松本清張のレビュー一覧

  • 西郷札―傑作短編集(三)―

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    江戸時代、幕末・明治初期を舞台にした短編がそれぞれ6編ずつ。いずれも時代の流れに取り残されてしまった者の悲哀が描かれている。本人は懸命なのに、それが受け入れられず、破滅していくさまは悲しみを誘う。フィクションとはいえ、本当にこんな気持ちだったのかも。

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    2012年05月27日
  • 高校殺人事件

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    相変わらずの絶妙なタッチで伏線の回収も見事。最後には不可思議な事象を一本の線で繋いでみせている。ランボーとボードレールの詩を活用することで不気味な雰囲気が醸し出されている。巧妙に仕組みが込められた一作品である。

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    2012年05月19日
  • わるいやつら(下)

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    中盤に差し掛かるあたりで、どんでん返しを見切った。
    …つもりでいたのだが、そこに追い討ちがかかるとは思わなかった。見事。

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    2012年03月16日
  • 高校殺人事件

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    松本清張の中では異類の作品。
    謎解きと締めくくりのオチはかなり雑な感じがしますが、高校コースで約1年半かけて連載しただけあって、途中の過程の面白さがメインだと思います。
    様々な事件と謎を散りばめるところに、中学生や高校生読者のウケを狙った作品だと思います。
    また、事件を解決した主人公の従姉妹の存在をなぜ作る必要があったのかを考えてみるのも良いと思います。
    そこに唯一のオチが隠されているような気がします。
    終始描かれる夏の描写も神秘的です。

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    2012年01月20日
  • 山峡の章

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    ネタバレ

    官僚である夫と妹の時期を同じくした失踪と、その末の心中に疑問を持った妻が事件の真相を調べる物語。結局、ロシア人スパイをアメリカに亡命させる為の口実として、東京におけるスパイの協力者が必要だったため、夫はその協力者としてでっち上げられ殺された。話をよりリアルにする為に、妹と不倫があったように見せかけて、妹と一緒に殺された。実行犯は、夫の上司とも交遊のある人たちだが、バックにはこの上司や日本政府もいる。

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    2012年01月08日
  • 共犯者

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    恐喝者は素晴らしい作品ですね。

    勘違い。
    自ら地獄に落ちる。
    恐喝が恐喝を生む。

    ってとこが実に良い。

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    2012年01月07日
  • 波の塔(上)

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    この作品も何度か映像化されており、最近では、麻生祐未と小泉孝太郎の作品を観たが。かつてNHKで放送された佐久間良子と鹿賀丈史の作品の方がよかった気がする。青年検事と容疑者の妻が運命のいたずらにより愛し合うこととなるものの悲運の展開になるという一種の恋愛ストーリーに、収賄事件という清張得意の社会派色を絡ませているところが面白い。もうひとつ感じたのは、青年検事は局長の令嬢からの求愛を振り切ってでも一途に人妻を求めていること。それほどまでに男女の愛は強くも悲しいものなのか、という点である。

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    2015年11月01日
  • 隠花平原(上)

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    義兄が人違いで殺される話。新興宗教団体が出てきたり、それが銀行と関係したりと、読者を引きつける要素が散りばめられている。落ちは腹違いの兄弟が犯人ということと刑事も腹違いの兄弟の一人という点。

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    2011年12月31日
  • 無宿人別帳

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    ずいぶん昔に読んでいて
    すっかり忘れてしまっていた。

    古本屋さん巡りをしていて
    ふと目にとまった一冊
    久しぶりに読み返したけれども
    やっぱり
    いいですねぇ
    松本清張さん
    年を重ねて再読するに耐える作家のお一人ですね
    「点と線」「零の焦点」では
    全く終わらない作家さんであることを
    改めて思いました

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    2011年11月20日
  • 神々の乱心 下

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    未完と知ってたらたぶん読み始めなかっただろうけど、読んじゃったもんは仕方ない。


    社会派と言われる真骨頂は、トリックとかではなく、動機やその他の歴史的背景が明らかになったときだと思う。


    その深みが作者の死によって中断させられてしまったのは残念というほかない。

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    2011年10月30日
  • 張込み―傑作短編集(五)―

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    ネタバレ

    推理小説と呼ぶには文学的だが文学というにはあんまり面白い。入門演習のテキストとして買ったけれど、ほかの本も読んでみたいと思った!一つ一つ面白いんだがタイトルのつけ方が微妙かな…タイトル聴いて内容がぱっと思い出せるのは「一年半待て」くらい…私の記憶力が悪いだけか知らん…orz

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    2011年10月21日
  • 西郷札―傑作短編集(三)―

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    絶品。名もなき武士の哀しき生き様、それが徳川時代であろうと維新後であっても痛切だ。表題作や「啾々吟」「恋情」などがよい。一人称で描いているところが良い。やはり小説巧者だ。

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    2011年09月26日
  • 証明

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    短篇と言うより中篇集。

    綿密! 繊細! 重厚!

    引き込まれるなぁ。

    淡々としているのに、悲喜こもごもちゃんと伝わってくる。

    さすが☆

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    2011年09月24日
  • 佐渡流人行―傑作短編集(四)―

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    史実に基づく歴史小説と、時代を過去に借り現在を著すそれと混じった短編集。後者のその中で、「左の腕」、「怖妻の棺」は山本周五郎の作風のようでもあり、おもしろかった。11.9.19

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    2011年09月19日
  • 霧の旗

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    ネタバレ

    兄の身の潔白を証明してもらうために、東京で高名な弁護士・大塚鉄三に弁護を依頼した柳田桐子。高額な弁護料を支払えないことを理由に断られ、兄も死刑囚として獄死ししてしまったことから、大塚への復讐を決意する。大塚の社会的地位を陥れるため私生活を暴き、文字通り身を呈して完全に社会から抹殺しようとする桐子の執念はすさまじい。この原作の映画版では、たしか倍賞千恵子さんが主演を演じていたような気がする。原作ではラストに描かれている桐子の体を張った作戦のシーンだけが妙に生々しく記憶に残っている。
    阿刀田氏のあとがきによれば、松本清張は「眼には眼を」(1957年)という名の映画をを思い出の一本にあげており、この

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    2011年09月04日
  • 黒い福音

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     同じ教団に所属する者として戦慄したのは、本作によってではなく、当時の週刊誌のインタビューに載ったある女性作家のコメントである。
     司祭による殺人(容疑)というセンセーショナルな事件に対し、この作家は以下のように述べている。
     「神父様の瞳をご覧になって下さい。澄み切った美しい瞳です。決して人を殺せるような方の目ではありません」

     ベルメルシュ神父(作中ではトルベッキ神父)は2009年時点でカナダの地元の名士として存命中であった。この事件についてはノーコメントを通し、死者への哀悼のことばはなかったと聞く。

     なお本事件に関し、日本のサレジオ会(作中ではバジリオ会)でも真相を曖昧にした当時の

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    2011年08月28日
  • 影の地帯

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    スリリングな展開で一気に読み終えた。ストーリーの展開とともに、旅情溢れる信州の描写が素晴らしく、34年前の野尻湖を思い出した。11.8.21

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    2011年08月21日
  • けものみち(下)

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     病床の夫を殺害し、自由の身となった民子。その後政財界の黒幕・鬼頭の女として生きる。
     一方鬼頭の周囲では不可思議な事件が続く。一人事件の真相を探る刑事・久恒。しかし真相に近づいた時、鬼頭の圧力により警視庁をくびになる。諦めきれない久恒は単独で捜査を行う。しかしついに黒い手がしのびよる・・・
     さらには鬼頭の死により大いに揺れ動く政財界。身の危険を感じた民子は愛する男・小滝のもとへ。しかしそこには驚愕へ結末が・・・
     女の野望と政財界をも巻き込む裏の世界を描いた力作。

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    2011年08月19日
  • 或る「小倉日記」伝―傑作短編集(一)―

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    重苦しい。信念はあるのに人格や運が災いして認められない学者。読者の心を抉る劣等感。少ないページ数で濃密に描かれています。障害や学歴は人生を狂わせ権力や見下げる視点は事実を歪ませる。気に入らない、面倒だと捨てられた側の否応なしの現実が辛いです。

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    2011年08月11日
  • 黒地の絵―傑作短編集(二)―

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    松本清張の短篇集はいろんなテーマの作品があり読む者を楽しませる。タイトル作でもある、「黒地の絵」読んでいて気持ちのよいものではなかった。そしてなんとも言えない人間の悲しさが伝わってきた。戦争のもたらす異常差とはかなさが充分にせまってくるのである。

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    2025年01月16日