の病気、借金、愛人とのもめごと、仕事の失敗――
    たび重なる欲求不満と緊張の連続が生み出す衝動的な殺意を捉えた「発作」。
    ほかに、「恐喝者」「愛と空白の共謀」など全10編を収める。

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    2023年06月12日
  • 砂の器(上)

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    読みやすかった。するすると文章が入ってきた。
    また、方言の分布など、新たな知見が開けた。

    ただ、遺族や警察が被害者の身元を特定するところで、直接顔を見せたり遺留品を確認したりというフェーズが無かったので、これ実は全部ミスリードという疑いを捨てきれない。まだ上巻しか読んでないのもあるが…

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    2023年06月04日
  • 小説帝銀事件 新装版

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    終戦後、旧刑事訴訟法最後の取扱事件である帝銀事件の真相に迫る小説。冤罪事件ではないかと言われており、死刑判決を受けた平沢死刑囚は無実を訴えつつ獄死。病気のため虚言癖があった画家の死刑囚に薬物を扱えたのか、見えかくれする陸軍特殊部隊とその記録をめぐる米ソのしのぎ合い、真実はどうであったかに松本清張が迫る。
    時代の巡り合わせと当時の世論、ある警察官の執念、米ソの情報線でGHQの影響もあったかなどさまざまがあるとはいえ、無実の市民が突然逮捕、有罪にされる社会にはしたくないものです。

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    2023年05月27日
  • 内海の輪 新装版

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    松本清張『内海の輪 新装版』角川文庫。

    50年前の1973年に刊行された作品。表題作の『内海の輪』と『死んだ馬』の2編を収録。2編とも、男女の爛れた不倫関係が凶悪犯罪を生み出し、完全犯罪が僅かな綻びから破綻していくプロセスが描かれる。

    『内海の輪』。

    さすがに時代を感じる描写が多い。スマホも無いこの時代、秘密裏に不倫関係を続けるというのは相当の苦労があったことだろう。しかし、50年前も今も男女の不倫が生み出す凶悪犯罪という構図は変わらない。

    読み所は、犯人の江村宗三の完全犯罪が破綻する最終盤のプロセスである。まさか、そんなことからということが現実でも起こり得るのだろう。

    14年前。当

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    2023年05月26日
  • 砂の器(上)

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    大昔の本なので時代がかった作品かと思ったら、そんなことなかった。意外とポップな文体で読みやすい。
    登場人物たちの人間模様に引き込まれる。
    ほんのり旅情を感じる主人公の刑事の出張シーンも楽しい。

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    2023年05月20日
  • 絢爛たる流離

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    人を不幸にするどころか殺人者にしてしまうダイアモンドの話なのだけど、ダイアが人を狂わせるといったような記述は一切なくて、ただの小道具に過ぎないのが良いです。行方知れずや埋められそうになってもまた誰かの手に渡るのも不思議な魔力があるからか。最終話のオチは秀逸でした。

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    2023年05月14日
  • 美しき闘争 下 新装版

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    登場する男たちはクソ野郎ばかり。ついでに登場する女流作家や週刊誌出版社に勤める女性社員も、これまたゲス野郎ばかり。健気で紳士っぽい男性登場人物も単なる小心者。そんな男性社会をなんとか潜り抜けようとするも、最終的な結末は、今の時代から考えると納得できない終わり方。しかし、これがまさに作品が新聞連載された時代、1960年代初頭の昭和時代の実態だったともいえよう。

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    2023年05月11日
  • 美しき闘争 上 新装版

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    1962年に新聞連載された作品。姑と同居のマザコン夫と離婚したヒロインが勤め始めたのは、昔の縁故を頼っての弱小週刊誌の零細出版社。その先も、あっという間に買収され、買収先はさらに強欲な出版社。今の時代から考えられないように、セクハラに遭遇しながらも懸命に生きるヒロイン。

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    2023年05月11日
  • 砂の器(上)

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    東京蒲田駅で死体が見つかった。カメダを手がかりに今西刑事が東北や出雲の方へ出向くがこの1冊では犯人は見つからず続編へ続く。出雲の奥の方言もズーズーべんだとは知らなかった。方言も知れて良いことを知った。

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    2023年05月04日