松本清張のレビュー一覧

  • わるいやつら(上)

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    主人公の戸谷がどこまでも汚い奴で、イライラするのとは逆に滑稽まである。「女は後先のことを考えずに行動するから嫌だ」と言うわりに、一番目先の始末や欲に踊らされて徐々にコーナーに詰められているのは戸谷本人ってのがおもろいところ。女性たちの描写が細かくて、キスの仕方までわかるから、そこも好きかも。だんだん雲行きが怪しくなってきたから、後半が楽しみ。 ※戸谷信一(プライド高い坊ちゃん気質)、藤島チセ、横武たつ子、寺島トヨ、槇村隆子、下見沢作雄

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    2026年04月18日
  • 砂の器(上)

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    松本清張の名作中の名作

    方言の謎解きや超音波を使ったトリックなど当時は斬新だったであろうと思う。
    当時の社会問題であった癩病にフォーカスを当てたりものすごい意欲的な作家であったことがうかがえる。
    日本ミステリー史においては古典になってしまうのかもしれないが

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    2026年04月15日
  • 点と線

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    社会派サスペンスの始祖とも言える松本清張の初期作品である。

    物語のトリック、時刻表を使った推理等見事に構成されている。
    松本清張に影響された作家が多い為か、もっと物語に肉付けされた作品が多くちと物足りなかったが…

    作風を確立した松本清張に敬意を表したい。

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    2026年04月15日
  • 砂の審廷 ――小説東京裁判

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    大川周明が東京裁判で起こした事件の話は知っていたが、この人自身のことや戦時中の日本の思想にどのような影響力を持っていたのか、その思想が実行に持ち込まれた当時の機構など、ほぼ知らずに本書を読んだので、ちょっとこの本だけでは理解ができず自分には難しかった…アジア主義の主張など現代の自分からしたらあまりに壮大で突飛な発想に思えるが、なぜそういう着想ができたのか、この人をもう少し分かりやすく掘り下げる本があれば読んでみたい。そしてかの有名な印哲出身と知って、色々と得心がいった。

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    2026年04月14日
  • 内海の輪 新装版

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    ネタバレ

    チャチャチャ、チャチャ、チャチャーン♪
    愛憎の末の殺人、まさに「火曜サスペンス劇場」や〜!
    2話とも熟女の肉体に絡め取られ、がんじがらめになってやむなくやってしまったパターン。

    ・内海の輪
    W不倫の成れの果て、女が旅行先で「家に帰りたくない」と言い始め、しかも「お腹に赤ちゃんが‥」と衝撃の告白。宝塚蓬莱峡の崖っぷちに連れて行き、突き落とした。1年以上経って白骨死体として発見された時もバレずに済んだのに、考古学の教授となった宗三は、つい蓬莱峡で見つけたガラス釧(弥生時代の出土品)を同僚に自慢し、そこから足がついてしまった。と、そこまではいいのだが、証言者が1年前に東京で乗ったタクシーの運転手で、その人が田舎の有馬でまた宗三を乗せたことを思い出したっていうのがあまりにも偶然、あまりにも運転手の記憶力が良すぎて嘘くささを感じる。

    ・死んだ馬
    池野典也は年をとってはいるが敏腕建築士。これは利用価値ありと踏んだホステス三沙子は色仕掛けで落とし、まんまと結婚。が、精力的にも技術的にも衰えの見え始めた池野に不安を感じ、その愛弟子秋岡にすり寄り、これまた色仕掛けでそそのかし、池田を殺させる。もともと男性としての魅力がない秋岡とは体の関係を断ち、女性を紹介して結婚させた。秋岡の技術的才能で池田設計事務所は以前にも増して発展する。秋岡としては独立したい。が、三沙子がそれを許さない。そこで秋岡2度目の殺人。‥バカですね〜。何と言われようととりあえず事務所を出ちゃえばよかったのに。なにも殺さなくても‥三沙子も共犯者なんだからね。

    ⭐︎教訓、女の色仕掛けに気をつけよう。

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    2026年04月13日
  • 点と線

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    ネタバレ

    事件の内容も犯人も冒頭からわかっているのに、先が気になってどんどん読み進められるところがすごい。
    そして読者側も警察と一緒に少しずつ真相に向かって謎を解いていけるので、実際に捜査をしている気持ちになれる。

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    2026年04月12日
  • 二重葉脈 新装版

    購入済み

    二重葉脈 新装版

    イコマ電器は粉飾決算を続け倒産した。ワンマン社長の生駒伝治は倒産を見越して、専務の前岡正造と常務の杉村治雄と共謀し、会社資金を横領した。杉村が旅行に行くといったきり行方不明となる。続いて前岡も姿が消える。倒産会社の重役の行方不明は、警視庁捜査一課の神野刑事らの知ることとなる。

    物語の前半では、倒産により被害を受けた下請け業者の神岡や北川や鈴木達の生駒に対する恨みつらみがが語られる。また下村るり子もその一人である。

    中盤で事件はおきる、次々と殺人事件が発生する。神野刑事と塚田刑事が、生駒らが不正に隠した会社資金の分前をめぐる暗躍に迫る。イコマ電器の下請け業者達の事件の関わりも見えてくる

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    2026年04月11日
  • けものみち(下)

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    昭和感満載の松本清張節がしっかり効いている作品で、いわゆる悪女物の作品です。
    成り上がるために、政界のフィクサー的な老人に取り込まれますが、癖が強すぎです。
    性的描写が何回か出てくるのですが、年齢的ギャップを考えると、あまり良いものではないなと思ってしまいました。
    最後は意外とあっけなかったので、もう一捻り欲しかったなといった印象でした。

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    2026年04月08日
  • けものみち(上)

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    昭和感満載の松本清張節がしっかり効いている作品で、いわゆる悪女物の作品です。
    成り上がるために、政界のフィクサー的な老人に取り込まれますが、癖が強すぎです。
    性的描写が何回か出てくるのですが、年齢的ギャップを考えると、あまり良いものではないなと思ってしまいました。
    最後は意外とあっけなかったので、もう一捻り欲しかったなといった印象でした。

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    2026年04月08日
  • 小説帝銀事件 新装版

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     昭和の未解決事件「帝銀事件」。今では、ほとんどの人が犯人とされた平沢貞通は犯人ではないと思っているのかもしれないが、当時は平沢犯人説で決定された。そこに疑問を抱き、一新聞社員の回顧録という形で、事件を綿密に取材し世間に発表したのがこの作品である。
     作者の松本清張が言っているように、警察の見解がマスコミの見解となり、それが世間の見解になるというのは怖いことだが、今でも起こりうることである。

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    2026年04月06日
  • 点と線

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    社会派ミステリーの名作という名に相応しい綿密かつ緻密なミステリーで面白かった。
    現代のミステリー小説のような「派手さ」は無いが、それ故実現可能なように思わせる面白さがあった。
    解決に奔走する刑事も泥臭く足で調査をする姿は現代の探偵役とは一味違った格好良さがあったと思う。

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    2026年03月29日
  • 眼の壁

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    清張作品を初めて読んだ。日経新聞1面の「春秋」欄で本書に触れていて興味を持ったのがきっかけ。ただ、何に興味を持ったのか忘れてしまったのは残念。

    戦後間もない頃が舞台の作品のため、「現代にはそぐわない」表現が多々あるのは致し方ない。やたら煙草を吸うシーンがある、「女の子」という呼び方、そして見ず知らずの他人に個人情報をべらべら喋る人々。特に3番目は現代の人間が読むとかなり違和感があるが、この世界観がないと話は序盤でストップしてしまう。

    この違和感が軸でストーリーが展開される。探偵でも刑事でもない20代の主人公が警察より先回りして事件を調べ上げ、真相に迫る。今はほぼ絶滅した2時間ドラマでお馴染みのプロットだ。トリックを解き明かして最後に謎解きが来るが、やや唐突感が否めない。それでもそこそこ夢中になって読み進めた。これが推理小説の王道というものか。

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    2026年03月25日
  • 西郷札―傑作短編集(三)―

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    人情ものでホロリとさせられたり、読んでいて気持ちが晴れるような話は『くるま宿』等を例外として少なく、どれも暗い結末を辿るのは「或る『小倉日記』伝」収録の短編と似ている。これぞ清張、という感じである。

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    2026年03月14日
  • 風の視線(上)~松本清張プレミアム・ミステリー~

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    松本清張全集未収録作品。波の塔2といったところだが、ストーリー、ディテールに粗が目立つ。
    まったく女を信用していない私はこのハッピーエンドは受け入れがたく、久世には独身で終わって欲しかったw 久世よ、独身はいいぞ。孤独なくして、自由無しだ。再読はないかな。

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    2026年03月03日
  • 点と線

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    ネタバレ

    初の松本清張。なんとなく文が硬そうなイメージがあったのだけれど、読んでみると全くそんなことはなく易しい文章でとてもびっくりした。

    時刻表ミステリの名作と呼ばれるだけあって、北海道から博多まで大移動するストーリーは、三原刑事による容疑者のアリバイ崩しが主軸になっている。
    新幹線では到底間に合わないよな……まさか!飛行機を使ったのか!?のひらめきには思わず笑ったけど、まぁ戦後まもなくの時代だから、空路は当たり前の手段ではなかったのだろうな。
    夫婦による心中偽装というトリックは素直に楽しめた。

    文芸評論家によるあとがきでは、プロットの穴を指摘されててまたちょっと笑った。
    この時代に推理小説書くのって大変そう。
    昨年初めて本格ミステリの校閲したとき、データを何度も何度も参照して整合性を確かめても矜羯羅がってたから余計そう思う。

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    2026年03月01日
  • 強き蟻

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    30歳上の重役に嫁いだ女の金と色の話。不倫は当然の様にしており、困った事があると別の男を利用しようとする強かさ。欲望に直球すぎて却って爽やかなものすらあるが、話が進むにつれて悪辣になっていきピカレスクでないゲスな悪が鼻につく。
    最後の幕引きは松本清張の作品らしい結果だった。

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    2026年02月28日
  • 黒革の手帖(下)

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    小学生の頃、武井咲が主演のドラマが小学生ながら面白いと思った記憶がある。
    流石の松本清張というべきか、時代を感じさせない人の内面を描く描写はどんどん引き込まれた。
    主人公はなんというか、自分の行いの報いが全部来たというべきか、読んでいても流石に安島の件は上手く行きすぎだろうと思ってほしかった。
    でも当時の女性が銀行で働き続けても閉鎖感は残ったんだろうし、元子がどんどん成功していくのは小気味良かったが、最後は肝が冷えた。
    命は無事だと思うけれど、、、

    ドラマはどういうラストだったんだろうか、

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    2026年02月23日
  • 清張が聞く! 一九六八年の松本清張対談

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    先の衆院選で話題となった「中道」を池田大作氏が松本清張氏との対談で語っていると知り、探してみると昨年発刊されたものでした。
    「右とか左とかいうのでなくて、日本の最大多数の人がどうすればほんとうに幸せになるか。あるのはそれだけだ。」

    著名人計11人、遡ること1968年に行われた対談が収められている。他に名前と顔を一致できたのは、美濃部亮吉氏、松下幸之助氏くらい。ただ全ての対談者に共通していたのは、戦争を生き抜いてきたこと。多く語られていない点は、時代性からなのか。

    清張氏は聞き役に徹しており、人となりをさらけ出すまでには至らなかったが、それぞれの「話のあと」には率直な感想、対談者のこれからが書かれており興味深かった。

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    2026年02月23日
  • ゼロの焦点

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    ネタバレ

    感情が無。新婚なのに夫が行方不明、義兄は殺される、良き協力者も殺される、夫に娼婦上がりの女がいた。。。主人公が全ての事実を冷静に受け入れていて違和感がはんぱない。そして主人公が女のカンを元に考えるところはいいと思ったが、探偵としてかなり有能なので、元OL上がりの26歳がなぜこんなに推理できるのか、ここも疑問。基本的に人が推理要素としてしか見られていないような感じがする。感情や人柄、人となりが置き去りになっているように感じた。松本清張は、「電車、空間移動、地理」ネタを常に絡めるので、それが彼の得意ネタなのかと思った。そして主人公が夫に対してどんな感情を抱いていたのかもいまいちよくわからない。推理中に「夫は私のことが好きだったが」みたいな表現がよく出るが、そうかなあ。主人公は何のために1人でこれほど推理したのかも腑に落ちない。夫に対する感情も特に感じられないからだ。ただ『点と線』もそうだったが、清張は読みやすいので軽くサクサク読める。

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    2026年02月18日
  • 点と線

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    ネタバレ

    読みやすくすらすら読めた。時刻表や位置関係を考えるのは少し難しかったが、よく考えたなと思って面白かった。ただ最後の終わり方が早急であっさりしてしまったので、もう少し余韻にひたりたかった。もう少し「この人はどういう感情だったのか」、みたいな部分も知りたかった。 推理小説といっても乱歩とはテイストが違っていて、そういう違いを感じられたのも面白かった。

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    2026年02月18日