松本清張のレビュー一覧

  • 葦の浮船 新装版

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    物語よりも、場面場面に清張のエロさが沸き立ってくる。そのエロさは、明らかにかつてモテなかった男の描く陰湿なエロさで、カラッとしたものがない。大変扇情的。

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    2025年06月26日
  • 死の枝

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    1.交通事故死亡1名
    2.偽狂人の犯罪
    3.家紋
    4.史疑
    5.年下の男
    6.古本
    7.ペルシアの測天儀
    8.不法建築
    9.入江の記憶
    10.不在宴会
    11.土偶
    短編集。どれも完全犯罪にならず破綻が生じて犯行が暴露する。続きが気になるのはいつもの松本清張の作風といったところか。1と5と7と11は中でも読みやすくおもしろかった。

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    2025年06月24日
  • 黒い樹海 新装版

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    最初と途中で色々考察しながら読んでましたが、結末は全然違いました笑

    犯人は最後まで分かりませんでしたが、松本清張のミステリーは最後まで犯人が分からないところが面白いです!

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    2025年06月16日
  • 天才画の女

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    確かに怪しい存在の画家だが、そこまで調べるかなと思うほどすごく捜査していた。松本清張なのでいつ人殺し起きるかなと思っていたが芸術にフォーカスした作品であり、同業者たちとのやり取りが非常に面白い。

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    2025年05月30日
  • 黒革の手帖(下)

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    ネタバレ

    上巻の元子は応援したくなり、やるねえ〜と思いながら読んだ。頭の切れる人はかっこいい。構成が良いのでサクサク読んだ。
    だが、下巻の元子はどうにも好きになれなかった。安島のくだりでは、今まで数字を見つめてきた人間が、そんな急に熱心になるものか?と思い、「敏腕であっても所詮は女だ」とでも言わんばかりの描き様に、興ざめした。女性の描き方が時代ならではで、今の感覚で読むものではないということだろう。
    最後のどんでん返しでは元子は裏切りに裏切られ、寒気がした。そんな、ここまでしなくても、いいじゃないですか?妊娠・流産に関しては、「成り上がった女の転落」を描きたいばかりのように思ってしまった。後味があまりに

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    2025年05月29日
  • 小説帝銀事件 新装版

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    去年、死刑囚として47年もの間拘束されていた袴田さんの無実が確定し、釈放された。袴田さんはもはや、自分が釈放されたことがわかっているのかも疑問なぐらい精神をきたしてしまっている。。人生の大半を牢の中で過ごさせてしまった罪の大きさは計り知れない。

    帝銀事件もまた然り。戦後間もない昭和23年、帝国銀行椎名町支店で青酸カリによる大量殺人が発生した。行動のスムーズさから判断するに、犯人は冷静沈着、慎重な性格で、かなり医療に精通した人間と推察される。そしてまた大量の死を目の当たりにしても動じないところを見ると残忍酷薄で精神力の強い人物である。そこで警察は軍関係、特に七三一部隊を含む科学研究所に焦点を

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    2025年05月27日
  • 十万分の一の偶然

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    ネタバレ

    普通に面白いけど、蛇そんなに怖かったの?!ってちょっとズッコケた。
    まあ苦手って描写はあったけどね。
    松本清張を初めて読んだのが中学生の頃で当時はとても難しいと思ったけど、今こうして読むとまどろっこしいほど丁寧な説明が繰り返され、娯楽性が強いと改めて感じた。歳を経て、自分の成長を知る清張。
    サスペンスドラマを観ているように読めるので、もっと気楽に他の作品も読みたいと思った。

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    2025年05月23日
  • Dの複合

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    ネタバレ

    羽衣伝説や浦島伝説を追って各地を飛び回るのだが、その動きがあまりに不自然で、意図的なものがあることは明白。もったいぶられた挙句、最もわかりやすい結論。
    緯度と経度に並ぶ土地を繋げるという発想から、やや無理目のミステリーとなっている。

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    2025年05月17日
  • 蒼ざめた礼服

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    一介の勤め人がちょっとしたことをきっかけに謎解きに進んでいく。筋立ても面白いのだけど、昭和20年代半ばの設定(書かれたのは昭和30年代)が興味深かった。「明日辞めます」と言って会社を辞められたり(それなりにちゃんとした企業の正社員っぽいのに)、待ち合わせで会えなかったり、急ぎの内容を速達でやり取りしたり(多分電話の普及率のせい)、雑誌や本に著者の住所が記載されていたり…。あっという間に世の中は変わるんだなあ。

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    2025年05月08日
  • 黒革の手帖(下)

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    『紙の月』に続いて女性行員横領もの。超有名な作品ですが、ちゃんと読むのは初めて。

    1980年の作品で、土地転がし、脱税、不正入学など、バブル前の欲望渦巻く雰囲気がよく出ています。何度もドラマ化されていて、その度に現代風にアレンジされているのだと思いますが、基本的にはこの時代背景があってこそ成り立つ物語だなと思います。

    銀行から横領した金で銀座のママに転身したところから物語が始まるので、残念ながら思っていたほど横領の話は出てこなかった。この頃は架空口座や無記名口座が法律で禁止されてなかったことにまず驚きます。

    「優生保護法」とかもさらっとでてくるんですが、これが1996年まで存在して

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    2025年05月06日
  • 蒼い描点

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    松本清張なのに、期待したほどおもしろくなかったー!!
    そもそも600ページ超も必要ないよね。
    前半特に冗長気味で、似たような説明の繰り返しがしんどい。
    出版かなにかの都合で、無理矢理長くしなければならなかったのかと考えてしまったほど。

    それに登場人物の誰にも感情移入ができなかったな。
    崎野も一人コソコソやっていて気分悪いわーと思うけど、典子もなんだかんだ言いつつ許しちゃってるところがイライラする。

    女流作家、代作とテーマもおもしろくて、清張なのにこんなこともあるのね。

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    2025年04月29日
  • 黒革の手帖(下)

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    さすがでした。
    女の事件簿が、ちゃんとサスペンスになりました。
    あざやかな伏線回収でスッキリというより、ちょっと寒気がしたら止まらなくなっちゃったという感じでした。

    今も夜の銀座はこんななんだろうか?
    松本清張先生は銀座に足を運んでいたのだろうか。

    「錯誤による抹消」
    土地取引においてこんなことがまかりとおるなんて。法を犯すことなく。いわゆる法の抜け道なんですかね。

    振り返ると、登場人物全員悪い奴ばかり。

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    2025年04月12日
  • 絢爛たる流離

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    3カラットのダイヤの指輪を持った人の
    お話ですが、それがいろいろな人にわたっていく
    12の連作短編集でそれぞれに事件が起こる
    いろんな人たちがいてそれぞれにまたいろいろな
    ことが起こっていました
    ダイヤの指輪は何を思っただろうか

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    2025年04月10日
  • 黒革の手帖(上)

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    まだ誰も死んでないぞ。
    サスペンスというより、昭和の女の事件簿、的な展開です。

    バーではなくバアという表記が時代を感じさせます。

    黒革の手帖がまた活躍しちゃうのかしら。下巻の盛り上がりを期待します。

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    2025年04月06日
  • なぜ「星図」が開いていたか―初期ミステリ傑作集―(新潮文庫)

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    清張の初期の短編作品を8編集めたもの。
    過去に読んだ作品やテレビドラマや映画になり、なじみのある作品も幾つか収録されている。「市長死す」や「張込み」は、その最たるもの。
    いずれも、今となっては、レトロ感が溢れているが、「声」は電話交換手ならではの発達した聴覚が取り上げられ、なかなかレアなネタで新鮮さを覚えた。
    また、映画の世界に抜擢された劇団男優が顔を群衆に曝すことで“過去”の暴露に怯えるという皮肉な展開を描いた「顔」も面白いストーリーだった。
    犯人に対し、過誤をしゃべらせる「ミュンスターバーグの方法」を使って追い込んでいく「反射」も興味深く、共犯者の自供からの破綻を怖れるあまり、ある男に調査

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    2025年03月31日
  • 任務 松本清張未刊行短篇集

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    ・多彩な短編。戦後(戦中)の色が濃い。
    ・松本清張が新聞社勤めであったことは知っていたが、社会問題を扱う作品達やはっきりとした文章のキレから記者出身だろうと思い込んでいたので、下積みの長い印刷技術者で、広告部に所属と知って驚いた。
    ・半生を振り返って書くのが本や執筆への思いよりも家族を食わせなくてはならない焦りと学や社交力の無い自分への内省なのが意外。

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    2025年03月15日
  • 黒革の手帖(上)

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    ベテラン女子行員・原口元子が勤めていた銀行から7500万円を横領した。それを元手に銀座のバアのママとなる。そのバアの常連客であった医者から5000万円を巻き上げる。元子の欲望はまだまだこれから。前編終了。

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    2025年03月12日
  • 草の陰刻 新装版(下)

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    主人公の若手検事、瀬川良一の孤軍奮闘の調査により、真相まであと一歩というところで殺人事件の時効が明日成立してしまうところまで迫ってきます。ネタバレになるので結果は書きませんが、真相に近い大物の代議士は一筋縄ではいかない巨悪の根源のようなヤツです。

    政治家、暴力団(反社)、 建設会社、 警察、 検察‥これらの持ちつ持たれつの関係の中で、悪人ほど高笑いする構造はこの頃も、60年経つ今もあまり変わらないのではないでしょうか。それを感じた作品でした。清張氏はこれらの組織を(今回は検察を)実によく調べて消化していることに恐れ入ります。
    ただ、もっと優れた作品を知っているだけに、今回は遅々として、臨場感

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    2025年02月28日
  • 草の陰刻 新装版(上)

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    松本清張氏の作品を文庫の新刊で読めるのは嬉しいですね。1971年に講談社文庫より刊行された本書を改訂し、文字を大きくした新装版です。清張氏56歳の時の作品で、読売新聞の連載小説でした。

    そのため長編独特の丁寧さがあり、遅々としている印象ですが、清張ならではの風土性や、深層を追う者の心理描写がよく描かれています。


    この小説の中での追う者は、検事の瀬川良一。松山地方検察庁 地方支部の倉庫から出火し、事務官の平田健吉が焼死し、戸棚の中から事件簿の2冊目(昭和25年から26年にかけての部分)だけが紛失しているのに気付きます。そのことに疑問を持った瀬川検事の単独での真相究明が始まります。

    紛失し

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    2025年02月28日
  • ガラスの城 新装版

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     表面上はガラス張りで綺麗な会社だが、中に蠢くのは嫉妬、欲望などなど。そんな会社で次々と起こる不審死、失踪事件。そんな事件を追う2人の女性社員の視点から事件は様々に推察されていく。
     2人の女性の手記、ノートを基に物語が展開されるため、ついついその情報が正しいと思い込んでしまう。そこがこのミステリーの面白いところ。人は見かけによらないし、誰が正しいのかは最後までわからない。
     どんでん返しとは違うが、巧みな構成に引き込まれてしまう。

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    2025年02月16日