松本清張のレビュー一覧

  • 危険な斜面

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    全六編が収録された短編集。
    私のオススメは何より二つ目の『二階』。
    夫思いの出来た妻幸子と病身の夫英二、そして自宅に雇い入れた看護婦裕子。
    妻の心理描写がうまいなぁーと感じながらも先は読めるぞ!などと思っていたのですが、ラストでやられました。
    まさか、そうなるとは!!!!!

    見事な心理サスペンスでございました。

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    2012年09月30日
  • 紅い白描

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    この本を手に取った理由が「白描」を「白猫」と見間違えて、「不思議なタイトルだな」と勘違いした為という、恥ずかしい思い出がある。主人公の話し方に時代を感じる。

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    2012年09月25日
  • 神々の乱心 上

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    やや思いテーマだが、上手く小説の種としてまとまっていた。
    時代背景が難しいのと、連載ものとが会いまって、説明調がややくどい。
    絶筆になってしまったのが残念です。

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    2012年06月26日
  • 小説帝銀事件 新装版

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    ネタバレ

    戦後の米国占領下時代に起こった実際の事件。
    小説の中身の事はほぼ事実であろうし、松本清張は実際に
    平沢氏の釈放運動を行っている。

    当時の闇の部分が垣間見える事件ではあった。
    小説は平沢・検事・弁護士のすべての3方面での主観を
    記しているが、どれもが納得いくものであり、どれもが納得
    いかない部分もある。

    が、個人的な意見として、やはり平沢氏なる画家が、
    手早く薬品を、威厳持ちながら堂々と扱えるとも
    思えないというのが正直な感想。
    あくまで、松本清張氏の小説、及び他から仕入れた資料による、
    勝手な想像につきないが。

    死刑宣告されながらも、執行されずに、最後は病で亡くなった
    平沢氏が本当に無罪

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    2012年06月15日
  • 死の枝

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    松本清張ってどんな作品だろうと思って読んでみた
    お母さんおすすめ作家だったから
    これは短編集が11もあって、楽しめた
    日常生活かと思ったら、殺人事件があって、犯人はわかってるけど、見つからないだろうなという流れだけど、どれも意外なところから犯人につながるってとこで話がすっきり終わる。
    昔の作品なのに、今読んでもおもしろかった。

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    2012年05月31日
  • 西郷札―傑作短編集(三)―

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    江戸時代、幕末・明治初期を舞台にした短編がそれぞれ6編ずつ。いずれも時代の流れに取り残されてしまった者の悲哀が描かれている。本人は懸命なのに、それが受け入れられず、破滅していくさまは悲しみを誘う。フィクションとはいえ、本当にこんな気持ちだったのかも。

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    2012年05月27日
  • 高校殺人事件

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    相変わらずの絶妙なタッチで伏線の回収も見事。最後には不可思議な事象を一本の線で繋いでみせている。ランボーとボードレールの詩を活用することで不気味な雰囲気が醸し出されている。巧妙に仕組みが込められた一作品である。

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    2012年05月19日
  • わるいやつら(下)

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    中盤に差し掛かるあたりで、どんでん返しを見切った。
    …つもりでいたのだが、そこに追い討ちがかかるとは思わなかった。見事。

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    2012年03月16日
  • 高校殺人事件

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    松本清張の中では異類の作品。
    謎解きと締めくくりのオチはかなり雑な感じがしますが、高校コースで約1年半かけて連載しただけあって、途中の過程の面白さがメインだと思います。
    様々な事件と謎を散りばめるところに、中学生や高校生読者のウケを狙った作品だと思います。
    また、事件を解決した主人公の従姉妹の存在をなぜ作る必要があったのかを考えてみるのも良いと思います。
    そこに唯一のオチが隠されているような気がします。
    終始描かれる夏の描写も神秘的です。

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    2012年01月20日
  • 山峡の章

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    ネタバレ

    官僚である夫と妹の時期を同じくした失踪と、その末の心中に疑問を持った妻が事件の真相を調べる物語。結局、ロシア人スパイをアメリカに亡命させる為の口実として、東京におけるスパイの協力者が必要だったため、夫はその協力者としてでっち上げられ殺された。話をよりリアルにする為に、妹と不倫があったように見せかけて、妹と一緒に殺された。実行犯は、夫の上司とも交遊のある人たちだが、バックにはこの上司や日本政府もいる。

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    2012年01月08日
  • 共犯者

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    恐喝者は素晴らしい作品ですね。

    勘違い。
    自ら地獄に落ちる。
    恐喝が恐喝を生む。

    ってとこが実に良い。

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    2012年01月07日
  • 波の塔(上)

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    この作品も何度か映像化されており、最近では、麻生祐未と小泉孝太郎の作品を観たが。かつてNHKで放送された佐久間良子と鹿賀丈史の作品の方がよかった気がする。青年検事と容疑者の妻が運命のいたずらにより愛し合うこととなるものの悲運の展開になるという一種の恋愛ストーリーに、収賄事件という清張得意の社会派色を絡ませているところが面白い。もうひとつ感じたのは、青年検事は局長の令嬢からの求愛を振り切ってでも一途に人妻を求めていること。それほどまでに男女の愛は強くも悲しいものなのか、という点である。

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    2015年11月01日
  • 隠花平原(上)

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    義兄が人違いで殺される話。新興宗教団体が出てきたり、それが銀行と関係したりと、読者を引きつける要素が散りばめられている。落ちは腹違いの兄弟が犯人ということと刑事も腹違いの兄弟の一人という点。

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    2011年12月31日
  • 無宿人別帳

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    ずいぶん昔に読んでいて
    すっかり忘れてしまっていた。

    古本屋さん巡りをしていて
    ふと目にとまった一冊
    久しぶりに読み返したけれども
    やっぱり
    いいですねぇ
    松本清張さん
    年を重ねて再読するに耐える作家のお一人ですね
    「点と線」「零の焦点」では
    全く終わらない作家さんであることを
    改めて思いました

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    2011年11月20日
  • 神々の乱心 下

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    未完と知ってたらたぶん読み始めなかっただろうけど、読んじゃったもんは仕方ない。


    社会派と言われる真骨頂は、トリックとかではなく、動機やその他の歴史的背景が明らかになったときだと思う。


    その深みが作者の死によって中断させられてしまったのは残念というほかない。

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    2011年10月30日
  • 張込み―傑作短編集(五)―

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    ネタバレ

    推理小説と呼ぶには文学的だが文学というにはあんまり面白い。入門演習のテキストとして買ったけれど、ほかの本も読んでみたいと思った!一つ一つ面白いんだがタイトルのつけ方が微妙かな…タイトル聴いて内容がぱっと思い出せるのは「一年半待て」くらい…私の記憶力が悪いだけか知らん…orz

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    2011年10月21日
  • 西郷札―傑作短編集(三)―

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    絶品。名もなき武士の哀しき生き様、それが徳川時代であろうと維新後であっても痛切だ。表題作や「啾々吟」「恋情」などがよい。一人称で描いているところが良い。やはり小説巧者だ。

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    2011年09月26日
  • 証明

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    短篇と言うより中篇集。

    綿密! 繊細! 重厚!

    引き込まれるなぁ。

    淡々としているのに、悲喜こもごもちゃんと伝わってくる。

    さすが☆

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    2011年09月24日
  • 佐渡流人行―傑作短編集(四)―

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    史実に基づく歴史小説と、時代を過去に借り現在を著すそれと混じった短編集。後者のその中で、「左の腕」、「怖妻の棺」は山本周五郎の作風のようでもあり、おもしろかった。11.9.19

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    2011年09月19日
  • 霧の旗

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    ネタバレ

    兄の身の潔白を証明してもらうために、東京で高名な弁護士・大塚鉄三に弁護を依頼した柳田桐子。高額な弁護料を支払えないことを理由に断られ、兄も死刑囚として獄死ししてしまったことから、大塚への復讐を決意する。大塚の社会的地位を陥れるため私生活を暴き、文字通り身を呈して完全に社会から抹殺しようとする桐子の執念はすさまじい。この原作の映画版では、たしか倍賞千恵子さんが主演を演じていたような気がする。原作ではラストに描かれている桐子の体を張った作戦のシーンだけが妙に生々しく記憶に残っている。
    阿刀田氏のあとがきによれば、松本清張は「眼には眼を」(1957年)という名の映画をを思い出の一本にあげており、この

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    2011年09月04日