松本清張のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ戦後の米国占領下時代に起こった実際の事件。
小説の中身の事はほぼ事実であろうし、松本清張は実際に
平沢氏の釈放運動を行っている。
当時の闇の部分が垣間見える事件ではあった。
小説は平沢・検事・弁護士のすべての3方面での主観を
記しているが、どれもが納得いくものであり、どれもが納得
いかない部分もある。
が、個人的な意見として、やはり平沢氏なる画家が、
手早く薬品を、威厳持ちながら堂々と扱えるとも
思えないというのが正直な感想。
あくまで、松本清張氏の小説、及び他から仕入れた資料による、
勝手な想像につきないが。
死刑宣告されながらも、執行されずに、最後は病で亡くなった
平沢氏が本当に無罪 -
Posted by ブクログ
ネタバレ兄の身の潔白を証明してもらうために、東京で高名な弁護士・大塚鉄三に弁護を依頼した柳田桐子。高額な弁護料を支払えないことを理由に断られ、兄も死刑囚として獄死ししてしまったことから、大塚への復讐を決意する。大塚の社会的地位を陥れるため私生活を暴き、文字通り身を呈して完全に社会から抹殺しようとする桐子の執念はすさまじい。この原作の映画版では、たしか倍賞千恵子さんが主演を演じていたような気がする。原作ではラストに描かれている桐子の体を張った作戦のシーンだけが妙に生々しく記憶に残っている。
阿刀田氏のあとがきによれば、松本清張は「眼には眼を」(1957年)という名の映画をを思い出の一本にあげており、この