松本清張のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
「松本清張」の長篇サスペンス作品『強き蟻』を読みました。
『宮部みゆき責任編集 松本清張傑作短篇コレクション〈上〉』、『宮部みゆき責任編集 松本清張傑作短篇コレクション〈中〉』、『宮部みゆき責任編集 松本清張傑作短篇コレクション〈下〉』、『眼の壁』、『時間の習俗』、『霧の旗』に続き「松本清張」作品です。
-----story-------------
欲望が犯罪を生み出す!
夫の遺産を狙う「伊佐子」のまわりには、欲望にとりつかれ蟻のようにうごめきまわる人々。
男女入り乱れ愛欲が犯罪を生み出す異色の長篇!
遺産目当てに三十歳も年上の会社重役と結婚した「沢田伊佐子」。
女盛りの肉体を武器に -
Posted by ブクログ
1957(昭和32)年から1962(昭和37)年、次々と傑作を大量に発表し、清張ブームを巻き起こした脂ののった時期の短編集。調べてみると、ちゃんと発表年代順に作品が並んでいることがわかった。
おおむねミステリ/推理小説の系列の作品が多いようだが、清張の場合は犯人の欲望を描き、倒叙の形で構成された方が彼らしくて面白い。なので、本格推理小説というのとはちょっと違う。興味は卓抜な探偵にあるのではなく、一線を超え犯罪を企むことになった犯人の欲動のあり方にある。そしてそれが、清張らしく一切同情心のない、ドライでクールなストーリーテリングとなっている。やはり読んでいてそれが清張の醍醐味であり、面白い。 -
Posted by ブクログ
八月四日 清張忌から読み始めたのですが、しっくりこなくて、お時間かかりました。きちんと、推理小説です。一捻りある構成だと思います。
九州唐津で、旅館の女中をしていた一人の女性が、博多へ行くと言って、誰にも知られず姿を消す。
四国で、小金を貸していた未亡人の殺人事件が起こる。この二つの事件そのものは、関係ないもの。それが、ある「同人雑誌」に投稿された小説の一部が、事件の場面を渡していく。
どちらの事件も、この小説のある場面から解決を見ていくのですが、偶然の繋がりが疑問を持たせていく。うーむ。なんだか、私が説明すると面白くなさそうになる…
ネタバレになるけど(ネタバレても、これだけ古いと読まないか -
Posted by ブクログ
指:以前、TVで見た事があるような気がする。ちょっと出来すぎの感じがあるがストーリーとしては面白い。
水の肌:ミノルタ光学?諏訪湖?鉄道は出てこない。超エリートの優越感を維持する為の悲しい性か、こうはなりたくないものだ。
小説3億円事件 まあまあかな~、独自の推察は面白い。
疑視:てっきり犯人は主人と思ったが違っていた。
あとがき:人間の心理にひそむ弱点が、その環境とからみあう事によって、犯罪をも公正し、それらの人間の破滅にも通じる事を示している。前半生の苦労の多い生活をとおして、人間心理の諸側面を知り、身の安全を守ろうとするために、悪の道にふみみこむ男女や、運命のうけとめかたを誤って、自分の -
Posted by ブクログ
「松本清張」の短篇集『憎悪の依頼』を読みました。
『聞かなかった場所』、『或る「小倉日記」伝 傑作短編集〔一〕』、『張込み 傑作短編集〔五〕』、『黒い画集』、『眼の気流』、『巨人の磯』に続き「松本清張」作品ですね。
-----story-------------
犯罪者のいびつな心理!
嫉妬に火をつけた一通の手紙。
男は恐ろしい報復を企てた――。
私の殺人犯罪の原因は、「川倉甚太郎」との金銭貸借ということになっている。
――金銭のもつれから友人を殺害した男が刑の確定後に、秘められた動機を語る表題作。
女性が失踪し、カメラだけが北海道でみつかった。
死体は発見されず、容疑者の新進画家には堅 -
Posted by ブクログ
「松本清張」の長篇歴史ミステリー作品で最後の小説となった『神々の乱心』を読みました。
『失踪 ―松本清張初文庫化作品集〈1〉』、『月光 ―松本清張初文庫化作品集〈4〉』、『十万分の一の偶然』に続き「松本清張」作品です。
-----story-------------
〈上〉
昭和8年。
東京近郊の梅広町にある「月辰会研究所」から出てきたところを尋問された若い女官が自殺した。
特高課第一係長「吉屋謙介」は、自責の念と不審から調査を開始する。
同じころ、華族の次男坊「萩園泰之」は女官の兄から、遺品の通行証を見せられ、月に北斗七星の紋章の謎に挑む。
―昭和初期を雄渾に描く巨匠最後の小説。
〈下 -
Posted by ブクログ
「松本清張」の長篇歴史ミステリー作品で最後の小説となった『神々の乱心』を読みました。
『失踪 ―松本清張初文庫化作品集〈1〉』、『月光 ―松本清張初文庫化作品集〈4〉』、『十万分の一の偶然』に続き「松本清張」作品です。
-----story-------------
〈上〉
昭和8年。
東京近郊の梅広町にある「月辰会研究所」から出てきたところを尋問された若い女官が自殺した。
特高課第一係長「吉屋謙介」は、自責の念と不審から調査を開始する。
同じころ、華族の次男坊「萩園泰之」は女官の兄から、遺品の通行証を見せられ、月に北斗七星の紋章の謎に挑む。
―昭和初期を雄渾に描く巨匠最後の小説。
〈下 -
Posted by ブクログ
ネタバレ※犯人ネタバレ
タイトルセンスに脱帽
浜中くんの壮大で回りくどい復讐計画。
みんなグルだったから、関係者がすぐに捜査線上に浮上したんだな。
最初の白骨死体がただの話題作りだったのは驚き。
浦島伝説や羽衣伝説が、淹留説に基づいたもので、それが網走で無実の罪で投獄されたことを指すってのは、ちょっと迂遠すぎる。そりゃ社長も気づかないよ。
関係のない第三者の坂口みま子が殺されて、浜中くんは本当の意味で後戻りできなくなったんだな。
武田編集長がかわいそうすぎる!!過去の因縁も知らなかったわけだから
ニセ?藤田くんはとてもよかったな。ノリで転職したり墓を暴いたり白骨埋めるの手伝ってくれたり、飄々として