松本清張のレビュー一覧

  • 強き蟻

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    S工学という会社の重役の後妻となった伊佐子。30歳も歳が離れた結婚は、遺産目当てであった。多情ゆえ多くの男と関係をもつ伊佐子は、愛人の恋人の死亡により殺人の嫌疑をかけれ、愛人の口封じのために弁護士を雇う。夫は、会社の経営上の理由から重役を退かされ、2度目の心筋梗塞を発症し弁護士の兄が経営する病院に入院する。夫は自費出版の自叙伝執筆のため、速記者を雇う。伊佐子は、弁護士とも深い関係に発展する。夫と前妻との間の娘姉妹を警戒し、心筋梗塞を再度起こさせるべく自宅療養に切り替え、まんまと夫は死亡。しかし、そこから一気にどんでん返しが起こるという結末。文末に掲載の解説も、一味違った趣向で面白い。

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    2021年01月19日
  • 蒼ざめた礼服

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    出だしが面白すぎて、一気に読んでしまった。昭和のどこかのんびりした会社生活と、木更津の海苔業の雰囲気とかも良かった。
    アメリカでは時代遅れになった武器を日本が購入する図、今も変わってないんだろうなあ。


    再読。2025.02.09
    ほぼ忘れてたけど、やっぱり最初の古本を手にするあたりの描写がいい。
    日本はずっと変われないのかなあ。

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    2025年02月09日
  • 状況曲線(上)

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    文体読みづらかったけれど途中から物語の力でどんどん読み進められるようになった。今の人が書く文体と昔の人が書く文体は違う。パソコンと手書きの違いだろうか?でも、松本清張の物語は面白い。

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    2021年01月01日
  • 十万分の一の偶然

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    高速道路で深夜に起きた玉突き事故。死者も数名でる大惨事。それをカメラにとらえたアマチュアカメラマン。その社員が、有名な新聞社主催の年間最優秀賞の作品となった。本書表題のように、まさに偶然なら奇跡的な遭遇。しかし、それは果たして本当に偶然撮られた写真なのかどうか?被害者のフィアンセが、真相を突き止め、その仇討ちに動く。

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    2020年12月18日
  • 男たちの晩節

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    「男たちの」タイトルにあるが、サラリーマンの晩節を集めた短編集。著者の経験も含まれているためか、描写が細かく感情移入してしまう。自分ももう少しサラリーマンを続けていくことになるが、身につまされる短編がつまっている。

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    2020年12月07日
  • 小説日本芸譚

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    (01)
    歴史に登場する10人の芸術家たち(*02)にそれぞれスポットを当て、彼らの苦渋や葛藤とともに、その作家性や作品の特質を想像の中に描いている。といっても、古代から近世の人物であり、それぞれ残された記録も多いわけではない。そして、その芸術的な行為は、現代の芸術家の生業とも異なる文脈に属している。とりわけ権力との距離や体制、そして芸術を成立させる技術や情報に現代との断絶がある。
    しかし、著者は、そこを飛躍し、彼らを生き生きと描いており、その生命は、矛盾はしているが、どうも彼らの現代性にあるのかのようでもある。

    (02)
    立体としては運慶や止利仏師が、平面としては雪舟、岩佐又兵衛、光悦、写楽が、工芸や数寄としては千利休、古田織部、小堀遠州が、そして舞踊とし世阿弥が取り上げられており、ひとつの書物に収められた布陣としてもバランスが取れている。もちろん彼らにはそれぞれライバルもいて、パトロンもいる。芸に対する構えには、それほど濃淡はないが、先天的な境遇は様々で、そこに歴史的環境を読むのも楽しい。

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    2020年12月06日
  • 潜在光景

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    これだけ昔の作家の作品を初めて読んだ
    今では炎上しそうな男尊女卑や胸糞悪い描写も多かったが何故か引き込まれるしこの頃の語彙もとても気に入ってしまった

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    2020年11月28日
  • 彩り河(下)

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    経済誌フリージャーナリスト山越が殺され、潜入捜査の山越の妻も殺される。ジョーの正体は、味方か敵か?そして、最後の結末とは・・・。

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    2020年10月24日
  • 三面記事の男と女

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    男女の関係で普通の人が事件を起こす。そしてどうなるか。という短編集。短編とはいえ、一話一話が読み応えある。

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    2020年10月01日
  • 熱い絹(下)

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    タイに旅行に行った際、お土産として手に取る「ジム・トンプソン」のタイシルク。アメリカの実業家がタイシルクを世界に広げたということしか知らずに「ジム・トンプソン」のタイシルクを手にしていた。しかし、その実業家は失踪し今なお謎として語られている。
    その事件を基にして著者が小説として、解決に導いている作品。

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    2020年09月28日
  • 熱い絹(上)

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    タイに旅行に行った際、お土産として手に取る「ジム・トンプソン」のタイシルク。アメリカの実業家がタイシルクを世界に広げたということしか知らずに「ジム・トンプソン」のタイシルクを手にしていた。しかし、その実業家は失踪し今なお謎として語られている。
    その事件を基にして著者が小説として、解決に導いている作品。

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    2020年09月28日
  • 或る「小倉日記」伝―傑作短編集(一)―

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    昭和40年に刊行されたこの短編集には昭和28年に芥川賞を取った『或る「小倉日記」伝』などが収められている。
    巻末などに初出年月が一切書かれていないのでとても困るのだが、比較的初期の作品ばかりのような気がする。『黒い画集』の諸作よりもエンターテイメント性や情動的な密度が低いように思える。
    幾つかの小説は、全く架空の人物をいかにも本物の伝記らしく記述した、虚構の伝記スタイルである。松本清張はこうしたスタイルを得意とし、(比較的初期の頃?)多用したようだ。それぞれリアリティがあるので、虚構と分かっていても面白く読める。
    この短編集の最後の方の幾つかは、これらの中では成熟してきているようで、文学的文体から匂い立つ情動が緊密だと感じた。
    「もっと先を読みたい」「ページをめくる手がもどかしい」と読者に感じさせるための技巧としては、推理小説やサスペンス小説のようなプロットアイディアに依存した手段もあるが、そうした仕掛けに頼らずとも、文章と情動喚起が織りなす読書時間の緊迫化によって、読者をとらえて離さないような文学技法は可能である。
    たとえば太宰治の傑出した独白体小説のいくつかは、そのような緊迫した「時間」を生成し、読者を強力に導くのであって、そこに推理小説の謎解きのような要素は全く不要なのである。
    松本清張の文体と鋭い心理描写(人の心のちょっとした機微を的確に迅速に切り出す)もまた、そうした「濃密な読書時間」を形成することが出来るのだろう。
    今回この短編集と東野圭吾さんの最初期の短編集を同時に読み比較してみて、清張さすがと思わせられたのは、そのような「時間の充溢」を看取させられたからであった。

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    2020年09月13日
  • 火と汐

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    「火と汐」不倫で京都旅行中の妻が、ヨットレースに参加中の夫によって絞殺される。そのトリックとは。 「証人の森」会社から帰ってみると妻の死体に遭遇。疑われる第一発見者の夫。そして、警察の自白強要によって殺人者に確定。しかし、戦況が激しくなり真犯人として名乗りをあえげてきたのが、近所の米配達の青年。「種族同盟」国選弁護人が手腕を発揮して無罪となった青年。しかし、その青年を自分の事務所に雇い入れて、事件の真相が明らかになる。「山」会社からの横領を逃れるために出奔したのが長野県の山間にある温泉地。中居女中と親密になり、山中で見つけたのが女性の死体そしてその犯人と思しき男性。東京に中居女中と移り住み、そこでその犯人である男性と偶然にも出会い、親しくなる。

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    2020年09月02日
  • 奥羽の二人

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    本能寺の変から江戸時代までの十話の短編集。とても読み易かったが主人公皆んな挫折すると言うなんとも切ない作品。

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    2020年08月15日
  • 水の炎

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    相互銀行の設立者の息子で、その野心家で妻を顧みない夫、その夫と親の勧められるままに結婚した若き妻、その妻が通信教育のスクーリングで出会った若き大学助教授、そして、相互銀行の息子をたぶらかす新興企業の面々。

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    2020年08月01日
  • 神々の乱心 下

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    ネタバレ

    80歳を過ぎて、これだけの構想力。松本清張は偉大だ。
    最後の最後で病に倒れ、本作は絶筆となったが、殺人事件の謎はおおよそ明かされ、ラストへ終息するばかりのところ。どのように物語が終結するか、読者の想像に委ねられるのも一興か。

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    2020年07月24日
  • 黒い空

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    室町時代の関東管領であった山内上杉家と扇谷上杉家、扇谷上杉家は滅亡し、山内上杉家が生き残ったという。その子孫の怨念が、この作品の主題となっている。山内上杉家の子孫で関東山内グループの女会長、その婿養子、そして扇谷上杉の子孫の女社員。殺人事件が起こる。

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    2020年07月23日
  • 黒地の絵―傑作短編集(二)―

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    清張の短編集2冊目。
    こないだの『黒い画集』ほどの衝撃は無かったが、それでも印象の強い作品はいくつかあったし、どれも興味をぐいぐいと引きつけられ一気に読まされてしまう、優れた語り口が見られた。
    「紙の刃」などはサラリーマンが苦境に陥り困惑を極める話なのだが、実際の自分の仕事とはえらく違う領域であってもこの仕事上の困窮は身に迫る感じがして、読んでいて辛くなった。
    どうやら松本清張は現代日本人が普遍的に日常的にすれ違うような「イヤな感じ」を見事に抉り出す点で実に傑出しているようだ。
    松本清張は、「イヤな感じ」大魔王である。
    現実生活にもありがちな「イヤな感じ」を、フィクションを読んでわざわざ反芻させられ強調されることに喜びを感じるという傾向は、「ホラー映画/小説」に何故か惹かれてしまう人の心の闇に通底するのかもしれない。

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    2020年07月12日
  • 実感的人生論

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    松本清張のエッセイを集めたもの。テーマは多彩。「点と線」や「半生の記」を読んでから読んだ方がよいかと。

    雑誌、新聞などに掲載された記事をまとめたもの。
    小説が行き詰まり掲載誌に穴が開かないように埋め合わせで書いた記事が面白い。

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    2020年07月12日
  • 黒革の手帖(上)

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    欲がうずまく夜の世界。
    ストーリーのはじまりから恐喝というスピード感ある展開で一気読みしてしまった。

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    2020年05月31日