松本清張のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
短編3つ。1本目が死んだ姉と、やや薄気味悪い姉の旦那の話で、純文学なのかと思ったら、途中でいろんなパーツがパキーンとはまるミステリ。はまるまでの気持ち悪さのせいで、途中まではなかなか読み進められず。
あと2本はどんでん返しで、最初からミステリと解るので読みやすい。阿夫里村の話は、怪文書と供述調書とで本筋が語られる、かなりクラシックな手法だが、今読んでも全く古臭さを感じない。
もう一つは、最初から落ちがわかっている状態だが、事件性がないところに事件を作っていく。
1本目の薄気味悪さには嫌悪感を催す人も少なく無いだろうが、松本清張の安定した面白さが詰まった1冊だ。 -
Posted by ブクログ
表題作は昭和27年度の芥川賞を受賞
純文学にカテゴライズされ、芸術的な評価を受けたものだが
今にしてみれば「天城越え」の原型的作品であり
社会派ミステリーの嚆矢として、日本のホワイダニット…
高村薫や天童荒太、宮部みゆきあたりまで影響を及ぼしていることは
顧みられるべきだろう
どんなつまらない人間にも人生の物語がある
その点を掬い上げようとする方向性は、自然主義~プロレタリアに続く
日本近代文学の正統とも呼べるものだ
まあ、「市民ケーン」の焼き直しと言われればそれまでだが
その他には
経済事情などで進学をあきらめるしかなかった人々の
それでもなお学問への情熱たちきれず
必死に努力を重ねはする