松本清張のレビュー一覧

  • 影の地帯

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     さすがに松本清張の小説だけあって、文章が自然ですんなり入っていける。ただし、死体の処理方法は少しいただけない。バラバラに切断した上で、パラフィンで固めて別々の湖に捨てるというのだから、不自然過ぎる。この頃の清張は、一月に900枚もの原稿用紙を書いていたというのだから、少し乱暴なストーリーになってしまう作品もあったということなのだろう。最初に出会う女性とハッピーエンドになるのだが、これも安易だよなぁと思いました。

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    2025年01月17日
  • ゼロの焦点

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    ネタバレ

    時代は感じさせるもののぐいぐい読み進められた。さすが名作。禎子視点で推理が進み、状況証拠?が中心でやや心許ない気はしたが、その当時だと防犯カメラもないだろうし仕方ないかなとも思った。戦後の混乱は想像もつかないが、当時の女性がおかれた状況を思うと胸が苦しい。ラストはとても辛い。能登であることが一層辛さを増す気がする。この暗さは雪国が舞台だからこそかなぁ

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    2025年01月12日
  • 黒革の手帖(下)

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    ネタバレ

    昨年から読んでいたこちらが、今年の一冊目になった。
    実家(北陸)の暗い冬にピッタリすぎる、ゼロの焦点と、この黒革の手帖で年末年始を挟んで、なかなかの濃いお正月となった。

    上巻は、原口元子がこわーい、と思いながら読んだ。
    昨年末によくみかけた銀行の貸金庫丸パクリ事件は、この本の冒頭の顛末さながらである。
    ブイブイ言わせる元子は、さらに上へ上へと挑戦していくのが上巻。
    ところが下巻に入ってから、急に世界はガラリと足元から崩れていく。
    そのおおもとは、上巻の元子の行動に恨みを持つ女たち。
    ひどいしっぺ返しを受け、そのまま終わる…。
    マジか、どこかでさらにやり返せるかと思ってたので、終わりまで見て頭

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    2025年01月17日
  • 黒革の手帖(上)

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    ネタバレ

    ちょっと昔の小説かな。
    ホステスの主人公が悪事を働いて、爽快さがある小説かと思ったら違った。
    人間味があるというか、人生うまくいかないもんだな。
    悪いことはするもんじゃないなと思った

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    2025年01月04日
  • ゼロの焦点

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    北陸の実家で年越しに読む。
    ちょうどラストは大晦日の話だった。

    暗いし怖いけど、面白い。
    新婚の夫が失踪、その義兄も殺される。
    調べるうちにわかる夫の正体。

    夫が謎の人だとわかる展開が怖い。
    戦後13年はまだこんな社会だったのだなあ。
    この当時の金沢、東京の雰囲気も同じくなんだかこわいんですよ。

    自分(主人公=妻)との結婚が、夫にとっての崩壊の始まりだった、とうすうす気づいてしまうのが、なんとも苦い。はあー。


    そんなわけで、今年の本はこれで終わりです。
    来年もよろしくお願いします。

    これからも、みなさまのもとに本の神様が微笑まれますように。

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    2025年01月12日
  • ゼロの焦点

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    ネタバレ

    この物語が評価されたのは謎そのものではなく、もはや戦後ではないと言われた時代の暗黙の了解を、闇に葬らないように、サスペンス仕立てで書き表したことにあると思う。

    米兵の夜の相手を勤めた女性たちの哀しさ。まとわりつく侮蔑の目。どんなに拭い去りたくて、幸せになりたかったか。
    殺人事件までは起こさなくてもこの思いが分かる人、または身近な人がそうなのではないかと思っている人、他人事ではなく我が事として受け止めていたからこそ多くの人に読まれたんだろう。

    戦後の雰囲気を色濃く反映しているは任侠映画とかなのかなと思うが、そう言う派手なものばかりじゃなくて、沈黙されたものにも目を向けないといけないなと思う。

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    2024年12月30日
  • 黒革の手帖(下)

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    ほー、こういうリベンジで進んでいきますか。エンターテイメントの読み物として面白いと思う。
    古いとかいう評価もちらっと聞いておりましたが、むしろ現在性が際立っている気がする。目下の事件がそれを体現してます、要するにカネにまつわる蠢きは何ら変わることはないという。

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    2024年12月29日
  • 黒革の手帖(上)

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    ★評価は再読後に。
    目下騒ぎの事件みたい、という話を聞いて改めて手に取る。まったく内容覚えていない。。。
    いつものことだからさておき、すらすらと読める。
    そして驚愕するのはおそらく本質的に今の事件は昔とまったく変わらない事態だということ。そこに目を付けた作家、恐るべしではありますが、現実も恐るべし。
    まぁカネ絡みの欲望は古今東西、何ら変わることがないという単純明快なことと言えばそれまでですが。

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    2024年12月24日
  • 小説帝銀事件 新装版

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    戦後の日本を舞台とした凶悪犯罪。読み進めていくうちに明らかに犯人の人物像とは違う人が犯人に仕立て上げられているなと思いながら読んでいたら当時は自白重点主義といい被疑者がやりましたと言えば犯罪立証という今生きている私からすれば恐ろしい時代だったことがわかった。
    それは確かにそれっぽい証拠に主観を立てて問い詰めていけば段々と被疑者もやっていおうがやっていまいが追い詰められていく。犯行につながるものに対する主観はあったが確実に結びつく証拠ではない、でも犯行を自白したらそれで立証される。
    大衆の声も被疑者の考えも刷り込みや決めつけ、大きな力をもつものからの圧力でどうにでもなってしまう。それは時代が変わ

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    2024年12月23日
  • 砂の器(下)

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    良く練られたトリックですが、現実にあり得るのでしょうか…?
    途中途中、話が複雑になってきたかな、と思った辺りで、他の人に説明する形でおさらいしてくれるのは有り難かったです。
    会話や描写に時代を感じますね。

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    2024年12月23日
  • ゼロの焦点

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    ゼロの焦点
    松本 清張 (著)

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    ### あらすじ
    自殺した夫には、妻も知らないもう一つの名があった──。
    『点と線』と並び称される松本清張初期の代表作。
    広告代理店に勤める鵜原憲一と結婚した禎子は、新婚旅行から帰って間もなく金沢に旅立った夫が戻らないことを不審に思い、自ら金沢へ向かう。そこで彼女は、夫の隠された過去と戦後の混乱が招いた悲劇に直面する。北陸の灰色の空の下で繰り広げられる心理描写と緊迫感あふれる展開が、読み手に深い余韻を残す。

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    ### 感想
    松本清張さんの作品を初めて手に取りました。名前や代表作については以前から知っていましたが、原作を読

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    2024年12月21日
  • ゼロの焦点

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    ネタバレ

    一気に読めてしまう没入感はあれど、読破の爽快感があまりなく肩透かしをくらった。
    誰しも秘密にしたい事はあれど、最初から隠さず向き合っていたら誰も死なずに済んだのにとか思ってしまう。
    特に本多の死がよくわからん。
    こんな人もいるよねーってくらいで、好みではなかった。
    でも途中でやめずに読める。
    不思議。
    だから星3つ。

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    2024年12月18日
  • ゼロの焦点

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    Audibleにて。
    初読み松本清張。

    交際期間ゼロ、お見合い結婚後すぐに夫が失踪してしまう。
    実質数日間しか一緒にいない、まだよく素性も知らない夫のために妻はよくここまでやるなぁと思ってしまい、登場人物の誰にも感情移入できず。

    昔の火曜サスペンスドラマを観ているような感じだった。断崖絶壁も出てくるし。
    面白かったけど残念ながら自分の好きなタイプではなかった。

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    2024年12月16日
  • なぜ「星図」が開いていたか―初期ミステリ傑作集―(新潮文庫)

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    初期のキレッキレ時代の松本清張短編集。表題作を含め8編収録。短編ミステリーの契機となった張込みなど社会の問題や何故?が渦巻く昭和の世界観にどっぷり浸かる。やはり清張作品はホワイダニットがテーマになってくる作品が多く、その中でも何故か予定を変更して東北の地で変死を遂げた市長の死の真相を追う「市長死す」は面白かった。意外性に富み見せ方が素晴らしい。不思議な読み口が広がる「顔」や「共犯者」もよかった。

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    2024年12月03日
  • 黒革の手帖(下)

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    元子のような生き方が最後まで上手くいくはずがないので後半の展開、特に首謀者はなぜ気がつかないのか不思議なくらい予想通りでした。
    ただ、最後の最後でもう一発ちょっとしたどんでん返しがあるだろうと期待していたのですが、別の意味でのサプライズできれいに幕を閉じました。
    ともあれ、昭和の空気をたっぷり感じることができて良かったです。

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    2024年11月23日
  • 天才画の女

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    新人の天才画家の絵のルーツをめぐるお話。話の進み方はスラスラと読め、展開も掴みやすい。特に最後の展開は今まで散りばめていた伏線や疑問を一つの道にしており、読後感もよかった。ただ自分自身に絵の知識がないため、美術のワードが難しくて、そこは読むのに苦労した。

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    2024年11月17日
  • 葦の浮船 新装版

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    ネタバレ

    小関は良い奴。
    折戸は、いるよねこういう奴でも因果応報喰らってほしかったなぁ…!!

    近村達子は正しい意味で賢い女性だったが、笠原幸子は恋が絡むと盲目になる性質だった。「分かってはいるけど嫌いになれない」みたいなね。もっとちゃんと旦那さん相手に真摯に向き合えば宜しかったのだ。

    今の時代ならSNSやらなにやらで大炎上して折戸も教授から降りることになっただろうが、当時はうまくもみ消すことができたんだろう。
    とはいえ、今も大学のアカデミアにはこの頃のニオイが残っているよなぁ。

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    2024年11月15日
  • 軍師の境遇 新装版

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    NHK大河「軍師官兵衛」そのまんま。いやもう、カッコ良すぎる黒田官兵衛。秀吉も嫉妬するほどの才知、先を読む洞察力、判断力。秀吉の猜疑を感じて早々に出家し、黒田如水と改名したぐらいだ。それほどの頭と男気がありながら、自分を死ぬ寸前まで追いやった憎むべき城主を許し、最期まで家老と城主という立場を守り続けたこの忠誠心。しびれるな〜。蹴られても殴られてもご主人様を慕う忠犬のようだ。このダメダメ城主は御着の小寺政職(まさもと)、大河では鶴太郎が演じた。申し訳ないけどこのダメ城主と赤っ鼻の鶴ちゃんが重なってしまう。小寺のために息子を人質に差し出し、小寺のせいで何年もの間土牢で過ごし「ちんば」になってしまっ

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    2024年10月27日
  • 黒地の絵―傑作短編集(二)―

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    恥ずかしながら初清張。
    社会派で、巨悪を糾弾する!みたいなイメージを勝手に持っていたけど、なかなかどうして愛憎ドロドロ。
    登場人物の情の深さ以外は、時代を感じさせない文章と展開で引き込まれる。
    普通の人の普通の日常に潜む深い落とし穴、怖いね。

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    2024年10月24日
  • 遠い接近

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    遠い接近

    時代背景は戦時中から終戦直後。山尾信治は予期せず赤紙召集となる。前半は所属連隊での苦渋に満ちた日々、いつ南方戦線へ送られるのか不安な日々を過ごす様子が綴られる。本来、赤紙対象でないはずの自分へ、赤紙がきた。そこには作為があった、ある人物が浮かび上がった。

    無事生きて終戦を迎えるが、家族は疎開先の広島で原爆にあい全員が亡くなった。赤紙を作為したその人物へついに接する、「遠い接近」であった。信治の復讐が始まる、完全犯罪を成し遂げたと思えたが、、、

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    2024年08月28日