松本清張のレビュー一覧

  • 疑惑

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    初めて読む松本清張。短編が2つ入っており、松本清張初心者にはうってつけの読みやすい物語。
    表題作『疑惑』の最後の終わり方にゾワッとしました。

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    2021年09月26日
  • 十万分の一の偶然

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    師事している中国人のポーカーのマスターから、緻密なロジックが学べるから読んでみなさいと薦められた松本清張の作品を読んだ。新聞で大賞を獲得した報道写真は、10万に1つの偶然の上の奇蹟だったのか。奇蹟が周到な計画と執念によってもたらされたものだったのなら?

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    2021年09月20日
  • 状況曲線(上)

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    戦後の公共工事をめぐるゼネコンと大蔵省との談合が舞台設定。その会合を取り仕切る正体不明の大物仕切り屋。政治家や大蔵官僚などと昵懇な関係は、戦時中に築かれたもののよう。談合の一社でにある建設会社の専務が、不可解な殺人事件に巻きこまれていく。

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    2021年09月17日
  • 影の地帯

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    昭和34年から地方新聞に連載された長編作品。名所の各地湖畔を舞台に、最後の結末も松本清張ならではのサービス精神満載。TV2時間サスペンスドラマには、打ってつけの作品。

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    2021年09月03日
  • 駅路

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    ネタバレ

    既読の物も、まるで知らない物も。松本清張の作品は、犯人に対して大なり小なりの作家の共感があるというか、寄り添っているのが感じられる。だから、時代の波に洗われていろいろなアイテムが古くなってしまった今でもたまに読みたくなって、読んでしまうのかも。

    「偶数」はそうきたか、だし、「薄化粧の男」はシスターフッドの先駆けとも言えまいか?
    「陸行水行」は「或る『小倉日記』伝」と同じ、認められずともひたすら歴史の真実を追い求める者の哀愁があり、ラストシーンには、田舎の小さな人間が大きな歴史を追い求めるロマンさえ漂う。

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    2021年08月09日
  • 神々の乱心 下

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    全体的ひ読みにくいし、やけに偶然が重なるようにも思う。でも、これから大団円へってところで終わるのは惜しいなあ。つながりがどんどん分かっていくところだよね。
    当時の満州や、華族の存在感みたいなものを垣間見られるのは面白かった。

    鹿茸って、こんなに効用のあるものだったんだ。何かでもらって、適当に料理して食べてしまった。

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    2021年08月07日
  • 疑惑

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    桃井かおり主演の映画で鑑賞。
    桃井かおりの演技に惹かれてしまった。見るもの全てを敵にしてたかと思うと、同情を買うような演技。

    昔の映画だから食わず嫌いのところもあったが、観てよかった。次は原作!

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    2021年08月02日
  • Dの複合

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    松本清張の風土民俗への強い関心は言うまでもないが、他の作品に輪をかけて紀行文的であるところが特徴的であり、非常に愉しかった。私のようにひねもす日本地図を眺めていられる人種には堪らないだろう。

    一方で、その両軸となるミステリ的側面はやや体裁的に感じた。いわゆるミステリを期待する人や、松本清張をあまり読んだことがない人には勧めない。 

    ところで物語のキーワードとなる船舶の名前だが、その画数が35になっている。特に言及が無かったので偶然なのかもしれないが、氏の遊び心を想像せずにはいられない。

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    2021年06月15日
  • けものみち(下)

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    ネタバレ

    注! 思いっきり内容に触れています



    ラスト、鬼頭が死んでからが面白いのは面白いんだけど…。
    ただ、いささか週刊漫画誌の連載漫画が急に終わる、あの感じみたいで、ちょっとなぁーw

    ……なんて思っていたら、最後は、かなりえげつない終わり方。
    民子がああいう殺され方をすることで、ストーリーがぐっと締まったように思う。
    変な話、民子がああいう風に殺されることで、次は「わるいやつら」を読もうかなーと思ったくらい(^^ゞ
    (ていうか、それを読むまでは上巻と同じく★3つだったんだけど、4つに増えたw)
    ただ、実際のガソリンを使った事件を踏まえて考えると、空間全体が爆発するように燃えるらしいから、小滝も怪我したんじゃないかなー。
    ていうか、連れ込み旅館みたいな所に火をつけるわけで。
    そんな大ごとにしちゃったら、事件をもみ消してもらうにしても大変なんじゃないだろうか?と、そこは疑問がないでもない。

    とはいえ、民子が殺される場面は、まさに“獣の道(所業)”で。変な、スカッと感がある(爆)
    民子は、決して嫌いな登場人物じゃなかったはずなのに、そこは面白い。
    ていうか。
    よくよく考えたら、この小説の登場人物って、な~んか、みんな嫌いじゃないなぁー(^^;
    久垣なんて本当にイヤなヤツだけど、あんな風に欲に追いかけられるようにせこせこ動き回っている人生って、
    実は、人は幸せなんじゃないだろうか?なんて、ちょっと考えてしまうw
    ♪幸せなんてなにを持っているかぁ~じゃない。なにを欲しがるかぁ~だぜ、と歌っていたはっぴいえんどの「はっぴいえんど」という曲を思い出した、
    なんて書いたら、松本隆に怒られるのか?(^^ゞ

    下巻は、最後の最期で「けものみち」というタイトルそのままの、ケモノ、ケモノした場面が出てきたんだけど。
    とはいえ、そこまではそんな感じじゃないんだよね(上巻の最初で民子が夫を殺しちゃうのは、むしろ共感しちゃうw)。
    というのは、主人公が民子で。
    久垣のパートを除けば、民子に沿って物語が進むから、本来“ケモノ”であるはずの鬼頭や秦野、小滝にしてもケモノ臭があまりしない。
    秦野なんて、民子には常に好意的(誠意をもってと言ってもいいかもしれない)に接するから、読者からすると嫌な人間にはならないのだ。
    ケモノの総本山であるはずの鬼頭も、民子を通して物語れるから、たんなる色ボケジジイって感じで。
    読んでいて、むしろ笑っちゃう、みたいな?(^^ゞ

    まー、もしかしたら、これが書かれた当時だったら、「うっわー。ケモノぉぉー」みたいに読めたのかもしれないけど。
    今だと、もっとエゲツないのがいくらでもあるからなぁー。
    そういう意味じゃ、今のエンタメ小説って、“いかに先人よりエゲツなく描くか”で(^^;
    先人よりエゲツなく描けば、読者にウケて。本が売れて、賞も貰えるってことなんだろう(爆)

    ただ、個人的には、エゲツなさはこのくらいで充分で。
    過剰なエゲツなさに注力する分、この小説くらいボリュームのある物語をつくってくれよ、と最近の作家に言いたい(^^ゞ
    そういえば、解説に、松本清張が語っていたことが引用されていて。
    「この時期に推理小説はその本来あるべき性格を失いつつあった。その理由の一つは題材主義に寄りかかりすぎたためであり、一つはジャーナリズムが多作品を要求したため不適格な作品が推理小説の名において横行したことであり、もう一つは、その結果、推理作家自体の衰弱をきたしたことである」と。
    上記は、著者が本格推理物について語っているらしいんだけど、いつの頃のことについて語っているのかはよくわからない。
    ただ、エゲツなさや露悪性を売りにしている小説がウケる今の状況にもそれは当てはまるような気がするかな?(^^ゞ
    松本清張って、すごく好きな作家というわけではないんだけど、そういう推理小説に対する態度とかを聞くと、
    作家の世界にこういう大御所が一人いるのといないのとでは、作家たちにも、出版業者たちにも、また、読者たちにもいろいろ違うんだろうなーなんて思ってしまう。

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    2021年06月08日
  • 張込み―傑作短編集(五)―

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    ネタバレ

    ★★★2021年5月★★★


    読み終わってからだいぶ経ってしまった。
    読書メモと断片的な記憶を頼りに書く。
    ・張り込み
    ・顔
    ・鬼畜
    ・声
    ・投影
    ・一年半待て
    ・カルネアデスの舟板  ・・・等

    「投影」
    もっとも面白かったのは「投影」
    東京での仕事に失敗し地方の新聞社に都落ちした記者が、その地域での仕事に取り組むうち、新聞記者としての仕事に対する誇りを取り戻していく、というのが大まかな流れ。不正を暴き正義を明かにする、という信念をもった社長が何とも言えぬ味を出している。


    事件のトリックそのものは、実におかしい。
    殺人の被害者は電灯のあるほうに自転車を漕いでいったらそこは海だったという。
    つまり、被害者がいつも向かうのと逆方向に偽装の電灯を仕掛け、そちらに誘い海に落ちるよう仕掛けたわけ。
    まず、被害者は電灯を頼りに帰る方向を定めていたのか?という事。電灯に群がる虫じゃあるまいし。
    100万歩譲ってそうだとしても、そのまま海に落ちるか?


    という突っ込みどころはあるにせよ
    物語自体は実に面白い。トリックの事は枝葉末節。


    「カルネアデスの舟板」
    大学内の勢力争いを描いたえげつない作品だ。
    大海原で船から投げ出されたときに漂流する板を見つけた。ああ助かったと思ったら、その板にすがる人物がもう一人、その時あなたは・・・
    これがカルネアデスの舟板。


    この物語は大学内、学部内で確かな地位を築いた教授が恩師を大学に復帰させたところから始まる。
    恩師というのも難しいものだ。
    最終的には、二人とも沈んでしまう。もっとうまくいくやり方は無かったものか?


    **引用**
    海中に突き落とされるのは弱いものであり、枝に残るのは力の強いものか、機転の利くものである。


    「顔」
    成功したい、上昇志向の強い新進気鋭の俳優が消したい過去。それは殺人。その目撃者を消すために新たな殺人を企てる。その俳優は一度見たら忘れられない個性的な顔をしている。
    何故俳優を選ぶ?

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    2021年05月31日
  • 歪んだ複写―税務署殺人事件―

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    ★★★2021年5月★★★


    税務署の腐敗と、出世争いの闇に深く切り込んだ作品。
    いつものことながら、松本清張の作品からは昭和が感じられる。
    まだ自家用車が普及していなかった事や、個人情報が気軽に交換されていた事、武蔵境はまだ田舎扱いだった事など。
    東京の土地勘をもっていれば、より楽しめる作品だと思う。
    「深大寺」が登場したのにも、「おっ」と反応した。


    作品の内容として、税務署の職員が所轄の企業から接待で豪遊をし
    それでその企業の脱税を見逃したり手心を加えたりする「腐敗」がテーマ。
    新聞記者の田原典太が追及する。
    これはフィクションだから、実際にこのような腐敗が横行していたとは思わないが、迫力のある筆遣いで迫ってくる。新聞社同士の競争や警察との駆け引きも見ものだ。
    犯人は「きっとこの人かな」と思われる人がやはり犯人だった。

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    2021年05月17日
  • 黒い空

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    結婚式場を舞台とした復讐劇。神の使いでもあり、凶兆の象徴であるカラスと慶事である結婚式、そしてその裏の復讐。白と黒の情景を目に浮かべながら一気に読んだ。

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    2021年05月16日
  • 霧の旗

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    九州で起きた殺人事件の弁護をめぐる復讐劇。逆恨みではあるが、正当な弁護を受けるために不公平であっていいのかということ問題を突きつけている。

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    2021年05月12日
  • 西郷札―傑作短編集(三)―

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    久しぶりの松本清張。20年以上ぶりだが、読んでいない作品が多く、楽しめた。後年の清張風の作品が多く、短編で本当に楽しめた。ちょっと今とは違う雰囲気のサスペンスを読みたい、気分転換の読書をしたいという時にオススメ。特に表題作は史実なのか創作なのか分からず非常に良い。

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    2021年05月09日
  • 夜光の階段(上)

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    野望を持ち狡猾な男が起こす、欲で自ら巻き込まれていく女たちとの殺人事件。克明な男女の描写が最初は冗長に感じるが、その情報が後から話の面白みを増している。

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    2021年03月19日
  • 夜光の階段(下)

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    野望を持ち狡猾な男が起こす、欲で自ら巻き込まれていく女たちとの殺人事件。克明な男女の描写が最初は冗長に感じるが、その情報が後から話の面白みを増している。

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    2021年03月19日
  • 西郷札―傑作短編集(三)―

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    著者が芥川賞を受賞する前年に発表された「西郷札」を含む歴史短編が収められてる。時は江戸、明治にかかる大変革時など歴史小説ではあるが、現代の人間模様を見ているようである。

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    2021年03月05日
  • 証明

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    4つの短編集。
    松本清張の舞台は昭和30年から40年くらいのものが多いと思うのだけれど、文体も表現も独特で現代ではあまり使わない描写が多数出てくる。
    それが、非常におどろおどろしさや胡散臭を出している。
    基本的に4つとも殺人絡みで、その時代の雰囲気をうまくかもし出している。
    見慣れない漢字、慣れない時代に読むスピードは遅くなるのだが、砕いて読み進めていくと非常に面白い。

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    2021年02月09日
  • 神々の乱心 下

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    本書下巻に入って、少しずつストーリーは進み、月辰会の正体が分かってくる。
    終わりが近づくにつれて、月辰会会長からの独白が始まるも、未完。しかし、生前の清張と出版担当者と会話などが、巻末に記録されおり、未完ながら読者それぞれが、その後のストーリーに思いを馳せられるような工夫がなされている。

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    2021年02月02日
  • 憎悪の依頼

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    短編集。殺人事件以外にも個人の心情綴ったり私小説的なものもあり。時代は変わっても人の思いは普遍的なもの。

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    2021年01月19日