松本清張のレビュー一覧

  • 黒革の手帖(上)

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    ベテラン女子行員・原口元子が勤めていた銀行から7500万円を横領した。それを元手に銀座のバアのママとなる。そのバアの常連客であった医者から5000万円を巻き上げる。元子の欲望はまだまだこれから。前編終了。

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    2025年03月12日
  • 草の陰刻 新装版(下)

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    主人公の若手検事、瀬川良一の孤軍奮闘の調査により、真相まであと一歩というところで殺人事件の時効が明日成立してしまうところまで迫ってきます。ネタバレになるので結果は書きませんが、真相に近い大物の代議士は一筋縄ではいかない巨悪の根源のようなヤツです。

    政治家、暴力団(反社)、 建設会社、 警察、 検察‥これらの持ちつ持たれつの関係の中で、悪人ほど高笑いする構造はこの頃も、60年経つ今もあまり変わらないのではないでしょうか。それを感じた作品でした。清張氏はこれらの組織を(今回は検察を)実によく調べて消化していることに恐れ入ります。
    ただ、もっと優れた作品を知っているだけに、今回は遅々として、臨場感

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    2025年02月28日
  • 草の陰刻 新装版(上)

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    松本清張氏の作品を文庫の新刊で読めるのは嬉しいですね。1971年に講談社文庫より刊行された本書を改訂し、文字を大きくした新装版です。清張氏56歳の時の作品で、読売新聞の連載小説でした。

    そのため長編独特の丁寧さがあり、遅々としている印象ですが、清張ならではの風土性や、深層を追う者の心理描写がよく描かれています。


    この小説の中での追う者は、検事の瀬川良一。松山地方検察庁 地方支部の倉庫から出火し、事務官の平田健吉が焼死し、戸棚の中から事件簿の2冊目(昭和25年から26年にかけての部分)だけが紛失しているのに気付きます。そのことに疑問を持った瀬川検事の単独での真相究明が始まります。

    紛失し

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    2025年02月28日
  • ガラスの城 新装版

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     表面上はガラス張りで綺麗な会社だが、中に蠢くのは嫉妬、欲望などなど。そんな会社で次々と起こる不審死、失踪事件。そんな事件を追う2人の女性社員の視点から事件は様々に推察されていく。
     2人の女性の手記、ノートを基に物語が展開されるため、ついついその情報が正しいと思い込んでしまう。そこがこのミステリーの面白いところ。人は見かけによらないし、誰が正しいのかは最後までわからない。
     どんでん返しとは違うが、巧みな構成に引き込まれてしまう。

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    2025年02月16日
  • ゼロの焦点

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    風景の描写がうまいので、読んでいてパッと頭の中で想像がつく場面が多い。戦後の生き方とか、戦争が女性の一生に与えた影響とか、勉強になる部分もあって面白かった。
    個人的には、分かりやすいけれど説明が何度も重複していてちょっとくどい、と思ったので星3つ。

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    2025年02月09日
  • ゼロの焦点

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    ネタバレ

    探偵ではない一般人が推理を進めるという話の流れは少しユニークだった。
    昔の作品であるからなのか現代では考えられない情報のやり取り(見ず知らずの人間に個人情報を渡す)であったり主人公の禎子の価値観(見合い結婚で間もないのに一生懸命尽くした本多より鵜原を好意的に見ている)のせいで変に物語に入り込めなかった。

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    2025年01月26日
  • 草の陰刻 新装版(下)

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    ネタバレ

    子どもの頃、本棚にたくさんあった松本清張の本、何度か手に取ったがかブローカーとか代議士さえ意味がわからず…大人になったらわかるのだろうか…なんて思ったことを思い出した。

    今のテクノロジーとかコンプライアンス的なこととかと照らし合わせてリライトするとしたら、ほとんどのことが残らなくなってしまう…が、小さな伏線回収は見事だし、終わり方の問題提起もさすがだと思う。読み応えは抜群。

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    2025年01月20日
  • 信玄戦旗

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    信玄軍記(河出文庫)と同じもの。
    典厩の戦死、家康の三方原での敗北、信玄の死の描写は素晴らしい。
    武田時代の金山所在図なども詳しい。

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    2025年02月24日
  • 渦

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    面白かったけど、最後がイマイチだったな。あの女の人がなんで数ヶ月前にも目撃されてたんだろ。

    テレビ視聴率の謎から殺人事件に発展していくのは面白かった。あと、昭和ってこういう気持ち悪いナンパがあったんだ…。

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    2025年01月19日
  • 影の地帯

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     さすがに松本清張の小説だけあって、文章が自然ですんなり入っていける。ただし、死体の処理方法は少しいただけない。バラバラに切断した上で、パラフィンで固めて別々の湖に捨てるというのだから、不自然過ぎる。この頃の清張は、一月に900枚もの原稿用紙を書いていたというのだから、少し乱暴なストーリーになってしまう作品もあったということなのだろう。最初に出会う女性とハッピーエンドになるのだが、これも安易だよなぁと思いました。

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    2025年01月17日
  • ゼロの焦点

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    ネタバレ

    時代は感じさせるもののぐいぐい読み進められた。さすが名作。禎子視点で推理が進み、状況証拠?が中心でやや心許ない気はしたが、その当時だと防犯カメラもないだろうし仕方ないかなとも思った。戦後の混乱は想像もつかないが、当時の女性がおかれた状況を思うと胸が苦しい。ラストはとても辛い。能登であることが一層辛さを増す気がする。この暗さは雪国が舞台だからこそかなぁ

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    2025年01月12日
  • 黒革の手帖(下)

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    ネタバレ

    昨年から読んでいたこちらが、今年の一冊目になった。
    実家(北陸)の暗い冬にピッタリすぎる、ゼロの焦点と、この黒革の手帖で年末年始を挟んで、なかなかの濃いお正月となった。

    上巻は、原口元子がこわーい、と思いながら読んだ。
    昨年末によくみかけた銀行の貸金庫丸パクリ事件は、この本の冒頭の顛末さながらである。
    ブイブイ言わせる元子は、さらに上へ上へと挑戦していくのが上巻。
    ところが下巻に入ってから、急に世界はガラリと足元から崩れていく。
    そのおおもとは、上巻の元子の行動に恨みを持つ女たち。
    ひどいしっぺ返しを受け、そのまま終わる…。
    マジか、どこかでさらにやり返せるかと思ってたので、終わりまで見て頭

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    2025年01月17日
  • ゼロの焦点

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    北陸の実家で年越しに読む。
    ちょうどラストは大晦日の話だった。

    暗いし怖いけど、面白い。
    新婚の夫が失踪、その義兄も殺される。
    調べるうちにわかる夫の正体。

    夫が謎の人だとわかる展開が怖い。
    戦後13年はまだこんな社会だったのだなあ。
    この当時の金沢、東京の雰囲気も同じくなんだかこわいんですよ。

    自分(主人公=妻)との結婚が、夫にとっての崩壊の始まりだった、とうすうす気づいてしまうのが、なんとも苦い。はあー。


    そんなわけで、今年の本はこれで終わりです。
    来年もよろしくお願いします。

    これからも、みなさまのもとに本の神様が微笑まれますように。

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    2025年01月12日
  • ゼロの焦点

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    ネタバレ

    この物語が評価されたのは謎そのものではなく、もはや戦後ではないと言われた時代の暗黙の了解を、闇に葬らないように、サスペンス仕立てで書き表したことにあると思う。

    米兵の夜の相手を勤めた女性たちの哀しさ。まとわりつく侮蔑の目。どんなに拭い去りたくて、幸せになりたかったか。
    殺人事件までは起こさなくてもこの思いが分かる人、または身近な人がそうなのではないかと思っている人、他人事ではなく我が事として受け止めていたからこそ多くの人に読まれたんだろう。

    戦後の雰囲気を色濃く反映しているは任侠映画とかなのかなと思うが、そう言う派手なものばかりじゃなくて、沈黙されたものにも目を向けないといけないなと思う。

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    2024年12月30日
  • 黒革の手帖(下)

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    ほー、こういうリベンジで進んでいきますか。エンターテイメントの読み物として面白いと思う。
    古いとかいう評価もちらっと聞いておりましたが、むしろ現在性が際立っている気がする。目下の事件がそれを体現してます、要するにカネにまつわる蠢きは何ら変わることはないという。

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    2024年12月29日
  • 黒革の手帖(上)

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    ★評価は再読後に。
    目下騒ぎの事件みたい、という話を聞いて改めて手に取る。まったく内容覚えていない。。。
    いつものことだからさておき、すらすらと読める。
    そして驚愕するのはおそらく本質的に今の事件は昔とまったく変わらない事態だということ。そこに目を付けた作家、恐るべしではありますが、現実も恐るべし。
    まぁカネ絡みの欲望は古今東西、何ら変わることがないという単純明快なことと言えばそれまでですが。

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    2024年12月24日
  • 小説帝銀事件 新装版

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    戦後の日本を舞台とした凶悪犯罪。読み進めていくうちに明らかに犯人の人物像とは違う人が犯人に仕立て上げられているなと思いながら読んでいたら当時は自白重点主義といい被疑者がやりましたと言えば犯罪立証という今生きている私からすれば恐ろしい時代だったことがわかった。
    それは確かにそれっぽい証拠に主観を立てて問い詰めていけば段々と被疑者もやっていおうがやっていまいが追い詰められていく。犯行につながるものに対する主観はあったが確実に結びつく証拠ではない、でも犯行を自白したらそれで立証される。
    大衆の声も被疑者の考えも刷り込みや決めつけ、大きな力をもつものからの圧力でどうにでもなってしまう。それは時代が変わ

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    2024年12月23日
  • 砂の器(下)

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    良く練られたトリックですが、現実にあり得るのでしょうか…?
    途中途中、話が複雑になってきたかな、と思った辺りで、他の人に説明する形でおさらいしてくれるのは有り難かったです。
    会話や描写に時代を感じますね。

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    2024年12月23日
  • ゼロの焦点

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    ゼロの焦点
    松本 清張 (著)

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    ### あらすじ
    自殺した夫には、妻も知らないもう一つの名があった──。
    『点と線』と並び称される松本清張初期の代表作。
    広告代理店に勤める鵜原憲一と結婚した禎子は、新婚旅行から帰って間もなく金沢に旅立った夫が戻らないことを不審に思い、自ら金沢へ向かう。そこで彼女は、夫の隠された過去と戦後の混乱が招いた悲劇に直面する。北陸の灰色の空の下で繰り広げられる心理描写と緊迫感あふれる展開が、読み手に深い余韻を残す。

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    ### 感想
    松本清張さんの作品を初めて手に取りました。名前や代表作については以前から知っていましたが、原作を読

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    2024年12月21日
  • ゼロの焦点

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    ネタバレ

    一気に読めてしまう没入感はあれど、読破の爽快感があまりなく肩透かしをくらった。
    誰しも秘密にしたい事はあれど、最初から隠さず向き合っていたら誰も死なずに済んだのにとか思ってしまう。
    特に本多の死がよくわからん。
    こんな人もいるよねーってくらいで、好みではなかった。
    でも途中でやめずに読める。
    不思議。
    だから星3つ。

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    2024年12月18日