あらすじ
ラブホテルで盗聴したテープを心ときめかせて聞いた雑誌編集者の宮脇平助は、それが死の演奏への序曲だと知った。そして映画監督の久間隆一郎とともに、事件を追及しはじめる。柏崎、甲府、東海道、尾鷲、九州……謎解きの旅から、次第に選挙違反の黒いネットワークと殺人事件との結びつきが浮かび上がる傑作推理長篇。巻末に、独自の視点で清張作品を読み解いた、みうらじゅん氏による「解説 清張地獄」を収録。
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Posted by ブクログ
ラブホテルでの盗聴テープに録音された殺人計画の声。
その内容だけで、調査に乗り出す主人公。
個人情報に厳しい現代ではまず実践できない個人調査ですし新宿から電車で10分走ると、田園風景が広がるあたり時代を感じますが終盤の発見で「あぁっ!」となりました。
面白かったけれど謎の協力者・葉山の存在が中途半端と言えば、中途半端かな。
Posted by ブクログ
今でいうところのラブホテルでの秘め事、それも男同士のものを録音したつもりが、秘め事は秘め事でも殺人計画らしき会話が録音されていたことから、ストーリーは展開する。柏崎、出雲崎での身元不明の女性の水死体、教会から信者に配られた私鉄乗車回数券、まさに上り調子の国会議員の大臣就任と選挙違反の発覚、その選挙運動に駆り出されていた地元政治家や区会議員。雑誌記者、映画監督、そして旅先で出会い捜査に加わる不思議かつ怪しい青年。
長編小説で、最初の出だしは快調なペースで読めるが、しかしなかなかストーリーは単調で変化なし。後半で一気に解明への手掛かりが掴めて解決に向かっていく。その途中の遅々として展開しないストーリーに耐えられるか?